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公開番号2025100950
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-04
出願番号2024208491
出願日2024-11-29
発明の名称超音波を用いた媒体の特性評価のための方法及びシステム
出願人サントル・ナシオナル・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・シアンティフィク,CENTRE NATIONAL DE LARECHERCHE SCIENTIFIQUE,スーパー ソニック イマジン,SUPER SONIC IMAGINE,エコール・シュペリウール・ドゥ・フィジーク・エ・ドゥ・シミー・アンデュストリエル(ウエスペセイ),Ecole Superieure de Physique et de Chimie Industrielle (ESPCI),ユニヴェルシテ・パリ・シテ,UNIVERSITE PARIS CITE
代理人個人,個人
主分類A61B 8/14 20060101AFI20250627BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】媒体の超音波特性評価のための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】媒体の超音波特性評価方法は、一連の入射超音波を生成するステップと、入力放射ベース(i)及び出力受信ベース(u)の間において定義される正準反射行列Rui(t)を測定するステップと、複数の周波数fにおいて、かつ、基準点のまわりの領域におけるいくつかの点に関して、正準反射行列Rui(t)から取得される媒体の1組の応答Rを決定するステップと、さまざまな点における媒体の応答から、基準点に対して適応されかつ周波数fにおいて決定された周波数補正法則Φを決定するステップと、基準点のまわりの媒体の応答Rに対して複数の周波数fに関して周波数補正法則Φを適用することによって、媒体の補正された応答R’を決定するステップとを含む。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
媒体の超音波特性評価処理(S100)であって、
- トランスデューサ(11)のアレイ(10)によって、上記媒体の関心対象のゾーンにおいて、放射ベース(i)である一連の入射超音波(US
in
)を生成するステップ(S110)と、
- 入力放射ベース(i)及び出力受信ベース(u)の間において定義された正準反射行列であって、上記トランスデューサによって受信されかつ上記媒体において反射された超音波によって引き起こされた信号に対応する係数を有する正準反射行列R
ui
(t)を測定するステップ(S120)とを含み、
上記方法は、
- 上記反射された超音波から受信された信号のいくつかの周波数fに関する、かつ、音速モデルc

の上記正準反射行列R
ui
(t)からの空間位置の基準点r

=(x

,z

)のまわりの領域の空間位置r=(x,z)のいくつかの点に関する合焦処理によって取得される、媒体の1組の応答Rを決定するステップ(S130)と、
- 上記基準点のまわりの複数の異なる空間位置の点(x,z)における媒体の応答を平均又は相関させることによって、上記基準点に対して適応されかつ周波数fにおいて決定された周波数補正法則Φを決定するステップ(S140)と、
- 上記基準点のまわりの媒体の応答Rに対して複数の周波数fに関して上記周波数補正法則Φを適用することによって、上記媒体の補正された応答R’を決定するステップ(S180)とを含む補正処理をさらに含むことを特徴とする、
処理。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
- 上記空間位置の基準点r

のいくつかの周波数fにおける補正された応答を組み合わせることによって、上記空間位置の基準点r

に対応する超音波検査画像点の強度I

を決定するステップ(S190)をさらに含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
- 上記媒体の一組の応答Rを決定すること(S130)は、入力仮想トランスデューサに対応する空間位置の第1の点r
in
=(x
in
,z)と、出力仮想トランスデューサに対応する空間位置の第2の点r
out
=(x
out
,z)との間における合焦処理によって取得される応答を決定することを含み、上記第1の点及び上記第2の点は同一であり(r
in
=r
out
)、
上記応答Rのすべては、R=[R(x,z,f)]により表される係数を有する共焦反射行列Rにおいて記録され、
- 上記周波数補正法則Φを決定すること(S140)は、上記基準点のまわりの複数の異なる空間位置(x,z)における上記媒体の応答を相関させることによって実行され、その係数は、Φ=[φ(f,r

)]によって表され、
- 上記基準点のまわりの上記補正された応答R’を決定することは(S180)、各周波数fにおいて上記周波数補正法則を適用することによって、上記共焦反射行列Rと上記周波数補正法則Φの位相共役との間の項の積を演算することによって、すなわち次式によって実行され、
TIFF
2025100950000077.tif
7
35
ここで、
上記補正された応答R’のすべては、R’=[R’(x,z,f)]により表される係数を有する補正された共焦反射行列R’において記録され、
記号
TIFF
2025100950000078.tif
8
6
は、次式を満たすアダマール積である、
TIFF
2025100950000079.tif
9
74
請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
- 複数の周波数fにおける空間位置(x,z)の超音波検査画像点の補正された応答R’を組み合わせることによって、すなわち、次式によって、
TIFF
2025100950000080.tif
12
67
上記空間位置(x,z)の超音波検査画像点の強度I

を決定するステップ(S190)
をさらに含む、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
上記周波数補正法則を決定すること(S140)は、
上記共焦反射行列R(z,f)から相関行列Cを構成すること(S141)と、
上記相関行列Cを分析して上記周波数補正法則Φを決定すること(S142)とを含む、
請求項3又は4記載の処理。
【請求項6】
上記相関行列Cは、次式によって周波数領域において決定され、
TIFF
2025100950000081.tif
9
95
ここで、
Rは上記共焦反射行列であり、
x,zは、上記基準点のまわりの領域の点の座標であり、
*は共役演算子である、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
上記相関行列Cは、次式によって空間位置(x,z)の画像点に基づいて決定され、
TIFF
2025100950000082.tif
9
116
ここで、
Rは上記共焦反射行列であり、
x,zは、上記基準点のまわりの領域の画像点の座標であり、
*は共役演算子である、
請求項5記載の方法。
【請求項8】
上記相関行列Cを分析すること(S142)は、上記相関行列Cの固有値分解であり、上記周波数補正法則Φは、上記相関行列Cの第1固有ベクトルU

