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公開番号2025133683
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2024170007
出願日2024-09-30
発明の名称同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物の製造方法及び同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物
出願人国立大学法人山口大学,東ソー・ファインケム株式会社
代理人個人
主分類C07C 37/62 20060101AFI20250904BHJP(有機化学)
要約【課題】電子材料、電気・電子分野、感光性樹脂組成物などの機能性材料、医薬品及び農薬の原料として有用な化合物である、同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物を効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】芳香環が炭素原子のみで構成されているフェノール化合物に対し、塩基存在下、光照射してトリフルオロヨードメタンと反応させることにより、同環内にトリフルオロメチル基を2つ以上導入することを特徴とする、同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物の製造方法、および同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1)
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23
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(式(1)中、Rは水素原子、炭素数1~15のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1~15のアルキル基、芳香族基で置換されたアルキル基、芳香族基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシ基で置換された炭素数1~15のアルキル基、アルキルチオ基で置換された炭素数1~15のアルキル基、またはカルボアルコキシ基または(tert-ブトキシカルボニル)アミノ基を示す。)
または
下記一般式(2)
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34
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(式(2)中、R

は、なし(すなわち直接結合)、エーテル結合、チオエーテル結合、アルコキシ基で置換された炭素数1~15のアルキリデン基、アルキルチオ基で置換された炭素数1~15のアルキリデン基、カルボアルコキシ基で置換された炭素数1~15のアルキリデン基、炭素数1~15のアルキリデン基、芳香族基で置換されたアルキリデン基、ハロゲン原子で置換された炭素数1~15のアルキリデン基、フェニレン基、X

の基、またはX

の基を示す。
ここで、X

は下記式(2-1)であり、X

は下記式(2-2)であり、式中のZは芳香環との結合位置を示す。
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で表されるフェノール化合物類を塩基存在下、光照射してトリフルオロヨードメタンと反応させる、
下記一般式(3)
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31
170
(式(3)中、Rは上記式(1)と同じ。)
または
下記一般式(4)
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47
170
(式(4)中、R

は上記式(2)と同じ。)
で表される、同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
光増感剤存在下で光照射してトリフルオロヨードメタンと反応させることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
光増感剤が、1,2,3,5-テトラキス(カルバゾール-9-イル)-4,6-ジシアノベンゼンまたはリボフラビンである、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
塩基が炭酸セシウムまたは炭酸リチウムである、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
光増感剤が、1,2,3,5-テトラキス(カルバゾール-9-イル)-4,6-ジシアノベンゼンまたはリボフラビンであり、かつ塩基が炭酸セシウムまたは炭酸リチウムである、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
下記式(5)~式(20)のいずれかで表される2つまたは4つまたは6つのトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物。
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発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フェノール構造有する芳香族環において、同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物の製造方法及び同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
トリフルオロメチル基を有するフェノール化合物は、耐熱性、耐久性、機械的性質、電気的性質などに優れているため、各種の産業分野で使用されている。例えば、トリフルオロメチル基を有するフェノール化合物は半導体製造用フォトレジストなどの電子材料、IC封止材料などの電気・電子分野、感光性樹脂組成物などの機能性材料、医薬品及び農薬の合成原料として有用であることが知られている。
非特許文献1および非特許文献2には、2つのトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物である2,6-ビス(トリフルオロメチル)-4-t-ブチルフェノールの合成方法が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
梅本 照雄ら,Bulletin of the chemical society of Japan, (1986), 59, 447-452
アントニオ トーニら,Journal of Organic Chemistry (2008), 73, 7678-7685
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1には、トリフルオロメチル基を有するフェノール化合物を合成しており、表1(Table 1)では、2-トリフルオロメチル-4-t-ブチルフェノールを65%、2,6-ビス(トリフルオロメチル)-4-t-ブチルフェノールを17%の収率となっており、2つのトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物の収率が、1つのトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物の半分以下の収量しか得られないという結果になっている。
【0005】
非特許文献2には、トリフルオロメチル基を有するフェノール化合物を合成しており、表2(Table 2)では、種々のフェノール化合物よりトリフルオロメチル基を導入した結果が示されている。その結果は非特許文献1と同様に、2つのトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物の収率が、1つのトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物の半分以下の収量しか得られないという結果になっている。
【0006】
このように、フェノール化合物にトリフルオロメチル基を導入する反応において、同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物を収率よく、また1つのトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物の生成を抑えつつ効率的に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物を得ることが望まれていた。
【0007】
上記の背景技術では、1つのみトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物が同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物より多く取得され、2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物を効率的に取得することは困難であり、かつトリフルオロメチル基の導入源として用いるN-トリフルオロメチル-N-ニトロソトリフルオロメタンスルホンアミドおよびトグニ試薬は比較的高価である課題があった。
そこで本発明の目的は、同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物の工業的な製造方法及び同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討の結果、光増感剤および塩基存在下にてトリフルオロヨードメタンに対し溶媒中で光照射しフェノール化合物と反応させることで、同環内に1つのみトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物の含有割合が同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有する芳香族化合物の含有割合よりも少ない、同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物を効率的に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお「同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物」とは、例えば下記一般式(3)のように、ヒドロキシ基を有する芳香環を1つ有している化合物では当該芳香環に結合する置換基としてトリフルオロメチル基が2以上結合する化合物をいい、または下記一般式(4)のように、ヒドロキシ基を有する芳香環を2つ有している化合物では当該芳香環の各々に結合する置換基としてそれぞれトリフルオロメチル基が2以上結合する化合物をいう。
【0009】
すなわち、本発明は下記の要旨に係るものである。
[1] 下記一般式(1)
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23
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(式(1)中、Rは水素原子、炭素数1~15のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1~15のアルキル基、芳香族基で置換されたアルキル基、芳香族基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシ基で置換された炭素数1~15のアルキル基、アルキルチオ基で置換された炭素数1~15のアルキル基、またはカルボアルコキシ基または(tert-ブトキシカルボニル)アミノ基を示す。)
または
下記一般式(2)
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(式(2)中、R

