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公開番号
2025127816
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-02
出願番号
2024024736
出願日
2024-02-21
発明の名称
ポリイミド系樹脂粉体、ポリイミド系樹脂ワニス及びポリイミド系樹脂膜
出願人
河村産業株式会社
代理人
弁理士法人 津国
主分類
C08G
73/10 20060101AFI20250826BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】 耐熱性、接着性及び機械特性に優れ、低温での加工性にも優れたポリイミド系樹脂膜を与える、有機溶媒に可溶なポリイミド系樹脂粉体及びポリイミド系樹脂ワニスを提供する。
【解決手段】 ジアミン化合物及びテトラカルボン酸二無水物から合成されるポリイミドを含むポリイミド系樹脂粉体であって、前記ポリイミドが、(a):ビスアミノフェノキシベンゼンに由来する構成単位、並びに(b):4,4’-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2,2-ジイル)ジフタル酸二無水物及び(c):3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を有するポリイミド系樹脂であり、これら各構成単位を特定のモル比で含有するポリイミドを含む、ポリイミド系樹脂粉体である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ジアミン化合物及びテトラカルボン酸二無水物から合成されるポリイミドを含むポリイミド系樹脂粉体であって、前記ポリイミドが、
(a):下記式1で示されるジアミン化合物に由来する構成単位、並びに
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(b):4,4’-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2,2-ジイル)ジフタル酸二無水物 及び
(c):3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を有するポリイミド系樹脂であり、
ジアミン化合物に由来する構成単位の総モル量に対する前記(a)に由来する構成単位のモル量が50モル%以上であり、
テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位の総モル量に対する前記(b)に由来する構成単位のモル量が10モル%以上、かつ前記(c)に由来する構成単位のモル量が30モル%以上であるとともに、(b)及び(c)に由来する構成単位の合計のモル量がテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位の総モル量に対して50モル%以上であることを特徴とするポリイミド系樹脂粉体。
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
前記(a)が下記式2で示されるジアミン化合物に由来する構成単位であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド系樹脂粉体。
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【請求項3】
有機溶媒に1重量%以上の濃度で可溶であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド系樹脂粉体。
【請求項4】
還元粘度が0.3~3.0dL/gの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド系樹脂粉体。
【請求項5】
ポリイミド系樹脂膜に製膜した後にJIS K7196により測定される軟化温度が100~200℃の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド系樹脂粉体。
【請求項6】
請求項1に記載のポリイミド系樹脂が1~50重量%の濃度で有機溶媒に溶解されていることを特徴とするポリイミド系樹脂ワニス。
【請求項7】
前記溶媒が非含窒素有機溶媒を主成分とする溶媒であることを特徴とする請求項6に記載のポリイミド系樹脂ワニス。
【請求項8】
請求項6に記載のポリイミド系樹脂ワニスを塗膜して得られるポリイミド系樹脂膜。
【請求項9】
JIS K7196により測定される軟化温度が100~200℃の範囲にあることを特徴とする請求項8に記載のポリイミド系樹脂膜。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイミド系樹脂粉体及びポリイミド系樹脂ワニスに関し、特に半導体、センサー、電子材料、電池、絶縁部材、車載部品、音響部品等の用途に好適に用いられる、耐熱性や接着性に優れたポリイミド樹脂膜を与える、溶媒に可溶なポリイミド系樹脂粉体、ポリイミド系樹脂ワニス及びポリイミド系樹脂膜に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリイミド樹脂は耐熱性に優れる高分子として、航空宇宙分野、電気絶縁分野、電子分野等の耐熱性や高信頼性が要求される幅広い分野で活用されている。例えば、デュポン社のカプトン(登録商標)、株式会社カネカのアピカル(登録商標)、UBE株式会社のユーピレックス(登録商標)などは非熱可塑性ポリイミドとして優れた耐熱性を有するフィルム材料として幅広く用いられていることが知られている。しかしながら、このような非熱可塑性ポリイミドは流動性が乏しく、そのため成型加工を行う用途や接着剤用途には適用が難しいという問題がある。
