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公開番号2025143184
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-01
出願番号2024207566
出願日2024-11-28
発明の名称極性基含有オレフィン共重合体
出願人日本ポリエチレン株式会社
代理人弁理士法人 津国
主分類C08F 210/00 20060101AFI20250924BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】歪硬化性が高く、優れた成形性を示す極性基含有オレフィン共重合体を提供する。
【解決手段】エチレン及び炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位(A)と;カルボキシ基及びジカルボン酸無水物基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する構造単位(B)と;カルボン酸金属塩基を有する構造単位(C)であって、前記金属はポーリングの電気陰性度χが1.83以上の金属原子M1を含む構造単位(C)と、を含み、13C-NMRにより算出されるメチル分岐数が炭素原子1,000個当たり50個以下又はエチル分岐数とブチル分岐数の総和が炭素原子1,000個当たり4.2個未満である、極性基含有オレフィン共重合体。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
エチレン及び炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位(A)と;カルボキシ基及びジカルボン酸無水物基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する構造単位(B)と;カルボン酸金属塩基を有する構造単位(C)であって、前記金属はポーリングの電気陰性度χが1.83以上の金属原子M

を含む構造単位(C)と、を含み、
13
C-NMRにより算出されるメチル分岐数が炭素原子1,000個当たり50個以下又はエチル分岐数とブチル分岐数の総和が炭素原子1,000個当たり4.2個未満である、極性基含有オレフィン共重合体。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記構造単位(C)が下記式(1)で表される、請求項1に記載の極性基含有オレフィン共重合体。
-(CH

CR



)- ・・・式(1)
[式(1)中,


は、水素原子;ハロゲン原子;カルボキシ基;少なくとも1つのハロゲン原子で置換されている炭素数1~10の炭化水素基;少なくとも1つのカルボキシ基で置換されている炭素数1~10の炭化水素基;又は炭素数1~10の炭化水素基を表し、


は、前記金属原子M

を有するカルボン酸金属塩基;又は前記金属原子M

を有する少なくとも1つのカルボン酸金属塩基で置換されている、炭素数1~30の炭化水素基、炭素数2~20のアルコキシカルボニル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数2~20のアシルオキシ基、炭素数1~12の置換アミノ基若しくは炭素数1~18の置換シリル基を表す。]
【請求項3】
前記χが、1.83~2.36である、請求項1に記載の極性基含有オレフィン共重合体。
【請求項4】
前記金属原子M

