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公開番号
2025030834
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023136479
出願日
2023-08-24
発明の名称
フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療における副作用発生リスク又は治療効果の予測マーカー
出願人
国立大学法人山口大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12Q
1/6883 20180101AFI20250228BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療における副作用発生リスク並びに/又は治療効果の予測マーカーの提供。
【解決手段】5種類の一塩基多型(「C11orf24遺伝子_rs901827」、「SLC14A1遺伝子_rs2298720」、「KRT74遺伝子_rs670741」、「HAUS8遺伝子_rs1130222」、及び「NFATC1遺伝子_rs754093」)を、副作用発生リスクの予測マーカーとして用い、このうち、3種類の一塩基多型(「C11orf24遺伝子_rs901827」、「SLC14A1遺伝子_rs2298720」、及び「NFATC1遺伝子_rs754093」)を、治療効果の予測マーカーとして用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の工程(a-1)及び(b-1)を含む、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療における副作用発生リスクの予測を補助する方法。
(a-1)被験者から採取された生体試料中のゲノムDNAに存在する、
C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型、SLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型、KRT74遺伝子におけるrs670741で特定される一塩基多型、HAUS8遺伝子におけるrs1130222で特定される一塩基多型、及びNFATC1遺伝子におけるrs754093で特定される一塩基多型からなる群から選択される1又は2以上の一塩基多型を検出し、リファレンスホモ型、リファレンス/バリアントのヘテロ型、並びにバリアントホモ型のいずれかの型であるかを判定する工程であって、
検出する一塩基多型が、C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がC/Cであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がC/Tであり、バリアントホモ型がT/Tであり、
検出する一塩基多型が、SLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がG/Gであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がG/Aであり、バリアントホモ型がA/Aであり、
検出する一塩基多型が、KRT74遺伝子におけるrs670741で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がT/Tであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がT/Gであり、バリアントホモ型がG/Gであり、
検出する一塩基多型が、HAUS8遺伝子におけるrs1130222で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がC/Cであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がC/Tであり、バリアントホモ型がT/Tであり、
検出する一塩基多型が、NFATC1遺伝子におけるrs754093で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がT/Tであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がT/Gであり、バリアントホモ型がG/Gである、
前記工程(a-1);
(b-1)工程(a-1)で判定した型の種類を指標として、前記被験者が、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療を受けた場合、副作用発生リスクが高いか否かを判定する工程;
続きを表示(約 2,500 文字)
【請求項2】
工程(b-1)において、
C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型がリファレンスホモ型又はリファレンス/バリアントのヘテロ型である場合、バリアントホモ型を有する対照者と比べ、被験者は副作用発生リスクが高いと判定し、
SLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型がリファレンス/バリアントのヘテロ型又はバリアントホモ型である場合、リファレンスホモ型を有する対照者と比べ、被験者は副作用発生リスクが高いと判定し、
KRT74遺伝子におけるrs670741で特定される一塩基多型がバリアントホモ型である場合、リファレンスホモ型又はリファレンス/バリアントのヘテロ型を有する対照者と比べ、被験者は副作用発生リスクが高いと判定し、
HAUS8遺伝子におけるrs1130222で特定される一塩基多型がリファレンスホモ型である場合、リファレンス/バリアントのヘテロ型又はバリアントホモ型を有する対照者と比べ、被験者は副作用発生リスクが高いと判定し、
NFATC1遺伝子におけるrs754093で特定される一塩基多型がリファレンス/バリアントのヘテロ型又はバリアントホモ型である場合、リファレンスホモ型を有する対照者と比べ、被験者は副作用発生リスクが高いと判定する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(b-1)において、
C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型、SLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型、KRT74遺伝子におけるrs670741で特定される一塩基多型、及びNFATC1遺伝子におけるrs754093で特定される一塩基多型を組み合わせて判別分析する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
副作用が、Grade3以上の副作用である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
以下の工程(a-2)及び(b-2)を含む、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療における治療効果の予測を補助する方法。
(a-2)被験者から採取された生体試料中のゲノムDNAに存在する、
