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公開番号2025139248
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-26
出願番号2024038079
出願日2024-03-12
発明の名称水中におけるモニタリング方法および水中モニタリングシステム
出願人東亜建設工業株式会社
代理人清流国際弁理士法人,個人,個人
主分類B63C 11/48 20060101AFI20250918BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】水中における測定装置の測定位置情報を簡易に特定できる水中におけるモニタリング方法および水中モニタリングシステムを提供する。
【解決手段】水中移動体2を移動させつつ、測定装置4による測定データの取得および撮影装置3による位置特定用対象物10の画像データIDnの取得を行う。撮影装置3が取得した画像データIDnに基づいて、画像データIDnを取得した時点での撮影装置3と位置特定用対象物10に対して設定された座標基準位置10aとの位置関係を算出し、画像データIDnを取得した時点の撮影位置情報を特定する。撮影装置3と測定装置4との相対的な位置関係と、特定した撮影位置情報とに基づいて、画像データIDnを取得した時点の測定装置4の測定位置情報を特定し、その特定した測定位置情報と、その画像データIDnを取得した時点の測定データとを紐付けた紐付けデータを作成する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
水中における位置特定用対象物の画像データを取得する撮影装置と、水中における測定対象物の状態を示す情報または水中環境を示す情報の少なくともいずれかを含む測定データを取得する測定装置とを搭載した水中移動体を水中で移動させつつ、前記測定装置による前記測定データの取得および前記撮影装置による前記画像データの取得を行う実測ステップと、
前記撮影装置によって取得した前記画像データに基づいて、その画像データを取得した時点での前記撮影装置と、前記位置特定用対象物に対して設定した座標基準位置との位置関係を算出することにより、その画像データを取得した時点の前記座標基準位置に対する前記撮影装置の撮影位置情報を特定する撮影位置情報特定ステップと、
前記撮影装置と前記測定装置との相対的な位置関係と、特定した前記撮影位置情報とに基づいて、その画像データを取得した時点の前記座標基準位置に対する前記測定装置の測定位置情報を特定する測定位置情報特定ステップと、
特定した前記測定位置情報と、その画像データを取得した時点の前記測定装置が取得した前記測定データとを紐付けた紐付けデータを作成する紐付けデータ作成ステップとを行うことを特徴とする水中におけるモニタリング方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記撮影位置情報特定ステップにおいて前記撮影位置情報として、前記座標基準位置に対する前記撮影装置の撮影位置座標と撮影方向を特定し、
前記測定位置情報特定ステップにおいて前記測定位置情報として、前記座標基準位置に対する前記測定装置の測定位置座標と測定姿勢を特定する請求項1に記載の水中におけるモニタリング方法。
【請求項3】
前記実測ステップでは、前記撮影装置により前記位置特定用対象物の目的範囲の表面を細分化して撮影し、隣り合うどうしが重複範囲を有する多数の画像データを取得し、
前記撮影位置情報特定ステップでは、前記実測ステップで取得した多数の画像データに基づいた画像処理により、前記位置特定用対象物の目的範囲の3次元モデルを生成し、その生成した3次元モデルと、その3次元モデルの一部の生成に使用した画像データとの位置関係に基づいて、その画像データを取得した時点の前記撮影位置情報を特定する請求項1または2に記載の水中におけるモニタリング方法。
【請求項4】
前記撮影位置情報特定ステップでは、前記撮影装置によって取得したそれぞれの画像データを取得した時点の前記撮影装置の前記撮影位置情報を特定し、
前記測定位置情報特定ステップでは、前記撮影装置と前記測定装置との相対的な位置関係と、それぞれの画像データを取得した時点の前記撮影装置の前記撮影位置情報とに基づいて、それぞれの画像データを取得した時点の前記測定装置の前記測定位置情報を特定し、
前記紐付けデータ作成ステップでは、その特定したそれぞれの前記測定位置情報と、それぞれの画像データを取得した時点の前記測定装置が取得した前記測定データとを紐付けて、測定位置毎の前記測定データの分布を示す分布図を作成する請求項1または2に記載の水中におけるモニタリング方法。
