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公開番号2025029076
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-05
出願番号2024209630,2021514244
出願日2024-12-02,2020-04-17
発明の名称抗体改変部位認識キメラ受容体
出願人中外製薬株式会社,国立大学法人山口大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07K 16/28 20060101AFI20250226BHJP(有機化学)
要約【課題】CAR-T細胞を用いたがん患者の治療において、十分な治療効果を有し、かつ高い安全性を有する、より安価な治療方法を提供する。
【解決手段】CH1領域、CH2領域、CH3領域、CL領域、またはフレームワーク領域に少なくとも1つのアミノ酸の置換、欠失、付加または修飾を含む変異を有する変異抗体の投与と組み合わせて用いるための、医薬組成物であって、該医薬組成物はキメラ受容体を発現する細胞を含み、変異抗体は細胞外結合ドメインに前記変異を含む部分を介してキメラ受容体の細胞外結合ドメインと結合することができ、細胞外結合ドメインは、前記変異を含まない抗体に結合しない、前記医薬組成物が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
CH1領域、CH2領域、CH3領域、CL領域、またはフレームワーク領域に少なくとも1つのアミノ酸の置換、欠失、付加または修飾を含む変異を有する変異抗体の投与と組み合わせて用いるための、医薬組成物であって、
該医薬組成物はキメラ受容体を発現する細胞を含み、
キメラ受容体は細胞外結合ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインを含み、
変異抗体は細胞外結合ドメインに前記変異を含む部分を介してキメラ受容体の細胞外結合ドメインと結合することができ、
細胞外結合ドメインは、前記変異を含まない抗体に特異的に結合しない、前記医薬組成物。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
キメラ受容体を発現する細胞の投与と組み合わせて用いるための、医薬組成物であって、
該医薬組成物はCH1領域、CH2領域、CH3領域、CL領域、またはフレームワーク領域に少なくとも1つのアミノ酸の置換、欠失、付加または修飾を含む変異を有する変異抗体を含み、
キメラ受容体は細胞外結合ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインを含み、
変異抗体は細胞外結合ドメインに前記変異を含む部分を介してキメラ受容体の細胞外結合ドメインと結合することができ、
細胞外結合ドメインは、前記変異を含まない抗体に特異的に結合しない、前記医薬組成物。
【請求項3】
CH1領域、CH2領域、CH3領域、CL領域、またはフレームワーク領域に少なくとも1つのアミノ酸の置換、欠失、付加または修飾を含む変異を有する変異抗体の投与と組み合わせて用いるための、医薬組成物であって、
該医薬組成物は二重特異性抗体を含み、
二重特異性抗体は、(1)変異抗体に前記変異を含む部分を介して特異的に結合する抗体可変領域を含むドメイン、および(2)T細胞表面に発現する分子に結合活性を有する抗体可変領域を含むドメインを含み、変異を含まない抗体に特異的に結合しない、前記医薬組成物。
【請求項4】
二重特異性抗体の投与と組み合わせて用いるための、医薬組成物であって、
該医薬組成物はCH1領域、CH2領域、CH3領域、CL領域、またはフレームワーク領域に少なくとも1つのアミノ酸の置換、欠失、付加または修飾を含む変異を有する変異抗体を含み、
二重特異性抗体は、(1)変異抗体に前記変異を含む部分を介して特異的に結合する抗体可変領域を含むドメイン、および(2)T細胞表面に発現する分子に結合活性を有する抗体可変領域を含むドメインを含み、変異を含まない抗体に特異的に結合しない、前記医薬組成物。
【請求項5】
前記変異抗体がCH2領域に前記変異を含み、対応する非変異抗体と比較して変異抗体がFcガンマ受容体及びC1qに対する低下した結合活性を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
EUナンバリングで、変異抗体が234, 235, 236, 237, 238, 265, 266, 267, 268, 269, 270, 271, 295, 296, 298, 300, 324, 325, 326, 327, 328, 329, 330, 331, 332, 333, 334, 335, 336, および337 で表される位置のいずれかにおけるCH2領域の変異を有し、当該変異を含む部分を介して変異抗体が細胞外結合ドメインに結合する、請求項1~5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
EUナンバリングで変異抗体のCH2領域が、
235位のアミノ酸がアルギニンである、
236位のアミノ酸がアルギニンである、
239位のアミノ酸がリシンである、
250位のアミノ酸がバリンである、
252位のアミノ酸がチロシンである、
297位のアミノ酸がアラニンである、
307位のアミノ酸がグルタミンである、
308位のアミノ酸がプロリンである、
311位のアミノ酸がアラニンである、
434位のアミノ酸がチロシンである、および
436位のアミノ酸がバリンである、の群からから選択される変異を有し、当該変異を含む部分を介して変異抗体が細胞外結合ドメインに結合する、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の医薬組成物に含まれるキメラ受容体、または二重特異性抗体をコードする、単離された核酸。
【請求項9】
請求項8に記載の単離された核酸を含むベクター。
【請求項10】
キメラ受容体または二重特異性抗体の発現のための少なくとも1個の調節エレメントと作動可能なように結合され得る、請求項9に記載のベクター。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、キメラ受容体、キメラ受容体を発現する細胞、および当該細胞を利用した疾患の処置方法、特に当該細胞を利用した養子免疫細胞療法、養子免疫T細胞療法、CAR-T療法およびT細胞リダイレクティング抗体に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
