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公開番号2025129388
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-04
出願番号2025114405,2024536577
出願日2025-07-07,2022-07-26
発明の名称タンデム圧延機の板厚スケジュール計算方法
出願人株式会社TMEIC
代理人弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
主分類B21B 37/00 20060101AFI20250828BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約【課題】圧延トラブルの少ない安定した圧延・操業状態を維持可能なリミットチェック用のリミット値を算出、設定する。
【解決手段】板厚スケジュールの計算工程は、過去の圧延データを基に、各圧延スタンドの圧下率の上限値及び下限値の少なくとも一方を製品仕様毎に算出する算出工程と、算出した上限値及び下限値の少なくとも一方をリミット値として設定する設定工程を有する。圧延トラブルを起こさずに圧延できた過去の圧延データを抽出する。過去の圧延データの数が第1の閾値未満であるときには予め算出された圧下率を、第1の閾値以上で第2の閾値未満であるときには統計解析によって算出した上限値および下限値の少なくとも一方を、第2の閾値以上であるときには機械学習を用いて算出した圧下率に一定の数値を加算または減算することで算出した上限値及び下限値の少なくとも一方をリミット値として設定する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
複数の圧延スタンドによって連続で圧延されるタンデム圧延機の板厚スケジュール計算方法において、
先進率モデル及び圧延荷重モデルを含む圧延モデル式を用い、圧延荷重もしくはモーターパワーを基にして板厚スケジュールを計算する計算工程を含み、
前記計算工程は、過去の圧延データを基に、各圧延スタンドにおける圧下率の上限値及び下限値の少なくとも一方を、圧延する鋼種区分及び板厚区分を含む製品仕様毎に算出する算出工程と、前記算出工程で算出した前記上限値及び前記下限値の少なくとも一方を前記圧下率に対するリミットチェックのリミット値として設定する設定工程を有し、
前記算出工程は、
前記過去の圧延データのうち、圧延トラブルを起こさずに圧延することができたときの圧延データを抽出する工程を有し、
抽出した圧延データの圧下率の設定計算値及び実績値の少なくとも一方から統計解析によって前記上限値及び前記下限値の少なくとも一方を算出し、
抽出した圧延データの圧下率の設定計算値及び実績値の少なくとも一方を入力とし、圧下率を出力とする機械学習を用いて逐次的に算出し、算出した圧下率に一定の数値を加算または減算することで前記上限値及び前記下限値の少なくとも一方を算出し、
前記設定工程は、
前記過去の圧延データの数が第1の閾値未満であるときには、予め算出された圧下率を前記リミット値として設定し、
前記過去の圧延データの数が前記第1の閾値以上で第2の閾値未満であるときには、圧延データの圧下率の設定計算値及び実績値の少なくとも一方から前記統計解析によって算出した前記上限値及び前記下限値の少なくとも一方を前記リミット値として設定し、
前記過去の圧延データの数が前記第2の閾値以上であるときには、前記機械学習を用いて算出した圧下率に一定の数値を加算または減算することで算出した前記上限値及び前記下限値の少なくとも一方を前記リミット値として設定する板厚スケジュール計算方法。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
複数の圧延スタンドによって連続で圧延されるタンデム圧延機の板厚スケジュール計算方法において、
先進率モデル及び圧延荷重モデルを含む圧延モデル式を用い、圧延荷重もしくはモーターパワーを基にして板厚スケジュールを計算する計算工程を含み、
前記計算工程は、過去の圧延データを基に、各圧延スタンドにおける圧下率の上限値及び下限値の少なくとも一方を、圧延する鋼種区分及び板厚区分を含む製品仕様毎に算出する算出工程と、前記算出工程で算出した前記上限値及び前記下限値の少なくとも一方を前記圧下率に対するリミットチェックのリミット値として設定する設定工程を有し、
前記算出工程は、
前記過去の圧延データのうち、圧下率の設定計算値と実績値との乖離が基準値よりも小さいときの圧延データを抽出する工程を有し、
抽出した圧延データの圧下率の設定計算値及び実績値の少なくとも一方から統計解析によって前記上限値及び前記下限値の少なくとも一方を算出し、
抽出した圧延データの圧下率の設定計算値及び実績値の少なくとも一方を入力とし、圧下率を出力とする機械学習を用いて逐次的に算出し、算出した圧下率に一定の数値を加算または減算することで前記上限値及び前記下限値の少なくとも一方を算出し、
前記設定工程は、
前記過去の圧延データの数が第1の閾値未満であるときには、予め算出された圧下率を前記リミット値として設定し、
