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公開番号2025148114
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-07
出願番号2024048719
出願日2024-03-25
発明の名称抗ヒトノロウイルス抗体
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C07K 16/10 20060101AFI20250930BHJP(有機化学)
要約【課題】GI型及びGII型のノロウイルス粒子に対して特異的な結合活性を示す抗ノロウイルス抗体を提供する。
【解決手段】以下の(a)又は(b)で示されるCDRを含む構造ドメインを1つ以上有する、GI型及びGII型のノロウイルスに結合する抗体。
(a)GRTFSMYTMG(配列番号1)で示されるアミノ酸配列からなるCDR1、AISWRTY(配列番号2)で示されるアミノ酸配列からなるCDR2、及びDGGY(配列番号3)で示されるアミノ酸配列からなるCDR3
(b)GFTFSHAYMS(配列番号7)で示されるアミノ酸配列からなるCDR1、AINYSGDSTF(配列番号8)で示されるアミノ酸配列からなるCDR2、及びFWWTYDY(配列番号9)で示されるアミノ酸配列からなるCDR3
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の(a)又は(b)で示されるCDRを含む構造ドメインを1つ以上有する、GI型及びGII型のノロウイルスに結合する抗体。
(a)GRTFSMYTMG(配列番号1)で示されるアミノ酸配列からなるCDR1、AISWRTY(配列番号2)で示されるアミノ酸配列からなるCDR2、及びDGGY(配列番号3)で示されるアミノ酸配列からなるCDR3
(b)GFTFSHAYMS(配列番号7)で示されるアミノ酸配列からなるCDR1、AINYSGDSTF(配列番号8)で示されるアミノ酸配列からなるCDR2、及びFWWTYDY(配列番号9)で示されるアミノ酸配列からなるCDR3
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
ノロウイルス構造タンパク質に結合する、請求項1記載の抗体。
【請求項3】
単一ドメイン抗体又はその多量体である、請求項1又は2記載の抗体。
【請求項4】
単一ドメイン抗体がVHH抗体である、請求項3記載の抗体。
【請求項5】
単一ドメイン抗体の多量体が、前記構造ドメインを複数連結した多量体である請求項3記載の抗体。
【請求項6】
単一ドメイン抗体の多量体が、前記構造ドメインの1又は複数と、該構造ドメインとは抗原特異性の異なる構造ドメインの1又は複数を連結した多量体である請求項3記載の抗体。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項記載の抗体をコードする核酸。
【請求項8】
以下の(a)及び(b)で示されるCDRを含む構造ドメインを1つ以上有するノロウイルスに結合する抗体から選ばれる1種以上と、以下の(c)で示されるCDRを含む構造ドメインを1つ以上有するノロウイルスに結合する抗体を含む、GI型及びGII型のノロウイルスに結合する抗体混合物。
(a)GRTFSMYTMG(配列番号1)で示されるアミノ酸配列からなるCDR1、AISWRTY(配列番号2)で示されるアミノ酸配列からなるCDR2、及びDGGY(配列番号3)で示されるアミノ酸配列からなるCDR3
(b)GFTFSHAYMS(配列番号7)で示されるアミノ酸配列からなるCDR1、AINYSGDSTF(配列番号8)で示されるアミノ酸配列からなるCDR2、及びFWWTYDY(配列番号9)で示されるアミノ酸配列からなるCDR3
(c)GFSVNSLTMS(配列番号4)で示されるアミノ酸配列からなるCDR1、GMNKDGSTS(配列番号5)で示されるアミノ酸配列からなるCDR2、及びQGPLFRPDLPLYDS(配列番号6)で示されるアミノ酸配列からなるCDR3
【請求項9】
以下の(a)又は(b)で示されるCDRを含む構造ドメインを1つ以上有する、GI型及びGII型のノロウイルスに結合する抗体を被験試料に接触させる工程を含む、試料中のヒトノロウイルスの検出方法。
(a)GRTFSMYTMG(配列番号1)で示されるアミノ酸配列からなるCDR1、AISWRTY(配列番号2)で示されるアミノ酸配列からなるCDR2、及びDGGY(配列番号3)で示されるアミノ酸配列からなるCDR3
(b)GFTFSHAYMS(配列番号7)で示されるアミノ酸配列からなるCDR1、AINYSGDSTF(配列番号8)で示されるアミノ酸配列からなるCDR2、及びFWWTYDY(配列番号9)で示されるアミノ酸配列からなるCDR3
【請求項10】
以下の(a)及び(b)で示されるCDRを含む構造ドメインを1つ以上有するノロウイルスに結合する抗体から選ばれる1種以上と、以下の(c)で示されるCDRを含む構造ドメインを1つ以上有するノロウイルスに結合する抗体を含むGI型及びGII型のノロウイルスに結合する抗体混合物を被験試料に接触させる工程を含む、試料中のヒトノロウイルスの検出方法。
(a)GRTFSMYTMG(配列番号1)で示されるアミノ酸配列からなるCDR1、AISWRTY(配列番号2)で示されるアミノ酸配列からなるCDR2、及びDGGY(配列番号3)で示されるアミノ酸配列からなるCDR3
(b)GFTFSHAYMS(配列番号7)で示されるアミノ酸配列からなるCDR1、AINYSGDSTF(配列番号8)で示されるアミノ酸配列からなるCDR2、及びFWWTYDY(配列番号9)で示されるアミノ酸配列からなるCDR3
(c)GFSVNSLTMS(配列番号4)で示されるアミノ酸配列からなるCDR1、GMNKDGSTS(配列番号5)で示されるアミノ酸配列からなるCDR2、及びQGPLFRPDLPLYDS(配列番号6)で示されるアミノ酸配列からなるCDR3
