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公開番号
2025097313
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-30
出願番号
2024220811
出願日
2024-12-17
発明の名称
アクリルアミド合成の反応モニタリングのためのヘッドスペース/ガスクロマトグラフィー
出願人
エスエヌエフ・グループ
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12P
13/02 20060101AFI20250623BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】アクリルアミド水溶液を生成するための改善された方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、アクリルアミド水溶液を生成するための方法であって、
(a)水と、ニトリルヒドラターゼ活性を有する少なくとも1種の生体触媒とを合わせて、スラリーを提供する工程と、
(b)前記スラリーを含む反応器内にアクリロニトリルを供給して、反応混合物を提供する工程と、
(c)オンラインGCにより前記反応混合物をモニタリングして、水素炎イオン化検出器、質量分析、熱伝導度検出器、電子捕獲検出器、窒素-リン検出器及び真空紫外検出器からなる群から選択されるいくつかの検出技術を用いて反応器のヘッドスペース内のアクリロニトリルの濃度を測定する工程と
を含む、方法に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
アクリルアミド水溶液を生成するための方法であって、
(a)水と、ニトリルヒドラターゼ活性を有する少なくとも1種の生体触媒とを合わせて、スラリーを提供する工程と、
(b)前記スラリーを含む反応器内にアクリロニトリルを供給して、反応混合物を提供する工程と、
(c)オンラインGCにより前記反応混合物をモニタリングして、水素炎イオン化検出器、質量分析、熱伝導度検出器、電子捕獲検出器、窒素-リン検出器及び真空紫外検出器からなる群から選択されるいくつかの検出技術を用いて反応器のヘッドスペース内のアクリロニトリルの濃度を測定する工程と
を含む、方法。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
反応器ヘッドスペース内のアクリロニトリルの検出濃度に基づいて、(i)アクリロニトリル供給速度、(ii)水の量、(iii)少なくとも1種の生体触媒及び/若しくはその量、又は(iv)温度及び/若しくはpHのうちの1つ又は複数が反応プロセス中に調節される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
サンプリングループコンプレッサが、GCオンラインシステムに接続された温度制御ループではない、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
アクリロニトリルの濃度が、0~15000ppmvの範囲内であり、少なくとも±100ppmv、より特定すると少なくとも±50ppmvの精度で反応器のヘッドスペースからオンラインGCにより測定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
アクリロニトリルの濃度が、0~5000ppmvの範囲内であり、少なくとも±50ppmv、より特定すると少なくとも±10ppmvの精度で反応器のヘッドスペースにおいてGCオンラインにより測定される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
アクリロニトリルの濃度が、0~300ppmvの範囲内であり、少なくとも±10ppmvの精度で反応器のヘッドスペース分光法においてGCオンラインにより測定される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
反応器のヘッドスペースにおいてGCにより測定されるアクリロニトリルの残留濃度が、最大で1000ppmv、最大で500ppmv、最大で150ppmv、又はより特定すると最大で50ppmvである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
- アクリロニトリル供給速度が、プロセス中に調節され、それにより反応器ヘッドスペース内のアクリロニトリル蓄積を制御し、
- 反応器に供給されるアクリロニトリルの総量の38%~48%が、反応器へのアクリロニトリルの供給の開始から0分以上60分以内にわたる期間供給される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
反応器が、半バッチ反応器、マイクロ反応器、連続反応器、直列の連続反応器、又は直列の撹拌槽反応器である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
- 生体触媒が、反応混合物m
3
当たり0.0001~0.2kgの乾燥細胞を含み、
