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公開番号2025098514
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023214697
出願日2023-12-20
発明の名称スカンジウム含有合金の製造方法
出願人株式会社フルヤ金属
代理人弁理士法人アイル知財事務所,個人,個人
主分類B22F 9/18 20060101AFI20250625BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】本開示の目的は、酸化スカンジウム、フッ化スカンジウム及び塩化スカンジウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むスカンジウム化合物を、安価で、安全で、低環境負荷で、かつ、省エネルギーで還元し、アルミニウム又はマグネシウムの少なくともいずれか一方の金属を含有するスカンジウム含有合金の製造方法を提供することである。
【解決手段】本開示に係るスカンジウム含有合金の製造方法は、酸化スカンジウム、フッ化スカンジウム及び塩化スカンジウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むスカンジウム化合物の粉末と、アルミニウム又はマグネシウムのいずれか一方、又は、アルミニウム及びマグネシウムの両方を少なくとも含む金属粉末と、を含む複合粉末を準備する準備工程と、前記複合粉末を真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気にて500℃以上に加熱する加熱工程と、を有する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
酸化スカンジウム、フッ化スカンジウム及び塩化スカンジウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むスカンジウム化合物の粉末と、アルミニウム又はマグネシウムのいずれか一方、又は、アルミニウム及びマグネシウムの両方を少なくとも含む金属粉末と、を含む複合粉末を準備する準備工程と、
前記複合粉末を真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気にて500℃以上に加熱する加熱工程と、
を有することを特徴とするスカンジウム含有合金の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記複合粉末を成形型に投入する型入工程と、
前記複合粉末に圧力をかけて成形体とする成形工程と、をさらに有し、
前記加熱工程は、前記成形体とされた前記複合粉末を加熱する工程であることを特徴とする請求項1に記載のスカンジウム含有合金の製造方法。
【請求項3】
前記複合粉末を成形型に投入する型入工程をさらに有し、
前記加熱工程は、真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気にて、前記成形型に投入された前記複合粉末を、加圧下で加熱する工程であることを特徴とする請求項1に記載のスカンジウム含有合金の製造方法。
【請求項4】
前記準備工程で準備した前記複合粉末を機械的に合金化するメカニカルアロイング工程Aをさらに有し、
前記型入工程は、前記複合粉末として機械的合金化した複合粉末を前記成形型に投入する工程であることを特徴とする請求項2又は3に記載のスカンジウム含有合金の製造方法。
【請求項5】
前記準備工程で準備した前記複合粉末は、助剤としてカルボン酸、アスコルビン酸及び高級脂肪酸からなる群より選ばれる少なくとも一種をさらに含み、
前記準備工程で準備した前記助剤を含む前記複合粉末を機械的に合金化するメカニカルアロイング工程Bをさらに有し、
前記型入工程は、前記複合粉末として機械的合金化した複合粉末を前記成形型に投入する工程であることを特徴とする請求項2又は3に記載のスカンジウム含有合金の製造方法。
【請求項6】
前記スカンジウム化合物の粉末の粒径は、1000μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のスカンジウム含有合金の製造方法。
【請求項7】
前記金属粉末の粒径は、2000μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のスカンジウム含有合金の製造方法。
【請求項8】
前記成形工程において、前記複合粉末にかける圧力は、5MPa以上であることを特徴とする請求項2に記載のスカンジウム含有合金の製造方法。
【請求項9】
前記加熱工程において、前記複合粉末にかける圧力は、5MPa以上であることを特徴とする請求項3に記載のスカンジウム含有合金の製造方法。
【請求項10】
前記加熱工程を経て得られたスカンジウム含有合金がアルミニウムスカンジウム含有合金を含み、該アルミニウムスカンジウム含有合金中のアルミニウムスカンジウム合金は、アルミニウムスカンジウム固溶合金、Al

