TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025108487
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2025062428,2023134266
出願日2025-04-04,2017-03-30
発明の名称幹細胞の培養及び治療のための培地、方法、細胞、及び分泌因子
出願人サンバイオ,インコーポレイティド
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12N 5/0775 20100101AFI20250715BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】無投薬多能性幹細胞であり、いくつかの実施形態においては間葉幹細胞を炎症及び免疫を選択的促進又は抑制する個別の多能性タイプ1又はタイプ2の細胞表現型に誘発、活性化、又は起爆することを目的とした、新規の培養培地組成、幹細胞培養方法、及び治療方法を提供すること。
【解決手段】本明細書では、多能性幹細胞において極性化を誘発するのに有用な方法及び培養培地について記載する。さらに、本明細書では、本開示の方法及び培養培地によって作成された、有用な治療薬である多能性細胞について記載する。また、本明細書では、本開示の方法及び培養培地によって作成された、有用な治療薬である多能性細胞によって分泌された細胞外小胞及び因子についても記載する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
非刺激多能性幹細胞集団から免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団を作成するための培地であって、
a.Toll様受容体3(TLR3)リガンドと、
b.第2の誘発剤とを含み、前記第2の誘発剤は、異なるToll様受容体リガンド、神経伝達物質、神経伝達物質様分子、非エリスロポエチンポリペプチド、又は脂質を含む培地。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記第2の誘発剤は、ヒスタミン、アセチルコリン、グルタミン酸塩、ノルエピネフリン、エピネフリン、セロトニン、メラトニン、リポキシンA4、α-メラニン細胞刺激ホルモン(α-MSH)、及びロイコトリエンB4からなるリストより選択される請求項1に記載の培地。
【請求項3】
TLR3リガンドは、ポリ(I:C)、ポリ(A:U)、又はこれらの組み合わせを含む請求項1又は2に記載の培地。
【請求項4】
i)低酸素条件、ii)低酸素模倣、iii)エリスロポエチン、又はiv)これらi)、ii)、又はiii)の任意の組み合わせをさらに含む請求項1~3のいずれか一項に記載の培地。
【請求項5】
前記低酸素模倣は、塩化コバルト、デスフェリオキサミン、又はこれらの組み合わせを含む請求項4に記載の培地。
【請求項6】
多能性幹細胞集団をさらに含む請求項1~5のいずれか一項に記載の培地。
【請求項7】
前記多能性幹細胞集団は、間葉幹細胞集団を含む請求項6に記載の培地。
【請求項8】
非刺激多能性幹細胞集団に比してCXCL9mRNAの20倍超の誘発を生じる請求項1~7のいずれか一項に記載の培地。
【請求項9】
非刺激多能性幹細胞集団において、miR-Let7a/d、miR-17_1、miR-222、miR-92a、及びmiR-1260aからなるリストより選択されるいずれか1つのmiRNAの2倍超の誘発を生じる請求項1~7のいずれか一項に記載の培地。
【請求項10】
多能性幹細胞集団であって、請求項1~9のいずれか一項の前記培地から採取された多能性幹細胞集団。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
多能性幹細胞及び間葉幹細胞は、Toll様受容体の選択的刺激により、無投薬又は非刺激状態から炎症誘発(タイプ1)又は抗炎症(タイプ2)表現型に誘発可能である。
続きを表示(約 8,400 文字)【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本開示は、無投薬多能性幹細胞であり、いくつかの実施形態においては間葉幹細胞を炎症及び免疫を選択的促進又は抑制する個別の多能性タイプ1又はタイプ2の細胞表現型に誘発、活性化、又は起爆することを目的とした、新規の培養培地組成、幹細胞培養方法、及び治療方法を提供する。従って、本開示は、免疫系の炎症反応の変調が望ましい(例えば、癌、視神経炎)有用な処置を提供する。従来の方法と比べて、本発明において、細胞は、より効率的に病変部位に移動してより高いレベルで抗炎症サイトカインを一貫して発現する同質タイプ2集団に導入されてもよく、このため細胞の効能及び有効性がより高くなることが期待される。