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公開番号2025148288
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-07
出願番号2025042554
出願日2025-03-17
発明の名称構造物の補強又は補修方法
出願人国立大学法人秋田大学
代理人デロイトトーマツ弁理士法人
主分類E04G 23/02 20060101AFI20250930BHJP(建築物)
要約【課題】補強又は補修の施工作業の作業性を向上させることができる、構造物の補強又は補修方法を提供する。
【解決手段】この補修方法は、熱可塑性樹脂製の接着層20が予め塗布された補強用繊維シート10の、接着層20側を構造物1に接触させると共に、構造物1に対して補強用繊維シート10を仮止めする仮止め工程と、補強用繊維シート10を封止シート30で包括し且つ封止シート30を封止する封止工程と、接着層20を加熱処理して溶融且つ重合させると共に封止シート内を真空排気し、接着層20を補強用繊維シート10の間隙等に含浸させる含浸工程と、接着層20を冷却硬化させる本固定工程と、補強用繊維シート10から封止シート30を剥離する剥離工程とを含んでいる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
構造物に補強用繊維シートを接着して前記構造物を補強又は補修する方法であって、
前記補強用繊維シートの少なくとも片面に、未重合部分を含む熱可塑性樹脂の原料を予め塗布して接着層を形成する塗布工程と、
前記補強用繊維シートの前記接着層側を前記構造物に接触させると共に、前記構造物に対して前記補強用繊維シートを仮止めする仮止め工程と、
前記構造物上において、前記補強用繊維シートの周縁部の少なくとも一部を少なくとも封止シートで被覆すると共に、該封止シートを封止する封止工程と、
前記接着層の前記熱可塑性樹脂の原料を加熱処理して溶融且つ重合させると共に、前記封止シート及び前記構造物により画定される内部空間を真空排気し、前記封止シートによって前記補強用繊維シートを前記構造物に対して押圧させ、前記熱可塑性樹脂を、前記補強用繊維シートの間隙、及び、前記構造物の表面に存在する空隙又は間隙に含浸させる加熱含浸工程と、
前記熱可塑性樹脂を冷却させて硬化させ、前記接着層を介して前記構造物に対して前記補強用繊維シートを本固定する本固定工程と、
前記補強用繊維シートから前記封止シートを剥離する剥離工程とを含むことを特徴とする、構造物の補強又は補修方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記補強用繊維シートは重合した樹脂原料が予め含浸されてなるプリプレグシートとされており、プリプレグシートとされた前記補強用繊維シートに前記塗布工程がなされる請求項1記載の構造物の補強又は補修方法。
【請求項3】
構造物に補強用繊維シートを接着して前記構造物を補強又は補修する方法であって、
前記補強用繊維シートに未重合部分を含む熱可塑性樹脂の原料を予め含浸させる原料含浸工程と、
前記補強用繊維シートを前記構造物に接触させると共に、前記構造物に対して前記補強用繊維シートを仮止めする仮止め工程と、
前記構造物上において、前記補強用繊維シートの周縁部の少なくとも一部を少なくとも封止シートで被覆すると共に、該封止シートを封止する封止工程と、
前記熱可塑性樹脂の原料を加熱処理して溶融且つ重合させると共に、前記封止シート及び前記構造物により画定される内部空間を真空排気し、前記封止シートによって前記補強用繊維シートを前記構造物に対して押圧させ、前記熱可塑性樹脂を、前記補強用繊維シートの間隙、及び、前記構造物の表面に存在する空隙又は間隙に含浸させる加熱含浸工程と、
前記熱可塑性樹脂を冷却させて硬化させ、該熱可塑性樹脂を介して前記構造物に対して前記補強用繊維シートを本固定する本固定工程と、
前記補強用繊維シートから前記封止シートを剥離する剥離工程とを含むことを特徴とする、構造物の補強又は補修方法。
【請求項4】
前記本固定工程時における前記構造物に対する前記補強用繊維シートの接合強度よりも低い接合強度で、前記補強用繊維シートに対して前記封止シートが剥離可能に予め接合されて、前記補強用繊維シート及び前記封止シートが一体化されており、
前記構造物に対して前記補強用繊維シートを仮止めすることで、前記構造物上において、前記補強用繊維シートの周縁部の少なくとも一部を少なくとも封止シートによって包括すると共に、該封止シートが封止されて、前記仮止め工程及び前記封止工程が同時に行われるように構成されている請求項1又は3記載の構造物の補強又は補修方法。
【請求項5】
前記構造物は、コンクリート、木質構造部材、鋼製構造部材、樹脂強化連続繊維部材から選ばれた少なくとも1種からなり、
前記熱可塑性樹脂の原料は、80℃以上250℃以下の温度で溶融且つ重合させる請求項1又は3記載の構造物の補強又は補修方法。
【請求項6】
