TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025134231
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-17
出願番号2024032003
出願日2024-03-04
発明の名称細胞判定方法、スクリーニング方法、細胞分離方法及びゲル
出願人東京都公立大学法人,国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12Q 1/04 20060101AFI20250909BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】ハイスループットで転移性がん細胞を判定及び分離できる細胞判定方法、スクリーニング方法、細胞分離方法及びゲルの提供。
【解決手段】弾性率が10~50kPaであり、天然物由来高分子、天然物由来高分子の誘導体及び人工タンパク質からなる群から選択される一種である親水性高分子の放射線架橋構造を有するハイドロゲル上に複数の細胞を播種し、前記ハイドロゲルに接着している細胞を検出し、前記ハイドロゲルに接着している細胞を転移性がん細胞と推定することを含む、細胞判定方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
弾性率が10~50kPaであり、天然物由来高分子、天然物由来高分子の誘導体及び人工タンパク質からなる群から選択される一種である親水性高分子の放射線架橋構造を有するハイドロゲル上に複数の細胞を播種し、
前記ハイドロゲルに接着している細胞を検出し、
前記ハイドロゲルに接着している細胞を転移性がん細胞と推定することを含む、細胞判定方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記親水性高分子がゼラチンである、請求項1に記載の細胞判定方法。
【請求項3】
前記ハイドロゲル上に培地が存在する、請求項1又は2に記載の細胞判定方法。
【請求項4】
前記培地がダルベッコ改変イーグル培地である、請求項3に記載の細胞判定方法。
【請求項5】
さらに、前記ハイドロゲルに接着している細胞の映像を撮影し、
撮影された前記細胞の移動速度を表す第1変数と前記撮影された細胞の方向転換角度を表す第2変数と前記撮影された細胞の方向転換回数を表す第3変数とのうちの少なくとも一つを取得し、
前記第1変数と前記第2変数と前記第3変数とのうちの取得された1以上の変数に基づいて、前記撮影された細胞が転移性がん細胞であるか否かを識別することを含む、請求項1又は2に記載の細胞判定方法。
【請求項6】
さらに、前記ハイドロゲルに接着していない細胞を回収し、
プラスチック基材上に回収した前記細胞を播種し、
前記プラスチック基材に接着しない細胞を非がん細胞であると推定することを含む、請求項1又は2に記載の細胞判定方法。
【請求項7】
弾性率が10~50kPaであり、天然物由来高分子、天然物由来高分子の誘導体及び人工タンパク質からなる群から選択される一種である親水性高分子の放射線架橋構造を有するハイドロゲル上に転移性がん細胞を播種し、
前記転移性がん細胞がハイドロゲル上に接着していることを確認し、
候補物質をハイドロゲル上に添加し、
前記候補物質を添加後に前記ハイドロゲルに接着していない細胞があると検出した場合、前記候補物質が転移性がん細胞に対する薬効を有すると判断することを含む、候補物質のスクリーニング方法。
【請求項8】
弾性率が10~50kPaであり、天然物由来高分子、天然物由来高分子の誘導体及び人工タンパク質からなる群から選択される一種である親水性高分子の放射線架橋構造を有するハイドロゲル上に複数の細胞を播種し、
前記ハイドロゲルに接着している細胞と前記ハイドロゲルに接着していない細胞とに分け、
前記ハイドロゲルに接着している細胞を転移性がん細胞として分離することを含む、細胞分離方法。
【請求項9】
転移性がん細胞であるかを判定するためのゲルであって、
前記ゲルは、弾性率が10~50kPaであり、
前記ゲルは、天然物由来高分子、天然物由来高分子の誘導体及び人工タンパク質からなる群から選択される一種である親水性高分子の放射線架橋構造を有するハイドロゲルである、転移性がん細胞であるかを判定するためのゲル。
【請求項10】
前記親水性高分子がゼラチンである、請求項9に記載の転移性がん細胞であるかを判定するためのゲル。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞判定方法、スクリーニング方法、細胞分離方法及びゲルに関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
がんは、異常細胞であるがん細胞が体内で増殖することによって発症する疾患であり、日本人の死亡原因の第1位となっている。このため、がん治療薬の開発研究とがん診断との各分野では、がん細胞を迅速かつ正確に識別する方法が求められている。転移性がん細胞は体内で浸潤及び転移を繰り返すが、この浸潤及び転移のメカニズムはがん細胞の形態変化及び運動性に関係があるとされている。