従来の方法と比べて、本発明において、細胞は、独自の炎症誘発特性を備えて、腫瘍壊死に繋がるあるサイトカインが一貫してより高く発現し、腫瘍内微小環境に効率的に移動する能力を備えた同質タイプ1集団に誘発されてもよく、このため細胞の安全性、効能、及び有効性がより高くなることが期待される。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、炎症及び免疫を選択的に促進又は抑制するために個別の均一な細胞表現型を導入、極性化、活性化、又は起爆することを目的とした新規の幹細胞培養及び治療方法と、培養培地組成とを提供し、細胞ベース治療において使用される既知の培養培地及び方法を上回る顕著な効果を提供する。当該方法及び培地組成は、細胞ベース治療のために使用可能であり、より均一且つ予測可能であり、生体外増殖され、誘発、極性化、活性化、又は起爆された多能性幹細胞の集団を提供するために使用可能である。本開示の種々の実施形態の効果は、患者への導入に際して、予測可能に挙動する均一且つ個別の表現型に多能性幹細胞の培養を誘発、極性化、活性化、又は起爆するために使用できることである。いくつかの実施形態において、多能性幹細胞は、間葉幹細胞である。
【0004】
本開示はまた、副産物を生じることを目的とした、新規の幹細胞培養、治療方法、及び培地組成の副産物も提供する。ある実施形態において、副産物は、本開示の新規の幹細胞培養方法及び組成を使用した多能性幹細胞によって作成された馴化媒質である。ある実施形態において、副産物は、本開示の新規の幹細胞培養方法及び組成を使用した多能性幹細胞によって作成された細胞外小胞である。いくつかの実施形態において、多能性幹細胞は、間葉幹細胞である。
【0005】
ある実施形態において、非刺激多能性幹細胞集団から免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団を作成するための培地であって、Toll様受容体3(TLR3)リガンドと、第2の誘発剤とを含み、第2の誘発剤は、異なるToll様受容体リガンド、神経伝達物質、神経伝達物質様分子、非エリスロポエチンポリペプチド、又は脂質を含む培地について記載する。ある実施形態において、第2の誘発剤は、ヒスタミン、アセチルコリン、グルタミン酸塩、ノルエピネフリン、エピネフリン、セロトニン、メラトニン、リポキシンA4、α-メラニン細胞刺激ホルモン(α-MSH)、及びロイコトリエンB4からなるリストより選択される。ある実施形態において、TLR3リガンドは、ポリ(I:C)、ポリ(A:U)、又はこれらの組み合わせを含む。ある実施形態において、当該培地は、i)低酸素条件、ii)低酸素模倣、iii)エリスロポエチン、又はiv)これらi)、ii)、又はiii)の任意の組み合わせをさらに含む。ある実施形態において、低酸素模倣は、塩化コバルト、デスフェリオキサミン、又はこれらの組み合わせを含む。ある実施形態において、培地は、多能性幹細胞集団をさらに含む。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、間葉幹細胞集団を含む。ある実施形態において、当該培地は、非刺激多能性幹細胞集団に比してCXCL9mRNAの20倍超の誘発を生じる。ある実施形態において、当該培地は、非刺激多能性幹細胞集団に比して、miR-Let7a/d、miR-17_1、miR-222、miR-92a、及びmiR-1260aからなるリストより選択されるいずれか1つのmiRNAの2倍超の誘発を生じる。ある実施形態において、多能性幹細胞集団であって、当該培地から採取される。ある実施形態において、多能性細胞集団は、間葉細胞集団からなる。ある実施形態において、多能性細胞集団は、基本的に、間葉細胞集団からなる。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、炎症性又は自己免疫の疾患の処置において使用されるものである。ある実施形態において、炎症性又は自己免疫性の疾患を処置する方法であって、本段落に記載の培地から採取された免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団を、治療効果のある量、被験者に投与することを含む。ある実施形態において、非刺激多能性幹細胞集団から免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団を作成する方法であって、非刺激多能性幹細胞集団を本段落に記載の培地に接触させることを含む。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、間葉細胞集団を含む。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、基本的に、間葉細胞集団からなる。