【請求項5】
前記撮影装置により、前記位置特定用対象物として前記測定対象物を撮影し、前記測定装置により前記測定対象物の状態を示す情報を含む前記測定データを取得する請求項1または2に記載の水中におけるモニタリング方法。
【請求項6】
前記測定装置として、前記測定対象物の劣化状態を示す前記測定データを取得する劣化状態測定センサを使用する請求項1または2に記載の水中におけるモニタリング方法。
【請求項7】
水中における位置特定用対象物の画像データを取得する撮影装置と、水中における測定対象物の状態を示す情報または水中環境を示す情報の少なくともいずれかを含む測定データを取得する測定装置と、前記撮影装置および前記測定装置が搭載された水中移動体と、前記撮影装置によって取得された前記画像データと前記測定装置によって取得された前記測定データとが入力される演算装置とを備え、
前記水中移動体が水中で移動しつつ、前記測定装置による前記測定データの取得および前記撮影装置による前記画像データの取得が行われ、
前記演算装置は、前記撮影装置から入力された前記画像データに基づいて、その画像データを取得した時点での前記撮影装置と、前記位置特定用対象物に対して設定されている座標基準位置との位置関係を算出することにより、その画像データを取得した時点の前記座標基準位置に対する前記撮影装置の撮影位置情報を特定し、前記撮影装置と前記測定装置との相対的な位置関係と、特定した前記撮影位置情報とに基づいて、その画像データが取得された時点の前記座標基準位置に対する前記測定装置の測定位置情報を特定し、その特定した前記測定位置情報と、その画像データを取得した時点の前記測定装置が取得した前記測定データとを紐付けた紐付けデータを作成する構成であることを特徴とする水中モニタリングシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水中におけるモニタリング方法および水中モニタリングシステムに関し、さらに詳しくは、水中で測定装置が測定データを取得した時点の測定位置情報をより簡易に特定できる水中におけるモニタリング方法および水中モニタリングシステムに関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
水域に面する矢板式岸壁などの構造物の維持管理や点検業務として、水中における構造物の劣化状態を把握するモニタリングが行われている。この水中におけるモニタリングを行う場合には、例えば、構造物の劣化状態の把握に使用する電界センサなどの測定装置を搭載した水中移動体が使用される。ところが、水面下では、衛星測位システム(GNSS)の衛星電波を受信することができないため、水中における水中移動体の位置情報(位置座標や姿勢)を正確に測位することは難しく、水中で測定装置が測定データを取得した時点の測定位置情報(測定位置座標や測定姿勢)を特定することは困難であった。
【0003】
水中における水中移動体の位置を把握する方法として、例えば、音響測位装置や慣性航法装置を用いる方法があるが、音響測位装置は構造物の近くでは、マルチパス等の影響により計測精度が低下する問題がある。慣性航法装置は非常に高価であるため、モニタリングで使用する水中移動体に搭載することは難しく、慣性航法装置は時間とともに誤差が蓄積する性質もある。そこで、水中での水中移動体の位置を把握する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1で提案されている水中測位システムでは、水面に配置した測位移動体(空中ドローン)により、水面上の現在位置を示す水面位置情報(GPS信号)と、水中を移動する被測位移動体(水中ドローン)から発信された音響パルス信号とを受信し、その受信した水面位置情報と音響パルス信号とに基づいて被測位移動体の水中での位置を測位する構成になっている。しかしながら、この水中測位システムでは、水面に測位移動体を配備する必要があり、測位移動体と被測位移動体にそれぞれ音響パルス信号の通信などを行う様々な機器を搭載する必要がある。それ故、水中におけるモニタリングに多くの設備が必要となり、モニタリングに要する設備コストも比較的高くなる。