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公開番号2025083071
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2023196739
出願日2023-11-20
発明の名称冷凍装置、環境形成装置及び冷凍方法
出願人エスペック株式会社
代理人個人,個人
主分類F25B 1/00 20060101AFI20250523BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】蒸発器における着霜を抑制しつつ、より柔軟な運転を可能にする。
【解決手段】冷凍装置10は、圧縮機1、凝縮器2、膨張弁3、蒸発器4及び流量調整弁22がこの順に配置され、冷媒を循環させる冷凍回路15と、膨張弁3及び流量調整弁22を制御する弁制御部103と、蒸発器4での蒸発温度又は蒸発圧力の目標値を変更するための目標値変更部102と、を備える。弁制御部103は、目標値変更部102によって変更された目標値に基づいて膨張弁3及び流量調整弁22の一方を制御し、冷凍要求度又は冷却対象の温度に応じて膨張弁3及び流量調整弁22の他方を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器及び流量調整弁がこの順に配置され、冷媒を循環させる冷凍回路と、
前記膨張弁及び前記流量調整弁を制御する弁制御部と、
前記蒸発器での蒸発温度又は蒸発圧力の目標値を変更するための目標値変更部と、を備え、
前記弁制御部は、前記目標値変更部によって変更された目標値に基づいて前記膨張弁及び前記流量調整弁の一方を制御し、冷凍要求度又は冷却対象の温度に応じて前記膨張弁及び前記流量調整弁の他方を制御する、冷凍装置。
続きを表示（約 710 文字）【請求項２】
前記目標値変更部は、前記冷却対象の温度が第１温度のとき前記目標値を第１目標値に設定し、前記冷却対象の温度が前記第１温度よりも低い第２温度のとき前記目標値を前記第１目標値よりも低い第２目標値に設定するように構成されている、請求項１に記載の冷凍装置。
【請求項３】
前記弁制御部は、前記流量調整弁が全開の状態で、蒸発温度又は蒸発圧力が前記目標値変更部によって変更された目標値になるように前記膨張弁を制御する制御モードを有する、請求項１に記載の冷凍装置。
【請求項４】
前記圧縮機の吸入圧力を検出する圧力検出器を備え、
前記弁制御部は、前記圧力検出器の検出値が前記冷凍要求度に応じて設定される吸入圧力目標値になるように、前記膨張弁及び前記流量調整弁の前記他方を制御する、請求項１に記載の冷凍装置。
【請求項５】
環境室と、
前記環境室内を冷却するための請求項１から４の何れか１項に記載の冷凍装置と、
を備えている環境形成装置。
【請求項６】
圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器及び流量調整弁がこの順に配置され、冷媒を循環させる冷凍回路を備えた冷凍装置を用いた冷凍方法であって、
前記蒸発器での蒸発温度又は蒸発圧力の目標値を変更し、
前記変更された目標値に基づいて前記膨張弁及び前記流量調整弁の一方を制御し、
受付部が冷凍要求度又は冷却対象の温度に関する情報を受け取り、
前記受付部が受け取った冷凍要求度又は冷却対象の温度に応じて前記膨張弁及び前記流量調整弁の他方を制御する、冷凍方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、冷凍装置、環境形成装置及び冷凍方法に関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、下記特許文献１に開示されているように、冷凍回路において、蒸発器の下流側に圧力調整弁が設けられた冷凍装置が知られている。圧力調整弁は、バネ式の圧力調整弁であり、蒸発器での冷媒圧力を一定値以上に保つことができる。これにより、蒸発器のフィン部において氷結（フロスト）が発生することを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開平２－９７８６５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１に開示された圧力調整弁は、バネ式であって、蒸発器での冷媒圧力を一定値以上に保つために設けられている。このようなバネ式の圧力調整弁が蒸発器の下流側に設けられることにより、蒸発器での着霜を抑制することができる。一方で、圧力調整弁によって蒸発器での冷媒圧力が一定値以上に固定されてしまうため、特許文献１の冷凍装置では柔軟な運転ができないという問題がある。例えば、蒸発器を流れる室内空気の温度が高いときには、着霜の問題は生じにくいため、蒸発器での冷媒圧力を一定値以上に保つ必要はない。
