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公開番号
2025122022
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-20
出願番号
2025080504,2022506740
出願日
2025-05-13,2020-07-31
発明の名称
抗PD-1抗体およびその医学的使用
出願人
シーティーティーキュー-アケソ(シャンハイ) バイオメド テク カンパニー リミテッド
代理人
個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
,
個人
主分類
C12N
15/13 20060101AFI20250813BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】変異体抗PD-1抗体を提供する。
【解決手段】モノクローナル抗体を提供する。このモノクローナル抗体は、特定のアミノ酸配列を有するCDRを含む重鎖可変領域および/または特定のアミノ酸配列を有するCDRを含む軽鎖可変領域を有する。EUナンバリングシステムを用いて、抗体は、234、235、および237位のうちのいずれか2つまたは3つにおいて変異した重鎖定常領域を有する。FcγRIIIaおよび/またはC1qに対する変異抗体の親和性定数は、変異前のものよりも低い。
【選択図】図34
特許請求の範囲
【請求項1】
抗体であって、
該抗体の重鎖可変領域が、それぞれSEQ ID NO: 19~21に記載されたアミノ酸配列を有するHCDR1~HCDR3を含み、かつ該抗体の軽鎖可変領域が、それぞれSEQ ID NO: 22~24に記載されたアミノ酸配列を有するLCDR1~LCDR3を含み;
該抗体がヒトIgG1サブタイプのものであり;
EUナンバリングシステムに従って、該抗体の重鎖定常領域が、234、235および237位のうちのいずれか2つまたは3つにおいて変異を含み、かつFcγRIIIaおよび/またはC1qに対する該抗体の親和性定数が、変異前と比較して変異後に減少し;好ましくは、親和性定数はFortebio Octetシステムによって測定される、
抗体。
続きを表示(約 2,200 文字)
【請求項2】
EUナンバリングシステムに従って、前記抗体の重鎖定常領域が、以下の変異:
L234AおよびL235A;
L234AおよびG237A;
L235AおよびG237A;
または
L234A、L235A、およびG237A
を含む、請求項1記載の抗体。
【請求項3】
抗体であって、
該抗体の重鎖可変領域が、それぞれSEQ ID NO: 19~21に記載されたアミノ酸配列を有するHCDR1~HCDR3を含み、かつ該抗体の軽鎖可変領域が、それぞれSEQ ID NO: 22~24に記載されたアミノ酸配列を有するLCDR1~LCDR3を含み;
該抗体がヒトIgG1サブタイプのものであり;
EUナンバリングシステムに従って、該抗体の重鎖定常領域が、以下の変異:
L234AおよびL235A;
L234AおよびG237A;
L235AおよびG237A;
または
L234A、L235A、およびG237A
を含む、
抗体。
【請求項4】
EUナンバリングシステムに従って、前記抗体の重鎖定常領域が、
N297A、D265A、D270A、P238D、L328E、E233D、H268D、P271G、A330R、C226S、C229S、E233P、P331S、S267E、L328F、A330L、M252Y、S254T、T256E、N297Q、P238S、P238A、A327Q、A327G、P329A、K322A、T394D、G236R、G236A、L328R、A330S、P331S、H268A、E318A、およびK320A
より選択される1つまたは複数の変異をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項記載の抗体。
【請求項5】
前記抗体の重鎖可変領域が、SEQ ID NO: 2およびSEQ ID NO: 6より選択されるアミノ酸配列を含み;かつ
前記抗体の軽鎖可変領域が、SEQ ID NO: 4およびSEQ ID NO: 8より選択されるアミノ酸配列を含む、
請求項1~4のいずれか一項記載の抗体。
【請求項6】
前記抗体の重鎖可変領域がSEQ ID NO: 2に記載のアミノ酸配列を含み、かつ前記抗体の軽鎖可変領域がSEQ ID NO: 4に記載のアミノ酸配列を含む;
前記抗体の重鎖可変領域がSEQ ID NO: 2に記載のアミノ酸配列を含み、かつ前記抗体の軽鎖可変領域がSEQ ID NO: 8に記載のアミノ酸配列を含む;
前記抗体の重鎖可変領域がSEQ ID NO: 6に記載のアミノ酸配列を含み、かつ前記抗体の軽鎖可変領域がSEQ ID NO: 4に記載のアミノ酸配列を含む;
または
前記抗体の重鎖可変領域がSEQ ID NO: 6に記載のアミノ酸配列を含み、かつ前記抗体の軽鎖可変領域がSEQ ID NO: 8に記載のアミノ酸配列を含む、
請求項1~4のいずれか一項記載の抗体。
【請求項7】
重鎖がSEQ ID NO: 16に記載され、かつ軽鎖がSEQ ID NO: 12に記載される;
