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公開番号2025079238
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-21
出願番号2023191810
出願日2023-11-09
発明の名称眼底画像処理装置および眼底画像処理プログラム
出願人国立大学法人北海道大学,学校法人東京理科大学
代理人個人
主分類A61B 3/14 20060101AFI20250514BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】眼底画像を処理することで、動静脈交叉現象の有無を高い精度で自動的に検出することが可能な眼底画像処理装置および眼底画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】眼底画像処理装置の制御部は、血管画像を処理することで、眼底画像において動脈と静脈が交叉している交叉部の少なくともいずれかを検出する。制御部は、眼底画像に写る静脈のうち、交叉部から離間した部位の画素情報である静脈画素情報を取得する。制御部は、眼底画像の交叉部のうち、動脈の輪郭線から静脈に沿って広がる領域を注目領域とし、眼底画像における注目領域内の画素情報を静脈画素情報と比較することで、交叉部において動静脈交叉現象が生じているか否かを判断する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
被検眼の眼底画像を処理する眼底画像処理装置であって、
前記眼底画像処理装置の制御部は、
眼底画像撮影装置によって撮影された、被検眼の眼底の血管を含む眼底画像を取得する眼底画像取得ステップと、
取得した前記眼底画像に含まれる動脈と静脈の血管画像を取得する血管画像取得ステップと、
前記血管画像を処理することで、前記眼底画像において動脈と静脈が交叉している交叉部の少なくともいずれかを検出する交叉部検出ステップと、
前記眼底画像に写る静脈のうち、前記交叉部から離間した部位の画素情報である静脈画素情報を取得する静脈画素情報取得ステップと、
前記眼底画像の前記交叉部のうち、動脈の輪郭線から静脈に沿って広がる領域を注目領域とし、前記眼底画像における前記注目領域内の画素情報を前記静脈画素情報と比較することで、前記交叉部において動静脈交叉現象が生じているか否かを判断する交叉現象判断ステップと、
を実行することを特徴とする眼底画像処理装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載の眼底画像処理装置であって、
前記制御部は、
前記血管画像に対して、少なくとも静脈の幅を細線化する細線化ステップをさらに実行し、
前記交叉部検出ステップでは、少なくとも静脈の幅が細線化された細線化画像を処理することで前記交叉部を検出することを特徴とする眼底画像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の眼底画像処理装置であって、
前記制御部は、
前記血管画像における少なくとも静脈に対して、血管が分岐する分岐点を検出し、検出した前記分岐点から分岐され、且つ各々が1本の線状に接続された複数の血管部分の各々を、異なる血管グループとして識別する血管グループ識別処理をさらに実行することを特徴とする眼底画像処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の眼底画像処理装置であって、
分岐せずに1本の線状に接続され、且つ2つの端部を有する血管部分を血管グループとした場合に、
前記制御部は、前記交叉部検出ステップにおいて、
静脈の前記血管グループの複数の端部のうち、2つの端部の間に動脈が存在する条件、および、2つの端部の各々が属する血管グループが異なる条件を共に満たす一対の端部の間を、前記交叉部として検出することを特徴とする眼底画像処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の眼底画像処理装置であって、
前記制御部は、前記眼底画像の領域のうち、外周部に位置する環状の領域を、前記交叉現象判断ステップにおいて動静脈交叉現象が生じているか否かを判断する対象の領域から除外することを特徴とする眼底画像処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の眼底画像処理装置であって、
前記制御部は、前記眼底画像の領域のうち、前記眼底画像に写る視神経乳頭を含む一部の領域を、前記交叉現象判断ステップにおいて動静脈交叉現象が生じているか否かを判断する対象の領域から除外することを特徴とする眼底画像処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の眼底画像処理装置であって、
前記制御部は、前記眼底画像のうち、前記血管画像上の太さが閾値以下の静脈を、前記交叉現象判断ステップにおいて動静脈交叉現象が生じているか否かを判断する対象の静脈から除外することを特徴とする眼底画像処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の眼底画像処理装置であって、
前記交叉現象判断ステップでは、前記制御部は、
前記眼底画像の前記交叉部のうち、動脈の一対の輪郭線から異なる方向に静脈に沿って広がる一対の領域の各々を注目領域とし、一対の前記注目領域の各々について別々に動静脈交叉現象が生じているか否かを判断することを特徴とする眼底画像処理装置。
【請求項9】
請求項1に記載の眼底画像処理装置であって、
前記制御部は、
前記眼底画像のうち、前記血管画像において静脈とされる位置の外部の画素情報である外部画素情報を取得する外部画素情報取得ステップをさらに実行し、
前記交叉現象判断ステップでは、前記眼底画像における前記注目領域内の画素情報を、前記静脈画素情報および前記外部画素情報と比較することで、前記交叉部において動静脈交叉現象が生じているか否かを判断することを特徴とする眼底画像処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の眼底画像処理装置であって、
前記交叉現象判断ステップでは、前記制御部は、
前記眼底画像における前記注目領域内の画素情報が、前記静脈画素情報および前記外部画素情報のいずれに近いかを判定し、
