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公開番号
2025085121
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-05
出願番号
2023198778
出願日
2023-11-24
発明の名称
コンクリート構造物構築方法
出願人
株式会社安藤・間
代理人
弁理士法人 武政国際特許商標事務所
主分類
E02D
29/02 20060101AFI20250529BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、必ずしも低発熱型セメントに頼ることなく外部拘束による温度ひび割れを抑制することができるコンクリート構造物構築方法を提供することである。
【解決手段】本願発明のコンクリート構造物構築方法は、外部拘束されるコンクリート構造物を構築する方法であって、計画工程と下層打込み工程、上層打込み工程を備えた方法である。このうち計画工程では、1リフト分の打込み範囲に対して打込み下層と打込み上層を設定するとともに、下層コンクリートの下層配合と上層コンクリートの上層配合を設定する。なお計画工程では、打込み後の下層コンクリートより打込み後の上層コンクリートの方が膨張するように、上層配合と下層配合を設定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
外部拘束されるコンクリート構造物を構築する方法であって、
1リフト分の打込み範囲を水平な材料境界面で2分することによって打込み下層と打込み上層を設定するとともに、該打込み下層に打ち込む下層コンクリートの下層配合と、該打込み上層に打ち込む上層コンクリートの上層配合と、を設定する計画工程と、
前記打込み下層に前記下層コンクリートを打ち込む下層打込み工程と、
前記打込み上層に前記上層コンクリートを打ち込む上層打込み工程と、を備え、
前記計画工程では、打込み後の前記下層コンクリートより打込み後の前記上層コンクリートの方が膨張するように、前記上層配合と前記下層配合を設定し、
膨張後の前記上層コンクリートが収縮するときに前記下層コンクリートに圧縮力を付与することによって、該下層コンクリートに係る温度ひび割れを抑制することができる、
ことを特徴とするコンクリート構造物構築方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記計画工程では、1リフト分の打込み範囲を水平な養生境界面で2分することによって養生下層と養生上層を設定するとともに、該養生下層の下養生手法と、該養生上層の上養生手法と、を設定し、
打込まれた1リフト分のコンクリートのうち、前記下養生手法によって前記養生下層を養生するとともに、前記上養生手法によって前記養生上層を養生するコンクリート養生工程を、さらに備え、
前記計画工程では、打込み後の前記下層コンクリートより打込み後の前記上層コンクリートの方が膨張するように、前記上養生手法と前記下養生手法を設定する、
ことを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造物構築方法。
【請求項3】
前記計画工程では、保温養生又は給熱養生を前記上養生手法として設定する、
ことを特徴とする請求項2記載のコンクリート構造物構築方法。
【請求項4】
前記計画工程では、冷却養生を前記下養生手法として設定する、
ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載のコンクリート構造物構築方法。
【請求項5】
前記計画工程では、前記下層配合よりもセメント量が増大するように、前記上層配合を設定する、
ことを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造物構築方法。
【請求項6】
前記計画工程では、前記下層配合よりも熱膨張係数が大きな骨材を含むように、前記上層配合を設定する、
ことを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造物構築方法。
【請求項7】
前記計画工程では、石灰石を添加するように、前記下層配合を設定する、
ことを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造物構築方法。
【請求項8】
前記計画工程では、前記材料境界面、前記下層配合、及び前記上層配合からなる組み合わせを変えながら複数のケースでひび割れ指数を算出し、最小ひび割れ指数が最大となったケースに係る該材料境界面、該下層配合、及び該上層配合を設定する、
ことを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造物構築方法。
【請求項9】
前記計画工程では、前記養生境界面、前記下養生手法、及び前記上養生手法からなる組み合わせを変えながら複数のケースでひび割れ指数を算出し、最小ひび割れ指数が最大となったケースに係る該養生境界面、該下養生手法、及び該上養生手法を設定する、
ことを特徴とする請求項2記載のコンクリート構造物構築方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願発明は、外部拘束による温度ひび割れが生じやすいコンクリート構造物に関するものであり、より具体的には、1リフト分の打込み範囲に対して下層と上層を設定するとともに、下層と上層で配合や養生手法を変えてコンクリートを打ち込むコンクリート構造物構築方法に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