【0003】
また近年では、三井化学株式会社のオーラム(登録商標)に代表される熱可塑性ポリイミドが提案されてきており、耐熱性を有しながら流動可能であり、成型加工が可能な材料として成型用途などに用いられている。
【0004】
これらのような従来の熱可塑性ポリイミドでは、イミド結合が一般に強固な結合を形成するため軟化温度が高く低温での成型加工を行い難いという問題があった。この課題に対して、特開2019-59834号公報等には、耐熱性や加工性に優れた溶剤可溶性を示すポリイミド粉体及びそれを用いて製造されるポリイミドフィルムが提案されている。
【0005】
一方で、低温での成型加工や低温での貼り合わせが可能なポリイミドとして、特開平11-71457号公報等では、低い軟化温度を有し、低温での加工が可能なポリイミドシロキサンが提案されている。このようなポリイミドシロキサンを用いることで、従来のポリイミド材料で課題であった、200℃以下での低い温度での加工が可能となるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-59834号公報
特開平11-71457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1で提案されたポリイミド粉体から得られるポリイミドフィルムは必ずしも流動性を有するものではなく、例えばフィルムに製膜後に接着剤として適用するのが難しいという問題がある。また、ポリイミドシロキサンを用いた場合、低温での加工が可能となるものの、ポリイミド中に耐熱性の乏しいシロキサン構造を含むため、400℃以下の低温でもポリイミドの分解が起こる。特許文献2では、ポリイミドの耐熱性を損ない高温での使用に制約を受けるという問題がある。
本発明の目的は、耐熱性、接着性及び機械特性に優れ、低温での加工性にも優れたポリイミド系樹脂膜を与える、有機溶媒に可溶なポリイミド系樹脂粉体及びポリイミド系樹脂ワニスを与えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、ポリイミド系樹脂の合成に特定のジアミン化合物、及び特定の2種類以上のテトラカルボン酸二無水物を用いることで、耐熱性、接着性及び機械特性に極めて優れ、比較的低い軟化温度を示すポリイミド系樹脂膜を与える、ハンドリング性が良好な溶媒可溶性のポリイミド系樹脂粉体が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明によれば、以下に示すポリイミド系樹脂粉体、ポリイミド系樹脂ワニス及びポリイミド系樹脂膜が提供される。
[1] ジアミン化合物及びテトラカルボン酸二無水物から合成されるポリイミドを含むポリイミド系樹脂粉体であって、前記ポリイミドが、
(a):下記式1で示されるジアミン化合物に由来する構成単位、並びに
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(b):4,4’-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2,2-ジイル)ジフタル酸二無水物 及び
(c):3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を有するポリイミド系樹脂であり、
ジアミン化合物に由来する構成単位の総モル量に対する前記(a)に由来する構成単位のモル量が50モル%以上であり、
テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位の総モル量に対する前記(b)に由来する構成単位のモル量が10モル%以上、かつ前記(c)に由来する構成単位のモル量が30モル%以上であるとともに、(b)及び(c)に由来する構成単位の合計のモル量がテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位の総モル量に対して50モル%以上であることを特徴とするポリイミド系樹脂粉体。
[2] 前記(a)が下記式2で示されるジアミン化合物に由来する構成単位であることを特徴とする[1]に記載のポリイミド系樹脂粉体。
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[3] 有機溶媒に1重量%以上の濃度で可溶であることを特徴とする[1]に記載のポリイミド系樹脂粉体。
[4] 還元粘度が0.3~3.0dL/gの範囲にあることを特徴とする[1]に記載のポリイミド系樹脂粉体。
[5] ポリイミド系樹脂膜に製膜した後にJIS K7196により測定される軟化温度が100~200℃の範囲にあることを特徴とする[1]に記載のポリイミド系樹脂粉体。
[6] [1]に記載のポリイミド系樹脂粉体が1~50重量%の濃度で有機溶媒に溶解されていることを特徴とするポリイミド系樹脂ワニス。
[7] 前記有機溶媒が窒素原子を含まない有機溶媒を主成分とする有機溶媒であることを特徴とする[6]に記載のポリイミド系樹脂ワニス。
[8] [6]に記載のポリイミド系樹脂ワニスを製膜して得られるポリイミド系樹脂膜。
[9] JIS K7196により測定される軟化温度が100~200℃の範囲にあることを特徴とする[8]に記載のポリイミド系樹脂膜。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、優れた耐熱性や機械特性を有し、接着性にも優れた比較的低い軟化温度を示すポリイミド系樹脂膜を与える、ポリイミド系樹脂粉体及びポリイミド系樹脂ワニスを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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