キメラ抗原受容体(Chimeric Antigen Receptor:以下、「CAR」ともいう)は、がん細胞などの細胞表面抗原を認識する抗体と、T細胞の活性化を誘導するシグナル伝達領域を人工的に融合させたキメラタンパク質である。抗原反応性を有さない通常の末梢血T細胞(末梢血Tリンパ球)にCARをコードする遺伝子を導入することにより、CAR発現T細胞(以下、単に「CAR-T細胞」ともいう)が作製される。このような手法で作製されるCAR発現T細胞は、養子免疫療法(adoptive immunotherapy)によるがんなどの疾患の治療に用いられている。かかるCAR-T細胞は抗原を発現する標的細胞に対して反応性を有し、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)との相互作用に依存することなく標的細胞の傷害を導くことが可能となる。
【0003】
CAR-T細胞の投与によるがん免疫療法、より具体的には、患者からT細胞を採取し、かかるT細胞にCARをコードする遺伝子を導入して拡大培養し、再度患者に移入する療法について、世界中で臨床試験が行われている(非特許文献1)。CAR-T細胞の投与によるがん免疫療法が、白血病やリンパ腫などの造血器悪性腫瘍などにおいて有効性を示す結果が得られている。2017年には、CD19を抗原とするCAR-TであるKymriah(登録商標)(Novartis、tisagenlecleucel、CTL-019、CD3ゼータ-CD137)及びYescarta(登録商標)(KiTE、axicabtagene ciloleucel、CD3ゼータ-CD28)が米国において医薬品として承認されている。
【0004】
認識する抗原の変更が可能な汎用T細胞を作製するための技術の確立は、T細胞を用いた治療法の普及においては重要な臨床的意義を有する。そのような研究に関していくつかの報告がされている(特許文献1~6、および非特許文献2~5)。
【0005】
また、複数のターゲットに結合する分子として、1分子で2種類以上の抗原と結合する抗体(バイスペシフィック抗体、二重特異性抗体)が研究されている。天然型のIgG型の抗体を改良することにより、異なる2つの抗原(第1の抗原と第2の抗原)への結合活性を付与することが可能である(非特許文献5)。そのため、2種類以上の抗原に1つの分子で結合する作用だけでなく、細胞傷害活性をもつ細胞とがん細胞をクロスリンクすることで抗腫瘍活性を高める。
【0006】
二重特異性抗体の一つとして、T細胞をエフェクター細胞として動員する細胞傷害をその抗腫瘍効果のメカニズムとする抗体であるT細胞リダイレクティング抗体(T cell-redirecting抗体)が1980年代から知られている(特許文献7、非特許文献6,7,8)。NK細胞やマクロファージをエフェクター細胞として動員するADCCをその抗腫瘍効果のメカニズムとする抗体とは異なり、T細胞リダイレクティング抗体は、T細胞上のT細胞レセプター(TCR)複合体の構成サブユニットのいずれかに対する結合ドメイン、特にCD3イプシロン鎖に結合するドメインと、標的である癌細胞上の抗原に結合するドメインを含むバイスペシフィック抗体である。T細胞リダイレクティング抗体がCD3イプシロン鎖と腫瘍抗原に同時に結合することにより、T細胞が癌細胞に接近する。その結果、T細胞の持つ細胞傷害作用により癌細胞に対する抗腫瘍効果が発揮される。
また副作用軽減などの観点から、標的組織への高選択的な抗体の作成についても報告がされている(特許文献8)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
WO2012/082841
WO2015/058081
WO2016/040441
WO2017/161333
WO2018/177966
WO2018/189611
WO2012/073985
WO2013/180200
【非特許文献】
【0008】
Grupp et al. 2013 N Engl J Med 368(16): 1509- 18
Maude et al. 2014 N Engl J Med 371(16): 1507-17
Kim et al. J Am Chem Soc 2015; 137:2832-2835
Tamada et al. Clin Cancer Res 2012; 18(23):6436-6445
Kontermann, mAbs 2012;4:182-197.
Mezzanzanica et al., International journal of cancer 1988;41:609-615.
Staerz and Bevan, Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 1986;83:1453-1457.
Staerz et al., Nature 1985;314:628-631.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
がん患者の治療においてCAR-T細胞を用いた療法が有望であるにもかかわらず、CAR-T細胞の臨床応用の拡大には幾つかの制限がある。第一に、単一の腫瘍抗原が全てのがんにおいて普遍的に発現するわけではないため、CARの抗原認識部位は標的とする腫瘍抗原毎に構築する必要がある。第二に、様々な腫瘍抗原に対する抗原認識部位を同定しそれを導入したCAR-T細胞を新たに樹立するための操作に伴う経済的コスト及び労働作業が大きな課題となる。第三に、CARの標的とする腫瘍抗原は治療に応じて発現量が低下したり突然変異したりするなどして、腫瘍免疫回避を引き起こすことがある。特に、現行のCAR-T細胞は1つの標的抗原しか認識しないため、腫瘍免疫回避は治療効果の低下または消滅を引き起こすこととなる。
また、T細胞リダイレクティング抗体の腫瘍抗原が正常組織に発現している場合は正常組織の傷害がおこり強い副作用を誘導するため、標的組織でのみ選択的に活性発現することが重要である。
治療段階に応じて認識する腫瘍抗原を変更することが可能なCAR-T細胞およびT細胞リダイレクティング抗体、それらを利用した治療方法について研究がされているが、患者に投与するに当たり十分な治療効果を有し、かつ高い安全性を有する治療方法および汎用的に利用できる技術の開発により、より安価な治療が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の技術的課題の解決のために発明者らは研究を重ね、抗体改変部位を認識するキメラ受容体を用いたCAR-T細胞若しくはT細胞リダイレクティング抗体が治療において有効であることを見いだし、本開示を完成させた。本開示の一つの側面において、下記の発明が提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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