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公開番号
2025102980
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-08
出願番号
2025062607,2020539647
出願日
2025-04-04,2019-08-30
発明の名称
ピロリシルtRNA合成酵素
出願人
国立研究開発法人理化学研究所
代理人
SK弁理士法人
,
個人
,
個人
主分類
C12P
21/02 20060101AFI20250701BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】効率的な非天然型アミノ酸含有ポリペプチドの生産方法、ポリペプチドへの非天然型アミノ酸の導入方法、非天然型アミノ酸が結合したtRNAの生産方法、非天然型アミノ酸導入系、又はそれらに使用する材料等を提供する。
【解決手段】Methanomassiliicoccales目又はThermoplasmatales目の生物のPylRSと、非天然型アミノ酸と、を接触させる工程を含む、非天然型アミノ酸含有ポリペプチドの生産方法であって、Methanosarcina mazeiのPylRS(MmPylRS)を用いた無細胞タンパク質合成系を利用した場合に比べて高効率でポリペプチドへ非天然型アミノ酸を導入する工程を含む、生産方法を用いる。
【選択図】図8
特許請求の範囲
【請求項1】
Methanomassiliicoccales目又はThermoplasmatales目の生物のピロリシルtRNA合成酵素(PylRS)と、非天然型アミノ酸と、を接触させる工程を含む、非天然型アミノ酸含有ポリペプチドの生産方法であって、
(a) Methanosarcina mazeiのPylRS(MmPylRS)を用いた無細胞タンパク質合成系を利用した場合に比べて高効率でポリペプチドへ非天然型アミノ酸を導入する工程、又は(b) glmSプロモーターの制御下にある前記PylRSの遺伝子を有するベクターを用いた大腸菌タンパク質合成系を利用した場合、及びglnSプロモーターの制御下にある前記PylRSの遺伝子を有するベクターを用いた大腸菌タンパク質合成系を利用した場合、に比べて高効率でポリペプチドへ非天然型アミノ酸を導入する工程、から選ばれる導入工程を含む、生産方法。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
前記導入工程は、PylRSとしてMmPylRSを用いた場合に比べて非天然型アミノ酸を1.5倍以上の効率でポリペプチドへ導入する工程である、請求項1に記載の生産方法。
【請求項3】
前記接触は、高濃度の前記PylRSを含有する非天然型アミノ酸導入系において行われる、請求項1又は2に記載の生産方法。
【請求項4】
前記非天然型アミノ酸導入系は、無細胞タンパク質合成系の反応溶液であり、前記導入工程は前記(a)の工程である、請求項3に記載の生産方法。
【請求項5】
前記反応溶液が、15μM以上のPylRSを含有する、請求項4に記載の生産方法。
【請求項6】
前記反応溶液が、天然型とは異なる位置に終止コドンを有する遺伝子をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項4又は5に記載の生産方法。
【請求項7】
5mg/mL以上の前記PylRSを含有する溶液と、非天然型アミノ酸と、を混合し、混合溶液を調製する工程を含み、前記導入工程は前記(a)の工程である、請求項1~6いずれかに記載の生産方法。
【請求項8】
前記非天然型アミノ酸導入系は、生細胞タンパク質合成系の細胞であり、前記導入工程は前記(b)の工程である、請求項3に記載の生産方法。
【請求項9】
前記細胞は、MaPylRSと高発現プロモーターとをコードするポリヌクレオチドを含有する、請求項8に記載の生産方法。
【請求項10】
前記PylRSが、Methanomethylophilus属、Methanomassiliicoccus属、もしくはMethanoplasma属の生物、又はMethanomassiliicoccales archaeon RumEn M1、Methanogenic archaeon ISO4-H5、Methanogenic archaeon ISO4-G1、もしくはThermoplasmatales archaeon BRNA1のPylRSである、請求項1~9いずれかに記載の生産方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロリシルtRNA合成酵素を使用した非天然型アミノ酸含有ポリペプチドの生産方法等に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
