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公開番号
2025083327
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-30
出願番号
2024201919
出願日
2024-11-19
発明の名称
平衡移動アルキル化試薬(ETAC)を用いる単一ドメイン抗体フラグメント(VHH)の部位特異的コンジュゲーション
出願人
ミルテニー バイオテック ベー.フェー. ウント コー. カー・ゲー
,
Miltenyi Biotec B.V. & Co. KG
代理人
アインゼル・フェリックス=ラインハルト
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07K
1/13 20060101AFI20250523BHJP(有機化学)
要約
【課題】部位特異的であり、生理学的条件下で安定であり、しかもジスルフィド結合で見られるようなタンパク質凝集を起こしにくいコンジュゲーション方法の提供。
【解決手段】検出可能なラベルを持つポリペプチドを提供するための方法であって、前記ポリペプチドは少なくとも5つのアミノ酸を含み、そのうち、第1のアミノ酸はシステインであり、かつ少なくとも1つの第2のアミノ酸はセリン、スレオニン、チロシン、リジン、ヒスチジンおよびアルギニンからなる群より選択され、a)特定の試薬を与えることにより、第1のアミノ酸と第2のアミノ酸との間でマイケル付加を開始させる工程、b)2つの第2のアミノ酸間のマイケル付加生成物をレトロマイケル付加によって取り除くために、求核剤を加える工程を特徴とする方法である。
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【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
検出可能なラベルを持つポリペプチドを提供するための方法であって、前記ポリペプチドは少なくとも5つのアミノ酸を含み、そのうち、第1のアミノ酸はC(システイン)であり、かつ少なくとも1つの第2のアミノ酸はS(セリン)、T(スレオニン)、Y(チロシン)、K(リジン)、H(ヒスチジン)およびR(アルギニン)からなる群より選択され、
a)式(I)
TIFF
2025083327000009.tif
41
170
(I)
[式中、
R
1
=-ビオチン、チアミン、2~30アミノ酸のペプチド、6~100ヌクレオチドのオリゴヌクレオチド、-DBCO、DBCO、-N3,N3、-発蛍光団、-蛍光タンパク質
R
2
=置換または無置換芳香族残基
R
3
=H、F、NO
2
、炭素原子数1~5のアルキル
R
4
=直接結合、炭素原子数1~20の置換または無置換アルキル、アミンまたはアミド残基]
の試薬を与えることにより、第1のアミノ酸と第2のアミノ酸との間でマイケル付加を開始させる工程、
b)2つの第2のアミノ酸間のマイケル付加生成物をレトロマイケル付加によって取り除くために、求核剤を加える工程
を特徴とする、方法。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
少なくとも1つの第2のアミノ酸が前記ポリペプチドのC末端に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記求核剤が、ジチオスレイトール(DTT)、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、トリフェニルホスフィン(PPh
3
)、ヒドラジン(N
2
H
4
)、テトラキス(ジメチルアミノ)エチレン(TDAE)、メルカプトエタノール、ギ酸、トリクロロシラン(HSiCl
3
)、ホスフィン(PH
3
)、ジメチルスルフィドボラン(Me
2
S・BH
3
)、チオ酢酸、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン、トリ-n-ヘキシルホスフィン、アンモニア(NH
3
)、システイン、セレノシステイン、チオフェノール、グルタチオン(GSH)、ヨウ化物、メチルアミン、硫化水素からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記試薬が、式(II)
TIFF
2025083327000010.tif
45
170
(II)
[式中、
R
1
=-ビオチン、チアミン、2~30アミノ酸のペプチド、6~100ヌクレオチドのオリゴヌクレオチド、-DBCO、DBCO、-N3,N3、-発蛍光団
R
2
=置換または無置換芳香族残基
R
3
=H、F、NO
2
、炭素原子数1~5のアルキル
R
4
=直接結合、炭素原子数1~20の置換または無置換アルキル、アミンまたはアミド残基
R
5
=直接結合、炭素原子数1~20の置換または無置換アルキルまたはアミン残基
R
6
=直接結合、炭素原子数1~20の置換または無置換アルキルまたはアミン残基
R
7
=炭素原子数1~20の置換または無置換アルキル、カルボキシ、アミンまたはヒドロキシ残基]
を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記試薬が、式(III)
TIFF
2025083327000011.tif
45
170
(III)
[式中、
R
1
=-ビオチン、チアミン、2~30アミノ酸のペプチド、6~100ヌクレオチドのオリゴヌクレオチド、-DBCO、DBCO、-N3,N3、-発蛍光団
R
2
=置換または無置換芳香族残基
R
3
=H、F、NO
2
、炭素原子数1~5のアルキル
R
4
=直接結合、炭素原子数1~20の置換または無置換アルキル、アミンまたはアミド残基
R
6
=直接結合、炭素原子数1~20の置換または無置換アルキルまたはアミン残基
R
7
=炭素原子数1~20の置換または無置換アルキル、カルボキシ、アミンまたはヒドロキシ残基]
を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリペプチドのC末端に2~10個のヒスチジン単位(H)が設けられることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリペプチドが単一ドメイン抗体(VHH)、抗体フラグメントまたはフルサイズの抗体であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
CAR-アダプター分子において、細胞染色試薬において、細胞の分離/ラベル化/濃縮/枯渇プロセスにおいて、タンパク質精製において、および細胞活性化のために、ポリペプチドに検出可能なラベルを与えるための、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法の使用。
