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公開番号
2025138172
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-25
出願番号
2024037096
出願日
2024-03-11
発明の名称
無線通信システム
出願人
日本無線株式会社
代理人
個人
主分類
H04W
16/28 20090101AFI20250917BHJP(電気通信技術)
要約
【課題】ビート干渉を抑制し、かつ、伝搬路環境による復調性能の劣化を抑制することが可能な無線通信システムを提供する。
【解決手段】同期ワードSW_Aと先頭のブロックデータBD_A1との間に配置され、同期ワードSW_Aと同じシンボル数Nを有する無データ区間を備え、A局から送信されるデータフレームDF_Aに対し、同期ワードSW_Aと同じシンボル数Nのオフセットシンボル数Mだけ遅れたタイミングでB局からデータフレームDF_Bを送信し、データフレームDF_AとDF_Bが合成された合成データフレームDF_A+DF_Bに対しては、適応等化器34にて希望信号成分については複数基地局の伝搬路の評価値に対する最大比合成を行いつつ、残留した符号間干渉を除去する。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
変調された同一のデータフレームを同一周波数で送信する無線送信装置を備えた複数の送信基地局と、前記データフレームを受信して復調する無線受信装置を備えた移動受信局と、を備える無線通信システムであって、
前記複数の無線送信装置は、既知のヘッダデータと、前記ヘッダデータと同じシンボル数を有する複数のブロックデータと、前記ヘッダデータと先頭のブロックデータとの間に配置され、前記ヘッダデータと同じシンボル数を有する無データ区間と、を備えた前記データフレームを、オフセットシンボル数として、前記ヘッダデータのシンボル数に相当する時間差を設けてそれぞれ送信し、
前記無線受信装置は、複数の前記データフレームが空間上で合成された合成データフレームを受信して各シンボルの受信信号を出力する受信手段と、前記受信信号から前記ブロックデータのシンボルを分離する適応等化器と、を備え、
前記適応等化器は、
複数時刻分の前記受信信号のうち、希望信号成分について複数の前記送信基地局の伝搬路に対する最大比合成を行い、MRC(Maximum Ratio Combining)信号を出力するMRC部と、
前記受信信号に含まれるシンボル間干渉を示すISI(Inter Symbol Interference)レプリカ信号を生成するISIレプリカ生成部と、
前記MRC信号から前記ISIレプリカ信号を減算し、MRC信号からシンボル間干渉が除去された誤差信号を出力するISI除去部と、
前記誤差信号を正規化し、前記ブロックデータのシンボルとして出力する正規化部と、
前記MRC部で最大比合成に用いられるMRCフィルタ係数と、前記ISIレプリカ生成部で前記ISIレプリカ信号の生成に用いられるISIフィルタ係数と、を計算・更新する係数算出部と、
を備えることを特徴とする無線通信システム。
続きを表示(約 540 文字)
【請求項2】
前記適応等化器は、
前記係数算出部により、前記合成データフレームに含まれる前記ヘッダデータの受信信号に基づいて、前記送信基地局と前記移動受信局との間の伝搬路に関する評価値をそれぞれ推定する第1の処理と、
前記係数算出部により、前記評価値に基づいて、前記MRCフィルタ係数と、前記ISIフィルタ係数とを計算する第2の処理と、
前記MRCフィルタ係数を用いて最大比合成を行い、前記ISIフィルタ係数を用いてISIレプリカ信号を生成し、前記誤差信号の計算および正規化を行なう第3の処理と、
前記係数算出部により、前記合成データフレームを構成する合成ブロックデータの受信信号と、前記誤差信号とに基づいて、前記ISIフィルタ係数を計算して更新する第4の処理と、
前記MRCフィルタ係数を用いて最大比合成を行い、更新された前記ISIフィルタ係数を用いてISIレプリカ信号を生成し、前記誤差信号の計算および正規化を行なう第5の処理と、を実行し、
前記合成データフレームから前記ブロックデータのシンボルが全て出力されるまで前記第4の処理と、前記第5の処理とを繰り返す、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一波複局送信技術を用いる無線通信システムに関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
狭帯域信号で広範囲をカバーするような無線通信システム(例えば、都防災無線システム・県防災無線システムなど)において、複数の送信基地局から移動受信局に向けて同一周波数で同一信号を送信する同一波複局送信技術を用いることで、周波数利用効率が向上することが知られている。例えば、図11に示す無線通信システムは、同図(A)に示すように、通信エリアの一部が重なるように配置された複数の送信基地局BS1、BS2・・・と、自動車などの移動体に搭載された移動受信局MS1や、歩行者などにより携帯される複数の移動受信局MS2~MS4などにより構成されている。複数の送信基地局BS1、BS2は、送信波が到達する通信エリアの一部が互いに重なるように配置されており、同じデータの送信波Tx1、Tx2を同じ周波数を用いて同報的に送信する。これにより、移動受信局MS1~MS4は、送信基地局BS1、BS2の通信エリア内のどの位置にいる場合でも同じ搬送波周波数で送信波Tx1または送信波Tx2を受信することができる。
【0003】
このような無線通信システムにおいて、図11(B)に示すように、送信波Tx1に対して送信波Tx2が逆相となり、Tx1/Tx2の信号レベル比が0dBとなるエリアでは、送信波Tx1と送信波Tx2との合成波Tx1+Tx2に同一波干渉(以下、ビート干渉ともいう)が発生する。このようなビート干渉は、同図(A)、(B)に縦線で描いたように、縞状に複数発生する。このビート干渉発生地点から外れた位置にある移動受信局MS2、MS3は、送信基地局BS1またはBS2と通信を行なうことができる。これに対し、ビート干渉発生地点にある移動受信局MS4は、送信基地局BS1およびBS2と通信を行なうことができない。また、移動体によって移動する移動受信局MS1は、移動速度が速くなるとドップラーシフトの影響が顕著となり、伝搬路の時間的変動によりレイリーフェージングやライスフェージングが発生する。加えて、複数の送信基地局からの各到来波はそれぞれ独立したレイリーフェージングやライスフェージングとなるため、各到来波の独立した伝搬路変動の影響により復調性能が劣化する。