また、水中での被測位移動体の位置を特定できる範囲は、被測位移動体と測位移動体とが通信できる範囲に限られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-49652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、水中で測定装置が測定データを取得した時点の測定位置情報をより簡易に特定できる水中におけるモニタリング方法および水中モニタリングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の水中におけるモニタリング方法は、水中における位置特定用対象物の画像データを取得する撮影装置と、水中における測定対象物の状態を示す情報または水中環境を示す情報の少なくともいずれかを含む測定データを取得する測定装置とを搭載した水中移動体を水中で移動させつつ、前記測定装置による前記測定データの取得および前記撮影装置による前記画像データの取得を行う実測ステップと、前記撮影装置によって取得した前記画像データに基づいて、その画像データを取得した時点での前記撮影装置と、前記位置特定用対象物に対して設定した座標基準位置との位置関係を算出することにより、その画像データを取得した時点の前記座標基準位置に対する前記撮影装置の撮影位置情報を特定する撮影位置情報特定ステップと、前記撮影装置と前記測定装置との相対的な位置関係と、特定した前記撮影位置情報とに基づいて、その画像データを取得した時点の前記座標基準位置に対する前記測定装置の測定位置情報を特定する測定位置情報特定ステップと、特定した前記測定位置情報と、その画像データを取得した時点の前記測定装置が取得した前記測定データとを紐付けた紐付けデータを作成する紐付けデータ作成ステップとを行うことを特徴とする。
【0008】
本発明の水中モニタリングシステムは、水中における位置特定用対象物の画像データを取得する撮影装置と、水中における測定対象物の状態を示す情報または水中環境を示す情報の少なくともいずれかを含む測定データを取得する測定装置と、前記撮影装置および前記測定装置が搭載された水中移動体と、前記撮影装置によって取得された前記画像データと前記測定装置によって取得された前記測定データとが入力される演算装置とを備え、前記水中移動体が水中で移動しつつ、前記測定装置による前記測定データの取得および前記撮影装置による前記画像データの取得が行われ、前記演算装置は、前記撮影装置から入力された前記画像データに基づいて、その画像データを取得した時点での前記撮影装置と、前記位置特定用対象物に対して設定されている座標基準位置との位置関係を算出することにより、その画像データを取得した時点の前記座標基準位置に対する前記撮影装置の撮影位置情報を特定し、前記撮影装置と前記測定装置との相対的な位置関係と、特定した前記撮影位置情報とに基づいて、その画像データが取得された時点の前記座標基準位置に対する前記測定装置の測定位置情報を特定し、その特定した前記測定位置情報と、その画像データを取得した時点の前記測定装置が取得した前記測定データとを紐付けた紐付けデータを作成する構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水中移動体に撮影装置および測定装置を搭載し、撮影装置によって取得した位置特定用対象物の画像データを利用することで、その画像データを取得した時点の座標基準位置に対する撮影装置の撮影位置情報を特定することができる。そして、撮影装置と測定装置との相対的な位置関係と、特定した撮影位置情報とから、その画像データを取得した時点での座標基準位置に対する測定装置の測定位置情報を簡易に特定できる。そして、その特定した測定位置情報と、その画像データを取得した時点の測定装置が取得した測定データとを紐付けた紐付けデータを作成することで、水中で測定装置が測定データを取得した時点の測定位置をより簡易に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の水中モニタリングシステムにより、測定対象物と位置特定用対象物を矢板式岸壁として水中におけるモニタリングを行っている状況を平面視で例示する説明図である。
図1のA矢視図である。
演算装置によって生成した位置特定用対象物(測定対象物)の3次元モデルを模式的に例示する説明図である。
演算装置によって作成した紐付けデータを模式的に例示する説明図である。
演算装置によって作成した測定データの時系列を示すグラフを模式的に例示する説明図である。
演算装置によって作成した分布図を模式的に例示する説明図である。
本発明の水中モニタリングシステムにより、測定対象物を矢板式岸壁とし、位置特定用対象物を別の構造体として水中におけるモニタリングを行っている状況を平面視で例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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