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公開番号
2025125357
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-27
出願番号
2024021362
出願日
2024-02-15
発明の名称
磁気転写電荷誘起型磁界センサ
出願人
国立大学法人秋田大学
代理人
個人
主分類
G01R
33/06 20060101AFI20250820BHJP(測定;試験)
要約
【課題】感度、出力、消費電力、及びサイズに対する需要を同時に満足することが可能な磁界センサを提供する。
【解決手段】第1の電極層と、垂直磁気異方性を有する強磁性・強誘電材料を含んでなり、垂直磁場の印加により垂直成分を有する電気分極が誘起される、強磁性・強誘電層と、垂直磁気異方性を有するソフト磁性材料を含んでなるソフト磁性層と、を上記順に含む積層構造を備え、該積層構造は、第2の電極層であって、該第2の電極層と第1の電極層との間に強磁性・強誘電層が挟まれるように配置された、第2の電極層を含み、ソフト磁性層が導電性である場合には、ソフト磁性層が第2の電極層を兼ねていてもよく、強磁性・強誘電層に誘起された電気分極が、第1の電極層と第2の電極層との間に生じた電気信号として検出される、磁界センサ。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
第1の電極層と、
垂直磁気異方性を有する強磁性・強誘電材料を含んでなり、垂直磁場の印加により垂直成分を含む電気分極が誘起される、強磁性・強誘電層と、
垂直磁気異方性を有するソフト磁性材料を含んでなる、ソフト磁性層と、
を上記順に含む積層構造を備え、
前記積層構造は、
第2の電極層であって、該第2の電極層と前記第1の電極層との間に前記強磁性・強誘電層が挟まれるように配置された、第2の電極層
を含み、
前記ソフト磁性層が導電性である場合には、前記ソフト磁性層が前記第2の電極層を兼ねていてもよく、
前記強磁性・強誘電層に誘起された電気分極が、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に生じた電気信号として検出されることを特徴とする、磁界センサ。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記積層構造が、前記ソフト磁性層とは別個に前記第2の電極層を含み、
前記積層構造が、前記第1の電極層と、前記強磁性・強誘電層と、前記ソフト磁性層と、前記第2の電極層とを上記順に含む、請求項1に記載の磁界センサ。
【請求項3】
前記積層構造が、前記ソフト磁性層とは別個に前記第2の電極層を含み、
前記積層構造が、前記第1の電極層と、前記強磁性・強誘電層と、前記第2の電極層と、前記ソフト磁性層とを上記順に含む、請求項1に記載の磁界センサ。
【請求項4】
前記ソフト磁性層の25℃における飽和磁化をMs
1
(単位:emu/cm
3
)とし、前記ソフト磁性層の厚さをt
1
(単位:nm)とし、前記強磁性・強誘電層の25℃における保磁力をHc
2
(単位:Oe)とするとき、比4πMs
1
t
1
/Hc
2
の値が1000nm以上である、請求項1~3のいずれかに記載の磁界センサ。
【請求項5】
前記ソフト磁性層の25℃における保磁力をHc
1
(単位:Oe)とし、前記強磁性・強誘電層の25℃における残留磁化をMr
2
(単位:emu/cm
3
)とし、前記強磁性・強誘電層の厚さをt
2
(単位:nm)とするとき、比4πMr
2
t
2
/Hc
1
の値が3000nm未満である、請求項1~3のいずれかに記載の磁界センサ。
【請求項6】
前記強磁性・強誘電層が、下記組成式(2)で表される材料であって強磁性・強誘電性および垂直磁気異方性を示す材料を含む、請求項1~3のいずれかに記載の磁界センサ。
(Bi
1-a
X
a
)(Fe
1-b
M
b
)O
3
…(2)
(組成式(2)中、XはMg、Ca、Sr、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuから選ばれる1種以上の元素であり;MはTi、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、及びZnから選ばれる1種以上の元素であり;a及びbは、0≦a≦0.8、且つ0≦b≦0.5を満たす実数であり、ただしa及びbの少なくとも一方は0でない。)
【請求項7】
前記ソフト磁性導電層が、下記組成式(3)で表されるソフト磁性材料を含む、請求項1~3のいずれかに記載の磁界センサ。
Co
x
Ni
1-x
Fe
2
O
4
…(3)
(組成式(1)中、xは0~0.8の実数である。)
【請求項8】
請求項1~3のいずれかに記載の磁界センサと、
前記第1の電極層および前記第2の電極層に電気的に接続され、前記強磁性・強誘電層に誘起された電気分極を電気信号として検出する、検出回路と、
を備える、磁界検出装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁界を電気信号として検出することが可能な、新規な磁界センサに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