C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型、SLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型、及びNFATC1遺伝子におけるrs754093で特定される一塩基多型からなる群から選択される1又は2以上の一塩基多型を検出し、リファレンスホモ型、リファレンス/バリアントのヘテロ型、並びにバリアントホモ型のいずれかの型であるかを判定する工程であって、
検出する一塩基多型が、C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がC/Cであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がC/Tであり、バリアントホモ型がT/Tであり、
検出する一塩基多型が、SLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がG/Gであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がG/Aであり、バリアントホモ型がA/Aであり、
検出する一塩基多型が、NFATC1遺伝子におけるrs754093で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がT/Tであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がT/Gであり、バリアントホモ型がG/Gである、
前記工程(a-2);
(b-2)工程(a-2)で判定した型の種類を指標として、前記被験者が、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療を受けた場合、治療効果が高いか否かを判定する工程;
【請求項6】
工程(b-2)において、
C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型がリファレンスホモ型である場合、リファレンス/バリアントのヘテロ型又はバリアントホモ型を有する対照者と比べ、被験者は治療効果が高いと判定し、
SLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型がリファレンス/バリアントのヘテロ型又はバリアントホモ型である場合、リファレンスホモ型を有する対照者と比べ、被験者は治療効果が高いと判定し、
NFATC1遺伝子におけるrs754093で特定される一塩基多型がリファレンス/バリアントのヘテロ型又はバリアントホモ型である場合、リファレンスホモ型を有する対照者と比べ、被験者は治療効果が高いと判定する、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
工程(b-2)において、
C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型、及びSLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型を組み合わせて判別分析する、
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
治療効果が、部分奏効以上の治療効果である、請求項5に記載の方法。
請求項5に記載の方法。
【請求項9】
フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法が、mFOLFIRINOX療法である、請求項1又は5に記載の方法。
【請求項10】
請求項1又は5に記載の方法に用いるためのキットであって、
請求項1又は5に定義する1又は2以上の一塩基多型を検出するための、フォワードプライマー及びリバースプライマーからなるプライマーセット、又はプローブを含み、
前記プライマーセットが、前記一塩基多型を含むゲノムDNA又はcDNAを増幅するプライマーセットであり、
前記プローブが、前記一塩基多型を含むゲノムDNA又はcDNAにハイブリダイズする、
前記キット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療における副作用発生リスク及び/又は治療効果の予測を補助する方法や、当該方法に用いるためのキット等に関する。
続きを表示(約 7,200 文字)
【背景技術】
【0002】
膵がんは、極めて予後不良ながん種である。現在の膵がん化学療法は、FOLFIRINOX療法(本明細書において、「FFX療法」ということがある)と呼ばれる、フルオロウラシル(「5-フルオロウラシル」、「5-FU」ともいう)、イリノテカン、オキサリプラチン(「L-OHP」ともいう)、及びレボホリナートカルシウム水和物(「l-LV」ともいう)の4剤併用療法が行われている。しかしながら、FFX療法においては、骨髄抑制、悪心や嘔吐等の有害事象が高頻度に起こることが知られており、その軽減のため、その投与量を減量したmodified FOLFIRINOX療法(本明細書において、「mFFX療法」ということがある)も行われている。しかしながら、mFFX療法を用いた場合でも、依然として副作用の影響を排除できず、我が国ではその選択率が約10%にとどまっているのが現状である。このため、mFFX療法前に、その副作用に加え、治療効果を予測することが、個々の膵がん患者に適切な抗がん剤治療、いわゆる個別化医療を提供し、膵がん予後改善を図る上で望ましいと考える。
【0003】
すでに個別化医療の一部は実用化されている。例えば、消化器がん等に対する所定の抗がん剤の投与においては、その副作用や効果の有無を遺伝子検査により予測し、治療方針の決定に役立てられている。イリノテカンの副作用については、UGT1A遺伝子における多型との相関が認められており、当該医薬品の添付文書にも、UGT1A1遺伝子多型(*6ホモ,*28ホモ、コンパウンドヘテロ)症例は4/5(80%)が好中球減少(G3以上)を示し、それ以外のUGT1A1遺伝子多型症例(10/50(20%)での上記副作用)に対してオッズ比は15であり、使用にあたって十分注意するよう記載されている。しかしながら、UGT1A遺伝子多型(*28,*6)に基づいて、イリノテカンによる副作用発生リスクが低いと判定された患者群においても、依然としてイリノテカンによる副作用が見られることが問題とされていた。
【0004】
本発明者らは、上記問題に対して取り組んだ結果、ゲノムDNA上に存在するAPCDD1L遺伝子、R3HCC1遺伝子、MKKS遺伝子、EDEM3遺伝子、又はACOX1遺伝子をコードする領域における所定の一塩基多型を分析し、リファレンスホモ型、リファレンス/バリアントのヘテロ型、及びバリアントホモ型のいずれかの型であるかを指標として、イリノテカンによる副作用発生リスクを予測できることを報告している(特許文献1~3)。しかしながら、mFFX療法による膵がん治療において、3種類の一塩基多型(「C11orf24遺伝子_rs901827」、「SLC14A1遺伝子_rs2298720」、及び「NFATC1遺伝子_rs754093」)と、副作用発生リスク及び治療効果との関連性や、2種類の一塩基多型(「KRT74遺伝子_rs670741」及び「HAUS8遺伝子_rs1130222」)と、副作用発生リスクとの関連性については、これまで知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2016/132736号パンフレット
特開2019-4743号公報