- 生体触媒が、ロドコッカス(Rhodococcus)、アスペルギルス(Aspergillus)、アシドボラックス(Acidovorax)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)、バシラス(Bacillus)、ブラジリゾビウム(Bradyrhizobium)、バークホルデリア(Burkholderia)、エシェリキア(Escherichia)、ジオバチルス(Geobacillus)、クレブシエラ(Klebsiella)、メソリゾビウム(Mesorhizobium)、モラクセラ(Moraxella)、パントエア(Pantoea)、シュードモナス(Pseudomonas)、リゾビウム(Rhizobium)、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)、セラチア(Serratia)、アミコラトプシス(Amycolatopsis)、アルスロバクター(Arthrobacter)、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、ミクロバクテリウム(Microbacterium)、ミクロコッカス(Micrococcus)、ノカルジア(Nocardia)、シュードノカルジア(Pseudonocardia)、トリコデルマ(Trichoderma)、ミロテシウム(Myrothecium)、アウレオバシジウム(Aureobasidium)、カンジダ(Candida)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、デバリオマイセス(Debaryomyces)、ゲオトリクム(Geotrichum)、ハンセニアスポラ(Hanseniaspora)、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)、ピキア(Pichia)、ロドトルラ(Rhodotorula)、コモモナス(Comomonas)、及びパイロコッカス(Pyrococcus)からなる群から選択される細菌であり、より好ましくは、生体触媒が、ロドコッカス(Rhodococcus)、シュードモナス(Pseudomonas)、エシェリキア(Escherichia)及びジオバチルス(Geobacillus)からなる群から選択される、又は上記のいずれかの少なくとも2種の組合せである、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、アクリルアミド合成の分野に関し、より詳細には、オンラインGCと呼ばれる、反応器ヘッドスペースにおけるガスクロマトグラフィー(GC)によるアクリルアミド合成の反応モニタリングに関する。したがって、本開示は、生体触媒の存在下で水溶液中でアクリロニトリルを加水分解することによりアクリルアミド水溶液を生成するための方法に関し、方法は、オンラインGCによるアクリルアミド合成反応のインラインモニタリングを含む。本開示はまた、一般に、前記方法により得ることができるアクリルアミド水溶液、及びポリアクリルアミドの合成のためのその使用に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
アクリルアミド(AM)は1950年代中頃から市販されており、アクリルアミド市場はそれ以降徐々に成長している。アクリルアミドは、主にポリアクリルアミドの生成において使用され、これは、水処理、油及びガス回収、製紙産業、並びに採鉱プロセスを含む多くの用途で使用されている。アクリルアミドは、触媒の存在下での加水分解反応により、アクリロニトリル(ACN)から生成される。
【0003】
従来、アクリルアミドの生成は、化学触媒プロセス、すなわち硫酸触媒水和反応、又は徐々に硫酸プロセスに置き換わった銅触媒水和に基づいていた。1980年代には、酵素触媒アクリルアミド生成プロセスが開発された。従来のプロセスとは対照的な利点は、低い反応温度、大気圧の動作圧力、完全変換、低い副生成物選択性、及び容易な下流処理である。
【0004】
微生物には、ニトリラーゼ及びニトリルヒドラターゼ(NHase)経路の2種類のニトリル分解代謝経路が存在する。これらの反応には、ニトリラーゼ、(NHase)、及びアミダーゼの3種の異なる酵素が関与する。
【0005】
ニトリラーゼは、直接ニトリルから対応するカルボン酸及びアンモニア生成物への加水分解反応を触媒する。NHase経路では、NHaseは最初にニトリルを対応するアミド生成物に加水分解する。アミダーゼの存在下で、アミドは更に対応する酸及びアンモニア生成物に変換され得る。生体触媒、例えばニトリルヒドラターゼの存在下でアクリロニトリルからアクリルアミドを生成するための方法が、多くの特許公開に記載されている。そのような反応のモニタリング、すなわち、そのようなプロセスにおけるアクリロニトリル及びアクリルアミド、並びに副生成物(例えばアクリル酸)を含む反応成分の濃度を、例えばHPLCベース検出方法を使用して測定するためのモニタリングもまた知られている。
【0006】
