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公開番号2025134707
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-17
出願番号2025085673,2021542089
出願日2025-05-22,2019-10-01
発明の名称血液腫瘍を治療するための遺伝子操作しているγδ-T細胞及び遺伝子操作していないγδ-T細胞に関する組成物及び方法
出願人アディセット セラピューティクス, インク.
代理人園田・小林弁理士法人
主分類C12N 15/62 20060101AFI20250909BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】遺伝子操作しているγδ-T細胞または遺伝子操作していないγδ-T細胞を用いて血液腫瘍を治療するための組成物及び方法を提供する。
【解決手段】いくつかの実施形態において、γδ-T細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)コンストラクトを含む。このCARコンストラクトは、抗CD20結合ドメインまたは抗B細胞成熟抗原(BCMA)結合ドメイン、CD8ヒンジ及び膜貫通ドメイン、共刺激ドメイン、CD3ζシグナル伝達ドメイン、それらの組み合わせ、またはそれらの全てを含むことが可能である。このCARコンストラクトは、sIL15ドメインなどの分泌した一般的なガンマ鎖サイトカインをコードするドメインを含み得る。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
キメラ抗原受容体(CAR)をコードする単離した核酸配列であって、そこにおいて前記CARが、
a.血液腫瘍細胞の表面で発現される腫瘍関連抗原(TAA)に特異的に結合する結合ドメインと、
b.CD8αヒンジドメインと、
c.CD8α膜貫通ドメインと、
d.共刺激シグナル伝達領域が、任意で4-1BB(CD137)共刺激シグナル伝達領域及びCD27共刺激シグナル伝達領域から選択される、前記共刺激シグナル伝達領域と、
e.CD3ζシグナル伝達ドメインと、を含む、前記核酸配列。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
前記(a)~(e)が、5’から3’の順序である、請求項1に記載の単離した核酸配列。
【請求項3】
前記結合ドメインがCD20に特異的に結合する、請求項1または2に記載の単離した核酸配列。
【請求項4】
請求項3に記載の単離した核酸配列であって、そこにおいて
a.前記結合ドメインが、3B9、3H7、2B7及び9C11、好ましくは3H7からなる群から選択された抗CD20抗体が結合するCD20中のエピトープと選択的に結合する、または前記抗CD20抗体と共に結合するために競合し、及び/または
b.前記結合ドメインが、3B9、3H7、2B7及び9C11、好ましくは3H7からなる群から選択される抗CD20抗体の相補性決定領域を含む、前記核酸配列。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の単離した核酸配列であって、そこにおいて前記結合ドメインが、
a.重鎖可変領域(HCVR)及び軽鎖可変領域(LCVR)配列の配列番号がそれぞれ99及び107である、前記HCVR配列及びLCVR配列と、
b.配列番号101、103及び105のそれぞれ重鎖相補性決定領域1、2及び3配列と、配列番号109、111及び113のそれぞれ軽鎖相補性決定領域1、2及び3配列と、
c.前記HCDR3及びLCDR3が、配列番号345及び353、201及び209ならびに、249及び257からなる群から選択される、前記重鎖相補性決定領域3(HCDR3)及び軽鎖CDR3(LCDR3)と、
d.前記HCVR配列及びLCVR配列が、配列番号がそれぞれ339及び347、195及び203ならびに243及び251からなる群から選択される前記重鎖可変領域(HCVR)配列と軽鎖可変領域(LCVR)配列及び/または
e.前記HCDR3ドメインが、式X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-X12-X13-X14-X15-X16-X17-X18-X19のアミノ酸配列を含み、式中X1=A、VまたはT、X2=K、X3=D、X4=P、FまたはG、X5=SまたはH、X6=Y、X7=G、X8=SまたはH、X9=GまたはF、X10=SまたはY、X11=Y、NまたはS、X12=Y、GまたはH、X13=G、LまたはS、X14=Y、MまたはD、X15=Y、DまたはV、X16=G、Vまたは非存在、X17=Mまたは非存在、X18=Dまたは非存在、X19=Vまたは非存在(配列番号369)であり、さらにLCDR3ドメインが、X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9のアミノ酸配列を含み、式中、X1=Q、X2=Q、X3=RまたはS、X4=N、YまたはF、X5=N、D、またはY、X6=W、X7=P、X8=L、X9=T(配列番号370)である、前記重鎖相補性決定領域3(HCDR3)ドメイン及び軽鎖CDR3(LCDR3)ドメインをコードする、前記核酸配列。
【請求項6】
前記結合ドメインがCD19またはBCMAに特異的に結合する、請求項1または2に記載の単離した核酸配列。
【請求項7】
前記結合ドメインがBCMAに特異的に結合する、請求項6に記載の単離した核酸配列。
【請求項8】
請求項7に記載の単離した核酸配列であって、そこにおいて
a.前記結合ドメインが、配列番号27及び28、配列番号29及び30、ならびに配列番号31及び32からなる群から選択される配列を有する抗BCMA結合領域と結合したBCMAのエピトープと選択的に結合する、または前記抗BCMA結合領域と結合するために競合し、及び/または
b.前記結合ドメインが、配列番号27及び28、配列番号29及び30、ならびに配列番号31及び32からなる群から選択される配列を有する抗BCMA結合領域の相補性決定領域を含む、前記核酸配列。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の単離した核酸配列であって、そこにおいて前記CARが、
a.配列番号1(PTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIY)または配列番号2(TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIY)を含むCD8αヒンジドメイン、
b.配列番号3(IWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC)を含むCD8α膜貫通ドメイン及び/または
c.
