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公開番号2025094520
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-25
出願番号2023210113
出願日2023-12-13
発明の名称架構の構築方法
出願人株式会社竹中工務店
代理人個人
主分類E04B 1/22 20060101AFI20250618BHJP(建築物)
要約【課題】プレストレスが付与されたRC造の小梁がRC造の一対の大梁の間に架設される架構の構築方法において、部材製作工程にて小梁をプレキャスト梁部材として製作して躯体構築工程の工期の短縮を図ることができながら、緊張力導入工程にて小梁に対して緊張力を導入する作業も効率良く行うことができる技術を提供する。
【解決手段】大梁1における小梁2が接続される大梁長さ方向Yの一部の大梁部分1Aと小梁2とを一体のプレキャスト梁部材3として製作する部材製作工程と、プレキャスト梁部材3の材軸方向Xの端面である大梁部分1Aの梁側面1fからPC鋼材に緊張力を導入して小梁2にプレストレスを付与する緊張力導入工程と、プレキャスト梁部材3を架構構築箇所に設置して大梁1と前記小梁2を構築する躯体構築工程とを行う。
【選択図】図2

特許請求の範囲【請求項１】
プレストレスが付与されたＲＣ造の小梁がＲＣ造の一対の大梁の間に架設される架構の構築方法であって、
前記大梁における前記小梁が接続される大梁長さ方向の一部の大梁部分と前記小梁とをプレキャストコンクリート製の一体のプレキャスト梁部材として製作する部材製作工程と、
前記プレキャスト梁部材の材軸方向の端面である前記大梁部分の梁側面からＰＣ鋼材に緊張力を導入して前記小梁にプレストレスを付与する緊張力導入工程と、
前記プレキャスト梁部材を架構構築箇所に設置して前記大梁と前記小梁を構築する躯体構築工程とを行う架構の構築方法。
続きを表示（約 500 文字）【請求項２】
前記躯体構築工程において、先行設置した大梁用底型枠に複数の前記プレキャスト梁部材の前記大梁部分を間隔を空けて載置し、
前記大梁用底型枠上において、隣り合う前記プレキャスト梁部材の前記大梁部分どうしの間の空間にコンクリートを打設する請求項１記載の架構の構築方法。
【請求項３】
前記部材製作工程において、一対の前記大梁の前記大梁部分と前記小梁とを一体の前記プレキャスト梁部材として製作し、
前記躯体構築工程において、先行設置した一対の大梁用底型枠に前記プレキャスト梁部材の両端部の大梁部分を載置する状態で、プレキャスト梁部材を一対の大梁用底型枠間に架け渡す請求項１又は２記載の架構の構築方法。
【請求項４】
前記部材製作工程において、前記プレキャスト梁部材の前記大梁部分の梁側面にスラブ筋を差込接続自在な被接続部材を埋め込む請求項１又は２記載の架構の構築方法。
【請求項５】
前記部材製作工程において、前記プレキャスト梁部材の幅を前記大梁部分と前記小梁とで同一に設定する請求項１又は２記載の架構の構築方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、プレストレスが付与されたＲＣ造（鉄筋コンクリート造）の小梁がＲＣ造の一対の大梁の間に架設される架構の構築方法に関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
上記のような架構は、ＲＣ造の一対の大梁の間に架設されるＲＣ造の小梁として、プレストレスが付与された小梁を採用することで、大梁の設置間隔が広くなる場合などにも好適に対応することが可能となっている。
このような架構を建設現場の躯体構築箇所で行う躯体構築工程にて構築する場合、プレストレスが付与された小梁を構築するのに、コンクリートの打設後にコンクリートの硬化を待ってプレストレスを付与する必要があるが、その分、小梁が接続される大梁の構築を始めるタイミングが遅れることになり、躯体構築工程が長期化する問題がある。
