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公開番号2025089638
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-16
出願番号2023204374
出願日2023-12-04
発明の名称外用組成物
出願人日本ゼトック株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 8/20 20060101AFI20250609BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】安定性に優れかつ、使用感の良い流動性外用組成物を提供すること。
【解決手段】(A)無機塩粒子と、(B)ナノファイバーと、(C)両性界面活性剤又は(D)陰イオン性界面活性剤とを含有する、流動性外用組成物を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
（Ａ）無機塩粒子と、（Ｂ）ナノファイバーと、（Ｃ）両性界面活性剤又は（Ｄ）陰イオン性界面活性剤とを含有する、流動性外用組成物。
続きを表示（約 650 文字）【請求項２】
（Ｃ）両性界面活性剤及び（Ｄ）陰イオン性界面活性剤を双方とも含有する、請求項１に記載の流動性外用組成物。
【請求項３】
前記無機塩が、塩化ナトリウム及び／又は塩化マグネシウムである、請求項１又は２に記載の流動性外用組成物。
【請求項４】
（Ｂ）ナノファイバーが、セルロースナノファイバーである、請求項１又は２に記載の流動性外用組成物。
【請求項５】
（Ｃ）成分を含み、かつ（Ｃ）成分がヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン又はココアンホ酢酸ナトリウムである、請求項１又は２に記載の流動性外用組成物。
【請求項６】
（Ｄ）成分を含み、かつ（Ｄ）成分がテトラデセンスルホン酸ナトリウム又はラウロイルメチルタウリンナトリウムである、請求項１又は２に記載の流動性外用組成物。
【請求項７】
（Ｂ）成分の含有量が、流動性外用組成物全体に対して０．１～１０質量％である、請求項１又は２に記載の流動性外用組成物。
【請求項８】
（Ａ）成分の含有量が、流動性外用組成物全体に対して１～９０質量％である、請求項１又は２に記載の流動性外用組成物。
【請求項９】
回転式粘度計で測定される前記流動性外用組成物の粘度が１００，０００ｍＰａ・ｓ以下である、請求項１又は２に記載の流動性外用組成物。
【請求項１０】
請求項１又は２に記載の流動性外用組成物を含有する、皮膚用洗浄剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、外用組成物に関する。より具体的には、本発明は、無機塩粒子と、ナノファイバーと、両性界面活性剤又は陰イオン性界面活性剤とを含有する、流動性外用組成物に関する。
続きを表示（約 3,500 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、皮膚洗浄剤にスクラブ粒子を含有させた外用組成物は、身体や頭皮の洗浄剤として広く使用されている。当該外用組成物は、通常の洗浄成分による汚れ除去効果に加えて、スクラブ粒子を皮膚に擦りつけることより、古い角質および毛穴の汚れを除去する効果、マッサージ効果、皮膚をより柔らかくより良くする効果を有することを特徴とする。スクラブ粒子としては価格や安全性の観点から無機塩が広く用いられている。スクラブ粒子として無機塩を配合する場合、無機塩を飽和量より多く配合し、洗浄剤等の外用組成物から析出させる必要がある。しかしながら、無機塩は増粘剤や乳化状態を破壊し、外用組成物自体の分離や、外用組成物に含まれる別の成分の沈殿が生じる可能性があることから、無機塩が飽和状態にある安定性に優れた外用組成物を作ることは容易ではなかった。
特許文献１にて、塩化ナトリウム、アロエ液汁、界面活性剤を組み合わせることで、塩流体の安定性に優れ、皮膚上で伸びが良くなることが示されている。また、特許文献２では塩化ナトリウム、尿素、イオン性界面活性剤を組み合わせることで使用感が良くなることが示されている。特許文献３では、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー、セルロースＩ型の結晶化度を有さないカルボキシメチル化セルロース、及び無機塩（スクラブ粒子ではない）を組み合わせることで安定な分散体が得られることが示されている。
しかし、上記組成物はスクラブ粒子として無機塩を配合しつつ、安定性と良好な使用感を高いレベルで両立するには至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２００６－７６９９９号公報
特開２００２－１０５４８８号公報
特開２０２１－１４７５９５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明は、上記問題点を改善するために考案されたものであり、スクラブ粒子として無機塩の粒子を配合し、安定性に優れ、かつ、使用感の良い外用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明者らは、鋭意検討の末、無機塩粒子及びナノファイバーを配合し、かつ、特定の界面活性剤を配合することにより、安定性に優れ、塗り広げやすく、使用感に優れた外用組成物を提供できることを見出した。