【０００５】
そこで、本発明は、前記従来技術を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、蒸発器における着霜を抑制しつつ、より柔軟な運転を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
前記の目的を達成するため、本発明に係る冷凍装置は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器及び流量調整弁がこの順に配置され、冷媒を循環させる冷凍回路と、前記膨張弁及び前記流量調整弁を制御する弁制御部と、前記蒸発器での蒸発温度又は蒸発圧力の目標値を変更するための目標値変更部と、を備える。前記弁制御部は、前記目標値変更部によって変更された目標値に基づいて前記膨張弁及び前記流量調整弁の一方を制御し、冷凍要求度又は冷却対象の温度に応じて前記膨張弁及び前記流量調整弁の他方を制御する。
【０００７】
本発明に係る冷凍装置では、弁制御部が、蒸発器での蒸発温度又は蒸発圧力の目標値に基づいて膨張弁及び流量調整弁の一方を制御する。このとき、流量調整弁の開度が小さくなるように絞られるほど、蒸発器での蒸発温度又は蒸発圧力が高くなる傾向になるため、流量調整弁が設けられていない冷凍回路に比べ、蒸発温度（又は蒸発圧力）を高くすることができる。これにより、例えば冷却対象の温度がより低くなるように制御を行う場合でも、蒸発器に霜が付かない状態又は霜が付きにくい状態にできる。言い換えると、霜が付きにくい状態で冷却対象の温度がより低くなるように制御することが可能となる。なお、冷凍回路では、圧縮機によって得られる冷凍回路の高圧及び低圧間の差圧に対応する減圧度が、膨張弁及び流量調整弁によって得られる。
【０００８】
また、蒸発温度又は蒸発圧力の目標値を目標値変更部によって変更可能となっているため、蒸発温度又は蒸発圧力の目標値が固定されている場合に比べ、より柔軟な運転が可能となる。例えば蒸発温度又は蒸発圧力に基づいて膨張弁を制御する構成の場合では、例えば蒸発温度又は蒸発圧力の目標値がより高い値に変更されると、膨張弁の開度がより大きくなるように制御される。一方で、流量調整弁が冷凍要求度又は冷却対象の温度に応じて制御されるため、蒸発温度又は蒸発圧力が流量調整弁の開度の変化量に応じて変化することになる。このため、この変化した蒸発温度又は蒸発圧力に応じて膨張弁の開度がさらに調整されることになるため、蒸発温度又は蒸発圧力の変化が抑制される。このため、膨張弁及び流量調整弁により、蒸発温度又は蒸発圧力を目標値に調整しつつ、冷凍要求度又は冷却対象の温度に応じた所望の冷凍能力を発揮することができる。
【０００９】
一方、例えば蒸発温度又は蒸発圧力に基づいて流量調整弁を制御する構成の場合には、例えば蒸発温度又は蒸発圧力の目標値がより高い値に変更されると、流量調整弁の開度がより小さくなるように制御される。このとき、膨張弁は冷凍要求度又は冷却対象の温度に応じて制御されるため、蒸発温度又は蒸発圧力が膨張弁の開度の変化量に応じて変化することになる。このため、この変化した蒸発温度又は蒸発圧力に応じて流量調整弁の開度がさらに調整されることになるため、蒸発温度又は蒸発圧力の変化が抑制される。このため、膨張弁及び流量調整弁により、蒸発温度又は蒸発圧力を目標値に調整しつつ、冷凍要求度又は冷却対象の温度に応じた所望の冷凍能力を発揮することができる。また、蒸発温度（蒸発器の温度）により顕熱比を変えることができるため、例えば冷却対象空気の湿度を調整する場合に、所望の除湿能力を発揮することができる。
【００１０】
前記目標値変更部は、前記冷却対象の温度が第１温度のとき前記目標値を第１目標値に設定し、前記冷却対象の温度が前記第１温度よりも低い第２温度のとき前記目標値を前記第１目標値よりも低い第２目標値に設定するように構成されていてもよい。
（【００１１】以降は省略されています）

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