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公開番号2025141472
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2024041420
出願日2024-03-15
発明の名称核酸検出の対象となる試料の前処理用試薬及び前処理方法
出願人横河電機株式会社
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C12Q 1/6806 20180101AFI20250919BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】試料、特に下水処理水、河川等の環境中の水試料に含まれる目的の核酸を、より簡便かつ精度よく検出する。
【解決手段】核酸検出の対象となる試料を、EDTAを含む前処理用試薬と混合し、90℃以上の加熱手段で加熱する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
核酸検出の対象となる試料の前処理方法であって、
i)試料をエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む前処理用試薬と混合する工程;及び
ii)i)で混合した試料を90℃以上の加熱手段で加熱する工程;
を備える、方法。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記試料が環境中の水試料である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記核酸がウイルス核酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
工程i)の前に試料中の核酸を濃縮する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程i)で混合した試料中のEDTAの濃度が0.01~20mMである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
工程i)で混合した試料中のEDTAの濃度が0.1~10mMである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記工程ii)の加熱処理時間が120秒間未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記工程ii)の加熱手段の温度が、105℃以上160℃以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
試料中の核酸を検出する方法であって、
a)核酸検出の対象となる試料をEDTAを含む前処理用試薬と混合する工程;
b)工程a)後の試料を90℃以上の加熱手段で加熱する工程;
c)工程b)後の試料を、核酸検出用試薬と混合する工程;及び
d)工程c)後の試料中の核酸を検出する工程;
を備える、方法。
【請求項10】
前記核酸検出用試薬が、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)用試薬である、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸を含む試料から目的の核酸を検出するための、前処理用試薬及び前処理方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
河川等の水環境の汚染指標の一つとして、水中のウイルス定量値が使用されている。特に、水環境においては、近年、下水中のウイルス量が感染症蔓延の先行的指標になりうることが報告され、行政の感染症対策の判断にも利用されてきている。このような河川や上下水の汚染状況を知るための環境ウイルスの定量計測は、主に定量PCRを用いた計測が実施されてきた。ここで使用されるサンプルの前処理には、ウイルス核酸の抽出と精製、さらにRNAウイルスの場合はRNAの逆転写処理工程が必要になる。
【0003】
前記の核酸の前処理工程は、複雑な反応操作を組み合わせる必要がある。試料中のウイルスの核酸抽出には、簡素化のために市販の核酸抽出キットが多用されるが、それでも、通常、核酸抽出の作業は1時間程度を要する。環境中のサンプルは、多数の測定ポイントからサンプルを取得し、継続的な計測を行うことを要するため、計測用のサンプルの前処理はできるだけシンプルな操作で短時間、低コストに実施できることが望まれる。
【0004】
特許文献1には、汚染された食材のような夾雑物を多く含む試料中の微生物について、試料に金属イオンを添加することで、食材成分等の影響を回避して核酸を増幅、検出する方法が開示されている。また、特許文献2には、水環境の試料を熱処理することで、簡便かつ迅速にウイルス核酸を抽出する方法が開示されている。また、非特許文献1には、夾雑物を多く含む試料において、ポリビニルピロリドン(PVPP)を添加することで、核酸増幅効率が向上することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-72904号公報
特開2012-157265号公報
【非特許文献】
【0006】
M. Watanabe et al. Plant Biotechnology 33, 133-136 (2016)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、試料、特に下水処理水、河川等の環境中の水試料に含まれる目的の核酸を、より簡便かつ精度よく検出することを目的とする。特に、試料中に含まれるヌクレアーゼの影響を受けにくい条件下で核酸を検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下を提供する。
[1]核酸検出の対象となる試料の前処理方法であって、
i)試料をエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む前処理用試薬と混合する工程;及び
ii)工程i)で混合した試料を90℃以上の加熱手段で加熱する工程;
を備える、方法。
[2]前記試料が環境中の水試料である、[1]に記載の方法。
[3]前記核酸がウイルス核酸である、[1]又は[2]のいずれかに記載の方法。
[4]工程i)の前に試料中の核酸を濃縮する工程を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]工程i)で混合した試料中のEDTAの濃度が0.01~20mMである、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]工程i)で混合した試料中のEDTAの濃度が0.1~10mMである、[5]に記載の方法。
[7]前記工程ii)の加熱処理時間が120秒間未満である、[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8]前記工程ii)の加熱手段の温度が、105℃以上160℃以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9]試料中の核酸を検出する方法であって、
a)核酸検出の対象となる試料をEDTAを含む前処理用試薬と混合する工程;
b)工程a)後の試料を90℃以上の加熱手段で加熱する工程;
c)工程b)後の試料を、核酸検出用試薬と混合する工程;及び
d)工程c)後の試料中の核酸を検出する工程;
を備える、方法。
[10]前記核酸検出用試薬が、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)用試薬である、[9]に記載の方法。
[11]前記工程b)の後、工程d)を開始するまでの時間が4時間未満である、[9]又は[10]に記載の方法。
[12]前記工程c)において、混合後の試料中のEDTA濃度が0.001~10mMである、[9]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13]核酸検出の対象となる試料の前処理のための試薬であって、EDTAを含む、試薬。
[14]EDTAの濃度が0.01~20mMである、[13]に記載の試薬。
[15]EDTAの濃度が0.1~10mMである、[14]に記載の試薬。
[16]前記試料が環境中の水試料である、[13]~[15]のいずれかに記載の試薬。
[17]前記核酸がウイルス核酸である、[13]~[16]のいずれかに記載の試薬。
[18]緩衝剤をさらに含む、[13]~[17]のいずれかに記載の試薬。
【発明の効果】
【0009】
本発明の試薬及び方法によれば、試料、特に下水処理水、河川等の環境中の水試料に含まれる目的の核酸を、より簡便かつ精度よく検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
比較例1における、試料の加熱処理時間とPMMoVの定量値との関連を示すグラフである。
比較例1における、加熱処理後逆転写反応までの静置時間とPMMoVの定量値との関連を示すグラフである。
比較例2における、試料の加熱処理時間とPMMoVの定量値との関連を示すグラフである。
実施例1における、EDTA添加の有無、加熱処理後逆転写反応までの静置条件と、PMMoVの定量値の関係を示すグラフである。
実施例2における、試料A~Cの加熱処理条件(95℃5分間又は140℃15秒間)とPMMoVの定量値との関連を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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