【0004】
ビート干渉による影響を抑制するために、隣接する基地局間で通信データの変調に異なるマッピングを用いることにより、縞状のビート発生地点を常時移動させてビート干渉を抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、フェージングを補償する技術として、判定帰還形適応等化器(Decision Feedback Equalization;DFE)や、最尤系列推定等化器(Maximum. Likelihood Sequence Estimation;MLSE)などを利用することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-166293号公報
特開2012-070348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、同じマッピングを用いる送信基地局の通信エリアが重ならないようにしなければならないため、送信基地局の配置などに制約が生じる。また、特許文献2のMLSEは低いビット誤り率を得られるが、状態数に応じて演算量が膨大となってしまう。一方、特許文献2のDFEは、演算量はMLSEより少ないが、DFE入力に含まれる1時刻分の直接波成分のみを復調するように動作するため、直接波成分の伝搬路環境が劣悪な場合、復調性能の劣化を招く。
【0007】
そこで本発明は、ビート干渉を抑制し、かつ、伝搬路環境による復調性能の劣化を抑制することが可能な無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、変調された同一のデータフレームを同一周波数で送信する無線送信装置を備えた複数の送信基地局と、前記データフレームを受信して復調する無線受信装置を備えた移動受信局と、を備える無線通信システムであって、前記複数の無線送信装置は、既知のヘッダデータと、前記ヘッダデータと同じシンボル数を有する複数のブロックデータと、前記ヘッダデータと先頭のブロックデータとの間に配置され、前記ヘッダデータと同じシンボル数を有する無データ区間と、を備えた前記データフレームを、オフセットシンボル数として、前記ヘッダデータのシンボル数に相当する時間差を設けてそれぞれ送信し、前記無線受信装置は、複数の前記データフレームが空間上で合成された合成データフレームを受信して各シンボルの受信信号を出力する受信手段と、前記受信信号から前記ブロックデータのシンボルを分離する適応等化器と、を備え、前記適応等化器は、複数時刻分の前記受信信号のうち、希望信号成分について複数の前記送信基地局の伝搬路に対する最大比合成を行い、MRC(Maximum Ratio Combining)信号を出力するMRC部と、前記受信信号に含まれるシンボル間干渉を示すISI(Inter Symbol Interference)レプリカ信号を生成するISIレプリカ生成部と、前記MRC信号から前記ISIレプリカ信号を減算し、MRC信号からシンボル間干渉が除去された誤差信号を出力するISI除去部と、前記誤差信号を正規化し、前記ブロックデータのシンボルとして出力する正規化部と、前記MRC部で最大比合成に用いられるMRCフィルタ係数と、前記ISIレプリカ生成部で前記ISIレプリカ信号の生成に用いられるISIフィルタ係数と、を計算・更新する係数算出部と、を備えることを特徴とする無線通信システムである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無線通信システムであって、前記適応等化器は、前記係数算出部により、前記合成データフレームに含まれる前記ヘッダデータの受信信号に基づいて、各前記送信基地局と、前記移動受信局との間の伝搬路に関する評価値を推定する第1の処理と、前記係数算出部により、前記評価値に基づいて、前記MRCフィルタ係数と、前記ISIフィルタ係数とを計算する第2の処理と、前記MRCフィルタ係数を用いて最大比合成を行い、前記ISIフィルタ係数を用いてISIレプリカ信号を生成し、前記誤差信号の計算および正規化を行なう第3の処理と、前記係数算出部により、前記合成データフレームを構成する合成ブロックデータの受信信号と、前記誤差信号とに基づいて、前記ISIフィルタ係数を計算して更新する第4の処理と、前記MRCフィルタ係数を用いて最大比合成を行い、更新された前記ISIフィルタ係数を用いてISIレプリカ信号を生成し、前記誤差信号の計算および正規化を行なう第5の処理と、を実行し、前記合成データフレームから前記ブロックデータのシンボルが全て出力されるまで前記第4の処理と、前記第5の処理とを繰り返す、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、複数の送信基地局から同一のデータフレームをヘッダデータのシンボル数に相当する時間差を設けてそれぞれ送信するようにしたので、同時刻に受信した複数のデータフレームは周波数が異なるものとなり、ビート干渉の発生を抑制することが可能である。また、適応等化器におけるフィルタ係数の引込処理に用いるヘッダデータを他のデータと重ならずに(言い換えれば、合成されずに)単独で受信でき、複数の送信基地局のいずれのヘッダデータであるかを識別する手段(例えば、各局送信信号の符号化)が不要となり、フィルタ係数の引込を高速で行うことが可能となる。さらに、等化器入力に含まれる複数時刻分の受信信号のうち、希望信号成分については複数基地局の伝搬路の評価値に対する最大比合成を行いつつ、残留した符号間干渉を除去するため、従来のDFEよりも大きなダイバーシチ効果が得られる。すなわち、同一波複局送信においては、複数の送信基地局と移動受信局との間の複数の伝搬路は無相関であるため、ダイバーシチ効果が大きくなる。よって、伝搬路環境による復調性能の劣化を抑制することが可能である。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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