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公開番号2025088891
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-12
出願番号2023203691
出願日2023-12-01
発明の名称空気軸受
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F16C 27/02 20060101AFI20250605BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】 ラジアルフォイル軸受の形式の空気軸受に於いて、波状に湾曲成形されたバンプフォイルを用いることなく、また、回転体の径方向の変位可能量ができるだけ小さく抑える。
【解決手段】 回転体を非接触に支持する軸受1は、円筒状内表面2aを画定したハウジング2と、その円筒状内表面の内側にて回転する回転体4を囲繞するように一様に湾曲し固定されたトップフォイル5と、ハウジングの円筒状内表面とトップフォイルの外周面の間にて円筒状内表面の周方向に沿って一様に湾曲され積層され、円筒状内表面に固定されている複数の介装フォイル6_1~6_3を含み、介装フォイルの各々が互いに異なるパターンにて切抜きされた部分dを有し、介装フォイルの面方向の各領域に於いて、介装フォイルの積層方向の少なくとも一層に切抜きされた部分が存在する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
回転体を非接触に支持するラジアルフォイル軸受であって、
円筒状内表面を有するハウジングと、
前記ハウジングと、その円筒状内表面の内側にて回転する前記回転体との間にて配置され、前記回転体を囲繞するように前記ハウジングの円筒状内表面の周方向に沿って一様に湾曲し、その周方向の一端が前記ハウジングの前記円筒状内表面に固定されたトップフォイルと、
前記ハウジングの前記円筒状内表面と前記トップフォイルの外周面の間にて配置され、前記ハウジングの円筒状内表面の周方向に沿って一様に湾曲され積層され、それらの周方向の一端が前記ハウジングの前記円筒状内表面に固定されている複数の介装フォイルであって、前記介装フォイルの各々が互いに異なるパターンにて切抜きされた部分を有し、前記介装フォイルの面方向の各領域に於いて、前記介装フォイルの積層方向の少なくとも一層に切抜きされた部分が存在する介装フォイルと
を含み、
前記回転体の回転時には、前記トップフォイルの外表面が拡径して前記介装フォイルの内表面に接触し、前記回転体が前記トップフォイルの内側にて非接触に径方向に支持される軸受。
続きを表示(約 230 文字)【請求項2】
請求項1の軸受であって、前記複数の介装フォイルに於いて、3層以上の前記介装フォイルが積層されている軸受。
【請求項3】
請求項1の軸受であって、前記回転体の回転時に於いて、前記トップフォイルの外表面が拡径して前記介装フォイルの内表面に接触したとき、前記トップフォイルに於いて、前記介装フォイルのうちの最も内側のフォイルの切抜きされた部分の存在する領域に面した部分がその他の部分よりも局所的に径方向外方に突出する軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジアル軸受の形式の空気軸受に係り、より詳細には、回転軸の周りをフォイルが囲繞しているフォイル軸受に係る。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
ラジアル軸受の形式の空気軸受であって、回転軸の周りをフォイルが囲繞している形態の軸受は、ターボチャージャ、ガスタービン、エアコンプレッサなどの種々の回転機械の軸状の回転体を回転可能に支持する軸受として利用される。そのような空気軸受(ラジアルフォイル軸受)の構造に於いては、典型的には、回転体が貫通するハウジングの円筒状の内面上にて、その全周に亙って、周方向に沿って波状に成形されたバンプフォイルが装着され、その内側の回転体との間にて、平板状のフォイルを回転体の全周を囲繞するように湾曲成形されたトップフォイルが配置される。そして、作動に於いては、回転体が回転すると、回転体の表面とトップフォイルとの間の圧力が高くなり(気体の膜が形成される。)、回転体が浮き上がって、トップフォイルと非接触に、径方向に於いて回転可能に支持され、一方、トップフォイルは、径方向に拡径し、その外周にて、バンプフォイルと接触することにより、弾性的に支持され、回転体外表面とトップフォイル内表面との間の隙間(軸受隙間)が調整される。そのようなバンプフォイルを用いた空気軸受の例として、例えば、特許文献1では、トップフォイルとバンプフォイルとの間に第二のトップフォイルを介装する一方で、トップフォイルをより柔軟に形成し、回転体の回転が低いときでもトップフォイルが容易に拡径して、回転体が容易に浮上できるようにし、高回転時には、トップフォイルが第二のトップフォイルに接触して、トップフォイルの剛性が高くなることで、トップフォイルの過剰な拡径を抑制するようにした構成が提案されている。特許文献2に於いては、軸受の軸方向に、二組の軸受が並んだ構成と、ハウジングの円筒内側(ジャーナルスリーブ)にフォイルを保持するキー溝が形成された構成とが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-172972
特開2016-133223
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の如きバンプフォイルを用いた空気軸受に於いて、バンプフォイルは、金属の薄板を均等に波状に交互に湾曲して成形されるが、かかる曲げ加工は相当に難しく、完成されたバンプフォイルに於いて、周方向及び軸方向に沿って径方向の弾性特性のばらつきを小さく抑制することが困難である。また、軸受の作動中に於いて、拡径したトップフォイルは、バンプフォイルに接触して弾性的に支持されるところ、波状に湾曲したバンプフォイルは、その波の振幅の二倍距離(山と谷との間の距離)だけ、弾性的に拡径可能であるので、回転体の径方向の変位可能量が比較的大きく、回転体の軸受の外にてブレードなどの構造物が取り付けられている場合、その構造物の径方向の先端がその径方向外方に存在するハウジングの内壁と接触しないように、構造物の径方向の先端とハウジングの内壁との間のクリアランス(チップクリアランス)も、バンプフォイルの拡径可能量に対応して大きめに取っておく必要がある、しかしながら、その場合、回転機械の作動効率の低下などが惹起されることがあるので、回転機械の作動効率の観点からは、チップクリアランスを小さくするべく、回転体の径方向の変位可能量はできるだけ小さく抑えられることが好ましい。
