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公開番号
2025148883
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-08
出願番号
2024049220
出願日
2024-03-26
発明の名称
TPH1遺伝子発現抑制用組成物
出願人
雪印メグミルク株式会社
代理人
弁理士法人 もえぎ特許事務所
主分類
C12N
1/20 20060101AFI20251001BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】新規な過敏性腸症候群改善用組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】リューコノストック(Leuconostoc)属およびワイセラ(Weissella)属に属する菌から選択される1つ以上の菌の菌体、当該菌体培養物、当該菌体処理物並びに当該菌体培養上清からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とするTPH1遺伝子発現抑制用組成物を提供する。また、前記TPH1遺伝子発現抑制用組成物を含む過敏性腸症候群改善剤用組成物に関する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
リューコノストック(Leuconostoc)属およびワイセラ(Weissella)属に属する菌から選択される1つ以上の菌の菌体、当該菌体培養物、当該菌体処理物並びに当該菌体培養上清からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とするTPH1遺伝子発現抑制用組成物。
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【請求項2】
リューコノストック(Leuconostoc)属およびワイセラ(Weissella)属に属する菌が、リューコノストック メセンテロイデス サブスピーシーズ クレモリス(Leuconostoc mesenteroides subsp.cremoris)、リューコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、リューコノストック メセンテロイデス サブスピーシーズ メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides)、リューコノストック シトレウム(Leuconostoc citreum)及びワイセラ パラメセンテロイデス(Weissella paramesenteroides)からなる群から選択される1つ以上である請求項1に記載のTPH1遺伝子発現抑制用組成物。
【請求項3】
リューコノストック(Leuconostoc)属に属する菌が、リューコノストック メセンテロイデス サブスピーシーズ クレモリス(Leuconostoc mesenteroides subsp.cremoris)SBT1395(NITE P-02809)、リューコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)SBT0226(NITE P-04093)及びリューコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides) SBT10009(NITE P-04094)からなる群から選択される1つ以上である請求項2に記載のTPH1遺伝子発現抑制用組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のTPH1遺伝子発現抑制用組成物を含む、TPH1遺伝子発現抑制用食品組成物、TPH1遺伝子発現抑制用医薬組成物、又はTPH1遺伝子発現抑制用飼料組成物。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載のTPH1遺伝子発現抑制用組成物を含む過敏性腸症候群改善用組成物。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載のTPH1遺伝子発現抑制用組成物を含む過敏性腸症候群改善用食品組成物、過敏性腸症候群改善用医薬組成物、又は過敏性腸症候群改善用飼料組成物。
【請求項7】
新規乳酸菌リューコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)SBT0226(NITE P-04093)。
【請求項8】
新規乳酸菌リューコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)SBT10009(NITE P-04094)。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リューコノストック(Leuconostoc)属およびワイセラ(Weissella)属に属する菌から選択される1つ以上の菌の菌体などを有効成分とするTPH1遺伝子発現抑制用組成物に関する。また、前記TPH1遺伝子発現抑制用組成物を含む過敏性腸症候群改善剤用組成物に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome、以下単にIBSということがある)は、慢性的な腹痛、腹部不快感、および便通異常を特徴とする機能性腸疾患である(非特許文献1)。IBSの病因は完全には解明されていないが、腸の運動異常、腸内細菌叢の異常、およびストレスが関与しているとされている(非特許文献2)。
【0003】
TPH1(Tryptophan Hydroxylase 1)は、血小板や腸管などに存在する酵素で、セロトニンの生合成を行なう。セロトニンは、腸の運動や感覚を調節する重要な役割を果たしており、IBSの症状と関連があると考えられている。
【0004】
非特許文献3では、TPH1阻害薬LX1031が非便秘型IBS患者に対して臨床的な利益を示すことが報告されている。この研究では、LX1031がIBSの痛みと不快感を緩和し、便性状を改善することが示されている。
【0005】
