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公開番号
2025133717
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-11
出願番号
2025030239
出願日
2025-02-27
発明の名称
アリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド及びその製造方法、並びにフルオロアルキルスルホンイミド塩化合物、その重合体及び製造方法
出願人
国立大学法人山口大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07C
311/11 20060101AFI20250904BHJP(有機化学)
要約
【課題】フルオロアルキルスルホンイミド塩化合物へと変換が可能である、アリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド化合物、及びその簡便な製造方法、フルオロアルキルスルホンイミド塩化合物、並びにその重合体を提供することを課題とする。
【解決手段】ビニル基置換フルオロアルキル環状スルホンイミド化合物に対して、ラジカル開始剤の存在の下、臭化アリル化合物を作用させ、その後、加水分解することにより、アリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド化合物を製造し、さらに、フルオロアルキルスルホンイミド塩化合物に変換し、かかるフルオロアルキルスルホンイミド化合物を重合することによる重合体を製造する方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ビニル基置換フルオロアルキル環状スルホンイミド化合物に対して、ラジカル開始剤の存在の下、臭化アリル化合物を作用させ、その後、加水分解することによる、アリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド化合物の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
ビニル基置換フルオロアルキル環状スルホンイミド化合物が、下記式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の製造方法。
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2025133717000029.jpg
65
96
(式中、Arは芳香族基を表し、RはH又はFを表し、Rの少なくとも1つはFである。)
【請求項3】
臭化アリル化合物が、下記式(2)で表される化合物である、請求項1に記載の製造方法。
JPEG
2025133717000030.jpg
58
96
(式中、R
1
はH、低級アルキル基、又はエステル基を表し、R
2
及びR
3
はそれぞれ、独立して、H、又は低級アルキル基を表す。)
【請求項4】
下記式(3)で表されるアリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド化合物。
JPEG
2025133717000031.jpg
52
101
(式中、R
1
、R
2
及びR
3
は、式(2)におけるR
1
、R
2
及びR
3
と同じである。)
【請求項5】
請求項1に記載の製造方法において、アリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド化合物をさらに変換することによる、フルオロアルキルスルホンイミド塩化合物の製造方法。
【請求項6】
下記式(7)で表されるフルオロアルキルスルホンイミド塩化合物。
JPEG
2025133717000032.jpg
47
170
(式中、mは1~6の整数を表す。)
【請求項7】
請求項5に記載の製造方法において、フルオロアルキルスルホンイミド塩化合物を重合すること、又はフルオロアルキルスルホンイミド塩化合物とジチオール化合物とを重合することによる、フルオロアルキルスルホンイミドアニオン部位を有する重合体の製造方法。
【請求項8】
下記式(8)で表されるフルオロアルキルスルホンイミドアニオン部位を有する重合体。
JPEG
2025133717000033.jpg
47
170
(式中、mは1~6の整数を表し、nは重合を表す。)
【請求項9】
下記式(9)で表されるフルオロアルキルスルホンイミドアニオン部位を有する重合体。
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2025133717000034.jpg
33
170
(式中、mは1~6の整数を表し、nは重合を表す。)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド、及びその製造方法に関する。また、アリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミドを変換することにより得られるフルオロアルキルスルホンイミド塩化合物に関する。さらに、フルオロアルキルスルホンイミド塩化合物を重合することにより得られる重合体、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、リチウムイオン電池(LIB)の電解液として有機電解液が使用されてきているが、液漏れや有機溶媒の発火等が安全上大きな問題となっており、有機溶媒を使用しない固体電解質の開発が活発に行われている。固体電解質の一つである無機固体電解質は高い電気伝導性を実現したものの、その脆さ・硬さに起因する電極界面との剥離、結果としての電池性能の低下、さらには、その不安定性による取扱いの難しさ等の問題を解決する必要がある。一方、有機固体電解質としての固体高分子電解質(SPE)は、可撓性、安定性、高い電気伝導性を実現できる潜在能力があり、特に、電解質の濃度勾配とセル分極が起こらず、電池性能が低下し難いシングルリチウムイオン伝導体(SLICs)は有望である。また、シングルリチウムイオン伝導体を固体として使用するだけでなく液体の溶媒に溶解させて使用する方法がある。有機固体電解質に比べ高い伝導度が得られる。また固体電解質と同様、アニオンの動きを制御できるため高いカチオン輸率が期待できる。一方で、イオン同士の距離が近くなるため対イオン凝縮が起こりやすく、一般的にイオン解離性・溶解性が低いことが課題となる。
【0003】
