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公開番号2025082602
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-29
出願番号2023196042
出願日2023-11-17
発明の名称ニッケル系金属板一体型セラミックス基板およびその製造方法
出願人国立大学法人山口大学,DOWAホールディングス株式会社
代理人個人
主分類H01L 23/13 20060101AFI20250522BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】厳しいヒートサイクルに対する耐久性向上と、ニッケルめっき層の密着強度の維持を両立させることが難しいといった、ニッケルめっき層を有する従来のセラミックス基板が抱える問題を回避することができ、かつ、はんだ濡れ性が良好な金属層を表面に持つ、セラミックス基板を提供する。
【解決手段】セラミックス板の板面上に接合された銅系またはアルミニウム系板状部材の金属表面と、厚さ0.05mm以上のニッケル系金属板の金属表面とが直接的に密着した接合部Aを有し、接合部Aのシェア強度が10.0MPa以上である、ニッケル系金属板一体型セラミックス基板。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
セラミックス板の板面上に接合された銅系またはアルミニウム系板状部材の金属表面と、厚さ0.05mm以上のニッケル系金属板の金属表面とが直接的に密着した接合部Aを有し、前記ニッケル系金属板の端面を荷重測定治具により移動速度0.25mm/秒で接合部Aに対して平行方向に押した場合の接合部Aの破断時におけるシェア強度が10.0MPa以上である、ニッケル系金属板一体型セラミックス基板。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記セラミックス板は、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si



)、酸化アルミニウム(Al



)のいずれかを主成分とするものである、請求項1に記載のニッケル系金属板一体型セラミックス基板。
【請求項3】
セラミックス板の板面上に接合された銅系またはアルミニウム系板状部材の金属表面と、厚さ0.05mm以上のニッケル系金属板の金属表面とが直接的に密着した接合部Aを有する、ニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法であって、
前記銅系またはアルミニウム系板状部材、前記ニッケル系金属板のうち少なくとも一方に、前記接合部Aを形成することになる表面から水素を吸蔵した材料を使用し、前記銅系またはアルミニウム系板状部材と前記ニッケル系金属板の表面同士を接触させ、その接触界面に加圧力を付与しながら400℃以上650℃以下かつ前記接触界面両側の金属が溶融しない温度に加熱することにより接合部Aを形成させる、ニッケル系金属板接合工程、
を含む、ニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法。
【請求項4】
前記銅系またはアルミニウム系板状部材が、銅系またはアルミニウム系板状下層部材を介してセラミックス板の板面上に接合されたものであり、前記接合部Aを有するとともに、前記銅系またはアルミニウム系板状下層部材の金属表面と、前記銅系またはアルミニウム系板状部材の接合部Aに対して背面側の金属表面とが直接的に密着した接合部Bを有する、ニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法であって、
前記ニッケル系金属板接合工程において、前記銅系またはアルミニウム系板状部材、前記ニッケル系金属板のうち少なくとも一方に、前記接合部Aを形成することになる表面から水素を吸蔵した材料を使用するとともに、前記銅系またはアルミニウム系板状下層部材、前記銅系またはアルミニウム系板状部材のうち少なくとも一方に、前記接合部Bを形成することになる表面から水素を吸蔵した材料を使用し、前記銅系またはアルミニウム系板状部材と前記ニッケル系金属板の表面同士を接触させるとともに、前記銅系またはアルミニウム系板状下層部材と前記銅系またはアルミニウム系板状部材の表面同士を接触させ、それらの各接触界面に加圧力を付与しながら400℃以上650℃以下かつ前記各接触界面両側の金属が溶融しない温度に加熱することにより接合部Aおよび接合部Bを形成させる、請求項3に記載のニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法。
【請求項5】
前記セラミックス板は、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si



