TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025123810
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-25
出願番号2024019510
出願日2024-02-13
発明の名称内燃機関の触媒劣化診断装置
出願人株式会社ミクニ
代理人弁理士法人相原国際知財事務所
主分類F02D 43/00 20060101AFI20250818BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】所期の上流A/Fの変動状態を生起させて、適切な診断環境の下で触媒を劣化診断できる内燃機関の触媒劣化診断装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の排ガスの触媒20の下流空燃比を検出する空燃比検出部37と、所定の周期及び振幅に基づき触媒20の上流空燃比を振動させるA/F振動補正値を算出するA/F振動補正値算出部30bと、下流空燃比に基づき上流の空燃比を変動させる下流O2FB補正値を算出する下流O2FB補正値算出部30cと、A/F振動補正値と下流O2FB補正値とを加算して診断用補正値を算出する診断用補正値算出部30dと、診断用補正値に基づき燃料噴射を行なう燃料噴射制御部30eと、下流空燃比のリッチ・リーン間の反転回数をカウントする反転カウント部30fと、A/F振動補正値の振動回数と反転カウント部30fによる反転回数とから触媒20の劣化度合いを診断する劣化診断部30gとを備えた。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関の排気通路に介装された触媒の下流側に設けられ、前記触媒から流出する排ガスの空燃比を検出する空燃比検出部と、
前記触媒に流入する排ガスの空燃比を振動させるためのA/F振動補正値の周期及び振幅を予め記憶した振動波形記憶部と、
前記振動波形記憶部に記憶された周期及び振幅に基づき前記A/F振動補正値を算出するA/F振動補正値算出部と、
前記空燃比検出部により検出された排ガスの空燃比に基づき、前記触媒に流入する排ガスの空燃比を前記A/F振動補正値よりも長い周期でストイキを挟んで変動させるための下流O

FB補正値を算出する下流O

FB補正値算出部と、
前記A/F振動補正値と前記下流O

FB補正値とを加算して診断用補正値を算出する診断用補正値算出部と、
前記診断用補正値に基づき前記内燃機関の燃料噴射制御を実行する燃料噴射制御部と、
前記空燃比検出部により検出された排ガスの空燃比がリッチとリーンとの間で反転したときの回数をカウントする反転カウント部と、
前記A/F振動補正値に基づく前記排ガスの空燃比の振動回数と前記反転カウント部によりカウントされた反転回数とに基づき、前記触媒の劣化度合いを診断する劣化診断部と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の触媒劣化診断装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記振動波形記憶部は、前記内燃機関の運転領域毎に前記A/F振動補正値の周期及び振幅を記憶し、
前記A/F振動補正値算出部は、前記内燃機関の運転領域に対応する周期及び振幅を前記振動波形記憶部から読み出して前記A/F振動補正値の算出処理に適用する
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
【請求項3】
前記反転カウント部は、前記燃料噴射制御部により前記診断用補正値に基づく燃料噴射制御が開始されてから予め設定された待機時間が経過したときに前記カウントを開始する
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
【請求項4】
前記劣化診断部は、前記A/F振動補正値に基づく前記排ガスの空燃比の振動回数が予め設定された第1判定回数に達したとき、及び前記反転カウント部によりカウントされた反転回数が、予め前記第1判定回数よりも小さな値に設定された第2判定回数に達したときに、それぞれ前記触媒の劣化度合いを診断する
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
【請求項5】
前記下流O

FB補正値算出部は、前記空燃比検出部により検出された排ガスの空燃比がストイキを越えてリッチ側に変化している状態が予め設定された制御用判定時間だけ継続したときに、リッチ判定を下して前記下流O

FB補正値をリーン化し、前記空燃比検出部により検出された排ガスの空燃比がストイキを越えてリーン側に変化している状態が前記制御用判定時間だけ継続したときにリーン判定を下して前記下流O

FB補正値をリッチ化する
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
【請求項6】
前記制御用判定時間は、前記A/F振動補正値に基づく振動波形の半周期を越えた値に設定されている
ことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
【請求項7】
前記制御用判定時間は、前記リッチ判定のためのリッチ判定時間、及び前記リーン判定のためのリーン判定時間からなり、
前記リッチ判定時間と前記リーン判定時間とは、異なる値に設定されている
ことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の触媒劣化診断装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気通路に設けられた排ガス浄化用の三元触媒等(以下、単に触媒と称する)は、酸素を貯蔵する所謂O

ストレージ能力を有している。このような特性を活かして、触媒は流入する排ガスがリーンのときには余剰酸素を取り込んで貯蔵し、流入する排ガスがリッチになると、貯蔵している酸素を放出して排ガス浄化に利用している。触媒に貯蔵可能な酸素量には上限が存在し、この上限として規定されたOSC(oxygen storage capacity)を超えた場合、触媒は排ガス中の酸素を貯蔵することなく素通りさせる。触媒の排ガス浄化性能は稼働に伴って次第に低下し、その劣化度合いとOSCとの間には高い相関性が成立し、浄化性能の低下と共にOSCも低下することから、OSCを利用して触媒の劣化を診断する手法が実用化されている。
【0003】
例えば特許文献1に記載の劣化診断装置では、触媒の上流側に設けたO

