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公開番号
2025126893
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-29
出願番号
2025008149
出願日
2025-01-21
発明の名称
ヒトの抗原反応性免疫細胞の同定方法
出願人
国立大学法人秋田大学
代理人
デロイトトーマツ弁理士法人
主分類
C12N
5/0783 20100101AFI20250822BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】移植片対宿主病、及び拒絶反応の問題が解消、又は軽減された動物モデルを用いてヒトの抗原反応性免疫細胞の同定方法を提供する。
【解決手段】ヒトの抗原反応性免疫細胞の同定方法が、ヒトから採取した組織及び免疫細胞を、遺伝子編集によってマウスMHCを欠失させた免疫不全動物に移植し、異種移植動物を作製する異種移植動物作成工程、ヒト免疫反応を、この異種移植動物作成工程で得られた第1の異種移植動物体内で生じさせるヒト免疫反応工程、及び、このヒト免疫反応工程で得られた第2の異種移植動物体から抗原反応性免疫細胞を単離する単離工程を含む。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
ヒトの抗原反応性免疫細胞の同定方法であって、
ヒトから採取した組織及び免疫細胞を、主要組織適合遺伝子複合体を遺伝子編集した免疫不全動物に移植し、異種移植動物を作製する異種移植動物作成工程、
ヒト免疫反応を、当該異種移植動物作成工程で得られた第1の異種移植動物体内で生じさせるヒト免疫反応工程、及び
当該ヒト免疫反応工程で得られた第2の異種移植動物体から抗原反応性免疫細胞を単離する単離工程を含む、ヒトの抗原反応性免疫細胞の同定方法。
続きを表示(約 370 文字)
【請求項2】
請求項1に記載された抗原反応性免疫細胞の同定方法において、前記組織ががん組織を含む、抗原反応性免疫細胞の同定方法。
【請求項3】
請求項2に記載された抗原反応性免疫細胞の同定方法において、前記がん組織が、腎臓がん組織、尿路上皮がん組織、前立腺がん組織、及びリポザルコーマ組織からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、抗原反応性免疫細胞の同定方法。
【請求項4】
請求項1に記載された抗原反応性免疫細胞の同定方法において、前記免疫不全動物が免疫不全マウスである、抗原反応性免疫細胞の同定方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載された抗原反応性免疫細胞の同定方法において、前記抗原反応性免疫細胞ががん反応性T細胞を含む、抗原反応性免疫細胞の同定方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトの抗原反応性免疫細胞の同定方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫細胞が重度免疫不全マウス(NOGマウス等)に移植され、ヒト免疫細胞を有するゼノグラフト(ヒト化マウス)の作製が試みられてきた。しかし、非特許文献1および2では、正常の主要組織適合遺伝子複合体(major histocompatibility complex: MHC)を持つ免疫不全マウスを用いて作製したヒト化マウスを用いており、ヒト免疫細胞が重度免疫不全マウスのMHCを異物とみなし、移植片対宿主病(Graft-versus-host disease: GVHD)を生じるため、移植されたヒト免疫細胞が重度免疫不全マウス体内で非特異的に活性化され、かつ増殖してしまい、生理的がん免疫環境が再現されないばかりでなく、数週間でマウスが死亡することを開示されている(図1参照)。さらに非特許文献1の開示によれば、ヒトCD34陽性の造血幹細胞がNOGマウスに移植され、ヒトT細胞がマウス胸腺で成熟されたが、マウス胸腺で選択されるヒトT細胞は実際には元のドナー体内に存在しない抗原特異性を有しているため、やはりヒト免疫細胞としては非生理的であると考えられる。
【0003】
