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公開番号2025087305
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2023201868
出願日2023-11-29
発明の名称合成樹脂材締結用ネジ
出願人エントラスト株式会社
代理人個人
主分類F16B 39/282 20060101AFI20250603BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】 大きな緩みトルクが得られる、頭部に緩み止めを有する合成樹脂材締結用ネジを提供する。
【解決手段】 頭部にゆるみ止めを有する合成樹脂材締結用ネジであって、頭部の座面は逆皿状のテーパー状に形成され、座面の少なくとも外周部にはセレーションが形成され、係止物に締結したときに、セレーションの座面の最外周の部分が係止物の表面に当接され、セレーションの座面の最外周部近傍の部分が係止物に食い込むので、トルクロスが減少し大きな軸力が得られる。また、ネジを締めたとき、座面が平面状のものだと座面全体に力が分散されるが、テーパー状だと、最外周のリング状の部分だけに軸力による力が集中し、セレーションによる係止力が向上する。しかも、リング状の部分は最外周の位置にあるため軸心からの距離があり、大きな緩みトルクを得ることができた。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ネジを回転させるための工具係合部を備えた頭部と、前記頭部と一体に形成されたネジ部を備え、前記頭部にゆるみ止めを有する合成樹脂材締結用ネジであって、
前記頭部の座面は逆皿状のテーパー形状に形成され、
前記座面の少なくとも外周部には係止物方向に突出するセレーションが形成され、
前記セレーションは、円周方向に切断したとき断面が略鋸刃状であって、傾斜角度がネジの戻し方向側に大きく、締付け方向側に小さく形成され、
前記係止物は合成樹脂材で構成されていて、
前記合成樹脂材締結用ネジを前記係止物に締結したときに、前記セレーションの前記座面の最外周の部分が前記係止物の表面に当接され、前記セレーションの前記座面の最外周部近傍の部分が前記係止物に食い込むように構成されている
ことを特徴とする合成樹脂材締結用ネジ。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記座面の平面に対する角度が、3度以上で10度以下である
ことを特徴とする請求項1記載の合成樹脂材締結用ネジ。
【請求項3】
前記頭部の外径は、ネジの呼び径に対応する平座金の外径近傍である
ことを特徴とする請求項2記載の合成樹脂材締結用ネジ。
【請求項4】
前記セレーションは、軸心に対して放射状に延びる形状に形成されている
ことを特徴とする請求項3記載の合成樹脂材締結用ネジ。
【請求項5】
合成樹脂材締結用ネジは、塑性加工により形成したものにセレーションの部分を転写することにより製造されている
ことを特徴とする請求項4記載の合成樹脂材締結用ネジ。
【請求項6】
前記セレーションは、ネジの戻し方向側の傾斜角度が大きい係止面と締付け方向側の傾斜角度が小さい傾斜面を有していて、前記係止面と前記傾斜面の交わる角度が略90度に形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の合成樹脂材締結用ネジ。
【請求項7】
前記傾斜面は、少なくとも一部に係止物方向に膨出する円弧面を有している
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の合成樹脂材締結用ネジ。
【請求項8】
前記頭部は、略ナベ小ねじ形状のものに鍔が付いている形状である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の合成樹脂材締結用ネジ。
【請求項9】
前記頭部は、トラスネジ形状または略バインドネジ形状の頭部である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の合成樹脂材締結用ネジ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は合成樹脂材締結用ネジに関する。より詳細には、ネジの頭部に緩み止めを有する合成樹脂材締結用ネジに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子機器等の外筐がAS(アクリルニトリル・スチレン)樹脂やABS(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂等の合成樹脂材で構成されるようになっている。そして、この樹脂製の外筐を金属製のフレーム等に所定の締付けトルクで固定するとともに、電子機器等の輸送中等の振動や衝撃でネジが緩み、その結果緩みトルクが大きく低下しないような、合成樹脂材締結用ネジが求められていた。
【0003】