(i)配列番号4(RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPQRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR)もしくは、
(ii)配列番号5(RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR)を含むCD3ζシグナル伝達ドメインを含む、前記核酸配列。
【請求項10】
請求項9に記載の単離した核酸配列であって、そこにおいて前記CARが、
a.配列番号6(KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL)を含む4-1BB共刺激シグナル伝達領域もしくは
b.配列番号7(QRRKYRSNKGESPVEPAEPCHYSCPREEEGSTIPIQEDYRKPEPACSP)を含むCD27共刺激シグナル伝達領域を含み、または、
前記単離した核酸が、配列番号6を含む前記4-1BB共刺激シグナル伝達領域及び配列番号7を含む前記CD27共刺激シグナル伝達領域をコードする、前記核酸配列。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月1日出願の米国仮出願第62/739822号の優先権を主張し、その内容は、あらゆる目的のために本明細書全体に組み込まれる。
続きを表示(約 3,600 文字)【0002】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2019年12月17日に作成された上記のASCIIコピ-は、ADC-0005-PCT_SL.txtという名前で、サイズは147616バイトである。
【背景技術】
【0003】
養子免疫細胞療法は、基本的なリンホカイン活性化及び/または腫瘍浸潤に焦点を当てた初期から、キメラ抗原受容体(CAR)などの遺伝子操作された抗原受容体を発現させるために、これらの免疫細胞を遺伝子操作するようなごく最近の戦略まで、30年間以上、絶え間なく繰り返し受けられてきた。その中で、これらのアプロ-チの治癒上の可能性についていくつかのヒント及び兆候が見られていたが、まだ行うべきことが多く存在している。特に、CAR-Tリンパ球による腫瘍根絶の成功は、CAR-T細胞の持続性及びエフェクター機能に依存するが、そのどちらかが過剰になると、患者の移植片対宿主効果が誘発される可能性がある。したがって、当技術分野では、有効性と安全性のバランスをとることを目的として、T細胞とNK細胞の両方、特にαβT細胞で無数の共刺激戦略を試験している。注目すべきことに、αβT細胞と比較して、γδT細胞の共刺激要件に関する現状の理解の欠如を考慮すると、同種異系γδT細胞へのこれらの様々なアプロ-チの任意の実際の翻訳は、よく見ても不確実である。例えば、Ribot et al.,「Searching for“signal 2”:costimulation requirements of γδ T cells」、Cell.Mol.Life Sci.(2011)68:2345-2355を参照のこと。
【0004】
したがって、細胞の特異性または選択性を改善するために、例えば移植片対宿主(GVH)効果を低減または回避することにより、細胞の安全性を改善するために、例えばエフェクター機能の抑制を回避して細胞の有効性を改善するためにならびに対象への投与時の細胞の活性及び/または生存を改善するために、依然として、戦略を改善する必要がある。そのようなニ-ズを満たす方法、細胞、組成物、キット及びシステムを提供する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の態様は、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする単離した核酸配列を含み、そこにおいてCARは、血液腫瘍細胞の表面で発現する腫瘍関連抗原(TAA)に特異的に結合する結合ドメインを含み、この結合ドメインは、例えば、CD8αのヒンジドメイン、例えば、CD8αの膜貫通ドメイン、共刺激シグナル伝達領域などであり、そこにおいて、共刺激シグナル伝達領域は、4-1BB(CD137)共刺激シグナル伝達領域及びCD27共刺激シグナル伝達領域、ならびにCD3ζシグナル伝達ドメインから任意に選択される。
【0006】
本発明の態様は、本明細書に記載される通り遺伝子操作していないγδT細胞、ならびに本明細書に記載される通りCARコンストラクトをコードする核酸を含むγδT細胞をさらに含み、そこにおいてγδT細胞は、γδT細胞の表面上のCARをコードする核酸を機能的に発現する。本発明の態様は、本明細書に記載される通り、複数の遺伝子操作されたまたは遺伝子操作されていないγδT細胞をさらに含む。本発明の態様は、本明細書に記載のγδT細胞または複数のγδT細胞を作製する方法をさらに含み、そこにおいてこの方法は、本明細書に記載のコンストラクトでγδT細胞(複数可)をトランスフェクトすることを含む。本発明の態様は、本明細書に記載される通り、薬学的に受容可能な賦形剤及びγδT細胞または複数のγδT細胞を含む医薬組成物をさらに含む。本発明の態様は、本明細書に記載される通り、腫瘍細胞傷害の有効量であるγδT細胞と、血液腫瘍細胞を接触させることをさらに含む。