スルホンイミド化合物は、良好なイオン電導性、熱安定性、化学的安定性を有することから、リチウム二次電池の電解質として有用な物質であり、これまでにもSLICsとしてスルホンイミド重合体が検討されてきた。これまでにスルホンイミド化合物及びその重合体が合成されてきているものの、その合成が難しく、限られた構造の化合物や重合体しか得られていなかった。非特許文献1は、2つのフルオロアルキルスルホンが置換したイミド塩化合物として、以下に示すLiPBSI(リチウム ポリペルフルオロブチレン-1,4-ビス-スルホニルイミド)とさらに炭素鎖が2炭素原子分長いLiPHSI(リチウム ポリペルフルオロへキシレン-1,4-ビス-スルホニルイミド)とを記載しているが、2つのフルオロアルキルスルホンが置換したイミド塩としては非常に単純なものに限定されている。
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2025133717000001.jpg
59
155
【0004】
以上のとおり、スルホンイミド塩化合物はリチウム二次電池の電解質として有用な物質でありながら、これまでに得られたフルオロアルキルスルホンが置換したイミド塩としては非常に単純な構造のものに限定されていることから、イオン伝導体(ポリマー)のイオン電導率などの性能面や機能的なバリエーションを検討するには限界があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Lu, N. ; Ho, Y. M. ; Fan, C. W. ; Wang, F. M.; Lee, J. T., Solid State Ionics 2007, 178, 347-353
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような状況に鑑み、フルオロアルキルスルホンイミド塩化合物への変換が可能である、アリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド化合物、及びその簡便な製造方法を提供することを課題とする。また、アリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド化合物を変換して、フルオロアルキルスルホンイミド塩化合物を提供することを課題とする。さらに、フルオロアルキルスルホンイミド塩化合物を重合して、フルオロアルキルスルホンイミドアニオン部位を有する重合体、及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行い、ビニル基置換フルオロアルキル環状スルホンイミドに対して、ラジカル開始剤及び臭化アリルを作用させ、加水分解を実施することにより、アリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド化合物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下に関する。
[1]ビニル基置換フルオロアルキル環状スルホンイミド化合物に対して、ラジカル開始剤の存在の下、臭化アリル化合物を作用させ、その後、加水分解することによる、アリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド化合物の製造方法。
[2]ビニル基置換フルオロアルキル環状スルホンイミド化合物が、下記式(1)で表される化合物である、[1]に記載の製造方法。
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2025133717000002.jpg
66
155
(式中、Arは芳香族基を表し、RはH又はFを表し、Rの少なくとも1つはFである。)
[3]臭化アリル化合物が、下記式(2)で表される化合物である、[1]に記載の製造方法。
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2025133717000003.jpg
52
155
(式中、R
1
はH、低級アルキル基、又はエステル基を表し、R
2
及びR
3
はそれぞれ、独立して、H、又は低級アルキル基を表す。)
[4]下記式(3)で表されるアリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド化合物。
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2025133717000004.jpg
42
152
(式中、R
1
、R
2
及びR
3
は、式(2)におけるR
1
、R
2
及びR
3
と同じである。)[5][1]に記載の製造方法において、アリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド化合物をさらに変換することによる、フルオロアルキルスルホンイミド塩化合物の製造方法。
[6]下記式(7)で表されるフルオロアルキルスルホンイミド塩化合物。
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2025133717000005.jpg
41
158
(式中、mは1~6の整数を表す。)
[7][5]に記載の製造方法において、フルオロアルキルスルホンイミド塩化合物を重合すること、又はフルオロアルキルスルホンイミド塩化合物とジチオール化合物とを重合することによる、フルオロアルキルスルホンイミドアニオン部位を有する重合体の製造方法。
[8]下記式(8)で表されるフルオロアルキルスルホンイミドアニオン部位を有する重合体。
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2025133717000006.jpg
41
158
(式中、mは1~6の整数を表し、nは重合を表す。)
[9]下記式(9)で表されるフルオロアルキルスルホンイミドアニオン部位を有する重合体。
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2025133717000007.jpg
33
158
(式中、mは1~6の整数を表し、nは重合を表す。)
【発明の効果】
【0009】
本発明の製造方法によれば、アリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド化合物を簡便な方法により製造することができる。さらに、アリル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド化合物は、変換することによりフルオロアルキルスルホンイミド塩化合物を得ることができる。さらに、フルオロアルキルスルホンイミド塩化物を末端のアリル基を足がかりとして重合することにより重合体への変換が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明のポリマーの伝導度と温度との相関に対する溶媒の影響を示すグラフである。
本発明のポリマーの伝導度と温度との相関を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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