が、Fe、Co、Cu、Ni、Ge、Tc、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Re、Os、Ir、Pt、Hg、Pb、Bi及びPoからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の極性基含有オレフィン共重合体。
【請求項5】
前記構造単位(B)と前記構造単位(C)のmol含有量の総和に対する、前記構造単位(C)のmol含有量の比率が、1~99mol%である、請求項1に記載の極性基含有オレフィン共重合体。
【請求項6】
極性基含有オレフィン共重合体中の各構造単位のmol含有量の総和に対する、前記構造単位(B)と前記構造単位(C)のmol含有量の総和の比率が、0.01~20.00mol%である、請求項1に記載の極性基含有オレフィン共重合体。
【請求項7】
前記構造単位(A)が、エチレンに由来する構造単位である、請求項1に記載の極性基含有オレフィン共重合体。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の極性基含有オレフィン共重合体を含むオレフィン系樹脂組成物。
【請求項9】
請求項8に記載のオレフィン系樹脂組成物を含む成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、極性基含有オレフィン共重合体に関するものであり、より詳しくはエチレン系アイオノマーに関するものであり、さらに詳しくは流動性と歪硬化性とのバランスに優れた良好な成形加工性を有する極性基含有オレフィン共重合体に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
極性基含有オレフィン共重合体であるエチレン系アイオノマーは、エチレン-不飽和のカルボン酸(又はジカルボン酸無水物)共重合体をベース樹脂とし、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛等の金属イオンで分子間結合した樹脂である。強靭で剛性に富み、かつ透明性が高い特徴がある(特許文献1)。高圧ラジカル重合にて製造されるエチレン-不飽和カルボン酸共重合体(酸コポリマー)は、そもそも歪硬化性を有しているが、酸コポリマーを亜鉛、ナトリウム又はマグネシウムイオンとのアイオノマーとすることにより、この分子間結合の存在に起因して歪硬化性が向上することも知られている(非特許文献1)。
【0003】
現在、市販されているエチレン系アイオノマーとしては、Dupont社が開発したエチレン-メタクリル酸共重合体のナトリウム塩や亜鉛塩「Surlyn(登録商標)」、及び、三井・ダウポリケミカル社が販売している「ハイミラン(登録商標)」等が知られている。これらのエチレン系アイオノマーは、いずれもベース樹脂として、エチレンと不飽和カルボン酸等の極性基含有モノマーを高圧ラジカル重合法により重合したものが用いられている。高圧ラジカル重合法で製造される共重合体の分子構造は、図1に示すイメージ図のように、多くの長鎖分岐及び短鎖分岐を不規則に有する構造であることがわかっており、このような構造に起因して、強度や耐衝撃性が不十分であるという欠点がある。
【0004】
その欠点を改善するものとして、近年、エチレン系アイオノマーのベース樹脂(原料)となる酸コポリマーやその原料のオレフィン共重合体の他の製造方法として、後期遷移金属触媒を用い、エチレンとアクリル酸t-ブチルの共重合体を製造し、得られた共重合体を熱又は酸処理を行うことでエチレン-アクリル酸共重合体に変性した後、ナトリウムや亜鉛といった金属イオンと反応させエチレン系アイオノマーを製造したことが報告されている(特許文献2及び3)。
【0005】
また、金属イオンとしてマグネシウムを用いたアイオノマーとして、エチレン-環状オレフィン共重合体(COC)に無水マレイン酸をグラフト変性させた後、ステアリン酸マグネシウムと反応させ、エチレン系アイオノマーを製造したことが報告されている(特許文献4)。
【0006】
一方で、電気陰性度の異なる元素の原子間の結合エンタルピーを推定する場合や結合の極性を定性的に評価する場合の指標として、ポーリングの電気陰性度が知られている。さらに、ポーリングの電気陰性度を発展させ、二元系化合物をイオン結合性、共有結合性又は金属結合性に分類するための指標として、該化合物の元素の電気陰性度の差(Δχ)と平均の電気陰性度(χ
平均
)に基づくファンアーケル・ケテラーの三角形が知られている(非特許文献2及び3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
米国特許第3264272号明細書
特開2016-79408号公報
特開2020-143276号公報
特開2020-158682号公報
【非特許文献】
【0008】
Polymer,vol.35,no.26,P5722-5727,1994
シュライバー・アトキンス無機化学(上),東京化学同人,第6版,2016,p69
J.Phys.Chem.,vol.98,no.27,P6699-6703,1994
L.A.UTRACKI著、「ポリマーアロイとポリマーブレンド」、東京化学同人、第1版、1991,p262~265
日本レオロジー学会誌、vol.19,1991,P174-180
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
機械的強度、透明性等の優れた特性を維持しつつ、優れた成形性を示す極性基含有オレフィン共重合体が求められている。特許文献1及び非特許文献1で開示されるアイオノマーは、高圧ラジカル重合法により製造されたものであり、強度や耐衝撃性のさらなる改善が求められている。
【0010】
特許文献2では、後期遷移金属触媒を用いて製造され、実質的に直鎖状構造を有するエチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体をベース樹脂としているため、熱的物性及び機械強度等に優れるアイオノマーが得られている。しかし、アイオノマーを構成する金属イオンとして、周期表1族、2族及び12族の金属イオンに着目し、実質的に検討されているのはナトリウムアイオノマーのみであり、これら以外の金属イオンを有するアイオノマーにおける物性への影響に関する記載はない。
(【0011】以降は省略されています)

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