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公開番号
2025082162
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-28
出願番号
2023195447
出願日
2023-11-16
発明の名称
金属イオンの分離回収方法
出願人
国立大学法人秋田大学
,
DOWAホールディングス株式会社
代理人
個人
主分類
B01D
61/44 20060101AFI20250521BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】ニッケルイオンとマンガンイオンとを含む水溶液に新たな金属イオンを添加することなく、ニッケルイオンとマンガンイオンを分離回収する方法を提供する。
【解決手段】電解槽内に陽イオン交換膜を介して電解室1および電解室2を設け、NiイオンおよびMnイオンを含む水溶液を前記電解室1に入れ、Niイオンとの安定度定数K
Ni
の対数が、Mnイオンとの安定度定数K
Mn
の対数より1以上大きい錯化剤Lを含む水溶液を前記電解室2に入れ、電解室1側の電極を陽極、電解室2側の電極を陰極として電気透析を行った後、電解室1側の電極を陰極、電解室2側の電極を陽極として電気透析を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
電解槽内に陽イオン交換膜を介して電解室1および電解室2を設け、NiイオンおよびMnイオンを含む水溶液を前記電解室1に入れ、Niイオンとの安定度定数K
Ni
の対数が、Mnイオンとの安定度定数K
Mn
の対数より1以上大きい錯化剤Lを含む水溶液を前記電解室2に入れ、電解室1側の電極を陽極、電解室2側の電極を陰極として電気透析を行った後、電解室1側の電極を陰極、電解室2側の電極を陽極として電気透析を行う、金属イオンの分離回収方法。
ここで、錯化剤LのNiイオンとの安定度定数K
Ni
およびMnイオンとの安定度定数K
Mn
は、下記(1)式の錯体形成反応における安定度定数を表す下記(2)式により定まる。
M+nL ⇔ ML
n
…(1)
K
M
= [ML
n
]/[M][L]
n
…(2)
ただし、(1)式、(2)式において、Mは金属イオン(NiイオンまたはMnイオン)、Lは錯化剤L、nは金属イオン1モルと錯体を形成する錯化剤Lのモル数である。
続きを表示(約 370 文字)
【請求項2】
錯化剤Lがエチレンジアミン四酢酸(EDTA)である、請求項1に記載の金属イオンの分離回収方法。
【請求項3】
錯化剤Lが、Niイオン、Mnイオンのいずれの金属イオンMに対しても、当該錯化剤Lと前記金属イオンMが1:1のモル比で結合した錯イオンを形成するものであり、電解室1内の水溶液中に含まれるNiイオンのモル数をW
Ni
、Mnイオンのモル数をW
Mn
と表記し、電解室2内の水溶液中に含まれる錯化剤Lのモル数をW
L
と表記するとき、電気透析開始時において、W
Ni
+W
Mn
≧W
L
、かつW
Ni
<W
L
を満たすようにする、請求項1に記載の金属イオンの分離回収方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は使用済みのリチウムイオン二次電池等からニッケル、マンガン等の有価金属を分離回収する技術に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン二次電池の使用量が増大しているが、それに伴い、使用済みのリチウム二次電池から有価金属を分離回収する手段が求められている。一般に、リチウムイオン二次電池からの有価金属の回収は、使用済みの廃リチウムイオン二次電池を酸の水溶液に溶解した金属イオンの浸出液からリチウム等を回収することにより行われる。前記の浸出液からリチウムを回収すると、電極活物質に由来するニッケルやマンガンを多量に含有する浸出液が残される。資源のリサイクルの観点からは、当該浸出液中のニッケルとマンガンをさらに分離回収することが望ましい。水溶液の状態のニッケルとマンガンを分離する方法としては溶媒抽出等が考えられるが、溶媒抽出を用いる方法は、設備およびコストの観点から、工業的な規模で実施することは困難である。
【0003】