前記熱可塑性樹脂の原料は、110℃以上160℃以下の温度で溶融且つ重合させる請求項5記載の構造物の補強又は補修方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物や木造構造物等の構造物の、補強又は補修方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、構造物を補強又は補修する方法として、下記特許文献1には、構造物に対し補強用繊維シート及び熱可塑性エポキシ樹脂を重ねて接触させ、これらの繊維シート等を封止シートで封止した後、熱可塑性エポキシ樹脂を加熱処理して溶融させ且つ封止シート内の空間を真空排気し、熱可塑性エポキシ樹脂を補強シートの間隙及び構造物の空隙に含浸させて、熱可塑性エポキシ樹脂を冷却固化させるようした方法が記載されている。また、熱可塑性エポキシ樹脂は、例えば、溶射法にて構造物上に配設されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-69432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記方法の場合、基本的に構造物に対して熱可塑性エポキシ樹脂を溶射法等で配設した後、補用繊維シートを構造物上に配置するようになっている。しかし、この場合は、補強又は補修の施工作業の工数がかかるため、作業性の向上が望まれていた。
【0005】
したがって、本発明の目的は、補強又は補修の施工作業の作業性を向上させることができる、構造物の補強又は補修方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一つは、構造物に補強用繊維シートを接着して前記構造物を補強又は補修する方法であって、前記補強用繊維シートの少なくとも片面に、未重合部分を含む熱可塑性樹脂の原料を予め塗布して接着層を形成する塗布工程と、前記補強用繊維シートの前記接着層側を前記構造物に接触させると共に、前記構造物に対して前記補強用繊維シートを仮止めする仮止め工程と、前記構造物上において、前記補強用繊維シートの周縁部の少なくとも一部を少なくとも封止シートによって被覆すると共に、該封止シートを封止する封止工程と、前記接着層の前記熱可塑性樹脂の原料を加熱処理して溶融且つ重合させると共に、前記封止シート及び前記構造物により画定される内部空間を真空排気し、前記封止シートによって前記補強用繊維シートを前記構造物に対して押圧させ、前記熱可塑性樹脂を、前記補強用繊維シートの間隙、及び、前記構造物の表面に存在する空隙又は間隙に含浸させる加熱含浸工程と、前記熱可塑性樹脂を冷却させて硬化させ、前記接着層を介して前記構造物に対して前記補強用繊維シートを本固定する本固定工程と、前記補強用繊維シートから前記封止シートを剥離する剥離工程とを含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明のもう一つは、構造物に補強用繊維シートを接着して前記構造物を補強又は補修する方法であって、前記補強用繊維シートに未重合部分を含む熱可塑性樹脂の原料を予め含浸させる原料含浸工程と、前記補強用繊維シートを前記構造物に接触させると共に、前記構造物に対して前記補強用繊維シートを仮止めする仮止め工程と、前記構造物上において、前記補強用繊維シートの周縁部の少なくとも一部を少なくとも封止シートによって被覆すると共に、該封止シートを封止する封止工程と、前記熱可塑性樹脂の原料を加熱処理して溶融且つ重合させると共に、前記封止シート及び前記構造物により画定される内部空間を真空排気し、前記封止シートによって前記補強用繊維シートを前記構造物に対して押圧させ、前記熱可塑性樹脂を、前記補強用繊維シートの間隙、及び、前記構造物の表面に存在する空隙又は間隙に含浸させる加熱含浸工程と、前記熱可塑性樹脂を冷却させて硬化させ、該熱可塑性樹脂を介して前記構造物に対して前記補強用繊維シートを本固定する本固定工程と、前記補強用繊維シートから前記封止シートを剥離する剥離工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
上記発明によれば、補強用繊維シートは、その少なくとも片面に熱可塑性樹脂の原料を予め塗布して接着層が形成されているか、又は、熱可塑性樹脂の原料が予め含浸されているので、例えば、構造物に対して接着剤等を塗布する工程などが不要となり、構造物に対して接着層又は補強用繊維シートを接触させるだけの簡単な工程とすることができるため、構造物の補強又は補修の施工作業の作業性を向上させることができる。
【0009】
また、熱可塑性樹脂の加熱溶融且つ重合時に被施工面から水蒸気等のガスが発生するが、本発明では、熱可塑性樹脂の加熱溶融且つ重合の際に、補強用繊維シートを包括する封止シート内を真空排気するようにしている。したがって、上記ガスが、補強用繊維シートの構造物への接着を妨げる障害物となることがない。なお、補強用繊維シートを封止シートで包括しているので、湿潤下、さらには水中においても、構造物に対する補強又は補修が可能である。
【0010】
なお、上記真空排気によって、封止シートが補強用繊維シートを圧迫して、当該補強用線シートを構造物に対して押圧するので、熱可塑性樹脂は補強用繊維シートの間隙内、さらには構造物の表面に存在する空隙又は間隙に良好に入り込み、補強用繊維シートと構造物との間の接着剤としてより有効に機能するようになる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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