である。
請求項5~7のうちの1つに記載の方法。
【請求項9】
上記相関行列Cを分析すること(S142)は、上記相関行列C及び上記周波数補正法則Φを含む方程式を解くことであり、この方程式の解法は、反復的な時間反転又は反復的な位相反転に対応する、
請求項5~7のうちの1つに記載の方法。
【請求項10】
上記周波数補正法則を決定すること(S140)は、上記基準点のまわりの領域における超音波画像の共焦強度を最大化する最適化アルゴリズムによって実行される、
請求項3~9のうちの1つに記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書は、ヘテロジニアス媒体の超音波特性評価のための方法及びシステムに関する。これらの方法及びシステムは、媒体に接して配置されたトランスデューサのアレイを用いて、媒体中に超音波を放射し、同媒体の不均一性によって後方散乱された波を測定する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
音響イメージングの分野では、超音波により媒体を能動的にプローブで調べることで当該媒体の特性評価を行うことが求められる。それは、特に、医療イメージングにおける超音波検査の原理である。
【0003】
図10は、媒体の超音波画像を生成するための、当該媒体における従来の合焦処理を示す。この例では、媒体は、媒体の他の部分における音速とは異なる音速を有する収差層を含む。このことは、音響波面の空間的歪み及び時間的分散(反響)をもたらし、これにより、結果として得られる超音波画像における横方向及び軸方向の収差をもたらす。これらの現象は、分解能及びコントラストの劣化とともに、反響アーティファクトの外観の劣化をもたらし、このことは、例えば、医療検査において特に不便である。
【0004】
左側の図では、媒体に超音波を照射して画像化するために、媒体に対向して配置されたトランスデューサアレイが使用される。従来の方法は、ビームフォーミングとして知られた技術を用いて合焦された放射を用いて、媒体に超音波を印加することからなる。各トランスデューサによって発生された波を目標焦点の空間位置r
in
.=(x
in
,z)において強め合うように干渉させるために、各トランスデューサによって放射された信号に対して、均質な速度モデルc

に基づく1組の適切な遅延τが適用される。物理的な回析限界に起因して、超音波プローブの開口を介して放射された超音波は、「焦点スポット」としばしば呼ばれるエリアに集められる。さらに、収差層を通過する波は、歪められ、また、数回にわたって反射され、その結果、放射の間に、焦点の方向に複数の波エコーを生じさせる。
【0005】
この図面の中央の図では、焦点において反射された波は、トランスデューサアレイに戻され、次いで、再び収差層を通過し、これにより、超音波にさらにいっそう歪みを生じ、多重反射に起因してエコーを増加させる。従って、媒体における各散乱体は、いくつかのエコーを生じさせて、異なる時間に各トランスデューサに到来するいくつかの時間的パルスを生成し、その結果、超音波信号の有意な時間的分散をもたらす。このタイプの信号に適用されるビームフォーミング処理は、有意な軸方向の歪みを有する超音波画像を構成するために使用可能であり、図14の超音波画像で示すように、いくつかの深度において同じ散乱体が現れる。さらに、通過する組織における音速のヘテロジニアス分布は、構成された画像の品質に影響をおよぼす。
【0006】
図10の右側の図は、単一の散乱体に関して、問題となっている散乱体における超音波の空間的かつ時間的な合焦を最適に行うために、各トランスデューサによって受信される信号が、時間に関して逆畳み込み演算され、次いで、時間に関して反転されうる方法を示す。この時間反転合焦技術は、ごく少数の散乱体を含む媒体を必要とするので、制限されたままである。超音波検査では、超音波スペックルを生じる多数のサブ分解能を有する散乱体のランダム分布を有する媒体が存在するので、課題は全く異なる。
【0007】
従って、従来のイメージングでの、一定の音速c

を有する均質な媒体という通常の仮定は、しばしば守られない。波は、次いで、焦点に向かう波の経路における複数回の内部反射を有して反響される。その結果は、音響波面の空間・時間歪みであり、それにより、超音波画像における有意な収差と、従って、その分解能及びコントラストにおける劣化とをもたらす。それらの収差は、超音波特性評価を損なう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2020/016250号
【非特許文献】
【0009】
G. Montaldo et al., "Coherent plane-wave compounding for very high frame rate ultrasonography and transient elastography", IEEE Trans. Ultrasonics, Ferroelect. Freq. Control 56 489-506, 2009
Couade et al, "Ultra fast imaging of the heart using Circular Wave Synthetic Imaging with Phased Arrays", IEEE International Ultrasonics Symposium, 2009
William Lambert, et al, "Reflection Matrix Approach for Quantitative Imaging of Scattering Media", Phys. Rev. X 10, 021048, 2020
William Lambert, et al, "Ultrasound Matrix Imaging - Part I: The Focused Reflection Matrix, the F-Factor and the Role of Multiple Scattering", IEEE Trans. Med. Imag. 41, 3907-3920, 2022
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1は、媒体の反射行列の後処理操作に基づいて超音波イメージングにおける収差を補正するための技術を提案する。しかしながら、本文献で説明される方法は、予想される弾道時間の近傍の時間においてウィンドウを有するIQ超音波信号のみを考慮している。従って、収差を補正するためにそれらの信号に適用される位相シフトは、時間的遅延の適用に等価であり、そのような遅延は、超音波信号の時間分解能よりも小さな振幅を有していなければならない。従って、特許文献1で説明される技術は、時間分散をもたない、比較的に低次の収差補正に適用される。従って、それは、反響又は多重散乱の問題を補正するために使用することができず、このことは、超音波信号の各周波数成分ごとに異なる遅延法則が決定されることを必要とする。
(【0011】以降は省略されています)

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