水溶液中の金属イオンを濃縮して分離回収する技術としては従来、イオン交換膜を用いた電気透析法があるが、電気透析法の場合には金属イオンの選択分離性が悪く、回収液および回収液から析出させて回収した金属析出物に不純物が多く含まれるという問題があった。そのような問題を解決した技術として、例えば特許文献1に開示される技術がある。特許文献1に開示される技術は、分離回収の対象となる処理液に銅イオンと錯化剤を添加することにより分離回収した金属の純度を高めるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6080070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示される技術では、分離回収の対象となる処理液に銅イオンを添加する必要があり、処理コストの増加、工程の煩雑化を招くという問題があった。また、銅イオンをさらに分離回収する必要が生じるという問題もあった。
本発明はこれらの問題点に鑑み、Ni(ニッケル)イオンとMn(マンガン)イオンを含む水溶液に新たな金属イオンを添加することなく、NiイオンとMnイオンを分離回収する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本明細書では以下の発明を開示する。
[1]電解槽内に陽イオン交換膜を介して電解室1および電解室2を設け、NiイオンおよびMnイオンを含む水溶液を前記電解室1に入れ、Niイオンとの安定度定数K
Ni
の対数が、Mnイオンとの安定度定数K
Mn
の対数より1以上大きい錯化剤Lを含む水溶液を前記電解室2に入れ、電解室1側の電極を陽極、電解室2側の電極を陰極として電気透析を行った後、電解室1側の電極を陰極、電解室2側の電極を陽極として電気透析を行う、金属イオンの分離回収方法。
ここで、錯化剤LのNiイオンとの安定度定数K
Ni
およびMnイオンとの安定度定数K
Mn
は、下記(1)式の錯体形成反応における安定度定数を表す下記(2)式により定まる。
M+nL ⇔ ML
n
…(1)
K
M
= [ML
n
]/[M][L]
n
…(2)
ただし、(1)式、(2)式において、Mは金属イオン(NiイオンまたはMnイオン)、Lは錯化剤L、nは金属イオン1モルと錯体を形成する錯化剤Lのモル数である。
[2]錯化剤Lがエチレンジアミン四酢酸(EDTA)である、上記[1]に記載の金属イオンの分離回収方法。
[3]錯化剤Lが、Niイオン、Mnイオンのいずれの金属イオンMに対しても、当該錯化剤Lと前記金属イオンMが1:1のモル比で結合した錯イオンを形成するものであり、電解室1内の水溶液中に含まれるNiイオンのモル数をW
Ni
、Mnイオンのモル数をW
Mn
と表記し、電解室2内の水溶液中に含まれる錯化剤Lのモル数をW
L
と表記するとき、電気透析開始時において、W
Ni
+W
Mn
≧W
L
、かつW
Ni
<W
L
を満たすようにする、上記[1]に記載の金属イオンの分離回収方法。
【0007】
なお、本明細書において、化学反応式中の矢印記号「⇔」は、下記(A)の右に示す双方向の矢印と同義である。
TIFF
2025082162000002.tif
10
131
【発明の効果】
【0008】
本発明の金属イオンの分離回収方法を用いることにより、NiおよびMnを含む水溶液からNiとMnを分離回収することが可能になる。したがって、本発明は例えば使用済みのリチウムイオン二次電池から有価金属を分離回収する手法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例で用いた電気透析装置の構成を模式的に示した図。
実施例1における、極性反転前の電気透析での水溶液中の金属イオン濃度の経時変化を示すグラフ。
実施例1における、極性反転後の電気透析での水溶液中の金属イオン濃度の経時変化を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[処理対象の水溶液]
本発明の金属イオンの分離回収方法は、NiイオンおよびMnイオンを含む水溶液からNiとMnを分離回収するためのものであり、その対象となる水溶液はNiイオンおよびMnイオンを含むものであればよく、使用済みのリチウムイオン二次電池を溶解して得られる水溶液のみに限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)
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