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公開番号2025100729
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2025066627,2023564255
出願日2025-04-15,2022-04-20
発明の名称補体成分3の発現を阻害するための組成物及び方法
出願人アストラゼネカ アイルランド リミテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 15/113 20100101AFI20250626BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】補体成分3の発現を阻害するための組成物及び方法の提供。
【解決手段】本明細書には、補体成分3(C3)mRNAをターゲティングするためのセンス及びアンチセンス鎖を含むオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチド)が記載される。RNAiオリゴヌクレオチドを用いて、細胞におけるC3発現、レベル、及び/又は活性を阻害することができる。また、補体経路活性化又は調節不全により媒介される疾患、障害、若しくは状態の予防又は治療の目的でオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチド)を使用する方法も記載される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
明細書に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、電子フォーマットの配列表と一緒に出願されている。配列表は、2021年4月20日に作成された50694-093WO3_Sequence_Listing_4_18_22_ST25_FINALという題名のファイルとして提供され、サイズは、77,827バイトである。配列表の電子フォーマットの情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 4,800 文字)【背景技術】
【0002】
補体系は、免疫複合体のクリアランス、並びに感染因子、外来抗原、ウイルス感染細胞、及び腫瘍細胞に対する免疫応答において中心的な役割を果たす。補体は、自然免疫系の一部を形成する50を超えるタンパク質の群から成る。補体系は、微生物感染から身体を防御する態勢を整え、組織の止血を維持するように機能する。補体は、厳重に制御された酵素カスケードであり、これは、次の3つの経路のうちの1つにより活性化することができる:抗体複合体が活性化をトリガーする古典的経路、「ティックオーバー(tickover)」と呼ばれるプロセスによって低レベルで構成的に活性化され、且つ細菌性病原体若しくは損傷組織表面によって増幅され得る代替経路、又は特定の細菌、真菌、ウイルスなどの特定の微生物に存在するマンノース残基によって開始されるレクチン経路。補体経路の無制御の活性化又は不十分な調節は、全身性炎症、細胞傷害、及び組織損傷を招く恐れがある。このように、補体経路は、多くの多様な疾患の病因に関与している。補体経路活性の阻害又は調節は、有望な治療戦略として認識されている。これらの疾患に利用可能な治療選択肢の数は限られている。従って、補体経路の活性化又は調節不全に関連する疾患を治療するための革新的な戦略を開発することは、重要なアンメットニーズである。
【0003】
どの補体経路がプロセスを開始するかにかかわらず、補体活性化はカスケード内の補体成分3(C3)に集中する。C3タンパク質は、補体の活性化、病原体、免疫複合体及び損傷細胞のオプソニン化及び除去、並びに体液性免疫及びT細胞適応免疫応答の調節など、いくつかの重要な生物学的プロセスを推進する上で中心的役割を果たす。
【0004】
C3は、補体経路カスケードの開始を助ける補体系に不可欠なタンパク質である。古典的経路、代替経路、又はレクチン経路を介したC3活性化は、C3の切断を引き起こして、分解産物C3a及びC3bをもたらす。C3aは、好中球、好酸球、及び肥満細胞に対する強力なアナフィラトキシン及び化学誘引物質である。C3bは、代替経路におけるC3コンバターゼの形成に参加し、C5コンバターゼは、3つの補体経路の全てに関与し、これが、補体カスケードを推進して、下流の末端補体のさらなる活性化に導く。C5切断によって、強力な走化性駆動因子及びアナフィラトキシンでもあるC5aと、補体タンパク質C6、7、8、及び9と急速にアセンブリングして、病原体又は組織表面に孔形成複合体C5b-9を構築するC5bの形成をもたらす。その結果、C3は、補体経路の活性化又は調節不全に関連する疾患を治療するための方法として、補体経路を選択的に阻害するための阻害又はサイレンシングの理想的な標的となり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書には、補体経路活性化において役割を果たすことがわかっている補体成分(C3)をターゲティングするオリゴヌクレオチド(例えば、センス及びアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドなどのRNAiオリゴヌクレオチド)が記載される。RNAiオリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容される塩(例えば、そのナトリウム塩)を使用して、補体経路活性化又は調節不全に関連する疾患を有する患者を治療することができる。
【0006】
一態様において、本開示は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含む補体成分3(C3)発現を低減するためのRNAiオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を提供し、ここで、センス鎖とアンチセンス鎖は、二重らせん領域を形成する。アンチセンス鎖は、配列番号13又は14のC3 mRNA標的配列に対して相補性の領域を含み、相補性の領域は、少なくとも15の連続したヌクレオチドの長さである。一部の実施形態では、センス鎖は、15~50ヌクレオチド長(例えば、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49及び50ヌクレオチド長)である。一部の実施形態では、センス鎖は、18~36ヌクレオチド長(例えば、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、及び36ヌクレオチド長)である。一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、15~30ヌクレオチド長(例えば、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30ヌクレオチド長)である。一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、22ヌクレオチド長であり、アンチセンス鎖とセンス鎖は、少なくとも19ヌクレオチド長、任意選択で、少なくとも20ヌクレオチド長の二重らせん領域を形成する。一部の実施形態では、センス鎖は、36ヌクレオチド長であり、アンチセンス鎖とセンス鎖は、少なくとも19ヌクレオチド長、任意選択で少なくとも20ヌクレオチド長の二重らせん領域を形成する。一部の実施形態では、相補性の領域は、少なくとも19の連続したヌクレオチドの長さ、任意選択で少なくとも20ヌクレオチド長である。
【0007】
