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公開番号
2025106785
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-16
出願番号
2024143209
出願日
2024-08-23
発明の名称
分解菌叢複合系を使用する多環芳香族化水素の分解方法
出願人
南京農業大学
代理人
個人
主分類
C12N
1/20 20060101AFI20250709BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】分解菌叢複合系を使用する多環芳香族化水素の分解方法を提供する。
【解決手段】分解菌叢複合系を使用する多環芳香族化水素の分解方法を開示し、この方法は以下のステップを含み:まず有機汚染水中に分解菌叢を添加し、1~48h反応させ、次に前複合体を添加し、合計時間が72hになるまで連続的に反応させ、分解菌叢と前複合体が複合系を形成し、この過程は、前複合体による分解菌叢に対する悪影響を回避し、分解を正常に達成することができ、本発明は、分解菌叢、過酸化カルシウムと硫酸第一鉄七水和物の前複合体を複合系として多環芳香族化水素汚染水に添加し、分解反応により、多環芳香族化水素を効果的に除去することができ、従来の微生物浄化や酸化浄化に比べて、本方法は効率的で環境に優しく、高い適用性を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
S1、まず有機汚染水に1~11wt%の添加量に従って分解菌叢を添加し、150rp
mの加振機で1~48h分解反応させ、前記有機汚染水は多環芳香族化水素によって汚染
された水域であり、前記分解菌叢は、プロテオバクテリアのアシネトバクター属(Aci
netobacter)、ステノトロフォモナス(Stenotrophomonas)
、コマモナス属(Comamonas)の3種類細菌を1:1:1の重量比で混合するステ
ップと、
S2、次に前複合体を添加し、1リットルの有機汚染水中の前複合体の添加量は1.39
~27.80gであり、前記分解菌叢と前記前複合体は分解菌叢複合系を形成し、加振機
で合計時間が72hになるまで連続的に反応させ、分解を完成するステップと、を含み、
ここで、前記前複合体は過酸化カルシウムおよび硫酸第一鉄七水和物からなり、過酸化カ
ルシウムと硫酸第一鉄七水和物の質量比は1~13.90:0.39~13.90である
、
ことを特徴とする分解菌叢複合系を使用する多環芳香族化水素の分解方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
S1において、150rpmの加振機で24h分解反応させる、ことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
S1において、前記有機汚染水のpH値は5~7であり、前記多環芳香族化水素はフェナ
ントレン、ピレンである、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
S2において、1リットルの有機汚染水で、過酸化カルシウムの添加量は2.41gであ
り、硫酸第一鉄七水和物の添加量は7.51gである、ことを特徴とする請求項1に記載
の方法。
【請求項5】
前記前複合体の調製方法は以下の通りであり:
S2-1、25℃で、3:0.5の質量比で1~10μmの活性炭、酸化マグネシウムを
混合して担体を得て、
S2-2、15g:1~2mlの割合で、前記担体の表面にヘキサデシルアミンオクタン
酸炭酸塩を噴霧し、
S2-3、-15~-10℃の温度下で、前記担体と過酸化カルシウムを1~0.8:1
の重量比でヘキサデシルアミンオクタン酸炭酸塩を噴霧した担体と過酸化カルシウムを混
合し、25℃まで加熱し、25℃で1~2h乾燥させ、前複合体を得て、
S2-4、過酸化カルシウムと硫酸第一鉄七水和物を1~13.90:0.39~13.