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はGI型及びGII型のノロウイルス粒子に対して特異的な結合活性を示す抗ヒトノロウイルス抗体に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
ノロウイルスはカリシウイルス科に属する,エンベロープを持たない直径約30~40nmの球形ウイルスである。ノロウイルスはヒトに対して嘔吐、下痢などの急性胃腸炎症状を起こす。ヒトノロウイルスは学校や、医療施設、食品取扱施設などの集団施設に持ち込まれると集団発生を引き起こし、食品を汚染すると食中毒の原因となる。ノロウイルスのゲノムは約7.6kbの1本鎖(+)RNAであり、近年ではゲノム相同性に基づき遺伝子群1(GI)、遺伝子群2(GII)、遺伝子群3(GIII)、遺伝子群4(GIV)、遺伝子群5(GV)、遺伝子群6(GVI)及び遺伝子群7(GVII)の7つの遺伝子群に分類されている。このうち、GIがヒト、GIIがヒト、ブタ、GIIIがウシ、GIVがヒト、ネコ、イヌ、GVがマウス、GVI及びGVIIがイヌへの感染性を示す(非特許文献1参照)。
【0003】
ノロウイルスの各遺伝子群には複数の遺伝子型が存在し、ヒトへの感染性を示すノロウイルス(以下、ヒトノロウイルスと呼ぶ)では、GIノロウイルスとしてGI.1~GI.9の遺伝子型、GIIノロウイルスとして少なくともGII.1~GII.10、GII.12~GII.17、GII.20~GII.22の遺伝子型が報告されている。
ノロウイルスのゲノムは変異速度が非常に速く、さらに異なる遺伝子型のウイルス間で組換えを起こすことが報告されており、新たな遺伝子型を示すノロウイルスの出現も確認されている。
【0004】
ウイルス由来のタンパク質の検出する方法では抗体が用いられ、例えばイムノクロマト法やELISA(Enzyme-linked immuno-sorbent assay)法を測定原理とした抗原検査法がこれに該当する。ノロウイルスの場合、各遺伝子型はそれぞれ異なる抗原性を示すが、同一遺伝子型は同じ抗原性を示すとされる。また、ノロウイルスの構造タンパク質であるVP1タンパク質には、遺伝子群毎にアミノ酸配列が保存されている領域がする。そのためノロウイルスに対しても、イムノクロマト法やELISA法を測定原理とした抗原検査キットが市販されている。
【0005】
一方、市販されている抗原検査キットの殆どはマウスやウサギ等に由来するモノクローナル、又はポリクローナルIgG抗体が用いられている。VHH(Variable domain of heavy chain of heavy chain antibody)はラクダ科動物が有する重鎖抗体の可変部ドメインからのみなる単一ドメイン抗体の1つである。VHHはIgG抗体と同等の結合活性を示しながらも、(1)IgG抗体と比較して分子量が10分の1程度であり、従来の抗体では結合できない新規のエピトープが期待されること、(2)IgG抗体とは異なり、可逆性の高いタンパク質構造をもち、熱や圧に対して優れた耐性を示すこと、(3)IgG抗体とは異なり、酵母や細菌等の微生物を用いた生産が可能であること、等の特徴をもつ。さらに、(4)VHHは、cDNAディスプレイ法やファージディスプレイ法等の試験管内の抗体選抜技術との親和性が非常に高く、マウスやウサギ等への免疫によって得られるIgG抗体と比較して、より短期間に開発することが可能である。そのため、VHHは医薬品や検査薬に用いられてきたIgG抗体やIgA抗体といった従来の免疫グロブリンに代わる抗体としてその利用が期待されている。
【0006】
抗原検査キットの開発においても、VHHの優位性は明らかである。特に、VHHが有する特性から、(1)VHHは粒子やニトロセルロース膜に高密度に固相化することが可能であり、より多くのパラトープを基材上に提示することができること、(2)VHHはタンパク質としての安定性に優れており、製品のより優れた保存安定性が期待できること、(3)VHHは微生物によって大量かつ安価に生産可能であるため、製造原価をより低減させることが出来ること、(4)VHHはイムノクロマト法において非特異的反応の原因となりうるFc領域を有さないこと、がIgG抗体と比較して優位であると考えられる。
【0007】
このように、VHHは通常の抗体(IgG抗体など)と比較して性状面、生産面において多くの利点を有している。そのため、ノロウイルスを標的とする単一ドメイン抗体を用いた検出技術は、従来のIgG抗体を用いた技術よりも性能面、価格面において有利に提供できる。
【0008】
抗原検査キットにおいてはより幅広くのヒトノロウイルス遺伝子群、ヒトノロウイルス遺伝子型に反応するモノクローナル抗体の取得が重要となる。単一ドメイン抗体としてはNano-85がGII.1型ノロウイルス、GII.2型ノロウイルス、GII.4型ノロウイルス、GII.12型ノロウイルス、GII.17型ノロウイルスに対して反応することが報告されている(非特許文献2)。
【0009】
しかしながら、ヒトノロウイルスとしてはGIノロウイルスとして9種、GIIノロウイルスとして少なくとも19種の遺伝子型が報告されていることからも、ヒトノロウイルスにおいてより多くの遺伝子型に反応するVHHの開発が求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
Advances in laboratory methods for detection and typing of norovirus. J Clin Microbiol. 2015;53(2):373-81.
Nanobodies targeting norovirus capsid reveal functional epitopes and potential mechanisms of neutralization. PLoS Pathog. 2017;13(11):e1006636.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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