コンクリートは鋼材とともに最も重要な建設材料のひとつであり、ダム、トンネル、橋梁といった土木構造物や、集合住宅、オフィスビルなどの建築構造物をはじめ、様々な構造物に用いられている。このコンクリート構造物は、あらかじめ工場等で製作されて所定の場所まで運搬されることもあるが、土木構造物や建築構造物の場合、所定の場所(現場)で直接構築されることが多い。いずれにしろ、セメントと水、骨材等を練り混ぜた状態のコンクリート(フレッシュコンクリート)を型枠の中に打込み、コンクリートの硬化を待って型枠を外すことでコンクリート構造物は構築される。
【0003】
上記のとおり、コンクリートは時間の経過とともに硬化していく材料であり、時間の経過に応じてコンクリートの水和反応により内部温度が上昇するとともに、その強度も上がり、弾性係数も向上していく材料である。ところで、フレッシュコンクリートから硬化した状態のコンクリートになる過程で、あるいは硬化後に構造物として供用されている間に、ひび割れが発生することがある。コンクリートのひび割れには、構造物の用途に影響を与えない無害なものもあるが、一方でその用途に重大な影響を及ぼす有害なひび割れもある。そのため、ひび割れが発生する原因や機構については解明されている部分も多く、その対策に関しても様々な手法が採用されている。
【0004】
ひび割れの種類はその発生原因によって分けられ、さらにコンクリート硬化前の原因と硬化後の原因で大別される。硬化前の原因としては、型枠の移動やセメントの異常凝結によって生じる「初期ひび割れ」、養生中における表面の急速乾燥によって生じる「プラスチック収縮ひび割れ」等が挙げられる。一方、硬化後の原因としては、水分損失に伴うセメントゲルの収縮によって生じる「乾燥収縮ひび割れ」や、鉄筋の腐食やアルカリ骨材反応によって生じる「物理的・化学的なひび割れ」、過大な荷重の作用や構造物の沈下によって生じる「構造ひび割れ」等が挙げられる。
【0005】
また、比較的部材厚が大きなコンクリート構造物(いわゆる、マスコンクリート)では温度ひび割れが問題となることがある。この温度ひび割れは、内部拘束によって生ずるものと外部拘束によって生ずるものに大別され、それぞれひび割れが発生するまでの過程(メカニズム)が異なる。
【0006】
コンクリートは硬化する過程で水とセメントの反応が起こるが、その際、水和熱が発生するためコンクリートの温度は時間とともに上昇する。ところが、外気温が低温であれば、コンクリートの表面温度は、外気への放熱(熱伝達)によってコンクリート表面に近い部分(外周部)はそれほど大きく温度上昇することはない。その結果、コンクリートの内部と外周部で顕著な温度差が生じ、内部では熱膨張するのに対して外周部ではそれほど熱膨張しないため、外周部に引張力が作用する。この引張力によって発生するのが、内部拘束による温度ひび割れである。
【0007】
一方、コンクリートが所定の温度まで達すると今度は温度降下に転じ、温度降下に伴いコンクリートは全体的に熱収縮しようとする。この所定の温度(水和熱のピーク)に達する時期に、コンクリートは塑性状態から弾性状態へと変化する。このため、既設コンクリートなどと接しているところでは、拘束状態となっており自由に収縮することができない。この結果、コンクリートのうち特に外部に拘束された部分には引張力が作用する。この引張力によって発生するのが、外部拘束による温度ひび割れである。なお、外部拘束による温度ひび割れは、躯体を貫通するひび割れとなることもあり、その場合は構造物の耐久性に影響を及ぼす有害なひび割れとなる。
【0008】
このように、内部拘束による温度ひび割れと外部拘束による温度ひび割れでは発生メカニズムが異なるものの、セメントの水和熱によって起こるコンクリートの温度上昇が原因である点では共通している。そこで温度ひび割れ対策としては、コンクリートの温度上昇を抑制する手法が主流となっている。例えば設計時の対策としては、水和熱の上昇を抑えることを目的に、低発熱型セメントの使用、セメント量の低減、水和熱を低減する混和剤の使用など、配合設計に工夫がなされる。あるいは、ひび割れが発生しても影響のない箇所にひび割れを誘導する目的で、ひび割れ誘発目地の設置を計画することもある。
【0009】
施工時の代表的な温度ひび割れ対策としては、プレクーリング、ポストクーリング、長期断熱養生が挙げられる。プレクーリングとは、打込み時のフレッシュコンクリートを冷却するもので、練り混ぜ水にフレーク状の氷を用いたり、ミキサやトラックアジテータにおける練り混ぜ中に液体窒素を噴射したり、種々の冷却方法が採用されている。
【0010】
ポストクーリングには、クーリングスロットなど躯体内部に温度拡散面を設けて自然冷却を促進する手法や、あらかじめ躯体内に敷設された薄肉鋼管などのクーリングパイプ内に冷却水を通水してコンクリートを冷却するパイプクーリングなどがある。このパイプクーリングは、コンクリート打込み後に低温の水や空気等を冷却管内に送り込む手法もある。
(【0011】以降は省略されています)
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