)、酸化アルミニウム(Al



)のいずれかを主成分とするものである、請求項3または4に記載のニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法。
【請求項6】
接合部Aとなる接触界面の加圧力を1MPa以上50MPa以下とする、請求項3または4に記載のニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法。
【請求項7】
前記接合部Aを形成することになる表面から水素を吸蔵した材料は、強電解質水溶液中において、前記表面を陰極として水の電気分解を行うことにより当該表面から水素を導入させたものである、請求項3または4に記載のニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法。
【請求項8】
前記接合部Bを形成することになる表面から水素を吸蔵した材料は、強電解質水溶液中において、前記表面を陰極として水の電気分解を行うことにより当該表面から水素を導入させたものである、請求項4に記載のニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子を搭載するための絶縁回路基板として有用な、セラミックス板、回路用金属部材、ニッケル系金属板が積層して一体化した構造を有する、ニッケル系金属板一体型セラミックス基板、およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
パワーモジュールなどの発熱量の多い半導体装置では、一般に絶縁体であるセラミックス板の表面に板状の回路用金属部材が接合された「絶縁回路基板」が使用され、半導体素子は前記の回路用金属部材の上にはんだ付けなどの方法で搭載される。本明細書では、セラミックス板を用いた絶縁回路基板を「セラミックス基板」と呼んでいる。
【0003】
セラミックス基板に用いる回路用金属部材としては、一般に導電性の良好な銅系あるいはアルミニウム系の金属材料が適用される。回路用金属部材の表面には、はんだ濡れ性を改善するために、従来、ニッケルめっきを施すことが多い。
【0004】
近年、セラミックス基板には、発熱量が大きい小型高性能の半導体素子を搭載する用途が増えている。そのような半導体素子を搭載するセラミックス基板では、厳しいヒートサイクルを受けるため、回路用金属部材のうねりが生じやすく、はんだ層のクラック発生や半導体チップの破損などに対する耐久性の向上が特に重要となる。その有効な対策として、ニッケルめっき層の厚さを厚くする手法が知られている。特許文献1には、上記の耐久性を向上させるために、回路用金属部材の表面に厚さ17μm以上の厚いニッケルめっき層を形成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-18992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ニッケルめっき層を厚肉化すると、回路用金属部材とニッケルめっき層の密着強度が低下しやすくなることがわかっている。また、所定の回路形状を有する回路用金属部材の表面に厚いニッケルめっき層を形成することは製造コストを上昇させる要因となる。そのため、ニッケルめっき層を厚肉化する手法の採用は、必ずしも容易ではない。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑み、厳しいヒートサイクルに対する耐久性向上と、ニッケルめっき層の密着強度の維持を両立させることが難しいといった、ニッケルめっき層を有する従来のセラミックス基板が抱える問題を回避することができ、かつ、はんだ濡れ性が良好な金属層を表面に持つ、セラミックス基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、回路用金属部材の表面に、板厚0.05mm以上のニッケル系金属板が直接的に密着した構造を有する「ニッケル系金属板一体型セラミックス基板」によって達成される。また、回路用金属部材とニッケル系金属板とが直接的に密着した接合構造は、回路用金属部材、ニッケル系金属板の少なくとも一方に水素を吸蔵した材料を使用し、両者の接触界面に加圧力を付与しながら400℃以上650℃以下に加熱する手法により形成できることが確認された。具体的には、本明細書では以下の発明を開示する。
【0009】
[1]セラミックス板の板面上に接合された銅系またはアルミニウム系板状部材の金属表面と、厚さ0.05mm以上のニッケル系金属板の金属表面とが直接的に密着した接合部Aを有し、前記ニッケル系金属板の端面を荷重測定治具により移動速度0.25mm/秒で接合部Aに対して平行方向に押した場合の接合部Aの破断時におけるシェア強度が10.0MPa以上である、ニッケル系金属板一体型セラミックス基板。
[2]前記セラミックス板は、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si



)、酸化アルミニウム(Al



)のいずれかを主成分とするものである、上記[1]に記載のニッケル系金属板一体型セラミックス基板。
[3]セラミックス板の板面上に接合された銅系またはアルミニウム系板状部材の金属表面と、厚さ0.05mm以上のニッケル系金属板の金属表面とが直接的に密着した接合部Aを有する、ニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法であって、
前記銅系またはアルミニウム系板状部材、前記ニッケル系金属板のうち少なくとも一方に、前記接合部Aを形成することになる表面から水素を吸蔵した材料を使用し、前記銅系またはアルミニウム系板状部材と前記ニッケル系金属板の表面同士を接触させ、その接触界面に加圧力を付与しながら400℃以上650℃以下かつ前記接触界面両側の金属が溶融しない温度に加熱することにより接合部Aを形成させる、ニッケル系金属板接合工程、
を含む、ニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法。
[4]前記銅系またはアルミニウム系板状部材が、銅系またはアルミニウム系板状下層部材を介してセラミックス板の板面上に接合されたものであり、前記接合部Aを有するとともに、前記銅系またはアルミニウム系板状下層部材の金属表面と、前記銅系またはアルミニウム系板状部材の接合部Aに対して背面側の金属表面とが直接的に密着した接合部Bを有する、ニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法であって、
前記ニッケル系金属板接合工程において、前記銅系またはアルミニウム系板状部材、前記ニッケル系金属板のうち少なくとも一方に、前記接合部Aを形成することになる表面から水素を吸蔵した材料を使用するとともに、前記銅系またはアルミニウム系板状下層部材、前記銅系またはアルミニウム系板状部材のうち少なくとも一方に、前記接合部Bを形成することになる表面から水素を吸蔵した材料を使用し、前記銅系またはアルミニウム系板状部材と前記ニッケル系金属板の表面同士を接触させるとともに、前記銅系またはアルミニウム系板状下層部材と前記銅系またはアルミニウム系板状部材の表面同士を接触させ、それらの各接触界面に加圧力を付与しながら400℃以上650℃以下かつ前記各接触界面両側の金属が溶融しない温度に加熱することにより接合部Aおよび接合部Bを形成させる、上記[3]に記載のニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法。
[5]前記セラミックス板は、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si



)、酸化アルミニウム(Al



)のいずれかを主成分とするものである、上記[3]または[4]に記載のニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法。
[6]接合部Aとなる接触界面の加圧力を1MPa以上50MPa以下とする、上記[3]~[5]のいずれかに記載のニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法。
[7]前記接合部Aを形成することになる表面から水素を吸蔵した材料は、強電解質水溶液中において、前記表面を陰極として水の電気分解を行うことにより当該表面から水素を導入させたものである、上記[3]~[6]のいずれかに記載のニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法。
[8]前記接合部Bを形成することになる表面から水素を吸蔵した材料は、強電解質水溶液中において、前記表面を陰極として水の電気分解を行うことにより当該表面から水素を導入させたものである、前記[4]~[7]のいずれかに記載のニッケル系金属板一体型セラミックス基板の製造方法。
【0010】
上記において、「セラミックス板の板面」とは、セラミックス板の板厚方向に対して垂直な表面を意味する。「セラミックス板の板面上に接合された銅系またはアルミニウム系板状部材」には、当該銅系またはアルミニウム系板状部材が、セラミックス板の板面に直接接合されている場合の他、当該銅系またはアルミニウム系板状部材が、セラミックス板の板面との間に1層以上の介在層(例えばろう材層、中間材料層など)を挟んで、セラミックス板に接合されている場合を含む。「加圧力」は接触界面に付与される当該接触界面に対して垂直方向の圧力である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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