または
重鎖がSEQ ID NO: 18に記載され、かつ軽鎖がSEQ ID NO: 12に記載される、
請求項1~6のいずれか一項記載の抗体。
【請求項8】
前記抗体が、約10
-7
Mより大きい、例えば、約10
-6
M、10
-5
M、10
-4
M、または10
-3
Mまたはそれ以上より大きい親和性定数で、FcγRIIIa_F158、FcγRI、FcγRIIa_H131、FcγRIIIa_V158、および/またはFcγRIIbへ結合し;好ましくは、親和性定数がFortebio Octetシステムによって測定され;
好ましくは、前記抗体が、FcγRIIIa_F158、FcγRI、FcγRIIa_H131、FcγRIIIa_V158、および/またはFcγRIIbに対して結合シグナルを有しないかまたは0.1 nm未満の結合シグナルを有し;好ましくは、結合シグナルは、Fortebio Octetシステムによって測定された応答を指す、
請求項1~7のいずれか一項記載の抗体。
【請求項9】
前記抗体が、約10
-9
Mより大きい、例えば、約10
-8
M、10
-7
M、10
-6
M、または10
-5
Mまたはそれ以上より大きい親和性定数で、C1qへ結合し;好ましくは、親和性定数がFortebio Octetシステムによって測定され;
好ましくは、前記抗体が、C1qに対して結合シグナルを有しないかまたは0.1 nm未満の結合シグナルを有し;好ましくは、結合シグナルは、Fortebio Octetシステムによって測定された応答を指す、
請求項1~8のいずれか一項記載の抗体。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項記載の抗体をコードする、単離された核酸分子。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、腫瘍治療および分子免疫学の分野、具体的には、抗PD-1抗体およびその薬学的使用に関する。より具体的には、本発明は、変異体抗PD-1抗体に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
背景
膜貫通受容体PD-1(プログラム細胞死タンパク質1)は、CD28ファミリーのメンバーであり、活性化T細胞、B細胞および骨髄系細胞において発現される。PD-1のリガンド、PDL1(プログラム細胞死1リガンド1、またはPDL-1)およびPDL2(プログラム細胞死1リガンド2、またはPDL-2)は両方とも、B7スーパーファミリーのメンバーである。PDL1は、T細胞、B細胞、内皮細胞および上皮細胞を含む様々な細胞において発現され、PDL2は、樹状細胞およびマクロファージのような抗原提示細胞においてのみ発現される。
【0003】
PD-1/PDL1シグナル伝達経路は、免疫寛容、微生物感染および腫瘍免疫回避の制御において重要な役割を果たす。PD-1はT細胞のような免疫細胞において主に発現され、PD-1のリガンドPDL1は複数のヒト腫瘍組織において高発現される。PD-1/PDL1シグナル伝達経路を遮断することは、抑制されたT細胞を活性化し得、これは従って癌細胞を攻撃する。PD-1/PDL1シグナル伝達を遮断することは、腫瘍抗原特異的T細胞の増殖を促進し、腫瘍細胞殺傷プロセスを活性化し、さらに局所腫瘍成長を阻害することができる(Julie R et al., 2012, N Engl J Med., 366:2455-2465(非特許文献1))。
【0004】
PD-1/PD-L1は重要な特異的免疫チェックポイントである。PD-1/PD-L1複合体の形成は、抑制シグナルを伝達し、T細胞の免疫応答を負に制御する。それは、TCR媒介T細胞活性化、サイトカイン産生およびT細胞増殖を抑制し(Fife et al., (2011) Nature Immunology 10:1185-1193(非特許文献2))、相同抗原特異的T細胞における枯渇またはアネルギーを誘導し(Hofmeyer et al., (2011) Journal of Biomedicine and Biotechnology, 2011:1-9(非特許文献3))、Foxp3+制御性T細胞へのTh1細胞の分化を促進し(Armanath et al., (2011) Science Trans. Med., 3:1-13(非特許文献4); Francisco et al., (2009) J. Exp. Med., 206:3015-3029(非特許文献5))、エフェクターT細胞のアポトーシスを誘導する。PD-L1遺伝子の破壊は、アップレギュレートされたT細胞応答および自己反応性T細胞の産生をもたらした(Latchman et al., (2004) PNAS, 101:10691-10696(非特許文献6))。抗体によるPD-1またはPD-L1の遮断は、増大した抗腫瘍免疫に至る(Iwai et al., (2002) PNAS, 99:12293-12297(非特許文献7))。
【0005】