このようなネジとして従来から一般的には、セムスねじ(登録商標)と呼ばれる、ナベ小ねじにスプリングワッシャ(SW)と平座金(PW)が組み込まれた、座金組み込みネジ(またはSW+PW組込み小ネジ)が用いられている。この座金組み込みネジは、ねじ山を転造する前に座金等を組み込み、転造後に座金等が脱落しないようにしたものであり、手作業で座金等を組み込む手間がかからず、作業効率がよくなるものである。そして、ネジを締結したときにスプリングワッシャが圧縮されて緩み止めとなり、繰り返しネジを外したりする場所に向いているものである。なお、この座金組み込みネジは、JIS(日本産業規格 JIS B 1188:2017)にも規定されているものである。
【0004】
しかしながら、座金組み込みネジは、ネジ単体に対してスプリングワッシャや平座金は固定されておらず、平座金等はネジに組み込まれた範囲で動くことができる。また、平座金同士が重なってしまうことがある。そのため、例えば工場等で、座金組み込みネジをオートパーツフィーダーで姿勢を揃え供給しようとするときに、途中でオートパーツフィーダーに詰まってしまうことがあるという不都合があった。そのような理由で、座金組み込みネジではなく、ネジの頭部に緩み止めを有するネジが求められていた。
【0005】
このようなネジの頭部に緩み止めを有するネジとして、特許文献1にて開示された樹脂部材固着用ネジがある。この樹脂部材固着用ネジは、図1および図3で示される実施例に、座面にセレーションを有する十字穴付きタッピンねじであって、樹脂素材からなる部材にねじ山を切りながらねじ込まれ、樹脂部材を固着するためのネジが示されている。そして、18山のセレーションを有し、各セレーションは、ネジの締め付け方向に沿う前端側に位置し軸線と略平行に形成された係止面と、この係止面の頂点から締め付け方向に沿う後端側に向けて傾斜して形成された傾斜面とを有している。この係止面と傾斜面の位置関係を、一般的な座面にセレーションを有するネジと同様に向きを逆向きに構成すれば、ネジを締め付けるときは抵抗が少なく、締めた後では係止面が樹脂素材に食い込み緩み止めとして働くことになる。
【0006】
また、このようなネジとして、特許文献2にて開示されたボルトナットがある。このボルトナットは、ボルトの頭部下面またはこれの螺合するナット上面に、ネジ溝方向に沿って湾曲する複数本の突条を放射状に設けたものであり、この突条を、内側から外周側に向かって漸次高く形成してなるものである。このボルトナットを回転させ締め付けていくと、突条が相手材表面に食い込んでいく。ここで、突条は断面形状が略三角形状をなし、先端が尖っているので、大きな力で食い込む。そして、内側から外周側に向かって突条の高さが漸次高くなっているので、外周側に大きなトルクが働き、局部的に大きな力が加わり、更に深く食い込んで固定され、緩み止めとなるというものである。
【0007】
また、このようなネジの頭部に緩み止めを有するネジとして、非特許文献1にて開示されたフランジボルトがある。このフランジボルトは、十字穴付きの六角形状をした頭部の座面側に、フランジと呼ばれる円錐形の鍔がついたものである。この鍔の座面側には、ギザギザしたセレーションを有し、このセレーションが締結時に相手材に食い込むことで、緩み止め効果を向上させるというものである。また、鍔により相手材に座面が陥没することを防止している。なお、このセレーションの山の高さは、内周部より外周部の方が高くなっている。またなお、このフランジボルトではフランジと呼ばれる円錐形の鍔を有しているが、円錐形であるのは鍔の上面部だけであって、座面は平面状であり、この平面状の部分にセレーションが形成されているという構造を有している。
【0008】
そして、このようなネジとして、特許文献3にて開示されたばね性の鍔付きネジがある。このばね性の鍔付きネジは、ネジの頭部の下方周縁部に逆皿状のばね性のある鍔を一体に形成したものである。そして、この鍔が適度のバネ常数、たわみ量を得てばね性を発揮し、十分な締め付けトルクを得て緩みを防止するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開平7-217634号公報
実開昭55-140816号公報
実登第3133033号公報
【非特許文献】
【0010】
フランジボルト[令和5年9月10日検索]、インターネット〈https://www.amazon.co.jp/uxcell-フィリップス六角頭フランジボルト-304ステンレス鋼-六角プラスフランジヘッド-六角ボルト機械ネジ/dp/B0BZPFN2W7/ref=sr_1_1_sspa?crid=3GNZTOQPTQDG0&keywords=フランジボルト+m5×12&qid=1694292238&sprefix=フランジボルト+m5+12%2Caps%2C138&sr=8-1-spons&sp_csd=d2lkZ2V0TmFtZT1zcF9hdGY&psc=1〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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