特開2022-187310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療における副作用発生リスク並びに/又は治療効果の予測マーカーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を進める過程において、上記併用療法による膵がん治療における副作用発生リスクを精度良く予測できるマーカーとして、5種類の一塩基多型(「C11orf24遺伝子_rs901827」、「SLC14A1遺伝子_rs2298720」、「KRT74遺伝子_rs670741」、「HAUS8遺伝子_rs1130222」、及び「NFATC1遺伝子_rs754093」)を見いだした。さらに、かかる5種類の一塩基多型のうち、3種類の一塩基多型(「C11orf24遺伝子_rs901827」、「SLC14A1遺伝子_rs2298720」、及び「NFATC1遺伝子_rs754093」)が、上記併用療法による膵がん治療における治療効果も精度良く予測できるマーカーであることを確認した。本発明は、これら知見に基づき、完成するに至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕以下の工程(a-1)及び(b-1)を含む、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療における副作用発生リスクの予測を補助する方法。
(a-1)被験者から採取された生体試料中のゲノムDNAに存在する、
C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型、SLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型、KRT74遺伝子におけるrs670741で特定される一塩基多型、HAUS8遺伝子におけるrs1130222で特定される一塩基多型、及びNFATC1遺伝子におけるrs754093で特定される一塩基多型からなる群から選択される1又は2以上の一塩基多型を検出し、リファレンスホモ型、リファレンス/バリアントのヘテロ型、並びにバリアントホモ型のいずれかの型であるかを判定する工程であって、
検出する一塩基多型が、C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がC/Cであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がC/Tであり、バリアントホモ型がT/Tであり、
検出する一塩基多型が、SLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がG/Gであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がG/Aであり、バリアントホモ型がA/Aであり、
検出する一塩基多型が、KRT74遺伝子におけるrs670741で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がT/Tであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がT/Gであり、バリアントホモ型がG/Gであり、
検出する一塩基多型が、HAUS8遺伝子におけるrs1130222で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がC/Cであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がC/Tであり、バリアントホモ型がT/Tであり、
検出する一塩基多型が、NFATC1遺伝子におけるrs754093で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がT/Tであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がT/Gであり、バリアントホモ型がG/Gである、
前記工程(a-1);
(b-1)工程(a-1)で判定した型の種類を指標として、前記被験者が、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療を受けた場合、副作用発生リスクが高いか否かを判定する工程;
〔2〕工程(b-1)において、
C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型がリファレンスホモ型又はリファレンス/バリアントのヘテロ型である場合、バリアントホモ型を有する対照者と比べ、被験者は副作用発生リスクが高いと判定し、
SLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型がリファレンス/バリアントのヘテロ型又はバリアントホモ型である場合、リファレンスホモ型を有する対照者と比べ、被験者は副作用発生リスクが高いと判定し、
KRT74遺伝子におけるrs670741で特定される一塩基多型がバリアントホモ型である場合、リファレンスホモ型又はリファレンス/バリアントのヘテロ型を有する対照者と比べ、被験者は副作用発生リスクが高いと判定し、
HAUS8遺伝子におけるrs1130222で特定される一塩基多型がリファレンスホモ型である場合、リファレンス/バリアントのヘテロ型又はバリアントホモ型を有する対照者と比べ、被験者は副作用発生リスクが高いと判定し、
NFATC1遺伝子におけるrs754093で特定される一塩基多型がリファレンス/バリアントのヘテロ型又はバリアントホモ型である場合、リファレンスホモ型を有する対照者と比べ、被験者は副作用発生リスクが高いと判定する、
上記〔1〕に記載の方法。
〔3〕工程(b-1)において、
C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型、SLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型、KRT74遺伝子におけるrs670741で特定される一塩基多型、及びNFATC1遺伝子におけるrs754093で特定される一塩基多型を組み合わせて判別分析する、
上記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕副作用が、Grade3以上の副作用である、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕以下の工程(a-2)及び(b-2)を含む、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療における治療効果の予測を補助する方法。
(a-2)被験者から採取された生体試料中のゲノムDNAに存在する、
C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型、SLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型、及びNFATC1遺伝子におけるrs754093で特定される一塩基多型からなる群から選択される1又は2以上の一塩基多型を検出し、リファレンスホモ型、リファレンス/バリアントのヘテロ型、並びにバリアントホモ型のいずれかの型であるかを判定する工程であって、
検出する一塩基多型が、C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がC/Cであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がC/Tであり、バリアントホモ型がT/Tであり、