Sc金属間化合物、Al

Sc金属間化合物及びAlSc金属間化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載のスカンジウム含有合金の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、スカンジウム含有合金の製造方法に関し、例えば、アルミニウム‐スカンジウム合金、マグネシウム‐スカンジウム合金又はアルミニウムマグネシウムスカンジウム合金を安価に、さらには低エネルギーにて製造する技術に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
スカンジウムについては、軽量でジュラルミンよりも高強度なアルミニウムにスカンジウムを微量添加した合金が、冷戦時代ソビエト連邦のMIG29などの軍事用途で使用されていた。また、スカンジウム合金は、民生向けで、高級自転車のフレームなどの軽量・高強度の構造材として活用が広がっている。スカンジウム合金は、ジュラルミンに比べて、機械的性質や溶接性が飛躍的に向上し、工業的利用価値が高い。
【0003】
また、スカンジウムは、天然ガスから発電する固体酸化物型燃料電池(SOFC)で新型プロトン伝導体添加物として注目され、固体酸化物型燃料電池によって安価な電気を得る事が出来ると期待されている。
【0004】
スカンジウムは、一般的なレーザー材料であるイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)の3倍以上のエネルギー強度がある、ガドリニウム・スカンジウム・ガリウムガーネット(GSGG)レーザー用結晶の主要部材となっている。他にも、スカンジウムは、太陽の光に近い幅広い発光スペクトルが得られる為、写真や映画、テレビ局のスタジオ照明として使用されている。
【0005】
さらには、窒化アルミニウムにスカンジウムを固溶させた複合窒化物薄膜は、窒化アルミニウムの5倍以上の圧電性を示し、窒化物では最も高い値を示すことが見出され、5Gなど通信方式の進化に向けて圧電性能の向上や耐熱性の両立を図ることができることから、モバイル通信用のBAW高周波フィルターとして用いられている。さらに、窒化アルミニウムにスカンジウムを固溶させた複合窒化物薄膜は、500℃まで加熱しても結晶構造が変化しない圧電素子の性能を有することから、鉛(PZT)などの有害な元素を含まない高温用圧力センサーとして期待されている。
【0006】
従って、超高速通信5G用電波フィルター、超低排出タービンの制御圧電センサー、自動運転をサポートする高性能超音波センサー、医療機器用超音波プロープ又はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)用途などへの製品化が進んでおり、そのキーマテリアルがスカンジウムである。
【0007】
しかしながら、酸化スカンジウムは世界中で産出されるものの、酸化スカンジウムを還元して金属スカンジウムとする精錬は、環境負荷が高く、高エネルギー負荷があり、安全性への懸念がある。また、その精錬は中国などの一部の国でしか行われていない。このため、金属スカンジウムは非常に高価であり、その利用は制限される状況となっている。
【0008】
金属スカンジウムの製法は、原料である熱力学的に極めて安定な酸化スカンジウムをフッ化して、還元が容易なフッ化スカンジウムとする。このとき、還元剤として金属カルシウムを用いて1600℃の高温で還元している(例えば、非特許文献1を参照。)。フッ化工程は環境負荷が大きい。また、金属カルシウムを使うため安全面の問題がある。さらには、1600℃の高温を要するためエネルギー負荷が高く、製造できる国が限定され、価格が高騰する。
【0009】
酸化スカンジウムは熱力学的に大変安定な酸化物であり、そのままでは還元されない。従って、通常、(化1)及び(化2)にしたがって還元されている。
(化1)Sc



+ 6NH

HF

→ 2ScF

+ 6NH

F + 3H


(化2)2ScF

+ 3Ca → 2Sc + 3CaF

この技術を発展させた技術の開示がある(例えば、特許文献1を参照。)。特許文献1では、密閉容器内に、アルミニウムやマグネシウムと共に、酸化スカンジウムやフッ化スカンジウムを入れ、さらには金属カルシウムを密閉容器内で1000℃に昇温して蒸気を発生させている。この金属カルシウム還元蒸気により酸化スカンジウムやフッ化スカンジウムを還元させてアルミニウムやマグネシウムとの合金化を達成している。
【0010】
また、アルミニウム、酸化スカンジウムを混ぜたペレットを作製し、アルミニウム或いはマグネシウムの溶湯に入れて合金とする方法が考えられている(例えば、特許文献2を参照。)。特許文献2の技術は、アルミニウムなどの軽金属に酸化スカンジウムなどの希土類酸化物を混ぜてペレット化している。さらには、アルミニウムやマグネシウムを溶融し、その溶湯にペレットを入れて還元反応させている。
(【0011】以降は省略されています)

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