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公開番号2025134168
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-17
出願番号2024031900
出願日2024-03-04
発明の名称銅触媒による立体特異的シアノ化反応
出願人岩谷産業株式会社,国立大学法人山口大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07C 253/14 20060101AFI20250909BHJP(有機化学)
要約【課題】嵩高い光学活性を有するβアミノ酸を含むペプチド合成のための、嵩高い光学活性を有するβアミノ酸誘導体の前駆体となるシアノ化物の合成方法を提供すること。
【解決手段】嵩高い第三級アルキル化構造を有し、かつ光学活性を有するαハロゲンアミドを銅触媒の存在下で、シアノヒドリンと反応させることによる、嵩高い第三級アルキル化構造を有し、かつ光学活性を有するシアノ化生成物の合成方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
嵩高い第三級アルキル化構造を有し、かつ光学活性を有するαハロゲンアミドを銅触媒の存在下で、シアノヒドリンと反応させることによる、嵩高い第三級アルキル化構造を有し、かつ光学活性を有するシアノ化生成物の合成方法。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
請求項1に記載の合成方法において、嵩高い第三級アルキル化構造を有し、かつ光学活性を有するシアノ化生成物をさらに還元することによる、βアミノ酸誘導体の合成方法。
【請求項3】
下記式で表されるシアノ化生成物。
TIFF
2025134168000011.tif
38
69
【請求項4】
下記式で表されるβアミノ酸誘導体。
TIFF
2025134168000012.tif
42
81

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、銅触媒による立体特異的シアノ化反応、並びに銅触媒による立体特異的シアノ化反応により合成されるシアノ化生成物及びβアミノ酸誘導体に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
αアミノ酸よりもアミノ基とカルボニル基との間が1炭素原子分長いβアミノ酸の誘導体は、医薬品などのファインケミカルの合成のための原料として用いられる有機化合物であり、医薬品などの開発を促進するために、その効率的な合成法の開発が求められている。特に、光学活性を有するβアミノ酸誘導体の効率的な合成法の開発が求められている。
【0003】
光学活性を有さないβアミノ酸誘導体の合成には、様々な遷移金属とキラル配位子とが用いられてきた。最も頻繁に用いられる合成方法は、触媒的不斉水素化反応、マンニッヒ反応、並びにアルケンへの炭素及び窒素求核剤の共役付加反応である。一方、光学活性を有するβアミノ酸誘導体の合成については、エナミドエステルの不斉還元やマンニッヒ反応により合成できることが報告されているが、これらの反応では嵩高いβアミノ酸誘導体は合成できていない(非特許文献1及び2)。
【0004】
シアノ化物はβアミノ酸誘導体の前駆体であり、嵩高いβアミノ酸誘導体の前駆体となる嵩高いシアノ化物の合成例としては、シアン化亜鉛と銅触媒とを用いた例があるが、これらの例では光学活性を有する嵩高いシアノ化物を得ることはできない(非特許文献3)。
以上のとおり、反応点の立体障害のために、嵩高い光学活性を有するβアミノ酸誘導体の前駆体となるシアノ化物の合成については、これまでに報告されておらず、新しい合成法の開発が強く求められていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
W.D.Lubell, M.Kitamura and R.Noyori, Tetrahedron: Asymmetry, 1991, 2, 543
Y.Hashimoto, N.Sasamoto, D.Hotta, H.Somei, N.Umebayashi and M.Sodeoka, Angew. Chem., Int. Ed., 2005, 44, 1525
N.Miwa, C.Tanaka, S.Ishida,G.Hirata, J.Song, T.Torigoe, Y.Kuninobu, T.Nishikata, J. Am. Chem. Soc., 2020,142, 1692-1697
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような状況に鑑み、嵩高い光学活性を有するβアミノ酸を含むペプチド合成のための、嵩高い光学活性を有するβアミノ酸誘導体の前駆体となるシアノ化物の合成方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行い、シアン化銅活性種が、嵩高い光学活性を有するαハロゲンアミドのカルボニルに特異的に配位し、反応の方向性を制御しながら嵩高い光学活性を有するシアノ化生成物を与える、という反応の立体特異性を見出したことに基づいて、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]嵩高い第三級アルキル化構造を有し、かつ光学活性を有するαハロゲンアミドを銅触媒の存在下で、シアノヒドリンと反応させることによる、嵩高い第三級アルキル化構造を有し、かつ光学活性を有するシアノ化生成物の合成方法。
[2][1]の合成方法において、嵩高い第三級アルキル化構造を有し、かつ光学活性を有するシアノ化生成物をさらに還元することによる、βアミノ酸誘導体の合成方法。
[3]下記式で表されるシアノ化生成物。
TIFF
2025134168000001.tif
38
69
[4]下記式で表されるβアミノ酸誘導体。
TIFF
2025134168000002.tif
42
81
【発明の効果】
【0009】
本発明のシアノ化生成物の合成方法によれば、基質であるαハロゲンアミドの光学純度をほぼそのまま保ちながら反応する立体特異的シアノ反応が進行し、嵩高い光学活性を有するシアノ化生成物を合成することができる。さらに、本発明のβアミノ酸誘導体の合成方法によれば、本発明のシアノ化生成物の合成方法により得られた嵩高い光学活性を有するシアノ化生成物を還元することにより、嵩高い光学活性を有するβアミノ酸誘導体を合成することができることから、嵩高い光学活性を有するβアミノ酸をペプチド合成に供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のシアノ化生成物の合成方法において、基質として用いられる、嵩高い第三級アルキル化構造を有し、かつ光学活性を有するαハロゲンアミドとしては、特に限定されるものではないが、2-ブロモ-2-エチル-N-フェニルヘキサンアミド、2-ブロモ-N-(2、6-ジイソプロピルフェニル)-2-エチルヘキサンアミド、2-ブロモ-N-(2、6-ジイソプロピルフェニル)-2-メチルヘプタンアミド、2-ブロモ-N-(2、6-ジイソプロピルフェニル)-2-メチルペンタンアミド、2-クロロ-2-(4-クロロフェニル)-3-メチル-N-フェニルブタンアミドなどを例示することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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