前記過去の圧延データの数が前記第1の閾値以上で第2の閾値未満であるときには、圧延データの圧下率の設定計算値及び実績値の少なくとも一方から前記統計解析によって算出した前記上限値及び前記下限値の少なくとも一方を前記リミット値として設定し、
前記過去の圧延データの数が前記第2の閾値以上であるときには、前記機械学習を用いて算出した圧下率に一定の数値を加算または減算することで算出した前記上限値及び前記下限値の少なくとも一方を前記リミット値として設定する板厚スケジュール計算方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の圧延スタンドが並設されたタンデム圧延機の板厚スケジュール計算方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に開示されたタンデム圧延機の板厚スケジュール計算方法では、圧延命令として与えられる目標板厚を達成するために、各圧延スタンドの材料温度や圧延荷重、圧延トルクなどを予測するための数式群を用いて、板厚スケジュールを計算する。
【0003】
板厚スケジュールの計算方法として、荷重比配分法が用いられており、各圧延スタンドにおける荷重Piの配分比率γiを基に板厚スケジュールが計算される。また、各圧延スタンドの出側板厚hiとロール周速Viは圧延スタンド間の揃速性を保つために、体積速度一定則(「マスフロー一定則」とも言う)を満たさなければならない。ここで、iは複数の圧延スタンドを区別するための識別子であり、iには圧延スタンドの番号(i=1~N)が代入される。
【0004】
上記計算方法では、各スタンドの圧延荷重と荷重比の関係及びマスフロー一定則の両方から得られる関係式と、関係式と同数の未知数を、Newton-Raphson法等を用いて数値的に解いている。さらに、上記計算方法では、各圧延スタンドの圧下率、圧延荷重及び圧延トルク等のパラメータに対してリミットチェック(「パラメータ制限」とも言う)を行っている。リミットチェックのリミット値を超過した場合、当該圧延スタンドの荷重比目標値を下げることで、板厚スケジュールを自動的に修正している。この板厚スケジュール計算方法では、修正対象の圧延スタンド数あるいは修正量に応じて、計算の性能が低下するという問題があった。ここで、計算の性能が低下するとは、例えば、修正対象の圧延スタンドが過半数存在する場合や修正量がある程度大きい場合に、計算負荷が高くなったり、繰り返し計算が収束しにくくなったりすることを含む。
【0005】
下記特許文献2には、圧延に関するパラメータがリミット値を超過した場合に、計算に用いる関数を変更することで、計算内容を適切に修正する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
日本特開2000-167612号公報
国際公開第2021-084636号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2のいずれにも、リミットチェックに用いるリミット値がどのような数値であるか、その設定方法を含めて明確に記載されていない。仮に、十分に大きい数値をリミット値として設定した場合、リミットチェックそのものが機能しなくなる。一方で、比較的小さい数値をリミット値として設定した場合、リミット値を超過する頻度が増え、板厚スケジュールの計算が収束しなくなる。いずれの場合も、圧延トラブルを招き、歩留まり悪化や操業停止時間を増加させる恐れがある。また、リミット値は鋼種やサイズに依らず、全ての材料に対して共通の(同じ)数値が用いられているのが現状であり、この共通の数値は、圧延材に適したリミット値とは言えない。
【0008】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、圧延トラブルの少ない安定した圧延・操業状態を維持するために好適なリミットチェック用のリミット値を算出、設定することが可能な板厚スケジュール算出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の観点は、複数の圧延スタンドによって連続で圧延されるタンデム圧延機の板厚スケジュール計算方法に関連する。板厚スケジュール計算方法は、先進率モデル及び圧延荷重モデルを含む圧延モデル式を用い、圧延荷重もしくはモーターパワーを基にして板厚スケジュールを計算する計算工程を含む。計算工程は、過去の圧延データを基に、各圧延スタンドにおける圧下率の上限値及び下限値の少なくとも一方を、圧延する鋼種区分及び板厚区分を含む製品仕様毎に算出する算出工程と、算出工程で算出した上限値及び下限値の少なくとも一方を圧下率に対するリミットチェックのリミット値として設定する設定工程を有する。
【0010】
第2の観点は、第1の観点に加えて、次の特徴を更に有する。算出工程は、過去の圧延データのうち、圧延トラブルを起こさずに圧延することができたときの圧延データを抽出する工程を有し、抽出した圧延データの圧下率の設定計算値及び実績値の少なくとも一方から統計解析によって上限値及び下限値の少なくとも一方を算出するように構成される。
(【0011】以降は省略されています)

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