センサ(以下、上流O

センサと称する)の出力に基づく空燃比FBを実行して、触媒に流入する排ガスのA/F(以下、上流A/Fと称する)をリッチとリーンとの間で振動させている。そして、このときの触媒の下流側に設けたO

センサ(以下、下流O2センサと称する)により検出される触媒から流出する排ガスのA/F(以下、下流A/Fと称する)がリッチとリーンとの間で反転したときの回数をカウントし、上流A/Fの振動回数と下流A/Fの反転回数との比に基づき触媒の劣化を診断している。
【0004】
触媒が劣化せずに十分なOSCを有している場合には、そのO

ストレージ能力により下流A/Fの変動が緩やかなものとなり、反転回数のカウントが抑制されることから触媒の劣化判定は下されない。これに対して触媒の劣化が進行してOSCが低下すると、下流A/Fの変動状況が次第に下流A/の変動状況に近似するようになり、反転回数が頻繁にカウントされて何れかの時点で劣化判定が下される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第2722767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したような触媒の劣化診断では、OSCの低下に応じて下流A/Fの反転回数を明確に変化させることが重要であり、このような診断環境を作り出すためには、上流A/Fを振動させるための周期及び振幅を適切に設定し、これらの周期及び振幅に基づき意図したとおりの上流A/Fの振動状態を生起させる必要がある。ところが、特許文献1の技術では、以下の理由により、空燃比FBの指標としている上流O

センサからの検出情報の信頼性が低いことから、上記の要望に対応できなかった。
【0007】
第1の理由は、上流O

センサの検出対象である排ガスが不均一な点である。内燃機関から排気通路へと排出された排ガスは触媒に流入し、触媒の多数のセルを流通する過程で撹拌され、より均一化した状態で触媒から流出する。上流O

センサは触媒に流入する排ガス、即ち、未だ酸素濃度が不均一な排ガスを検出対象としているため、その検出値と実際の上流A/Fとの間に乖離が生じてしまう。
【0008】
第2の理由は、上流O

センサの劣化が著しい点である。内燃機関からの排ガスは排気通路を流通する過程で次第に温度低下すると共に、触媒を流通する過程で有害成分が浄化される。しかし、上流O

センサは未だ高温で且つ有害成分を含んだ排ガスに晒され続けているため、例えば下流O

センサに比して上流O

センサは劣化が顕著になり、必然的に、その検出情報には無視できない程度の誤差が含まれてしまう。
【0009】
結果として、特許文献1の技術では、信頼性の低い上流O

センサからの検出情報に基づく空燃比FBにより、意図したとおりの上流A/Fの振動状態を生起できなくなる。従って、不適切な診断環境の下で劣化診断が実施され、診断精度を低下させてしまうという問題があった。
【0010】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、意図したとおりの上流A/Fの変動状態を生起させることができ、これにより適切な診断環境の下で触媒の劣化診断を実施して診断精度を向上することができる内燃機関の触媒劣化診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

株式会社ミクニ
内燃機関の触媒劣化診断装置
17日前
株式会社ミクニ
フューエルデリバリパイプ及びスロットル装置
20日前
株式会社ミクニ
センサユニット及びそれを備えたスロットル装置
1か月前
株式会社ミクニ
スロットル装置及び内燃エンジンの吸気システム
2か月前
トヨタ自動車株式会社
車両
8日前
ダイハツ工業株式会社
車両
1日前
トヨタ自動車株式会社
車両
6日前
トヨタ自動車株式会社
車両
3日前
ダイハツ工業株式会社
制御装置
今日
ダイハツ工業株式会社
制御装置
今日
ダイハツ工業株式会社
制御装置
今日
スズキ株式会社
内燃機関の制御装置
3日前
株式会社クボタ
作業車
28日前
個人
疑似可変サイクルジェットエンジン機構
13日前
トヨタ自動車株式会社
車両の制御装置
17日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関
16日前
トヨタ自動車株式会社
スロットル装置
15日前
ヤマハ発動機株式会社
船外機および船舶
17日前
日産自動車株式会社
ターボ過給機
29日前
株式会社SUBARU
エンジン制御装置
今日
トヨタ自動車株式会社
エンジンの制御装置
13日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の制御装置
3日前
トヨタ自動車株式会社
シリンダヘッドカバー
23日前
トヨタ自動車株式会社
車両の制御装置
8日前
トヨタ自動車株式会社
エンジン制御装置
24日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の制御装置
9日前
日産自動車株式会社
内燃機関
27日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の制御装置
3日前
株式会社豊田自動織機
車両
2日前
三菱自動車工業株式会社
キャニスタ
27日前
Astemo株式会社
内燃機関制御装置
9日前
株式会社HIT研究所
エンジンへのガス供給システム
1か月前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の燃圧制御装置
29日前
愛三工業株式会社
吸気制御弁
1日前
トヨタ自動車株式会社
情報処理装置
13日前
マツダ株式会社
燃料改質システム
15日前
続きを見る