残留アクリロニトリル含有量は、アクリロニトリルからアクリルアミドへの生物変換後に可能な限り低くなるべきである。残留アクリロニトリルは、アクリロニトリル品質(不純物プロファイル)及び生物変換のための酵素濃度に依存する。アクリロニトリルのオフラインモニタリングは、酵素の過剰投入を引き起こし得る。実際に、操作者は、生成ユニットの適合性、安全性及び環境仕様を優先する。過度に低い酵素濃度は、可燃性リスクを引き起こす生成反応器内又は最終生成物中のより高いアクリロニトリル濃度、並びに環境問題をもたらし得る。結果として、アクリルアミド水溶液は、一般に、酵素の過剰投入により生成され、長期アクリルアミド安定性(自己重合リスク)及び全体的品質に影響し、濁度、色修正、副生成物の発生等の問題を伴い、重合に関して低品質グレードのアクリルアミドをもたらす。酵素投入量は、追加的な後処理を必要とすることなく、最適でより安価なアクリルアミドの品質のために連続的に調節されなければならない。
【0007】
本開示の目的は、反応状態がガスクロマトグラフィー(GC)を使用してモニタリングされる、アクリルアミド水溶液を生成するための改善された方法を提供することである。オンラインガスクロマトグラフィー(オンラインGC)は、ガスヘッドスペース反応器分析の場合、特定の試料調製を必要としない分析技術である。この技術はまた、有機溶媒、クロマトグラフィーカラム、又は試薬等の消耗品及び予備部品の使用を低減する。GCはまた、従来の技術と比較してより高い頻度でのリアルタイム分析を提供する。オンラインGCシステムはまた、フーリエ変換赤外分光法(FTNIR)、中赤外分光法(MIR)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又はラマン分光法等の他のインライン又はオンライン技術と比較して、より高感度、正確及び再現性がある。GCによる分析期間は、前記技術と比較してより長いが、アクリルアミド合成反応速度論に直結している。したがって、オンラインGCモニタリングは、HPLC又はGC等の従来のオフライン実験技術と比較して、またMIR、ラマン又はFTNIR等のインライン技術と比較して、感度及び安定性、並びに製造能力の増加を提供する。
【0008】
GC技術は、化学物質をその揮発性及び化学的性質に従って分離するクロマトグラフィー技術である。GC検出器は、検体の濃度を測定する。例として、FID検出器は、化学物質の燃焼において放出されるイオンの原理に基づき、一方、MSは、イオン化粒子をその電荷及びそれぞれの質量(m/z)に従って分離する分析技術である。したがって、GCは、FTNIR、MIR又はラマン技術と比較して、水溶液又は有機溶液中及びガス中のいずれでも検体を測定するのにより好適である。これは、GCでは分離力が前記分光技術と比較してより低い感度でより高いためである。更に、GCは、質量分析が使用された場合、未知の化合物を同定することができ、分光技術と比較して干渉現象を制限する。
【0009】
オンラインGC技術は、代表的でない試料が分析器、又は例えば遮断現象により多くの情報を生成し得る長い光ファイバケーブルを使用する分光技術(例えばFTNIR)に入るHPLC等の他の技術と比較して、情報の仮説上の損失なしに、反応器から約20m以上の分析器の設置を可能にする。そのような環境においてオンラインGC技術を使用することにより、電気部品又は爆発防止機器を設ける必要がない。更に、この設置は反応器の相互接続を可能にし、合成プロセス全体にわたりデータを生成し得る。
【0010】
反応器のヘッドスペースのモニタリングは、試料のマトリックスからの制限に起因して、ヘッドスペースGC/FID技術による反応器の液体の分析と比較してより容易であり、より高い効率を示す。それらの制限は、試料の物理的特性(触媒等の不溶性材料の存在)に連結しており、無視できない重合リスクを呈する。そのような現象は、古典的なヘッドスペースGC(オフライン測定)により、又はFTNIR、ラマン若しくはMIR等の分光技術を使用することにより制限することが困難である。したがって、この分析は、分析中のバイアスを誘発し得、トラブルシューティングもまたこれらの技術の能力(頻度、精度、利用可能性)を低下させる可能性があり、これは、低いサンプリング頻度及び潜在的な酵素消費量の増加を暗に意味する。したがって、反応器ヘッドスペースにおけるオンラインGCは、前述の技術と比較して感度を増加させ、これによってより高い効率でプロセスを操作することができる。GC技術の使用はまた、検出前の化合物の分離を暗に意味し、したがってこれは、分光技術の使用によっては完全に排除することができない干渉のリスクを減少させる。アクリロニトリルのモニタリングにもかかわらず、他の揮発性化合物、例えばベンゼン、アクロレイン、メチルビニルケトン、オキサゾール、プロピオニトリル、及びアクリロニトリル原材料中に見出すことができる任意の他の揮発性分子もまた分析され得る。ガス中のアクリロニトリルの正確な定量を可能にするために、アクリロニトリルの透過管がシステムに設置され、これにより数学モデルの精度を毎日検証することができる。この検証のGC技術への結合は、他の技術と比較して低い不確実性で正確な定量を確実にしている。分光技術は、常に参照技術(液体又はガスのいずれかの従来のクロマトグラフィー)に基づく数学モデル(高度なケモメトリックアルゴリズム)を使用する。したがって、この異なる技術への参照は、より高い不確実性を有することを暗に意味する。これは、より良好な精度を確実にするオンラインGCを使用した場合当てはまらない。
(【0011】以降は省略されています)
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