そこで、予め小梁をプレキャストコンクリート製のプレキャスト梁部材として製作サイト等で製作しておくことで、躯体構築工程の工期の短縮を図ることが提案されている（例えば特許文献１を参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２１－１６５４７２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記のような架構の構築方法では、小梁をプレキャスト梁部材として製作する部材製作工程と、プレキャスト梁部材の材軸方向の端面から小梁に緊張力を導入する緊張力導入工程と、プレキャスト梁部材を建設現場の躯体構築箇所に設置して大梁と小梁を構築する躯体構築工程とを行うことが考えられる。
しかしながら、この場合、部材製作工程にて製作されるプレキャスト梁部材の材軸方向の端面は、大梁の梁側面に接続される小梁そのものの端面となるので、大梁と接続するための比較的大径の多数の主筋が突設されることになる。そのため、緊張力導入工程では、プレキャスト梁部材の端面から突出する多数の主筋が邪魔となって緊張力を導入する作業が効率良く行えないという問題がある。
【０００５】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、プレストレスが付与されたＲＣ造の小梁がＲＣ造の一対の大梁の間に架設される架構の構築方法において、部材製作工程にて小梁をプレキャスト梁部材として製作して躯体構築工程の工期の短縮を図ることができながら、緊張力導入工程にて小梁に対して緊張力を導入する作業も効率良く行うことができる技術を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の第１特徴構成は、プレストレスが付与されたＲＣ造の小梁がＲＣ造の一対の大梁の間に架設される架構の構築方法であって、
前記大梁における前記小梁が接続される大梁長さ方向の一部の大梁部分と前記小梁とをプレキャストコンクリート製の一体のプレキャスト梁部材として製作する部材製作工程と、
前記プレキャスト梁部材の材軸方向の端面である前記大梁部分の梁側面からＰＣ鋼材に緊張力を導入して前記小梁にプレストレスを付与する緊張力導入工程と、
前記プレキャスト梁部材を架構構築箇所に設置して前記大梁と前記小梁を構築する躯体構築工程とを行う点にある。
【０００７】
本構成によれば、部材製作工程にて製作されるプレキャスト梁部材の材軸方向の端面は、大梁における小梁が接続される梁長さ方向の一部である大梁部分の梁側面（大梁部分の小梁とは反対側の梁側面）となる。当該大梁部分では、小梁の主筋が内部に定着されるものの、それら小梁の主筋は大梁部分を貫通して反対側の梁側面に突出するものではないので、緊張力導入工程において、大梁部分の梁側面から、小梁の主筋に邪魔されることなく緊張ジャッキ等を用いて緊張力を作業性良く導入することが可能となる。
したがって、部材製作工程にて小梁をプレキャスト梁部材として製作して躯体構築工程の工期の短縮を図ることができながら、緊張力導入工程にて小梁に対して緊張力を導入する作業も効率良く行うことができる。
【０００８】
本発明の第２特徴構成は、前記躯体構築工程において、先行設置した大梁用底型枠に複数の前記プレキャスト梁部材の前記大梁部分を間隔を空けて載置し、
前記大梁用底型枠上において、隣り合う前記プレキャスト梁部材の前記大梁部分どうしの間の空間にコンクリートを打設する点にある。
【０００９】
本構成によれば、大梁用底型枠上において、隣り合うプレキャスト梁部材の大梁部分どうしの間の空間にコンクリートを打設することで、プレキャスト梁部材の大梁部分以外の部分で小梁を構築しながら、隣り合うプレキャスト梁部材の大梁部分とそれらを繋ぐコンクリート打設部分とで大梁を構築することができる。
【００１０】
本発明の第３特徴構成は、前記部材製作工程において、一対の前記大梁の前記大梁部分と前記小梁とを一体の前記プレキャスト梁部材として製作し、
前記躯体構築工程において、先行設置した一対の大梁用底型枠に前記プレキャスト梁部材の両端部の大梁部分を載置する状態で、プレキャスト梁部材を一対の大梁用底型枠間に架け渡す点にある。
（【００１１】以降は省略されています）

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