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公開番号2025089845
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-16
出願番号2023204755
出願日2023-12-04
発明の名称超音波疲労試験による鋼材中の最大介在物径の予測方法
出願人山陽特殊製鋼株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G01N 33/2045 20190101AFI20250609BHJP(測定;試験)
要約【課題】鋼材中に低頻度で存在する比較的大型の非金属介在物について、迅速に、低コストかつ精度良く検出することができ、それを利用して鋼中の最大介在物径が予測可能な介在物評価方法の提供。
【解決手段】評価対象の鋼材から危険体積400mm3以上の試験片を複数本採取し、これらの試験片に水素をチャージした後、次いで各試験片に超音波振動による応力を負荷して試験片を破断させ、破断された各試験片の破面の破壊起点である非金属介在物の直径を測定し、各試験片について測定された非金属介在物径から極値統計分布を求め、この極値統計分布より試験片より大きな体積中に存在する最大の非金属介在物径を予測する超音波疲労試験による鋼材中の最大介在物径の予測方法。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
評価対象の鋼材から危険体積400mm
3
以上の試験片を複数本採取し、これらの試験片に水素をチャージした後、次いで各試験片に超音波振動による応力を負荷して試験片を破断させ、破断された各試験片の破面の破壊起点である非金属介在物の直径を測定し、各試験片について測定された非金属介在物径から極値統計分布を求め、この極値統計分布より試験片より大きな体積中に存在する最大の非金属介在物径を予測する超音波疲労試験による鋼材中の最大介在物径の予測方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
超音波疲労試験における試験片への負荷応力を550MPa以上としたことを特徴とする請求項1に記載の超音波疲労試験による鋼材中の最大介在物径の予測方法。
【請求項3】
超音波疲労試験における試験片への負荷応力を600MPa以上としたことを特徴とする請求項1に記載の超音波疲労試験による鋼材中の最大介在物径の予測方法。
【請求項4】
超音波疲労試験における試験片への負荷応力を650MPa以上としたことを特徴とする請求項1に記載の超音波疲労試験による鋼材中の最大介在物径の予測方法。
【請求項5】
前記の試験片に水素をチャージする手段が、電解溶液中で試験片を陰極とした電気分解による電解チャージを行う方法であり、
さらに電解溶液の温度が20℃以上80℃以下であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の超音波疲労試験による鋼材中の最大介在物径の予測方法。
【請求項6】
試験片は、該試験片の長手方向における中央に平行部を有しており、
水素チャージを実施する前に、前記平行部に対して試験片の採取時に生じる表面の突起を取り除く腐食処理を実施することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の超音波疲労試験による鋼材中の最大介在物径の予測方法。
【請求項7】
試験片は、該試験片の長手方向における中央に平行部を有しており、
水素チャージを実施する前に、前記平行部に対して試験片の採取時に生じる表面の突起を取り除く腐食処理を実施することを特徴とする請求項5に記載の超音波疲労試験による鋼材中の最大介在物径の予測方法。
【請求項8】
超音波疲労試験における試験片への負荷を、冷却を行いながら超音波の加振時間を120msec以上とした間欠試験により行うことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の超音波疲労試験による鋼材中の最大介在物径の予測方法。
【請求項9】
超音波疲労試験における試験片への負荷を、冷却を行いながら超音波の加振時間を120msec以上とした間欠試験により行うことを特徴とする請求項5に記載の超音波疲労試験による鋼材中の最大介在物径の予測方法。
【請求項10】
超音波疲労試験における試験片への負荷を、冷却を行いながら超音波の加振時間を120msec以上とした間欠試験により行うことを特徴とする特徴とする請求項6に記載の超音波疲労試験による鋼材中の最大介在物径の予測方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波疲労試験による鋼材中の最大介在物径の予測方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