アミノアシルtRNA合成酵素(aaRS)は、タンパク質合成に関わる酵素である。具体的には、アミノ酸をtRNAにエステル結合させることで、アミノアシルtRNAを合成する活性を有することが知られている。アミノアシルtRNAは、リボソームでタンパク質を構成するペプチド鎖の伸長に関与する分子である。
【0003】
アミノアシルtRNA合成酵素の1種であるピロリシルtRNA合成酵素(PylRS)を用いて、非天然型アミノ酸をタンパク質に導入する研究がされている。例えば、特許文献1には、Methanosarcina mazei (M. mazei)のPylRS(MmPylRS)を用いることによって、リシン誘導体のαヒドロキシ酸誘導体をタンパク質に導入したことが記載されている。特許文献2には、MmPylRSの変異体を用いることによって、リシン誘導体をタンパク質に導入したことが記載されている。特許文献3には、MmPylRSの変異体を用いて、抗体にZLys誘導体を導入したことが記載されている。またこの文献には、クリックケミストリーを用いて、ZLys誘導体導入抗体の化学修飾体を作製したことが記載されている。
【0004】
また、非特許文献1には、PylRSのN末端ドメインがin vivo活性に必要であることが記載されている。非特許文献2には、PylRSのN末端ドメインがtRNAに結合することが記載されている。非特許文献3には、PylRSのN末端ドメインとtRNAが相互作用していることが記載されている。
【0005】
非特許文献4には、MmPylRSがN末端ドメインを有し、一方でMethanomethylophilus alvus (M. alvus)のPylRS(MaPylRS)がN末端ドメインを有さないことが記載されている。また、MaPylRSを用いた大腸菌タンパク質合成系によって非天然型アミノ酸をタンパク質に導入したことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
WO/2009/066761
WO/2009/038195
WO/2017/030156
【非特許文献】
【0007】
"The amino-terminal domain of pyrrolysyl-tRNA synthetase is dispensable in vitro but required for in vivo activity." Herring et al., FEBS Lett. 2007 Jul 10;581(17):3197-203.
"PylSn and the Homologous N-terminal Domain of Pyrrolysyl-tRNA Synthetase Bind the tRNA That Is Essential for the Genetic Encoding of Pyrrolysine" Jiang et al., J Biol Chem. 2012 Sep 21; 287(39): 32738-32746.
"Crystal structures reveal an elusive functional domain of pyrrolysyl-tRNA synthetase." Suzuki et al., Nat Chem Biol. 2017 Dec;13(12):1261-1266.
"Mutually orthogonal pyrrolysyl-tRNA synthetase/tRNA pairs." Willis et al., Nat Chem. 2018 May 28. doi: 10.1038/s41557-018-0052-5. [Epub ahead of print]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記非特許文献4には、N末端ドメインを有さないMaPylRSを用いた場合であっても非天然型アミノ酸の導入ができたことが記載されているが、非特許文献4の大腸菌タンパク質合成系では、非天然型アミノ酸の導入効率が十分に高いとはいえなかった。
【0009】
上記非特許文献4には、非天然型アミノ酸の導入の有無と直交性の実験、非天然型アミノ酸の選択性の実験、1つのポリペプチドに異なる非天然型アミノ酸を導入する実験が記載されている。一方で、MmPylRSと比較したときの導入効率を顕著に上げる方法は何ら記載されていない。なお、MmPylRS発現のためのプロモーターにはglmSプロモーター(非高発現プロモーター)が使用されている。
【0010】
一方で、本願発明者は、MmPylRSを用いて、無細胞タンパク質合成系によって非天然型アミノ酸をタンパク質に導入することを試みた。しかしながら、無細胞タンパク質合成系に使用するためにMmPylRSを単離した結果、濃縮限界が4mg/mL以下であり、それよりも高濃度でMmPylRSを使用することができないことを発見した(実験例1、実施例2、3)。その結果、非天然型アミノ酸の導入効率を上げることはできなかった。
(【0011】以降は省略されています)
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