【0007】
一態様において、本発明は、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする単離した核酸配列を提供し、そこにおいて、CARは、(a)血液腫瘍細胞の表面で発現する腫瘍関連抗原(TAA)と特異的に結合する結合ドメインと、(b)CD8αヒンジドメインなどのヒンジドメインと、(c)CD8α膜貫通ドメインなどの膜貫通ドメインと、(d)共刺激シグナル伝達領域または共刺激シグナル伝達領域の組み合わせであり、任意で、そこにおいて、共刺激シグナル伝達領域は、4-1BB(CD137)共刺激シグナル伝達領域及びCD27共刺激シグナル伝達領域から選択される共刺激シグナル伝達領域と、(e)CD3ζシグナル伝達ドメインなどのシグナル伝達ドメインとを含む。いくつかの実施形態において、前述のエレメント(a)~(e)は、単離した核酸のセンス鎖上に5’から3’の順でコードされている。
【0008】
いくつかの実施形態において、結合ドメインは、CD20と特異的に結合する。いくつかの実施形態において、結合ドメインは、3B9、3H7、2B7及び9C11、好ましくは3H7からなる群から選択された抗CD20抗体が結合するCD20中のエピトープと選択的に結合する、またはその抗CD20抗体と共に結合するために競合する。いくつかの実施形態において、結合ドメインは、3B9、3H7、2B7及び9C11、好ましくは3H7からなる群から選択される抗CD20抗体の相補性決定領域を含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、単離した核酸は、重鎖可変領域(HCVR)配列及び軽鎖可変領域(LCVR)配列をコードする。例えば、そこにおいて、このHCVR配列及びLCVR配列は、それぞれ配列番号99及び107であり、配列番号がそれぞれ101、103及び105の重鎖相補性決定領域1、2及び3配列と、配列番号がそれぞれ109、111及び113の軽鎖相補性決定領域1、2及び3配列と、重鎖相補性決定領域3(HCDR3)及び軽鎖CDR3(LCDR3)であって、そこにおいて、HCDR3及びLCDR3は、配列番号345及び353、201及び209、ならびに249及び257からなる群から選択されるHCDR3及びLCDR3と、重鎖可変領域(HCVR)配列及び軽鎖可変領域(LCVR)配列であって、そこにおいてHCVR配列及びLCVR配列は、配列番号339及び347、195及び203ならびに243及び251からなる群から選択されるHCVR配列及びLCVR配列、及び/または、重鎖相補性決定領域3(HCDR3)ドメイン及び軽鎖CDR3(LCDR3)ドメインであって、そこにおいて、HCDR3ドメインは、式X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-X12-X13-X14-X15-X16-X17-X18-X19のアミノ酸配列を含み、式中、X1=A、VまたはT、X2=K、X3=D、X4=P、FまたはG、X5=SまたはH、X6=Y、X7=G、X8=SまたはH、X9=GまたはF、X10=SまたはY、X11=Y、NまたはS、X12=Y、GまたはH、X13=G、LまたはS、X14=Y、MまたはD、X15=Y、DまたはV、X16=G、Vまたは非存在、X17=Mまたは非存在、X18=Dまたは非存在、X19=Vまたは非存在(配列番号369)であり、LCDR3ドメインは、X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9のアミノ酸配列を含み、式中、X1=Q、X2=Q、X3=RまたはS、X4=N、YまたはF、X5=N、D、またはY、X6=W、X7=P、X8=L、X9=T(配列番号370)である。
【0010】
いくつかの実施形態において、単離した核酸は、CD19またはBCMAに特異的に結合する結合ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、結合ドメインは、BCMAに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、結合ドメインは、配列番号27及び28、配列番号29及び30、ならびに配列番号31及び32からなる群から選択される配列を有する抗BCMA結合領域と結合したBCMAのエピトープと選択的に結合する、またはその抗BCMA結合領域と結合するために競合する。いくつかの実施形態において、結合ドメインは、配列番号27及び28、配列番号29及び30、ならびに配列番号31及び32からなる群から選択される配列を有する抗BCMA結合領域の相補性決定領域を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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