【0003】
がん創薬、がん診断及び転移メカニズム解明に向けた研究には、がん細胞の特性解析のためにがん細胞を単離する方法が必要である。例えば、特許文献1では、ポリスチレン製の高剛性の培養面における細胞運動特性を基に、がん細胞を識別する方法が報告されている。非特許文献1ではプラスチック製の培養面における細胞形態を基に、がん細胞を識別する方法が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-185888号公報
【非特許文献】
【0005】
Partin A. W., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 86, pp. 1254-1258, 1989
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び非特許文献1に開示の方法では、ハイスループットで転移性がん細胞を単離するという観点から、更なる改善の余地がある。
【0007】
本発明の目的は、ハイスループットで転移性がん細胞を判定及び分離できる細胞判定方法、スクリーニング方法、細胞分離方法及びゲルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の態様を包含する。
[1]弾性率が10~50kPaであり、天然物由来高分子、天然物由来高分子の誘導体及び人工タンパク質からなる群から選択される一種である親水性高分子の放射線架橋構造を有するハイドロゲル上に複数の細胞を播種し、前記ハイドロゲルに接着している細胞を検出し、前記ハイドロゲルに接着している細胞を転移性がん細胞と推定することを含む、細胞判定方法。
[2]前記親水性高分子がゼラチンである、[1]に記載の細胞判定方法。
[3]前記ハイドロゲル上に培地が存在する、[1]又は[2]に記載の細胞判定方法。
[4]前記培地がダルベッコ改変イーグル培地である、[3]に記載の細胞判定方法。
[5]さらに、前記ハイドロゲルに接着している細胞の映像を撮影し、撮影された前記細胞の移動速度を表す第1変数と前記撮影された細胞の方向転換角度を表す第2変数と前記撮影された細胞の方向転換回数を表す第3変数とのうちの少なくとも一つを取得し、前記第1変数と前記第2変数と前記第3変数とのうちの取得された1以上の変数に基づいて、前記撮影された細胞が転移性がん細胞であるか否かを識別することを含む、[1]~[4]のいずれか一項に記載の細胞判定方法。
[6]さらに、前記ハイドロゲルに接着していない細胞を回収し、プラスチック基材上に回収した前記細胞を播種し、前記プラスチック基材に接着しない細胞を非がん細胞であると推定することを含む、[1]~[5]のいずれか一項に記載の細胞判定方法。
[7]弾性率が10~50kPaであり、天然物由来高分子、天然物由来高分子の誘導体及び人工タンパク質からなる群から選択される一種である親水性高分子の放射線架橋構造を有するハイドロゲル上に転移性がん細胞を播種し、前記転移性がん細胞がハイドロゲル上に接着していることを確認し、候補物質をハイドロゲル上に添加し、前記候補物質を添加後に前記ハイドロゲルに接着していない細胞があると検出した場合、候補物質が転移性がん細胞に対する薬効を有すると判断することを含む、候補物質のスクリーニング方法。
[8]前記親水性高分子がゼラチンである、[7]に記載の候補物質のスクリーニング方法。
[9]前記ハイドロゲル上に培地が存在する、[7]又は[8]に記載の候補物質のスクリーニング方法。
[10]前記培地がダルベッコ改変イーグル培地である、[9]に記載の候補物質のスクリーニング方法。
[11]さらに、前記ハイドロゲルに接着している細胞の映像を撮影し、撮影された前記細胞の移動速度を表す第1変数と前記撮影された細胞の方向転換角度を表す第2変数と前記撮影された細胞の方向転換回数を表す第3変数とのうちの少なくとも一つを取得し、前記第1変数と前記第2変数と前記第3変数とのうちの取得された1以上の変数に基づいて、前記撮影された細胞が転移性がん細胞であるか否かを識別することを含む、[7]~[10]のいずれか一項に記載の候補物質のスクリーニング方法。
[12]さらに、前記ハイドロゲルに接着していない細胞を回収し、プラスチック基材上に回収した前記細胞を播種し、前記プラスチック基材に接着しない細胞を非がん細胞であると推定する、[7]~[11]のいずれか一項に記載の候補物質のスクリーニング方法。
[13]弾性率が10~50kPaであり、天然物由来高分子、天然物由来高分子の誘導体及び人工タンパク質からなる群から選択される一種である親水性高分子の放射線架橋構造を有するハイドロゲル上に複数の細胞を播種し、前記ハイドロゲルに接着している細胞と前記ハイドロゲルに接着していない細胞とに分け、前記ハイドロゲルに接着している細胞を転移性がん細胞として分離することを含む、細胞分離方法。