非特許文献2は、重度免疫不全マウスのMHCクラスI及びIIが欠失された、ヒト免疫細胞の移植によるGVHDの発症が通常のNOGマウスと比べ大幅に抑制されるNOG-dKOマウス(現販売元における系統名: NOG-ΔMHCマウス)が、遺伝子編集によって開発されたことを開示している。さらに非特許文献2には、健常人由来の末梢血単核球細胞(Peripheral blood mononuclear cells: PBMC)が、市販のヒトがん細胞株が生着された前記NOG-ΔMHCマウスに移植され、ヒト化マウスの作製が試みられたことが開示されている。しかし、健常人由来のPBMCの持つMHCは、市販のヒトがん細胞株のMHCと通常異なるため、結果として健常人由来PBMCのT細胞が市販がん細胞株に対してアロ反応(拒絶反応)を起こしており、生理的ながん免疫反応が再現されていない(図2参照)と考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Saito R et al, Int J Clin Oncol; 25(5): p831-841, 2020
Ashizawa et al, Clin Can Res; 23(1): p149-158, 2017
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、移植片対宿主病、及び拒絶反応の問題が解消、又は軽減された異種移植動物モデルの開発、及び当該異種移植動物を用いたヒトの抗原反応性免疫細胞の同定方法が希求されていた。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、移植片対宿主病、及び拒絶反応の問題が解消、又は軽減された異種移植動物モデルの開発、及び当該異種移植動物を用いたヒトの抗原反応性免疫細胞の同定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題に鑑み検討を重ね、同一がん患者から採取されたがん組織及び末梢血中の免疫細胞がNOGマウスに移植され、作製されたヒト化マウスの体内で患者由来のヒトがん免疫反応が構築されることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0008】
本発明は、ヒトの抗原反応性免疫細胞の同定方法であって、ヒトから採取した組織及び免疫細胞を、遺伝子編集によってマウスMHCを欠失させた免疫不全動物に移植し、異種移植動物を作製する異種移植動物作成工程、ヒト免疫反応を、当該異種移植動物作成工程で得られた第1の異種移植動物体内で生じさせるヒト免疫反応工程、及び、当該ヒト免疫反応工程で得られた第2の異種移植動物体から抗原反応性免疫細胞を単離する単離工程を含む、ヒトの抗原反応性免疫細胞の同定方法に関する。
前記組織は、好ましくは、がん組織、及びヒト正常組織からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。
前記がん組織は、好ましくは、腎臓がん組織、尿路上皮がん組織、前立腺がん組織、及びリポザルコーマ組織からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。
前記免疫不全動物は、好ましくは、免疫不全マウスを含む。
前記抗原反応性免疫細胞は、好ましくは、抗原特異的T細胞、抗原特異的B細胞、抗原特異的形質細胞、及び抗原を取り込んだ抗原提示細胞からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明のヒトの抗原反応性免疫細胞の同定方法は、移植片対宿主病、及び拒絶反応の問題が解消、又は軽減された異種移植動物モデルの開発、及び当該異種移植動物を用いたヒトの抗原反応性免疫細胞の同定方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
移植されたヒト免疫細胞が重度免疫不全マウス体内で非特異的に活性化され、かつ増殖することを示す模式図。
移植されたヒト免疫細胞によるヒトがん細胞株に対する拒絶反応を示す模式図。
異種移植動物作成工程及びヒト免疫反応工程を示す模式図。
ヒト末梢血単核球が、NOG-ΔMHCマウス、及び通常マウスそれぞれに移植された場合の体重の経時的変化を示す図。
ヒト末梢血単核球が、NOG-ΔMHCマウス、及び通常マウスそれぞれに移植された場合の移植片対宿主病スコアの経時的変化を示す図。
移植前のヒト末梢血CD3陽性T細胞と、NOG-ΔMHCマウスへ移植して28日後にマウスの末梢血から採取したCD3陽性T細胞のフローサイトメトリー法による解析結果の比較を示す図。
腎臓がん組織及びヒト末梢血単核球をNOG-ΔMHCマウスへ移植し、コントロールマウスと抗ヒトPD-1抗体治療を行った後のゼノグラフト腫瘍内のヒトT細胞に対する増殖マーカーKi67の発現比較を示す図。
抗ヒトPD-1抗体が同一患者由来の腫瘍組織および免疫細胞移植モデルに投与された結果、治療マウスでは同じT細胞受容体βのCDR3配列を持つ腫瘍反応性T細胞が増殖したことを示す図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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