発明の詳細な説明
【背景技術】
【0001】
抗体およびその抗体フラグメント、例えばVHHは、免疫治療用生体分子の重要な一クラスである。VHHは、そのユニークな分子特性、例えば小さなサイズ、単純な折り畳み、および改良された組織浸透性ゆえに、新しい治療アプローチに向けて、その重要性を増している。VHHの潜在的新規用途の1つは、AdCAR(商標)T細胞と組み合わされるアダプター分子としてのそれらの使用である。
続きを表示(約 2,600 文字)
【0002】
したがってVHHは、そのような目的のために修飾またはタグ付けされる必要がある。1つのアプローチは、腫瘍細胞とCAR T細胞とを架橋して腫瘍細胞を死滅させるために、AdCAR(商標)T細胞によって認識されるよう、化学タグに、例えばいくつか例を挙げると、ビオチン、チアミン、ペプチド、DBCO、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)などに、化学的にコンジュゲートすることである。アダプター分子をAdCAR(商標)T細胞と一緒に使用すれば、投薬を制御することができ、その結果として安全性が確保される。というのも、これは、その必要が生じた場合には容易に取り除くことができ、患者へのリスクが最小限に抑えられるという特徴を持つからである。医薬品として適切であるために、アダプター分子の化学的コンジュゲーションは部位特異的であると共に、注射後の生理学的条件下で安定な、均一で明確に定義される生成物をもたらさなければならない。
【0003】
部位特異的コンジュゲーションが可能になりうる状況の1つは、操作されたシステインの組み込みである。しかし遊離のシステインは、生産中または精製中にタンパク質の凝集につながるジスルフィド結合を形成しうる。現在使用されているもう1つの戦略は、マレイミドに基づく遊離システインのコンジュゲーションである。このアプローチの制約は、マレイミドチオール付加物が、生理学的還元条件下で不安定な化学的コンジュゲーションを生成しうることである。ここで起こるレトロマイケル付加がもたらすであろうアダプター分子は、非機能的であり、コンジュゲートされたアダプター分子のエピトープをブロックする可能性がある[1,2]。
【0004】
単一ドメイン抗体フラグメントの部位特異的コンジュゲーションのための方法は、例えば操作されたシステインへのマレイミドの付加や、ソルターゼ反応など、数多く知られている[3]。
【0005】
例えば米国特許第11021544号明細書(B2)は、VHHを二量体化するためのETAC系(チオブリッジング(Thiobridging))の使用を開示している。ここでは、システイン部分を含むC末端伸長部を特徴とするVHHが、ETAC系(チオブリッジング)を介して連結されることで化学的に連結されたナノボディ二量体を生成し、診断薬、治療薬またはラベル化剤が導入される。
【0006】
さらに刊行物[5]は、試薬を使ったビスアルキル化によるコンジュゲーションが、マイケル反応に依存する付加-脱離反応によって平衡制御されうることを開示している。共有結合によるコンジュゲーションは、空間的に近い2つのアミノ酸(例えばジスルフィドに由来する2つのシステインチオールまたはC末端もしくはN末端hisタグ中の2つのヒスチジン)で起こる。
【0007】
刊行物[6]では、ETAC試薬によるHisタグの修飾によって複数の試薬の付加が起こる可能性が記述されている。Hisタグの修飾は、DTTのような強いマイケルドナーに対して安定ではない。コンジュゲートを安定化するために、導入されたETACリンカー中のケトンの還元が、トリアセトキシ水素化ホウ素を使って達成されるが、これはタンパク質の安定性とは両立しえないかもしれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
米国特許第11021544号明細書(B2)
【非特許文献】
【0009】
Baldwin,A.D.;Kiick,K.L.「Tunable Degradation of Maleimide-Thiol Adducts in Reducing Environments」Bioconjug.Chem.2011,22,1946-1953,doi:10.1021/BC200148V/SUPPL_FILE/BC200148V_SI_001.PDF
Baldwin,A.D.;Kiick,K.L.「Reversible Maleimide-Thiol Adducts Yield Glutathione-Sensitive Poly(Ethylene Glycol)-Heparin Hydrogels」Polym.Chem.2012,4,133-143,doi:10.1039/C2PY20576A
Schumacher,D.;Helma,J.;Schneider,A.F.L.;Leonhardt,H.;Hackenberger,C.P.R.「Nanobodies:Chemical Functionalization Strategies and Intracellular Applications」Angew.Chem.Int.Ed.Engl.2018,57,2314,doi:10.1002/ANIE.201708459
Peciak,K.;Laurine,E.;Tommasi,R.;Choi,J.W.;Brocchini,S.「Site-Selective Protein Conjugation at Histidine」Chem.Sci.2019,10,427-439,doi:10.1039/C8SC03355B
Cong,Y.;Pawlisz,E.;Bryant,P.;Balan,S.;Laurine,E.;Tommasi,R.;Singh,R.;Dubey,S.;Peciak,K.;Bird,M.;et al.「Site-Specific PEGylation at Histidine Tags」Bioconjug.Chem.2012,23,248-263,doi:10.1021/BC200530X/SUPPL_FILE/BC200530X_SI_001.PDF
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、部位特異的であり、生理学的条件下で安定であり、しかもジスルフィド結合で見られるようなタンパク質凝集を起こしにくいコンジュゲーション方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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