過去20年近く、研究者らは、癌を処置するための新しい免疫療法レジメンを提供することを期待して、特異的免疫チェックポイント阻害剤の開発に多大な努力を払ってきた。これらの中で、自然Tリンパ球免疫系は、その高い抗癌能力および広範かつ正確な特異性により、様々な腫瘍抗原に応答することができる。この新たに出現した癌免疫療法は、活性化エフェクター細胞の養子移入、関連する抗原に対する免疫化、または非特異的免疫賦活薬の提供による抗腫瘍免疫反応を増強する。従って、PD-1/PD-L1特異的免疫チェックポイント阻害剤は、関連する癌の処置についての可能性を有する。
【0006】
抗PD-1抗体の作用機序は、免疫細胞の表面上のPD-1タンパク質がそのリガンドであるPDL1またはPDL2へ結合することを遮断し、腫瘍を殺傷するように免疫細胞を活性化することである。現在、抗PD-1抗体が結合する免疫細胞上における抗体媒介ADCC、ADCPおよび/またはCDC活性によって引き起こされる損傷を軽減するまたは無くし、抗体療法の有効性を改善するために、新規の抗PD-1抗体の開発が依然として必要とされている。ADCC(抗体依存性細胞傷害)は、ウイルス感染細胞または腫瘍細胞のエピトープへの抗体のFab断片の結合、およびキラー細胞の表面上のFc受容体(FcR)への抗体のFc断片の結合によって媒介される、キラー細胞(NK細胞、マクロファージなど)による標的細胞の殺傷を指す。
【0007】
CDC(補体依存性細胞傷害)は、細胞膜の表面上の対応する抗原への抗体および補体C1qの連続結合、ならびにC2~C9の活性化によって形成される、膜攻撃複合体による標的細胞に対する溶解効果を指す。
【0008】
Fc受容体は、抗体Fc領域を認識して免疫反応を媒介するために特異的免疫細胞の表面上に発現される免疫グロブリンファミリーに属する。Fab領域が抗原を認識した後、抗体のFc領域は免疫細胞(例えば、キラー細胞)上のFc受容体へ結合して、貪食およびADCCなどの、免疫細胞の応答機能を開始する。
【0009】
Fc受容体によって認識される抗体のタイプおよび発現細胞のタイプに従って、Fc受容体は、主に3つのタイプ、FcγR、FcαRおよびFcεRに分類される。FcγRは、4つのサブタイプ、FcγRI (CD64)、FcγRII (CD32)、FcγRIII (CD16)およびFcRn (新生児Fc受容体)さらに分類され得る。これらの中で、FcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIは、ADCC効果と密接に関連している。FcγRIIIは、ADCCを媒介する最も優勢な分子であり、異なる細胞タイプにおいて、2つの高度に相同なサブタイプ、FcγRIIIaおよびFcγRIIIbがある。FcγRIIIa集団において、一塩基多型(SNP)の部位によって区別される2つのサブタイプ、高親和性を有するFcγRIIIa_V158および低親和性を有するFcγRIIIa_F158が存在する。FcγRIは、IgGのFc領域についてより高い親和性を有し、ADCCプロセスに関与し;FcγRIIは、3つのサブタイプ、FcγRIIa、FcγRIIbおよびFcγRIIc(それぞれ、CD32a、CD32bおよびCD32cとも呼ばれる)を含み、これらの中でFcγRIIaがADCC活性を有し;FcγRIIaについては、2つのサブタイプ、FcγRIIa_H131およびFcγRIIa_R131が、一塩基変異に起因してヒトに存在し;FcγRIIbは、抑制性受容体であり、近くのITAM経路を抑制する典型的な抑制性FcγRである。例えば、BCRへの免疫複合体の結合後、Fc断片は同じ細胞上のFcγRIIbへ結合し、B細胞活性化を負に制御し、抗体およびサイトカインの分泌を減少させる(Hogarth PM, Pietersz GA., 2012, NATURE REVIEWS DRUG DISCOVERY, 11(4):311-331(非特許文献8))。
【0010】
IgGファミリーは、重鎖定常領域中のフラグメント結晶化可能(Fc)領域中のアミノ酸が異なり、その結果、FcγRに対する親和性が異なる、4つのメンバー、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含む。IgG1は、ヒトにおいて最も豊富なサブタイプであり、また、モノクローナル抗体薬において使用される最も一般的なサブタイプである。IgG1は、様々なFcγRに結合し得、ADCCおよびCDC効果を誘導し得る。IgG2は、FcγRに対して最も低い親和性を有するが、FcγRIIaへ結合することによって依然として単球媒介ADCCを誘導し得る。IgG3は、FcγRへの最も高い結合能力を特徴とし、IgG1よりも大きなCDC効果およびADCCを誘導し得る。IgG4分子は、FcγRI以外のFcγRに対しては弱い結合を示し、CDCおよびNK細胞媒介ADCCを引き起こす確率がより低くなる。しかし、IgG4サブタイプの抗体は、FcγRIへの結合を通じてADCP効果を媒介することがあり、免疫細胞を標的とする抗体療法に存在するADCP効果は、免疫細胞に損傷を与え、薬理学的有害作用を引き起こす可能性がある。
(【0011】以降は省略されています)
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