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公開番号2025104546
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2023222425
出願日2023-12-28
発明の名称核酸の導入方法、核酸導入装置
出願人国立大学法人山口大学,ウシオ電機株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類C12N 15/87 20060101AFI20250703BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】核へのダメージを生じさせるリスクを抑制しながらも、簡易な制御内容によって、遺伝子を始めとする外来核酸を宿主細胞に導入する方法を提供する。
【解決手段】この核酸の導入方法は、宿主細胞を準備する工程(a)と、外来核酸を含む第一溶液を準備する工程(b)と、宿主細胞に主波長が200~235nmの範囲内に属する紫外線を照射する工程(c)と、工程(c)の実行中又は工程(c)の実行後に、宿主細胞に第一溶液を接触させる工程(d)とを有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
宿主細胞を準備する工程(a)と、
外来核酸を含む第一溶液を準備する工程(b)と、
前記宿主細胞に主波長が200nm~235nmの範囲内に属する紫外線を照射する工程(c)と、
前記工程(c)の実行中又は前記工程(c)の実行後に、前記宿主細胞に前記第一溶液を接触させる工程(d)とを有することを特徴とする、核酸の導入方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記工程(d)は、前記工程(c)の実行後、前記紫外線の照射を停止した状態で実行されることを特徴とする、請求項1に記載の、核酸の導入方法。
【請求項3】
前記工程(a)は、培養領域を含む培養容器を準備する工程と、培養液を収容した前記培養領域内に前記宿主細胞を導入する工程とを含み、
前記工程(c)よりも前に、前記培養容器に収容された前記培養液を除去する工程(e)を有し、
前記工程(d)は、前記培養領域に前記第一溶液を供給する工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の、核酸の導入方法。
【請求項4】
前記工程(c)は、前記宿主細胞の種類及び前記外来核酸の種類に応じて設定された照射線量で前記紫外線を照射する工程であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の、核酸の導入方法。
【請求項5】
培養領域を含む培養容器内に収容された宿主細胞に外来核酸を導入するための、核酸導入装置であって、
前記培養領域に向けて主波長が200nm~235nmの範囲内に属する紫外線を発する光源と、
前記光源の点灯制御を行う制御部と、
前記外来核酸を含む第一溶液を前記培養領域に注入可能に構成された注入機構とを備え、
前記制御部は、前記培養領域に前記宿主細胞が設置された後、前記注入機構から前記培養領域に前記第一溶液の注入が開始されるよりも前に、前記光源を点灯する制御を実行することを特徴とする、核酸導入装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記光源を点灯する制御を実行した後、前記注入機構から前記培養領域に前記第一溶液の注入が開始されるよりも前に、前記光源を消灯する制御を実行することを特徴とする、請求項5に記載の、核酸導入装置。
【請求項7】
前記光源を搭載する光源装置を備え、
前記光源装置は、前記光源の高さ位置を調整可能な、位置調整機構を有することを特徴とする、請求項5又は6に記載の、核酸導入装置。
【請求項8】
前記位置調整機構は、前記光源の高さ位置を、前記宿主細胞の種類及び前記外来核酸の種類に関する情報に基づいて特定される高さ位置に調整する制御を行うことを特徴とする、請求項7に記載の、核酸導入装置。
【請求項9】
前記光源を搭載する光源装置を備え、
前記光源装置は、
前記紫外線を取り出すための光取出し窓と、
前記紫外線の光路方向に関して前記光取出し窓の後段に配置可能であって、前記紫外線の強度を低下させる減光部材とを有することを特徴とする、請求項5又は6に記載の、核酸導入装置。
【請求項10】
前記光源装置は、減光率が相互に異なる複数の前記減光部材を有しており、
前記宿主細胞の種類及び前記外来核酸の種類に関する情報に基づいて選択された一の前記減光部材が、前記紫外線の光路上に設置可能に構成されていることを特徴とする、請求項9に記載の、核酸導入装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸の導入方法に関し、特に紫外線を利用して核酸を細胞に導入する方法に関する。また、本発明は、紫外線を利用した核酸導入装置に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、レーザを利用して宿主細胞の細胞膜に孔を開け、この孔を通じて外来遺伝子を宿主細胞に導入する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭63-283569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている技術は、レーザ光の一部をタンパク質とリン脂質に吸収ささせることで、レーザ光由来のエネルギーを利用して細胞膜に孔を開けるというものである。
【0005】
しかし、この方法によれば、レーザ光の一部のエネルギーが細胞内の核に達して、核がダメージを受ける可能性がある。このような事態が生じると、宿主細胞が死滅することが起こり得る。
【0006】
この理由としては、細胞膜に開けられた孔の径が大きい場合に、当該孔を通じて入射されたレーザ光が核に達したことによる可能性が考えられる。別の理由としては、高いエネルギーを有するレーザ光の一部が、タンパク質及びリン脂質を透過した結果、核に達したことによる可能性が考えられる。
【0007】
上記の課題に鑑みると、宿主細胞の核に対するダメージを抑制しながら、宿主細胞に外来遺伝子を導入するための手段として、核へのダメージが生じない範囲内で、レーザ光の出力や照射時間(以下、「照射条件」と総称する。)を制御する方法が考えられる。しかし、この方法を採用するためには、宿主細胞や外来遺伝子の種類及び大きさ等に応じて、照射条件を適切に設定する必要がある。しかしながら、宿主細胞や外来遺伝子の種類及び大きさ等に関するバリエーションは多岐にわたるため、最適な照射条件を導き出すことは容易ではない。
【0008】
特に、レーザ光はエネルギーが高いため、照射されるエネルギー量を微妙に制御することが難しいという事情がある。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑み、核へのダメージを生じさせるリスクを抑制しながらも、簡易な制御内容によって、遺伝子を始めとする外来核酸を宿主細胞に導入する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、このような方法の実施に適した核酸導入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る核酸の導入方法は、
宿主細胞を準備する工程(a)と、
外来核酸を含む第一溶液を準備する工程(b)と、
前記宿主細胞に主波長が200nm~235nmの範囲内に属する紫外線を照射する工程(c)と、
前記工程(c)の実行中又は前記工程(c)の実行後に、前記宿主細胞に前記第一溶液を接触させる工程(d)とを有することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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