乳酸菌を代表とするプロバイオティクスの投与によるIBS改善の取組みは数多く報告されているものの、その効果や作用機序は菌種、菌株によって多様である(非特許文献4)。しかしながら、乳酸菌の菌体がTPH1の阻害作用を発揮してIBS改善に寄与するという報告は、いずれの文献にも開示も示唆もされていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Gastroenterology(2016)、150、1262-79
Gut(2013)、62、159-76
Gastroenterology(2011)、141、507-16
BMC Gastroenterology(2016)、16、1-11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、新規なTPH1遺伝子発現抑制用組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、TPH1遺伝子発現抑制作用を有する乳酸菌を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明はリューコノストック(Leuconostoc)属およびワイセラ(Weissella)属に属する菌から選択される1つ以上の菌の菌体、当該菌体培養物、当該菌体処理物並びに当該菌体培養上清からなる群から選択される少なくとも1種(以下、菌体、菌体培養物、菌体処理物並びに菌体培養上清をまとめて単に「菌体等」と略することがある)を有効成分とするTPH1遺伝子発現抑制用組成物を提供するものである。また、前記TPH1遺伝子発現抑制用組成物を含む新規な過敏性腸症候群改善剤用組成物に関する。さらには、本発明は新規の乳酸菌株を提供するものである。
したがって、本発明は以下の構成を有する
<1>
リューコノストック(Leuconostoc)属およびワイセラ(Weissella)属に属する菌から選択される1つ以上の菌の菌体、当該菌体培養物、当該菌体処理物並びに当該菌体培養上清からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とするTPH1遺伝子発現抑制用組成物。
<2>
リューコノストック(Leuconostoc)属およびワイセラ(Weissella)属に属する菌が、リューコノストック メセンテロイデス サブスピーシーズ クレモリス(Leuconostoc mesenteroides subsp.cremoris)、リューコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、リューコノストック メセンテロイデス サブスピーシーズ メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides)、リューコノストック シトレウム(Leuconostoc citreum)及びワイセラ パラメセンテロイデス(Weissella paramesenteroides)からなる群から選択される1つ以上である<1>に記載のTPH1遺伝子発現抑制用組成物。
<3>
リューコノストック(Leuconostoc)属に属する菌が、リューコノストック メセンテロイデス サブスピーシーズ クレモリス(Leuconostoc mesenteroides subsp.cremoris)SBT1395(NITE P-02809)、リューコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)SBT0226(NITE P-04093)及びリューコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides) SBT10009(NITE P-04094)からなる群から選択される1つ以上である<2>に記載のTPH1遺伝子発現抑制用組成物。
<4>
<1>~<3>のいずれか1項に記載のTPH1遺伝子発現抑制用組成物を含む、TPH1遺伝子発現抑制用食品組成物、TPH1遺伝子発現抑制用医薬組成物、又はTPH1遺伝子発現抑制用飼料組成物。
<5>
<1>~<3>のいずれか1項に記載のTPH1遺伝子発現抑制用組成物を含む過敏性腸症候群改善用組成物。
<6>
<1>~<3>のいずれか1項に記載のTPH1遺伝子発現抑制用組成物を含む過敏性腸症候群改善用食品組成物、過敏性腸症候群改善用医薬組成物、又は過敏性腸症候群改善用飼料組成物。
<7>
新規乳酸菌リューコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)SBT0226(NITE P-04093)。
<8>
新規乳酸菌リューコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)SBT10009(NITE P-04094)。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リューコノストック(Leuconostoc)属およびワイセラ(Weissella)属に属する乳酸菌の菌体等を有効成分とするTPH1遺伝子発現抑制用組成物を提供することができる。また、前記TPH1遺伝子発現抑制用組成物を含む新規な過敏性腸症候群改善剤用組成物に関する。さらには、本発明によれば、新規の乳酸菌株を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
マウス腸管オルガノイドに、リューコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌菌体を添加して、24時間培養後のTPH1の遺伝子発現量を示したグラフである。図中の***はp<0.001であることを示す。
マウス腸管オルガノイドに、ワイセラ(Weissella)属、比較対照のラクトコッカス属(Lactococcus)及びビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属乳酸菌菌体を添加して、24時間培養後のTPH1の遺伝子発現量を示したグラフである。図中の***はp<0.001であることを示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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