Society 5.0社会を実現するためには、フィジカル空間に多数のセンサを配置する必要がある。位置を可視化するための磁界センサについても、需要が飛躍的に増加することが確実である。このような背景のもと、高感度、高出力、低消費電力、且つ小型化可能な磁気センサが求められている。感度及びサイズの要求を満足できる可能性がある磁気センサとして、現在、トンネル型磁気抵抗素子が注目されている。トンネル型磁気抵抗素子は、2つの強磁性層の間に電気絶縁性の薄膜が挟まれた構造を有しており、2つの強磁性層の間に電圧を印加し、トンネル電流を検出する。一方の強磁性層(ピン層)の磁化の向きは固定されており、他方の強磁性層(フリー層)の磁化の向きは外部磁場に応じて変化する。外部磁場により2つの強磁性層の磁化が同方向になると、トンネル電流は大きくなる(抵抗が小さくなる)。外部磁場により2つの強磁性層の磁化が逆方向になると、トンネル電流は小さくなる(抵抗が大きくなる)。トンネル型磁気抵抗素子は、このように外部磁場の方向に応じて2つの磁性体層の磁化方向の組み合わせ(平行/逆平行)が変化し、それによってトンネル電流の大きさが変化することを利用して、電気抵抗の大小により磁界を認識する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5771788号公報
特許第6573374号公報
【非特許文献】
【0004】
Yoshimura, S., et al., Magnetization reversal of [Co/Pd] perpendicular magnetic thin film dot on (Bi,La)(Fe,Co)O3 multiferroci thin film by applying electric field. Nanotechnology, 2003, 34(46), 465703. doi:10.1088/1361-6528/acef2d
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
トンネル型磁気抵抗素子は、数Oe程度のわずかな磁界でも抵抗が変化するため、感度の観点からは優れている。しかしながら、常に素子に電流を流しておく必要があることから、その消費電力が小さくない。さらに、流れるトンネル電流の大小比が室温では高々3倍程度であり、出力比が低いことから検出エラーが起きやすい。
【0006】
消費電力と出力比の課題を解決するために、当業者は、強磁性・強誘電材料薄膜の電気磁気効果を磁界センサに応用することを考えるかもしれない。強磁性・強誘電材料は、磁界がないときには電気分極を生じないが、磁界を感知すると電気磁気効果(磁気モーメントと電気双極子との相互作用)により電気分極が誘起される。そこで、2つの電極に挟まれた強磁性・強誘電材料薄膜を備える磁界センサが想定され得る。該磁界センサは、常時電流を流す必要はないことから、電力消費を低減できる。さらに、電荷がゼロからある値に誘起されることから、高い信号出力比が得られる。現在知られている一般的な強磁性・強誘電材料薄膜を用いてそのような磁界センサを構成することの問題は、磁界感度が非常に悪いことである。現在知られている強磁性・強誘電材料薄膜は、一般に磁化容易方向が面内方向であり且つ保磁力が大きい(数百Oe以上)ため、大きな磁界(数百Oe以上)が印加されて初めて電気磁気効果が得られるからである。
【0007】
本発明は、感度、出力、消費電力、及びサイズに対する需要を同時に満足することが可能な、磁界センサを提供することを課題とする。また、該磁界センサを備える磁界検出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記[1]~[8]の実施形態を包含する。
[1] 第1の電極層と、
垂直磁気異方性を有する強磁性・強誘電材料を含んでなり、垂直磁場の印加により垂直成分を有する電気分極が誘起される、強磁性・強誘電層と、
垂直磁気異方性を有するソフト磁性材料を含んでなる、ソフト磁性層と、
を上記順に含む積層構造を備え、
前記積層構造は、
第2の電極層であって、該第2の電極層と前記第1の電極層との間に前記強磁性・強誘電層が挟まれるように配置された、第2の電極層
を含み、
前記ソフト磁性層が導電性である場合には、前記ソフト磁性層が前記第2の電極層を兼ねていてもよく、
前記強磁性・強誘電層に誘起された電気分極が、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に生じた電気信号として検出されることを特徴とする、磁界センサ。
【0009】
[2] 前記積層構造が、前記ソフト磁性層とは別個に前記第2の電極層を含み、
前記積層構造が、前記第1の電極層と、前記強磁性・強誘電層と、前記ソフト磁性層と、前記第2の電極層とを上記順に含む、[1]に記載の磁界センサ。
【0010】
[3] 前記積層構造が、前記ソフト磁性層とは別個に前記第2の電極層を含み、
前記積層構造が、前記第1の電極層と、前記強磁性・強誘電層と、前記第2の電極層と、前記ソフト磁性層とを上記順に含む、[1]に記載の磁界センサ。
(【0011】以降は省略されています)
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