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公開番号
2025032700
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-12
出願番号
2023138131
出願日
2023-08-28
発明の名称
自発的水中分散可能な脂溶性集合体を含む多孔質粒子、及びその製造方法
出願人
国立大学法人山口大学
代理人
個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
主分類
A61K
47/32 20060101AFI20250305BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】タンパク質等の生体高分子からなる薬効成分を、固体の状態で安定的に保管し、鼻腔内に噴霧し、鼻腔粘膜に達した後、自発的に粘膜透過性に優れたナノ粒子を形成することができる多孔質粒子、及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】親水性高分子からなる多孔質粒子、及び該多孔質粒子の細孔内に封入されている脂溶性集合体を含むことを特徴とする自発的水中分散性組成物、また、その製造方法として、親水性高分子水溶液の液滴を凍結乾燥し多孔質粒子を調製する工程、及び得られた多孔質粒子に脂溶性集合体を封入する工程を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
親水性高分子からなる多孔質粒子、及び該多孔質粒子の細孔内に封入されている脂溶性集合体を含むことを特徴とする自発的水中分散性組成物。
続きを表示(約 440 文字)
【請求項2】
脂溶性集合体が、薬効成分と脂溶性界面活性剤とを含む、請求項1に記載の自発的水中分散性組成物。
【請求項3】
脂溶性界面活性剤が、HLB値が1~6の範囲の脂溶性界面活性剤である、請求項2に記載の自発的水中分散性組成物。
【請求項4】
脂溶性集合体が、さらに親水性界面活性剤を含む、請求項2に記載の自発的水中分散性組成物。
【請求項5】
薬効成分が、タンパク質、DNA、RNA、抗原から選択される生体高分子である、請求項2に記載の自発的水中分散性組成物。
【請求項6】
経鼻摂取用組成物であることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の自発的水中分散性組成物。
【請求項7】
親水性高分子水溶液の液滴を凍結乾燥し多孔質粒子を調製する工程、及び
得られた多孔質粒子の細孔内に脂溶性集合体を封入する工程、
を含むことを特徴とする自発的水中分散性組成物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自発的水中分散可能な脂溶性集合体を含む多孔質粒子、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、生体高分子(ペプチド、タンパク質、DNA、RNA、ワクチン抗原など)を利用したバイオ医薬の開発が活発に行われている。これらのバイオ医薬は、主として注射での投与が行われており、低侵襲性で簡便な投与方法の確立が望まれている。投与方法としての経鼻投与は、迅速、安全、非侵襲的であり、全身性副作用が軽減できる投与方法であることに加えて、投与が非常に簡便な投与方法である。また、経鼻投与は経口投与と比べても、胃や小腸での薬物の分解、代謝を避けることができ、肝初回通過効果を回避できる、といったメリットがある。さらに、経鼻投与は、近年、鼻からの脳への薬物送達ルートが注目され、活発に研究開発が行われている。その背景には、超高齢化時代が到来し、アルツハイマー病やパーキンソン病のような中枢神経変性疾患の発生率が指数関数的に上昇していること、また、薬物の多くが血液-脳関門を透過できないため、効果的な薬物投与ルートがないことが挙げられる。
【0003】
経鼻投与については、鼻腔への噴霧溶液中の薬物の分子量が300Da未満の薬物は鼻腔粘膜で迅速かつ効率的に吸収される。しかし、ヒト経鼻吸収率と薬物としての水溶性化合物の分子量(300~5,000Da)との間には負の相関があることが知られており、それよりも薬物の分子量が大きい水溶性化合物では、そのままの形態で経鼻投与してもほとんど吸収されない。また、薬物の脂溶性が上がると粘膜全体への薬物の浸透が増加するが、薬物の脂溶性が高すぎる場合、薬物の鼻粘液への溶解が障害となり吸収効率が低下する。したがって、タンパク質やDNAといった生体高分子をそのままの形態で経鼻投与してもほとんど吸収されないことが知られている。