90の質量比で、前記前複合体と硫酸第一鉄七水和物を混合して前複合体を形成する、こ
とを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記S2において、前複合体の添加方法は以下のとおりであり:過酸化カルシウム、硫酸
第一鉄七水和物をそれぞれ3等分し、まず25℃で、3分の1の過酸化カルシウムを添加
し、150rpmの加振機で5~15min反応させ、次に3分の1の硫酸第一鉄七水和
物を添加し、120rpmの加振機で3~4h反応させ、その後温度を25℃から5~1
0℃に下げ、同時に3分の1の過酸化カルシウムと3分の1の硫酸第一鉄七水和物を添加
し、180rpmの加振機で2~3h反応させ、その後残りの過酸化カルシウムを添加し
、150rpmの加振機で20~25min反応させ、残りの硫酸第一鉄七水和物を添加
し、130rpmの加振機で完了まで反応させる、ことを特徴とする請求項1に記載の方
法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染水域浄化の技術分野に関し、具体的に、分解菌叢複合系を使用する多環芳
香族化水素の分解改良方法に関する。
続きを表示(約 4,700 文字)
【背景技術】
【0002】
多環芳香族化水素は、水相中に一般的に見出される有毒な有機汚染物質の一種であり、通
常、非極性、疎水性、親油性であり、少なくとも2つのベンゼン環を含み、環境中に残留
し得る。これらの多環芳香族化水素の特性により、汚染媒体中の多環芳香族化水素を浄化
することは困難である。ほとんどの場合、生分解戦略は分解スペクトルが狭く、高度な酸
化技術ほど効率的ではない。また、様々な環境要因も生物浄化効率を低下させる。従来の
化学的浄化技術はコストが高く、二次汚染を引き起こしやすい。
既存の多環芳香族化水素汚染水域の浄化技術では、微生物の分解効率は低く、分解スペク
トルは狭く、酸化技術は効率的で徹底的であるが、コストが高く、毒性の強いハロゲン系
やニトロ系の副生成物を生成する可能性がある。微生物による浄化技術と酸化による浄化
技術の欠点を改善するために、研究者らは生物浄化と酸化浄化を併用することに注目し始
めている。分解細菌叢と過酸化カルシウム複合体を用いて水中の水中の多環芳香族化水素
を浄化する技術では、過酸化カルシウム、硫酸第一鉄の分解系で発生するフリーラジカル
が分解菌の増殖を阻害するという解決すべき問題が存在する。
【発明の概要】
【0003】
上記問題を解決するために、本発明は、分解菌叢複合系を使用する多環芳香族化水素の分
解方法を提供し、以下のステップを含み:
S1、まず有機汚染水に1~11wt%の添加量に従って分解菌叢を添加し、150rp
mの加振機で1~48h分解反応させ、前記有機汚染水は多環芳香族化水素によって汚染
された水域であり、前記分解菌叢は、プロテオバクテリアのアシネトバクター属(Aci
netobacter)、ステノトロフォモナス(Stenotrophomonas)
、コマモナス属(Comamonas)の3種類細菌を1:1:1の重量比で混合し、
S2、次に前複合体を添加し、1リットルの有機汚染水中の前複合体の添加量は1.39
~27.80gであり、前記分解菌叢と前記前複合体は分解菌叢複合系を形成し、加振機
で合計時間が72hになるまで連続的に反応させ、分解を完成し、
ここで、前記前複合体は過酸化カルシウムおよび硫酸第一鉄七水和物からなり、過酸化カ
ルシウムと硫酸第一鉄七水和物の質量比は1~13.90:0.39~13.90である
。
説明:上記方法は、過酸化カルシウム+硫酸第一鉄の分解系における分解菌叢に対する毒
性の問題を解決することができ、従来の微生物分解技術による水中有機汚染物、特に多環
芳香族化水素の除去効率が低く、分解スペクトルが狭いという問題を解決するのに良好な
解决効果を有し、過酸化カルシウムの酸素放出性と酸化性を利用し、分解技術による水中
の多環芳香族化水素の分解能力を著しく向上させ、過酸化カルシウム+硫酸第一鉄の分解
系は良好な分解効果を有するが、過酸化カルシウム+硫酸第一鉄の分解系で発生するフリ
ーラジカルは汚染物を除去するだけでなく、分解菌の増殖も阻害し、上記添加方法と反応
時間の制御により、上記影響を効果的に低減することができ、ここで、過酸化カルシウム
体系は補強だけでなく、補完でもあり、従来の微生物浄化または酸化浄化に比べて、該方
法はより効率的で環境に優しく、高い適用性を有する。
本発明の一態様として、S1において、150rpmの加振機で24h分解反応させる。
説明:上記反応時間は、汚染物を除去しながら分解菌を保持する平衡点であり、汚染物を
除去する同時に分解菌の生存率が高くなる。
本発明の一態様として、S1において、前記有機汚染水のpH値は5~7であり、前記多
環芳香族化水素はフェナントレン、ピレンである。
本発明の一態様として、S2において、1リットルの有機汚染水で、過酸化カルシウム添
加量は2.41gであり、硫酸第一鉄七水和物添加量は7.51gである。
本発明の一態様として、前記前複合体の調製方法は以下のとおりであり:
S2-1、25℃で、3:0.5の質量比で1~10μmの活性炭、酸化マグネシウムを
混合して担体を得、
S2-2、15g:1~2mlの割合で、前記担体の表面にヘキサデシルアミンオクタン
酸炭酸塩を噴霧し、
S2-3、-15~-10℃の温度下で、前記担体と過酸化カルシウムを1~0.8:1
の重量比でヘキサデシルアミンオクタン酸炭酸塩を噴霧した担体と過酸化カルシウムを混
合し、25℃まで加熱し、25℃で1~2h乾燥させ、前複合体を得、
S2-4、過酸化カルシウムと硫酸第一鉄七水和物を1~13.90:0.39~13.