ある実施形態において、当該方法は、本段落に記載の免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団を、治療効果のある量、被験者に投与することをさらに含む。本明細書に記載のある実施形態において、細胞外小胞を作成する方法であって、非刺激多能性幹細胞集団を本段落に記載の培地に接触させることを含む。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、間葉幹細胞集団を含む。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、基本的に、間葉幹細胞集団からなる。ある実施形態において、細胞外小胞は、培地から分離及び/又は精製される。
【0006】
ある実施形態において、非刺激多能性幹細胞集団から免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団を作成する培地であって、Toll様受容体4(TLR4)リガンドである第1の誘発剤と、第2の誘発剤とを備え、第2の誘発剤は、第1の誘発剤とは異なるToll様受容体リガンド、神経伝達物質、神経伝達物質様分子、非エリスロポチンポリペプチド、又は脂質である培地について記載する。ある実施形態において、第2の誘発剤は、ヒスタミン、アセチルコリン、グルタミン酸塩、ノルエピネフリン、エピネフリン、セロトニン、メラトニン、リポキシンA4、αメラニン細胞刺激ホルモン(α-MSH)、及びロイコトリエンB4からなるリストより選択される。ある実施形態において、TLR4リガンドは、リポ多糖体、アミノアルキルグルコサミニド4-ホスフェート、又はこれらの組み合わせを含む。ある実施形態において、当該培地は、i)低酸素条件、ii)低酸素模倣、iii)エリスロポエチン、又はiv)これらi)、ii)、又はiii)の任意の組み合わせをさらに含む。ある実施形態において、低酸素模倣は、塩化コバルト、デスフェリオキサミン、又はこれらの組み合わせを含む。ある実施形態において、当該培地は、多能性幹細胞集団をさらに含む。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、間葉幹細胞集団を含む。ある実施形態において、培地は、非刺激多能性幹細胞集団に比してTNFSF10mRNAの20倍超の誘発を生じる。ある実施形態において、培地は、非刺激間葉幹細胞集団におけるよりも、miR-146、miR-155、miR-1305、miR-575、及びmiR-1973から選択されるいずれか1つのmiRNAを2倍超の誘発を生じる。本明細書のある実施形態において、多能性幹細胞集団であって、本段落に開示される当該培地から採取される。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、間葉幹細胞集団を含む。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、基本的に、間葉細胞集団からなる。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、腫瘍又は癌の処置に使用されるものである。本明細書のある実施形態において、腫瘍又は癌の処置方法であって、本段落に開示される培地から採取された多能性幹細胞集団を、治療効果のある量、被験者に投与することを含む。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、間葉細胞集団を含む。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、基本的に、間葉細胞集団からなる。本明細書のある実施形態において、非刺激間葉幹細胞集団から免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団を作成する方法であって、非刺激多能性幹細胞集団を本段落に開示される培地に接触させることを含む方法について記載する。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、間葉幹細胞集団を含む。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、基本的に、間葉幹細胞集団からなる。ある実施形態において、当該方法は、免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団を、治療効果のある量、被験者に投与することをさらに含む。本明細書におけるある実施形態において、細胞外小胞を作成する方法であって、多能性幹細胞集団を本段落に開示される培地に接触させることを含む。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、間葉幹細胞集団を含む。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、基本的に、間葉幹細胞集団からなる。ある実施形態において、細胞外小胞は、培地から分離及び/又は精製される。