前記外部画素情報に近いと判定された度合いが閾値以上であるか否かによって、動静脈交叉現象が生じているか否かを判断することを特徴とする眼底画像処理装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、被検眼の眼底画像を処理する眼底画像処理装置、および、眼底画像処理装置において実行される眼底画像処理プログラムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
眼底を観察することで、生体の血管の状態を非侵襲で把握することが可能である。眼底の網膜は非常に薄いので、網膜内において動脈と静脈が交叉している交叉部では、動脈と静脈の各々の外側の層が共有されている。動脈硬化が起こると、交叉部において動脈が静脈を押し潰す結果、動脈硬化が起こっていない場合に比べて、眼底において観察される交叉部の静脈の状態が変化する動静脈交叉現象が生じる場合がある。従って、眼底における動静脈交叉現象の有無は、被検者の動脈硬化を診断する際の有用な指針となる。従来は、正面側から観察される交叉部の静脈が狭窄しているように見える場合に、動静脈交叉現象が生じていると判断することが一般的である。
【0003】
眼底画像を処理することで、眼底画像の交叉部における静脈の狭窄を自動的に検出することを目的とした技術も提案されている。例えば、特許文献1に記載の検出装置は、動脈と静脈の交叉部から離れた部位の静脈の外径と、交叉部に近い部位の静脈の外径の比を、交叉部における静脈の狭窄として算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-253485号公報
【発明の概要】
【0005】
本願の発明者が誠意検討した結果、動静脈交叉現象が生じている場合に観察される交叉部の静脈の状態は、狭窄状態のみに限定されないことが新たに判明した。例えば、動脈硬化によって、交叉部の静脈が眼底の深さ方向に押し潰されている場合には、静脈を正面側から観察しても狭窄しているように見えるとは限らない。従って、従来の方法では、動静脈交叉現象の有無を高い精度で自動的に検出することは困難であった。
【0006】
本開示の典型的な目的は、眼底画像を処理することで、動静脈交叉現象の有無を高い精度で自動的に検出することが可能な眼底画像処理装置および眼底画像処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示における典型的な実施形態が提供する眼底画像処理装置は、被検眼の眼底画像を処理する眼底画像処理装置であって、前記眼底画像処理装置の制御部は、眼底画像撮影装置によって撮影された、被検眼の眼底の血管を含む眼底画像を取得する眼底画像取得ステップと、取得した前記眼底画像に含まれる動脈と静脈の血管画像を取得する血管画像取得ステップと、前記血管画像を処理することで、前記眼底画像において動脈と静脈が交叉している交叉部の少なくともいずれかを検出する交叉部検出ステップと、前記眼底画像に写る静脈のうち、前記交叉部から離間した部位の画素情報である静脈画素情報を取得する静脈画素情報取得ステップと、前記眼底画像の前記交叉部のうち、動脈の輪郭線から静脈に沿って広がる領域を注目領域とし、前記眼底画像における前記注目領域内の画素情報を前記静脈画素情報と比較することで、前記交叉部において動静脈交叉現象が生じているか否かを判断する交叉現象判断ステップと、を実行する。
【0008】
本開示における典型的な実施形態が提供する眼底画像処理プログラムは、被検眼の眼底画像を処理する眼底画像処理装置によって実行される眼底画像処理プログラムであって、前記眼底画像処理プログラムが前記眼底画像処理装置の制御部によって実行されることで、眼底画像撮影装置によって撮影された、被検眼の眼底の血管を含む眼底画像を取得する眼底画像取得ステップと、取得した前記眼底画像に含まれる動脈と静脈の血管画像を取得する血管画像取得ステップと、前記血管画像を処理することで、前記眼底画像において動脈と静脈が交叉している交叉部の少なくともいずれかを検出する交叉部検出ステップと、前記眼底画像に写る静脈のうち、前記交叉部から離間した部位の画素情報である静脈画素情報を取得する静脈画素情報取得ステップと、前記眼底画像の前記交叉部のうち、動脈の輪郭線から静脈に沿って広がる領域を注目領域とし、前記眼底画像における前記注目領域内の画素情報を前記静脈画素情報と比較することで、前記交叉部において動静脈交叉現象が生じているか否かを判断する交叉現象判断ステップと、を前記眼底画像処理装置に実行させる。
【0009】
本開示に係る眼底画像処理装置および眼底画像処理プログラムによると、動静脈交叉現象の有無が、高い精度で自動的に検出される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
眼底画像処理装置1および眼底画像撮影装置11の概略構成を示すブロック図である。
眼底画像30と、眼底画像30に含まれる血管を示す血管画像40A,40Bの一例を示す図である。
眼底画像処理装置1が実行する眼底画像処理のフローチャートである。
血管画像40と、血管画像40に対して細線化処理が行われた細線化画像41と比較した図である。
本実施形態における血管の分岐点の検出方法を説明するための説明図である。
本実施形態における血管グループ53S,53T,53Uの識別方法を説明するための説明図である。
本実施形態における交叉部70の検出方法を説明するための説明図である。
静脈画素情報取得位置81の一例を血管画像40上で示す図である。
静脈画素情報取得位置81および外部画素情報取得位置82の一例を眼底画像30上で示す図である。
外部画素情報取得位置82の一例を血管画像40上で示す図である。
静脈端部位置521P,522P、基準直線BL、および探索ラインSLが設定された状態の一例を説明するための説明図である。
探索ラインSLが、図11に示す位置から基準直線BLに沿って静脈端部位置521Pまで移動された状態を説明するための説明図である。
探索ラインSLが、図12に示す位置から細線化静脈52Bに沿って移動された状態を説明するための説明図である。
本開示のアルゴリズムの検証結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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