一部の実施形態では、センス鎖の3’末端は、S1-L-S2として記載されるステムループを含み、この場合、S1は、S2と相補的であり、Lは、S1とS2との間に3~5ヌクレオチド長のループを形成する。一部の実施形態では、Lは、トリループ又はテトラループである。一部の実施形態では、Lは、テトラループである。一部の実施形態では、テトラループは、配列番号8の核酸配列を含む。一部の実施形態では、S1及びS2は、長さが1~10ヌクレオチドであり、この場合、任意選択で、S1及びS2は、同じ長さを有する。一部の実施形態では、S1及びS2は、1ヌクレオチド、2ヌクレオチド、3ヌクレオチド、4ヌクレオチド、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、又は10ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、S1及びS2は、6ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、ステムループ領域は、配列番号7に対して少なくとも85%の同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、ステムループ領域は、配列番号7に対して少なくとも95%の同一性(例えば、配列番号に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、及び100%の同一性)を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、ステムループ領域は、配列番号7を含む。一部の実施形態では、ステムループは、配列番号7に対して最大1、2、若しくは3つの置換、挿入、又は欠失を有する核酸を含む。
【0008】
一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、1ヌクレオチド長以上の3’オーバーハング配列を含む。一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、少なくとも2つの連結されたヌクレオチドの3’オーバーハングを含む。一部の実施形態では、3’オーバーハング配列は、2ヌクレオチド長であり、この場合、任意選択で、3’オーバーハング配列はGGである。
【0009】
一部の実施形態では、センス鎖は、配列番号1又は配列番号4のヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号3又は配列番号6のヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、(a)それぞれ、配列番号1及び3、並びに(b)それぞれ、配列番号4及び6からなる群から選択されるヌ
クレオチド配列を含む。一部の実施形態では、センス鎖は、配列番号1に記載されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は、配列番号3に記載されるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、センス鎖は、配列番号4に記載されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は、配列番号6に記載されるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、化合物Aに示されるように、センス鎖は、配列番号37に記載されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は、配列番号38に記載されるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、化合物Bに示されるように、センス鎖は、配列番号39に記載されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は、配列番号40に記載のヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、化合物Cに示されるように、センス鎖は、配列番号41に記載されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は、配列番号42に記載されるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、化合物Dに示されるように、センス鎖は、配列番号43に記載されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は、配列番号44に記載のヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、化合物Eに示されるように、センス鎖は、配列番号45に記載されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は、配列番号46に記載されるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、化合物Fに示されるように、センス鎖は、配列番号47に記載されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は、配列番号48に記載されるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、化合物Gに示されるように、センス鎖は、配列番号49に記載されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は、配列番号50に記載されるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、化合物Hに示されるように、センス鎖は、配列番号51に記載されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は、配列番号52に記載されるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、化合物Iに示されるように、センス鎖は、配列番号53に記載されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は、配列番号54に記載されるヌクレオチド配列を含む。
【0010】
本明細書には、センス鎖及びアンチセンス鎖を含むRNAiオリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容される塩が提供され、ここで、センス鎖は、配列番号1又は配列番号4のいずれかに対して少なくとも85%(例えば、少なくとも86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%)の配列同一性を有する核酸配列を有し、アンチセンス鎖は、配列番号3又は配列番号6のいずれかに対して少なくとも85%(例えば、少なくとも86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%)の配列同一性を有する核酸配列を有する。一部の実施形態では、センス鎖は、配列番号1又は配列番号4のいずれかに対して少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、97%、98%、若しくは99%)の配列同一性を有し、アンチセンス鎖は、配列番号3又は配列番号6の少なくとも1つに対して少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、97%、98%、若しくは99%)の配列同一性を有する。一部の実施形態では、センス鎖は、配列番号1又は4の核酸配列を有し、アンチセンス鎖は、配列番号3又は配列番号6の核酸配列を有する。一部の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩は、配列番号4及び配列番号6を含む。他の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩は、配列番号1及び配列番号3を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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