軸受鋼等に供される高強度鋼では、鋼中に不可避的に含まれる非金属介在物を応力集中源とした疲労破壊を生じる場合がある。鋼中の介在物とは、主として鋼の製造工程で不可避的に生成され、除去されずに残ったものである。そして鋼の高清浄度化を担保するため、前述のような鋼中に存在する介在物の含有状況を精度よく評価する技術が望まれている。
【0003】
鋼中の介在物を評価する方法としては、様々な方法が提案されており、光学顕微鏡での観察と極値統計法を組み合わせた方法を用いて基準体積内の最大介在物径を予測する手法(例えば、非特許文献1参照)や、水素を侵入させた金属材料製の疲労試験片を用いてサーボ式疲労試験機で疲労破断させて起点となった介在物を観察し、それをもとに予測する方法(例えば、特許文献1参照)、さらには、超音波疲労試験を利用して介在物起点の破壊を生じさせてそれを観察することによる予測方法(例えば、特許文献2~4参照)などがある。
【0004】
ところで、鋼中に比較的大型の介在物が存在する頻度は低いため、鋼中に比較的大型の介在物が実際に含有されていた場合であっても、少量の試験片で清浄度を評価した場合は介在物が含まれにくいこととなって適切な評価ができず、その評価量よりも大きな体積を有する実部品が想定よりも短寿命で破損(短寿命はく離)に至る場合がありえる。軸受の短寿命はく離を抑制するためには、鋼中に比較的低頻度で存在する大型介在物の大きさを低減することが有効であるが、その前提としては大型介在物の存在を正しく捕捉し、鋼の状態を適切に評価しておくことが重要となる。
【0005】
しかしながら、光学顕微鏡での介在物観察に基づき極値統計法を利用して評価する方法(検鏡極値統計法)は二次元観察による評価方法であるため、それを観察範囲の介在物の平均厚みを考慮して評価体積に換算したとしても微少な量に過ぎず、したがって短寿命はく離を引き起こす比較的大型の介在物を見つけ出せる確率はごく低く、そのうえコストもかかる方法であった。
【0006】
比較的大型の介在物を正しく評価するためには、試験片の危険体積内に大型の介在物が内包される確率を高くするために、試験片の危険体積を大きくとることが必要である。なお、危険体積とは試験片1本あたりの評価対象部位の体積を指す。そして、危険体積の大きい試験片を評価することが可能な試験方法として、油圧式のサーボ式疲労試験法が知られる。しかしながら、当該試験機の応力負荷の繰り返し速度は20Hz~1000Hz程度に過ぎず、繰り返し速度が遅いために、試験片の破断には長時間を要してしまう。
【0007】
これに対して、超音波疲労試験機を用いた方法は、応力負荷の繰り返し速度が20000Hzであり、繰り返し速度が非常に速いために、試験片の破断に要する時間を10分以下に短縮することができる。
【0008】
しかしながら、特許文献2~4に示された超音波疲労試験片は、その危険体積が総じて小さいものに限定されている。例えば、特許文献2では14.14mm
3
、特許文献3では33mm
3
、特許文献4では48.4mm
3
であり、危険体積がこの程度のサイズしかない超音波疲労試験片では、鋼中に低頻度で存在する大型の非金属介在物を評価することが困難である。
一方、特許文献5では、危険体積を400mm

以上とした大型の試験片が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2010-217076号公報
特開2009-281738号公報
特許第3944568号公報
特開2012-73059号公報
特開2020-34292号公報
【非特許文献】
【0010】
村上敬宜,「金属疲労 微小欠陥と介在物の影響」,養賢堂P112~124,(1993).
R.Takahashi;M.Shibuya. The maximum of planar sections of random spheares and its application to metallurgy. Annals of the Institute of Statistical Mathematics, Vol.48, No.1, P.127-144 (1998)
R.Takahashi; M.Shibuya. Prediction of maximum size in Wickesell's corpuscle problem. Annals of the Institute of Statistical Mathematics, Vol.50, No.2, P.361-377 (1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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