【0005】
上記の事情に鑑み、本発明の主な課題は、ラジアルフォイル軸受の形式の空気軸受に於いて、波状に湾曲成形されたバンプフォイルを用いることなく、また、回転体の径方向の変位可能量ができるだけ小さく抑えることができるようにすることである。
【0006】
この点に関し、本発明の発明者は、トップフォイルとハウジングの間に、波状に湾曲成形されたバンプフォイルと同様の機能が、薄い平板がハウジングの円筒状内面の周方向に沿って湾曲され積層された複数のフォイルであって、各フォイルが互いに異なるパターンにて切抜きされており、フォイルの各領域に於いて、フォイルの積層方向の少なくとも一層に切抜きされた部分が存在するフォイルにより達成でき、且つ、回転体の径方向の変位可能量が波状に湾曲成形されたバンプフォイルよりも小さくできることを見出した。本発明に於いては、この知見が利用される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、上記の課題は、回転体を非接触に支持するラジアルフォイル軸受であって、
円筒状内表面を画定したハウジングと、
前記ハウジングと、その円筒状内表面の内側にて回転する前記回転体との間にて配置され、前記回転体を囲繞するように前記ハウジングの円筒状内表面の周方向に沿って一様に湾曲し、その周方向の一端が前記ハウジングの前記円筒状内表面に固定されたトップフォイルと、
前記ハウジングの前記円筒状内表面と前記トップフォイルの外周面の間にて配置され、前記ハウジングの円筒状内表面の周方向に沿って一様に湾曲され積層され、それらの周方向の一端が前記ハウジングの前記円筒状内表面に固定されている複数の介装フォイルであって、前記介装フォイルの各々が互いに異なるパターンにて切抜きされた部分を有し、前記介装フォイルの面方向の各領域に於いて、前記介装フォイルの積層方向の少なくとも一層に切抜きされた部分が存在する介装フォイルと
を含み、
前記回転体の回転時には、前記トップフォイルの外表面が拡径して前記介装フォイルの内表面に接触し、前記回転体が前記トップフォイルの内側にて非接触に径方向に支持される軸受によって達成される。
【0008】
上記の構成に於いて、「回転体」は、既に触れた如く、ターボチャージャ、ガスタービン、エアコンプレッサなどの種々の回転機械の軸状の回転体であってよく、軸受の外にて径方向に延在したブレード等の構造が形成されていてよい。「ラジアルフォイル軸受」とは、ラジアル軸受の形式であって、平薄板を一様に湾曲して成るトップフォイルが、回転体の外面と軸受外周のハウジングの円筒状の内表面との間にて、回転体と間に適当な隙間を空けて、配置され、回転体が回転すると、回転体の外表面とトップフォイルの内表面との間に、くさび効果により圧力が発生し、トップフォイルが拡径すると共に、回転体がトップフォイルの内側にて浮上し、非接触に支持される空気軸受である。「ハウジング」は、回転機械に於ける回転体を回転可能に支持する基台となる部分であり、上記の如く、回転体を回転可能に受容する軸受面となる円筒状内表面を画定する。「トップフォイル」は、ラジアルフォイル軸受に於いて、通常に用いられる平薄板を一様に湾曲してなるフォイルであってよい。複数の積層された「介装フォイル」は、上記の如く、ハウジングの円筒状内表面にて、トップフォイルの外側に設けられ、従前のバンプフォイルに代えて設けられる。介装フォイルのそれぞれは、トップフォイルと同様に、平薄板を一様に湾曲してなるフォイルであるが、上記の如く、互いに異なるパターンにて切抜きされた部分を有し、介装フォイルが積層された状態に於いて、介装フォイルの面方向の各領域に於いて、介装フォイルの積層方向の少なくとも一層に切抜きされた部分が存在するよう構成される。
【0009】
上記の構成によれば、トップフォイルの内側で回転体が回転すると、従前の空気軸受の場合と同様に、回転体の外表面とトップフォイルの内表面との間にてくさび効果による圧力の高くなった空気膜が形成され、トップフォイルが拡径すると共に、回転体が浮上することとなる。そして、トップフォイルが介装フォイルに接触するところ、介装フォイルは、その全ての領域に於いて、積層されたフォイルのうちのいずれかの少なくとも一層にて切り抜かれている部分が存在するように積層されているので、その切り抜かれている部分に於いてトップフォイル又は積層された介装フォイルが弾性的に径方向に変位することとなり、トップフォイルを弾性的に支持する(従前の)バンプフォイルと同様の機能を奏することとなる。そして、本発明に於ける積層された介装フォイルの場合、各介装フォイルに於いて部分的に切り抜き加工するだけでよく、従前のバンプフォイルのように波状の湾曲成形加工が必要とないので、各介装フォイルの加工は、従前のバンプフォイルに比して大幅に容易となる。また、本発明による介装フォイルに於いて、回転体の回転中に於ける径方向への変位可能量は、切り抜かれた部分の形成された介装フォイルの厚み分となり、従前のバンプフォイルの波の振幅の二倍距離に比して、相当に小さくなるので、回転体の径方向の変位可能量ができるだけ小さく抑えられる点でも有利である。
【0010】
上記の本発明の軸受の構成に於いて、介装フォイルの積層数は、介装フォイルの強度を充分なものとするべく、3層以上であることが好ましい(ただし、軸受の重量が大きくしないように、層数は、過大とならないように選択されてよい。
(【0011】以降は省略されています)

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