検出する一塩基多型が、SLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がG/Gであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がG/Aであり、バリアントホモ型がA/Aであり、
検出する一塩基多型が、NFATC1遺伝子におけるrs754093で特定される一塩基多型の場合、リファレンスホモ型がT/Tであり、リファレンス/バリアントのヘテロ型がT/Gであり、バリアントホモ型がG/Gである、
前記工程(a-2);
(b-2)工程(a-2)で判定した型の種類を指標として、前記被験者が、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療を受けた場合、治療効果が高いか否かを判定する工程;
〔6〕工程(b-2)において、
C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型がリファレンスホモ型である場合、リファレンス/バリアントのヘテロ型又はバリアントホモ型を有する対照者と比べ、被験者は治療効果が高いと判定し、
SLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型がリファレンス/バリアントのヘテロ型又はバリアントホモ型である場合、リファレンスホモ型を有する対照者と比べ、被験者は治療効果が高いと判定し、
NFATC1遺伝子におけるrs754093で特定される一塩基多型がリファレンス/バリアントのヘテロ型又はバリアントホモ型である場合、リファレンスホモ型を有する対照者と比べ、被験者は治療効果が高いと判定する、
上記〔5〕に記載の方法。
〔7〕工程(b-2)において、
C11orf24遺伝子におけるrs901827で特定される一塩基多型、及びSLC14A1遺伝子におけるrs2298720で特定される一塩基多型を組み合わせて判別分析する、
上記〔5〕又は〔6〕に記載の方法。
〔8〕治療効果が、部分奏効以上の治療効果である、上記〔5〕~〔7〕のいずれかに記載の方法。
〔9〕フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法が、mFOLFIRINOX療法である、上記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の方法。
〔10〕上記〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の方法に用いるためのキットであって、
上記〔1〕又は〔5〕に定義する1又は2以上の一塩基多型を検出するための、フォワードプライマー及びリバースプライマーからなるプライマーセット、又はプローブを含み、
前記プライマーセットが、前記一塩基多型を含むゲノムDNA又はcDNAを増幅するプライマーセットであり、
前記プローブが、前記一塩基多型を含むゲノムDNA又はcDNAにハイブリダイズする、
前記キット。
【0009】
また本発明の実施の他の形態として、
上記工程(a-1)と、上記工程(a-1)で判定した型の種類を指標として、上記被験者が、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療を受けた場合、副作用発生リスクが高いか否かを判定するためのデータを作成する工程(B-1)とを順次含む、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療における副作用発生リスクの予測を補助する方法;
上記工程(a-1)及び(b-1)を含む、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療における副作用発生リスクを予測(診断)する方法;
上記工程(a-1)及び(b-1)を含み、かつ、上記工程(b-1)において、
副作用発生リスクが高いと判定(診断)された被験者(膵がん患者)に対して、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法以外の療法(例えば、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチン以外の抗がん剤を用いた薬物療法、放射線治療、外科治療、免疫療法など)を施すか、あるいは、減量(例えば、90%以下[例えば、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、10~80%、30~80%、40~80%、60~80%、10~60%、10~40%、10~30%等]に減量)したフルオロウラシル、イリノテカン、及び/又はオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療を施し、
副作用発生リスクが低いと判定された被験者(膵がん患者)に対して、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療を施す工程を含む、膵がんの治療方法;
上記工程(a-2)と、上記工程(a-2)で判定した型の種類を指標として、上記被験者が、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療を受けた場合、治療効果が高いか否かを判定するためのデータを作成する工程(B-2)とを順次含む、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療における治療効果の予測を補助する方法;
上記工程(a-2)及び(b-2)を含む、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療における治療効果を予測(診断)する方法;
上記工程(a-2)及び(b-2)を含み、かつ、上記工程(b-2)において、
治療効果が高いと判定(診断)された被験者(膵がん患者)に対して、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療を施し、
治療効果が低いと判定された被験者(膵がん患者)に対して、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法以外の療法(例えば、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチン以外の抗がん剤を用いた薬物療法、放射線治療、外科治療、免疫療法など)を施す工程を含む、膵がんの治療方法;
を挙げることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、フルオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンの併用療法による膵がん治療における副作用発生リスクや治療効果を精度良く予測できるため、リスク(副作用)とベネフィット(治療効果)の予測を医師に提供することで、膵がんの治療方針(例えば、mFFX療法からFFX療法への変更、減量や別治療の選択)の判断を補助することができる。すなわち、当該併用療法による膵がん治療における副作用発生リスクを回避しつつ、より有効な膵がん治療が可能となり、膵がん治療の個別化医療に資するものである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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国立研究開発法人産業技術総合研究所
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