[14]前記親水性高分子がゼラチンである、[13]に記載の細胞分離方法。
[15]前記ハイドロゲル上に培地が存在する、[13]又は[14]に記載の細胞分離方法。
[16]前記培地がダルベッコ改変イーグル培地である、[15]に記載の細胞分離方法。
[17]さらに、前記ハイドロゲルに接着している細胞の映像を撮影し、撮影された前記細胞の移動速度を表す第1変数と前記撮影された細胞の方向転換角度を表す第2変数と前記撮影された細胞の方向転換回数を表す第3変数とのうちの少なくとも一つを取得し、前記第1変数と前記第2変数と前記第3変数とのうちの取得された1以上の変数に基づいて、前記撮影された細胞が転移性がん細胞であるか否かを識別することを含む、[13]~[16]のいずれか一項に記載の細胞分離方法。
[18]さらに、前記ハイドロゲルに接着していない細胞を回収し、プラスチック基材上に回収した前記細胞を播種し、前記プラスチック基材に接着しない細胞を非がん細胞であると推定する、[13]~[17]のいずれか一項に記載の細胞分離方法。
[19]転移性がん細胞であるかを判定するためのゲルであって、前記ゲルは、弾性率が10~50kPaであり、前記ゲルは、天然物由来高分子、天然物由来高分子の誘導体及び人工タンパク質からなる群から選択される一種である親水性高分子の放射線架橋構造を有するハイドロゲルである、転移性がん細胞であるかを判定するためのゲル。
[20]前記親水性高分子がゼラチンである、[19]に記載の転移性がん細胞であるかを判定するためのゲル。
[21]複数の細胞から転移性がん細胞を分離するためのゲルであって、前記ゲルは、弾性率が10~50kPaであり、前記ゲルは、天然物由来高分子、天然物由来高分子の誘導体及び人工タンパク質からなる群から選択される一種である親水性高分子の放射線架橋構造を有するハイドロゲルである、転移性がん細胞を分離するためのゲル。
[22]前記親水性高分子がゼラチンである、[21]に記載の転移性がん細胞を分離するためのゲル。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、ハイスループットで転移性がん細胞を判定及び分離できる細胞判定方法、スクリーニング方法、細胞分離方法及びゲルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一実施形態に係る細胞識別装置の構成例を示す図である。
一実施形態に係る細胞図心の例を示す図である。
一実施形態に係る軌跡生成処理の例を示す図である。
一実施形態に係るk-分割交差検証法を説明する図である。
一実施形態に係る細胞識別装置の動作例を示すフローチャートである。
一実施形態に係る方向転換角度を説明する図である。
実施例1~2、参考例1及び比較例1の細胞接着率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

東京都公立大学法人
動作支援用具
1か月前
東京都公立大学法人
キチン系複合体
1か月前
東京都公立大学法人
反応装置及びそれを用いた化合物の製造方法
21日前
清水建設株式会社
ブラインド制御システム
1か月前
東京都公立大学法人
胸郭運動計測装置及び胸郭運動計測プログラム
1日前
東京都公立大学法人
耐熱合金
24日前
東京都公立大学法人
細胞判定方法、スクリーニング方法、細胞分離方法及びゲル
2日前
東京都公立大学法人
不揮発性磁気熱スイッチ材料、不揮発磁気的熱スイッチング素子及び不揮発性磁気熱スイッチ材料の制御方法
2か月前
個人
抗遺伝子劣化装置
21日前
個人
細胞内探査とその利用
29日前
杏林製薬株式会社
核酸検出用PCR溶液
3か月前
個人
細胞培養容器
2か月前
日本バイリーン株式会社
細胞用支持基材
2か月前
テルモ株式会社
吐出デバイス
11日前
サッポロビール株式会社
飲料
3か月前
株式会社タクマ
バイオマス処理装置
1か月前
株式会社東洋新薬
経口組成物
29日前
日油株式会社
蛋白質安定化剤
2か月前
東洋紡株式会社
改変型RNAポリメラーゼ
2か月前
株式会社タクマ
バイオマス処理装置
1か月前
東ソー株式会社
pH応答性マイクロキャリア
14日前
テルモ株式会社
容器蓋デバイス
11日前
大陽日酸株式会社
培養装置
24日前
大陽日酸株式会社
培養装置
24日前
トヨタ自動車株式会社
バイオ燃料製造方法
8日前
株式会社ファンケル
SEC12タンパク発現促進剤
2か月前
株式会社東海ヒット
灌流培養ユニット
3か月前
オンキヨー株式会社
浸漬酒の製造方法、及び、浸漬酒
2か月前
アサヒビール株式会社
柑橘風味アルコール飲料
2か月前
個人
ナノ微粒子の製造方法
3か月前
アサヒビール株式会社
柑橘風味アルコール飲料
2か月前
テルモ株式会社
採取組織細切補助デバイス
11日前
株式会社シャローム
スフィンゴミエリン製造方法
17日前
株式会社今宮
瓶詰ビールの加熱殺菌方法および装置
18日前
公立大学法人北九州市立大学
微生物の検知方法
1か月前
花王株式会社
リパーゼ変異体
2か月前
続きを見る