は、なし(すなわち直接結合)、エーテル結合、チオエーテル結合、アルコキシ基で置換された炭素数1~15のアルキリデン基、アルキルチオ基で置換された炭素数1~15のアルキリデン基、カルボアルコキシ基で置換された炭素数1~15のアルキリデン基、炭素数1~15のアルキリデン基、芳香族基で置換されたアルキリデン基、ハロゲン原子で置換された炭素数1~15のアルキリデン基、フェニレン基、X

の基、またはX

の基を示す。
ここで、X

は下記式(2-1)であり、X

は下記式(2-2)であり、式中のZは芳香環との結合位置を示す。
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で表されるフェノール化合物類を塩基存在下、光照射してトリフルオロヨードメタンと反応させる、
下記一般式(3)
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(式(3)中、Rは上記式(1)と同じ。)
または
下記一般式(4)
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45
170
(式(4)中、R

は上記式(2)と同じ。)
で表される、同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物の製造方法。
[2] 光増感剤存在下で光照射してトリフルオロヨードメタンと反応させることを特徴とする、項[1]に記載の製造方法。
[3] 光増感剤が、1,2,3,5-テトラキス(カルバゾール-9-イル)-4,6-ジシアノベンゼンまたはリボフラビンである、項[2]に記載の製造方法。
[4] 塩基が炭酸セシウムまたは炭酸リチウムである、項[1]~項[3]に記載の製造方法。
[5] 光増感剤が、1,2,3,5-テトラキス(カルバゾール-9-イル)-4,6-ジシアノベンゼンまたはリボフラビンであり、かつ塩基が炭酸セシウムまたは炭酸リチウムである、項[1]~項[3]に記載の製造方法。
[6] 下記、式(5)~式(20)のいずれかで表される2つまたは4つまたは6つのトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物。
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【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電子材料、電気・電子分野、機能性材料、医薬品及び農薬の原料として有用な化合物である、フェノール構造有する芳香族環において、同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物の工業的な製造方法及び同環内に2つ以上のトリフルオロメチル基を有するフェノール化合物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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