【0007】
ある実施形態において、分離精製細胞外小胞であって、グルセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)、結合プラコグロビン(JUP)、デスモプラキン(DSP)、モエシン(MSN)、ビメンチン(VIM)、アクチン(ACTB)、又はアネキシンA2(ANXA2)タンパク質、又はこれらの複数の部分のうちのいずれか1つ以上を高いレベルで備え、高いレベルとは、無投薬非刺激間葉幹細胞にあるレベルとの比較である分離精製細胞外小胞について本明細書に記載する。ある実施形態において、当該分離精製細胞外小胞は、グルセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)、結合プラコグロビン(JUP)、デスモプラキン(DSP)、モエシン(MSM)、ビメンチン(VIM)、アクチン(ACTB)、又はアネキシンA2(ANXA2)のうちのいずれか2つ以上を高いレベルで含む。ある実施形態において、当該分離精製細胞外小胞は、グルセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)、結合プラコグロビン(JUP)、デスモプラキン(DSP)、モエシン(MSN)、ビメンチン(VIM)、アクチン(ACTB)、及びアネキシンA2(ANXA2)のうちの7つ全てを高いレベルで含む。ある実施形態において、当該分離精製細胞外小胞は、薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、又はキャリアをさらに含む。ある実施形態において、当該分離精製細胞外小胞は、腫瘍又は癌を罹患した被験者の処置に使用されるものである。ある実施形態において、被験者の癌又は腫瘍を処置する方法であって、本段落に記載の分離精製細胞外小胞を、治療効果のある量、投与することを含む。
【0008】
ある実施形態において、分離精製細胞外小胞であって、myosin-1(MYH1)、myosin-2(MTH2)、myosin-7(MYH-7)、又は組織因子経路阻害物質2(TFPI2)タンパク質、又はこれらの複数の部分のうちのいずれか1つ以上を高いレベルで含み、高いレベルとは、無投薬非刺激間葉幹細胞にあるレベルとの比較である分離精製細胞外について本明細書に記載する。ある実施形態において、当該分離精製細胞外小胞は、myosin-1(MYH1)、myosin-2(MTH2)、myosin-7(MYH-7)、又は組織因子経路阻害物質2(TFPI2)のうちのいずれか2つ以上を高いレベルで含む。ある実施形態において、当該分離精製細胞外小胞は、myosin-1(MYH1)、myosin-2(MTH2)、myosin-7(MYH-7)、及び組織因子経路阻害物質2(TFPI2)のうちの4つ全てを高いレベルで含む。ある実施形態において、当該分離精製細胞外小胞は、薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、又はキャリアから選択される非活性成分をさらに含む。ある実施形態において、分離精製細胞外小胞は、腫瘍又は癌を罹患した被験者の処置において使用されるものである。ある実施形態において、被験者の癌又は腫瘍を処置する方法であって、本段落に記載の分離精製細胞外小胞を、治療効果のある量、投与することを含む。
【0009】
ある実施形態において、非刺激多能性幹細胞集団から免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団を作成するための培地であって、第1及び第2の誘発剤を含み、第1の誘発剤は、Toll様受容体3(TLR3)リガンドであり、第2の誘発剤は、第1の誘発剤とは異なるToll様受容体リガンド、神経伝達物質、神経伝達物質様分子、エリスロポエチンでないポリペプチド、又は脂質である培地について本明細書に記載する。ある実施形態において、第2の誘発剤は、ヒスタミンである。ある実施形態において、第2の誘発剤は、アセチルコリンである。ある実施形態において、第2の誘発剤は、グルタミン酸塩である。ある実施形態において、第2の誘発剤は、ノルエピネフリンである。ある実施形態において、第2の誘発剤は、エピネフリンである。ある実施形態において、第2の誘発剤は、セロトニンである。ある実施形態において、第2の誘発剤は、メラトニンである。ある実施形態において、第2の誘発剤は、リポキシンA4である。ある実施形態において、第2の誘発剤は、αメラニン細胞刺激ホルモンである。ある実施形態において、第2の誘発剤は、ロイコトリエンB4である。ある実施形態において、TLR3リガンドは、ポリ(I:C)である。