【0004】
これまでに,鼻腔粘膜でのタンパク質吸収を目指した検討では、タンパク質を保護し、透過性を向上させるナノ微粒子キャリアの開発や吸収促進剤の併用が試みられている。しかし、これらの検討は、タンパク質が吸収部位である鼻腔粘膜に到達し、粘膜表面に留まることが前提で進められている。
【0005】
一方、経鼻投与によりバイオ医薬を含む薬物の吸収部位である嗅粘膜部までの薬物輸送については、主として液滴の噴霧を中心に検討が進められている。開発中の前述のナノ微粒子キャリアも懸濁液として噴霧することが想定されている。しかし、液滴は鼻腔内粘液による洗浄作用の影響を受けやすく、粘膜表面に留まることが少ない。また、鼻腔内から脳への薬物の送達を考慮した場合、液滴を嗅粘膜部まで輸送することが必要となるが、液滴では嗅粘膜部への到達率が低い(5%以下)。そのため、吸収部位としての嗅粘膜部までいかに効率的に薬物を輸送するかについて検討が進められている。最近の研究で、粉体噴霧器(Aptar社 UDS powder)を使用することで、粉体の30%程度を嗅粘膜部へ集積できることが報告されており、噴霧に固体粒子を利用することは、製剤の安定性と粘膜付着後の滞留性が高い点でメリットが大きい。
【0006】
特許文献1には、低分子化合物やタンパク質組成物などの親水性薬物を、親油性界面活性剤で被覆して得られる高い生体膜親和性を示す界面活性剤-薬物複合体を、親油性界面活性剤を含有する有機溶媒に乳化・分散してO/W型エマルジョンを調製し、凍結乾燥させることが記載されている。しかし、特許文献1に記載の技術は、親水性薬物の界面活性剤-薬物複合体から水相への漏洩を抑制することが課題の技術であり、経鼻投与への応用については全く記載がない。また、親水性薬物の界面活性剤-薬物複合体は、水に添加しても分散しないことから、そのままでは粘膜へ効果的に接触、吸収させることが困難であった。
【0007】
また、特許文献2には、親水性高分子からなる多孔質粒子、及び該多孔質粒子の細孔内に吸収されている親油性物質を含有する自発乳化性組成物が記載されている。固体粒子である自発乳化性組成物は、水相と接触するだけで静置下でも自発的に乳化し、速やかにO/Wエマルジョンを形成するものであるが、親油性物質として油又は油様物質及び界面活性剤を対象とするものであって、タンパク質、DNA、RNAのようなバイオ医薬に利用する生体高分子を多孔質粒子の細孔内に吸収させるものではなく、しかも、得られるエマルジョンは親油性物質であることから、微細粒子が大きくなり、水中で微細粒子同士が合一して不安定になるという課題があった。
【0008】
以上のとおり、界面活性剤-薬物複合体からO/W型エマルジョンを調製することや、多孔質粒子と親油性物質とを用いることで、水相としての粘膜上で固体粒子からO/Wエマルジョンを形成することは可能であるものの、これらの技術はエマルジョンに係る技術であって、エマルジョンの油相中に薬物等を分散させるために、エマルジョンの液滴径の微細化には限界があり、また、製剤中に封入できる薬物の種類が制限され、封入できる量を多くすることも困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2004- 43355号公報
特開2022- 22638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、タンパク質等の生体高分子からなる薬効成分を、固体の状態として安定的に保管し、鼻腔内に噴霧し、鼻腔粘膜に達した後、自発的に粘膜透過性に優れたナノ粒子を形成することができる多孔質粒子を提供することにある。また、タンパク質等の生体高分子からなる薬効成分を、固体の状態で安定に保管し、鼻腔内に噴霧後、鼻腔粘膜に達した後、自発的に粘膜透過性に優れたナノ粒子を形成することができる多孔質粒子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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