本発明の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔１〕
（Ａ）無機塩粒子と、（Ｂ）ナノファイバーと、（Ｃ）両性界面活性剤又は（Ｄ）陰イオン性界面活性剤とを含有する、流動性外用組成物。
〔２〕
（Ｃ）両性界面活性剤及び（Ｄ）陰イオン性界面活性剤を双方とも含有する、前記〔１〕に記載の流動性外用組成物。
〔３〕
前記無機塩が、塩化ナトリウム及び／又は塩化マグネシウムである、前記〔１〕又は〔２〕に記載の流動性外用組成物。
〔４〕
（Ｂ）ナノファイバーが、セルロースナノファイバーである、前記〔１〕又は〔２〕に記載の流動性外用組成物。
〔５〕
（Ｃ）成分を含み、かつ（Ｃ）成分がヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン又はココアンホ酢酸ナトリウムである、前記〔１〕又は〔２〕に記載の流動性外用組成物。
〔６〕
（Ｄ）成分を含み、かつ（Ｄ）成分がテトラデセンスルホン酸ナトリウム又はラウロイルメチルタウリンナトリウムである、前記〔１〕又は〔２〕に記載の流動性外用組成物。
〔７〕
（Ｂ）成分の含有量が、流動性外用組成物全体に対して０．１～１０質量％である、前記〔１〕又は〔２〕に記載の流動性外用組成物。
〔８〕
（Ａ）成分の含有量が、流動性外用組成物全体に対して１～９０質量％である、前記〔１〕又は〔２〕に記載の流動性外用組成物。
〔９〕
回転式粘度計で測定される前記流動性外用組成物の粘度が１００，０００ｍＰａ・ｓ以下である、前記〔１〕又は〔２〕に記載の流動性外用組成物。
〔１０〕
前記〔１〕又は〔２〕に記載の流動性外用組成物を含有する、皮膚用洗浄剤。
【発明の効果】
【０００６】
本発明は、無機塩粒子及びナノファイバーを配合し、かつ、特定の界面活性剤を配合することにより、安定性に優れ、塗り広げやすく、使用感に優れた外用組成物を提供するものである。
【発明を実施するための形態】
【０００７】
ここで、発明を実施するための形態を詳説するが、以下で例示する好ましい態様やより好ましい態様等は、「好ましい」や「より好ましい」等の表現にかかわらず適宜相互に組み合わせて使用することができる。また、数値範囲の記載は例示であって、各範囲の上限と下限並びに実施例の数値とを適宜組み合わせた範囲も好ましく使用することができる。さらに、「含有する」又は「含む」等の用語は、「本質的になる」や「のみからなる」と読み替えてもよい。
【０００８】
［流動性外用組成物］
本発明の一態様である流動性外用組成物は、（Ａ）無機塩粒子と、（Ｂ）ナノファイバーと、（Ｃ）両性界面活性剤及び／又は（Ｄ）陰イオン性界面活性剤とを含有する、流動性外用組成物である。以下、それぞれ具体的に説明する。
【０００９】
（Ａ）無機塩粒子
ここで使用される無機塩粒子は、本発明の組成物において、皮膚のよごれや古い角質の除去を行なうと共に、マッサージ効果が得られるものである。このような無機塩粒子を、一般にスクラブ又はスクラブ粒子と呼ぶことがある。無機塩としては、粒子状となり得る限り、公知のあらゆる無機塩を使用することができるが、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、チオ硫酸塩等を挙げることができる。塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩；マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩を挙げることができる。好ましくは、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウムカリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムであり、より好ましくは塩化ナトリウムや塩化マグネシウムである。（Ａ）成分は、１種類又は複数種類を組み合わせて使用してもよい。
無機塩粒子の粒径は、ふるい分け法で測定した粒径が、例えば、０．０１ｍｍ～３ｍｍ、好ましくは０．０５～２ｍｍ、より好ましくは、０．１ｍｍ～１ｍｍが好適である。無機塩粒子の粒径が０．０１ｍｍ以上であれば、水又は湯に濡れた皮膚上ですぐに溶解するようなこともなく、また、十分なマッサージ効果を提供できる。無機塩粒子の粒径が３ｍｍ以下であれば、使用時にごつごつした違和感が感じられることもなく、肌を傷つけることもないので好ましい。
【００１０】
上記（Ａ）成分の含有量は、上記流動性外用組成物全体の質量に対して、例えば、１～９０質量％、好ましくは３～８０質量％、より好ましくは１０～７５質量％、さらに好ましくは２５～７０質量％である。（Ａ）成分の含有量を当該範囲内とすることにより、十分な効果を発揮することができる。特に、流動性外用組成物が溶媒を含む場合、無機塩の量が当該溶媒に対する飽和量よりも多く配合されることが好ましい。無機塩を溶媒の飽和量よりも多く配合することによって、流動性外用組成物から無機粒子が析出し、良好なスクラブ粒子としての効果が得られる。例えば、無機塩粒子が塩化ナトリウムであり、溶媒が水である場合、常温（２５℃±５℃）における塩化ナトリウムの水の溶解度３５．９２ｇ／水１００ｇを超える量の塩化ナトリウムを含む、より好ましくは、４０ｇ／水１００ｇを超える量、更に好ましくは５０ｇ／水１００ｇを超える量の塩化ナトリウムを含むことが適当である。
（【００１１】以降は省略されています）

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