ある実施形態において、TLR3リガンドは、ポリ(A:Uである)ある実施形態において、当該培地は、第3の誘発剤をさらに含み、第3の誘発剤は、低酸素条件、低酸素模倣、又はエリスロポエチンを含む。ある実施形態において、低酸素模倣は、塩化コバルトである。ある実施形態において、低酸素模倣は、デスフェリオキサミンである。ある実施形態において、当該培地は、第4の誘発剤をさらに含み、第4の誘発剤は、第3の誘発剤とは異なり、低酸素条件、低酸素模倣、又はエリスロポエチンを含む。ある実施形態において、低酸素模倣は、塩化コバルトである。ある実施形態において、低酸素模倣は、デスフェリオキサミンである。ある実施形態において、当該培地は、多能性幹細胞集団をさらに含む。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、非刺激多能性幹細胞集団である。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、被刺激多能性幹細胞集団である。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、被誘発多能性幹細胞である。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、成人多能性幹細胞集団である。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、ヒト多能性幹細胞集団である。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、間葉幹細胞集団である。ある実施形態において、当該培地は、ヒト又は動物由来の血清を含まない。ある実施形態において、当該培地は、非刺激多能性幹細胞に比して被刺激幹細胞集団においてCXCL9mRNAの20倍超の誘発を生じることができる。ある実施形態において、当該培地は、非刺激多能性幹細胞に比してCXCL9mRNAの30倍超の誘発を生じることができる。ある実施形態において、当該培地は、非刺激多能性幹細胞に比してCXCL9mRNAの50倍超の誘発を生じることができる。ある実施形態において、この段落に記載されている免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団は、関節リウマチの処置に使用されるものである。ある実施形態において、この段落に記載されている免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団は、糖尿病性神経障害の処置に使用されるものである。ある実施形態において、この段落に記載されている免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団は、クローン病の処置に使用されるものである。ある実施形態において、この段落に記載されている免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団は、急性肺障害の処置に使用されるものである。ある実施形態において、この段落に記載されている免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団は、多発性硬化症の処置に使用されるものである。ある実施形態において、この段落に記載されている免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団は、急性視神経炎の処置に使用されるものである。ある実施形態において、この段落に記載されている免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団は、クラッベ病の処置に使用されるものである。
【0010】
ある実施形態において、非刺激多能性幹細胞集団から免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団を作成するための培地であって、第1及び第2の誘発剤を含み、第1の誘発剤は、Toll様受容体4(TLR4)リガンドであり、第2に誘発剤は、第1の誘発剤とは異なるToll様受容体リガンド、神経伝達物質、神経伝達物質様分子、エリスロポエチンでないポリペプチド、又は脂質である。ある実施形態において、第2の誘発剤は、ヒスタミンである。ある実施形態において、第2の誘発剤は、アセチルコリンである。ある実施形態において、第2の誘発剤は、グルタミン酸塩である。ある実施形態において、第2の誘発剤は、ノルエピネフリンである。ある実施形態において、第2の誘発剤は、エピネフリンである。ある実施形態において、第2の誘発剤は、セロトニンである。ある実施形態において、第2の誘発剤は、メラトニンである。ある実施形態において、第2の誘発剤は、リポキシンA4である。ある実施形態において、第2の誘発剤は、αメラニン細胞刺激ホルモンである。