90の質量比で、前記前複合体と硫酸第一鉄七水和物を混合して前複合体を形成する。
説明:上記方法により調製された前複合体は、有機汚染物と過酸化カルシウムおよび硫酸
第一鉄七水和物との反応のための担体を提供し、ひいては汚染水の分解効果を向上させ、
活性炭、酸化マグネシウムは多孔質材料であり、酸化マグネシウムは化合物の分解を触媒
して促進する作用を有し、同時に担体の使用は、過酸化カルシウムおよび硫酸第一鉄七水
和物による分解菌叢に対する抑制作用を低減することができ、体系の分解能力をさらに向
上させることができる。
本発明の一態様として、前記S2において、前複合体の添加方法は以下のとおりであり:
過酸化カルシウム、硫酸第一鉄七水和物をそれぞれ3等分し、まず25℃で、3分の1の
過酸化カルシウムを添加し、150rpmの加振機で5~15min反応させ、次に3分
の1の硫酸第一鉄七水和物を添加し、120rpmの加振機で3~4h反応させ、その後
【図面の簡単な説明】
【0004】
実施例20によりスクリーニング・濃縮された分解菌叢の組成である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下、本発明の利点をより良く反映するために、具体的な実施形態に関連して本発明をよ
り詳細に説明する。
実施例1
分解菌叢複合系を使用する多環芳香族化水素の分解方法は、以下のステップを含み:
S1、まず有機汚染水に5wt%の添加量で分解菌叢を添加し、150rpmの加振機で
24h分解反応させ、
ここで、前記有機汚染水のpH値は6であり、前記有機汚染水は多環芳香族化水素によっ
て汚染された水域であり、前記多環芳香族化水素はフェナントレン、ピレンであり、前記
分解菌叢は、プロテオバクテリアのアシネトバクター属(Acinetobacter)
、ステノトロフォモナス(Stenotrophomonas)、コマモナス属(Com
amonas)の3種類細菌を1:1:1の重量比で混合し、
S2、次に前複合体を添加し、1リットルの有機汚染水中の前複合体の添加量は9.92
gであり、前記分解菌叢と前記前複合体は分解菌叢複合系を形成し、加振機で合計時間が
72hになるまで連続的に反応させ、分解を完成し、
ここで、前記前複合体は過酸化カルシウムおよび硫酸第一鉄七水和物からなり、過酸化カ
ルシウムと硫酸第一鉄七水和物の質量比は2.41:7.51である。
【0006】
実施例2
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S1において、分解菌叢の添加量は有機汚染
水の1wt%である。
実施例3
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S1において、分解菌叢の添加量は有機汚染
水の11wt%である。
実施例4
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S1において、150rpmの加振機で1h
分解反応させる。
実施例5
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S1において、150rpmの加振機で48
h分解反応させる。
実施例6
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S1において、有機汚染水のpH値は5であ
る。
実施例7
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S1において、有機汚染水のpH値は7であ
る。
実施例8
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S2において、1リットルの有機汚染水中の
前複合体の添加量は1.39gであり、ここで、過酸化カルシウムは1gであり、硫酸第
一鉄七水和物は0.39gである。
実施例9
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S2において、1リットルの有機汚染水中の
前複合体の添加量は27.80gであり、ここで、過酸化カルシウムは13.9gであり
、硫酸第一鉄七水和物は13.9gである。
実施例10
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:前記前複合体の成分を改良し、改良後の前複
合体は過酸化カルシウムと硫酸第一鉄七水和物の2成分以上を含み、改良後の前複合体の
調製方法は以下のとおりであり:
S2-1、25℃で、3:0.5の質量比で1~10μmの活性炭、酸化マグネシウムを
混合して担体を得、
S2-2、15g:1mlの割合で、前記担体の表面にヘキサデシルアミンオクタン酸炭
酸塩を噴霧し、
S2-3、温度-15℃で、前記担体と過酸化カルシウムを1~:1の重量比でヘキサデ
シルアミンオクタン酸炭酸塩を噴霧した担体と過酸化カルシウムを混合し、25℃まで加
熱し、25℃で1h乾燥させ、前複合体を得、
S2-4、過酸化カルシウムと硫酸第一鉄七水和物を質量比1:0.39で、前記前複合
体と硫酸第一鉄七水和物を混合して前複合体を形成する。
実施例11
本実施例は実施例10とは以下の点で異なり、S2-2において、担体とヘキサデシルア
ミンオクタン酸炭酸塩の割合は15g:2mlである。
実施例12
本実施例は実施例10とは以下の点で異なり、S2-2において、担体とヘキサデシルア
ミンオクタン酸炭酸塩の割合は15g:1.8mlである。
実施例13
本実施例は実施例10とは以下の点で異なり、S2-3において、温度-12℃で、前記
担体と過酸化カルシウムを0.9:1の重量比でヘキサデシルアミンオクタン酸炭酸塩を
噴霧した担体と過酸化カルシウムを混合し、25℃まで加熱し、25℃で1.5h乾燥さ
せ、前複合体を得る。
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