ある実施形態において、第2の誘発剤は、ロイコトリエンB4である。ある実施形態において、TLR4リガンドは、LPSである。ある実施形態において、TLR4リガンドは、アミノアルキルグルコサミニド-4-ホスフェートである。ある実施形態において、当該培地は、第3の誘発剤をさらに含み、第3の誘発剤は、低酸素条件、低酸素模倣、又はエリスロポエチンを含む。ある実施形態において、低酸素模倣は、塩化コバルトである。ある実施形態において、低酸素模倣は、デスフェリオキサミンである。ある実施形態において、当該培地は、第4の誘発剤をさらに含み、第4の誘発剤は、第3の誘発剤とは異なり、低酸素条件、低酸素模倣、エリスロポエチンを含む。ある実施形態において、低酸素模倣は、塩化コバルトである。ある実施形態において、低酸素模倣は、デスフェリオキサミンである。ある実施形態において、当該培地は、多能性幹細胞集団をさらに含む。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、非刺激多能性幹細胞集団である。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、被刺激多能性幹細胞集団である。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、被誘発多能性幹細胞集団である。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、成人多能性幹細胞集団である。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、ヒト多能性幹細胞集団である。ある実施形態において、多能性幹細胞集団は、間葉幹細胞集団である。ある実施形態において、当該培地は、ヒト又は動物由来の血清を含まない。ある実施形態において、当該培地は、被刺激多能性幹細胞に比して被刺激幹細胞集団においてTNFSF10mRNAの20倍超の誘発を生じることができる。ある実施形態において、当該培地は、非刺激多能性幹細胞に比してTNFSF10mRNAの30倍超の誘発を生じることができる。当該培地は、非刺激多能性幹細胞に比してTNFSF10mRNAの50倍超の誘発を生じることができる。ある実施形態において、この段落に記載されている免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団は、卵巣癌の処置に使用されるものである。ある実施形態において、この段落に記載されている免疫学的に極性化された多能性幹細胞集団は、乳癌の処置に使用されるものである。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
細胞培養容器
1か月前
日本バイリーン株式会社
細胞用支持基材
1か月前
杏林製薬株式会社
核酸検出用PCR溶液
2か月前
株式会社タクマ
バイオマス処理装置
10日前
株式会社タクマ
バイオマス処理装置
10日前
東洋紡株式会社
改変型RNAポリメラーゼ
1か月前
サッポロビール株式会社
飲料
2か月前
日油株式会社
蛋白質安定化剤
1か月前
学校法人近畿大学
培養肉の製造方法
2か月前
JNC株式会社
アデノ随伴ウイルスの精製方法
3か月前
株式会社ファンケル
SEC12タンパク発現促進剤
1か月前
株式会社東海ヒット
灌流培養ユニット
2か月前
個人
ナノ微粒子の製造方法
2か月前
アサヒビール株式会社
柑橘風味アルコール飲料
1か月前
アサヒビール株式会社
柑橘風味アルコール飲料
1か月前
オンキヨー株式会社
浸漬酒の製造方法、及び、浸漬酒
1か月前
ヤマト科学株式会社
インキュベータ
2か月前
日本特殊陶業株式会社
メタン発生抑制装置
3か月前
個人
超音波機能着きウィスキー熟成ボトル用のキャップ
2か月前
東洋紡株式会社
緩衝剤によるヘムタンパク質の安定化方法
2か月前
株式会社アテクト
培養シート
3か月前
花王株式会社
リパーゼ変異体
1か月前
池田食研株式会社
抗疲労用組成物
1か月前
ニプロ株式会社
コネクタ及びバッグ
3か月前
花王株式会社
肌タイプの分類方法
3か月前
ZACROS株式会社
排気ユニット、及び培養装置
1か月前
個人
移植材料の評価方法
1か月前
学校法人藤田学園
アンチセンス核酸およびその利用
2か月前
学校法人東京電機大学
酵母、及び食品用添加剤
2か月前
bitBiome株式会社
ポリペプチド及びその用途
1か月前
学校法人上智学院
生物の管理方法
4か月前
株式会社スリーダムアライアンス
発酵飲料及び発酵飲料の製造方法
5日前
学校法人上智学院
核酸塩基検出剤
2か月前
学校法人近畿大学
遺伝子組換えコクナーゼおよびその前駆体
3か月前
関西電力株式会社
微細藻類培養システム及び微細藻類培養方法
3か月前
学校法人藤田学園
幹細胞付着用シート
1か月前
続きを見る