TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025080104
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-23
出願番号2023193129
出願日2023-11-13
発明の名称バイオマーカ算出装置、粒子線治療システム、およびバイオマーカ算出方法
出願人株式会社日立製作所,国立大学法人北海道大学
代理人藤央弁理士法人
主分類A61N 5/10 20060101AFI20250516BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】放射線治療に対する介入の要否の判断を支援する。
【解決手段】バイオマーカ算出装置は、放射線治療計画情報と、放射線の照射による患者の免疫細胞数の影響を記録した免疫細胞数情報と、免疫細胞数の時間推移を予測するための予測モデルの定義情報と、を保持する。予測モデルは、患者の身体特性に関する内部パラメータを含む。バイオマーカ算出装置は、免疫細胞数情報を用いて、予測モデルの内部パラメータを決定し、放射線治療計画情報および予測モデルを用いて、放射線治療に伴う患者の免疫細胞数の時間推移を予測し、予測の結果に基づいて予後と相関のあるバイオマーカを算出する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
バイオマーカ算出装置であって、
演算装置および前記演算装置に接続される記憶装置を備え、
前記記憶装置は、放射線治療計画情報と、放射線の照射による患者の免疫細胞の数への影響を記録した免疫細胞数情報と、前記免疫細胞の数の時間推移を予測するための予測モデルの定義情報と、を格納し、
前記予測モデルは、前記患者の身体特性に関する内部パラメータを含み、
前記バイオマーカ算出装置は、
前記免疫細胞数情報を用いて、前記予測モデルの前記内部パラメータを決定し、
前記放射線治療計画情報および前記予測モデルを用いて、放射線治療に伴う前記患者の前記免疫細胞の数の時間推移を予測し、
前記予測の結果に基づいて予後と相関のあるバイオマーカを算出することを特徴とするバイオマーカ算出装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
請求項1に記載のバイオマーカ算出装置であって、
前記内部パラメータは、前記放射線の照射量に対する前記免疫細胞の生存割合を表す放射線感受性に関するパラメータを含むことを特徴とするバイオマーカ算出装置。
【請求項3】
請求項2に記載のバイオマーカ算出装置であって、
前記内部パラメータは、前記免疫細胞の生成速度に関するパラメータを含むことを特徴とするバイオマーカ算出装置。
【請求項4】
請求項2に記載のバイオマーカ算出装置であって、
前記免疫細胞数情報は、血液に含まれるリンパ球、白血球、好中球、赤血球、および血小板の少なくともいずれかの数と、検査日時とを含む検査データを含むことを特徴とするバイオマーカ算出装置。
【請求項5】
請求項1に記載のバイオマーカ算出装置であって、
前記予測の結果および算出された前記バイオマーカを提示するためのインタフェースを提供することを特徴とするバイオマーカ算出装置。
【請求項6】
粒子線治療システムであって、
患者に対して放射線を照射する粒子線治療装置、バイオマーカ算出装置、および表示装置を備え、
前記バイオマーカ算出装置は、放射線治療計画情報と、放射線の照射による前記患者の免疫細胞の数への影響を記録した免疫細胞数情報と、前記免疫細胞の数の時間推移を予測するための予測モデルの定義情報と、を保持し、
前記予測モデルは、前記患者の身体特性に関する内部パラメータを含み、
前記バイオマーカ算出装置は、
前記免疫細胞数情報を用いて、前記予測モデルの前記内部パラメータを決定し、
前記放射線治療計画情報および前記予測モデルを用いて、放射線治療に伴う前記患者の前記免疫細胞の数の時間推移を予測し、
前記予測の結果に基づいて予後と相関のあるバイオマーカを算出し、
前記表示装置は、前記バイオマーカの算出結果を表示することを特徴とする粒子線治療システム。
【請求項7】
バイオマーカ算出装置が実行するバイオマーカ算出方法であって、
前記バイオマーカ算出装置は、演算装置および前記演算装置に接続される記憶装置を有し、
前記記憶装置は、放射線治療計画情報と、放射線の照射による患者の免疫細胞の数への影響を記録した免疫細胞数情報と、前記免疫細胞の数の時間推移を予測するための予測モデルの定義情報と、を格納し、
前記予測モデルは、前記患者の身体特性に関する内部パラメータを含み、
前記バイオマーカ算出方法は、
前記バイオマーカ算出装置が、前記免疫細胞数情報を用いて、前記予測モデルの前記内部パラメータを決定するステップと、
前記バイオマーカ算出装置が、前記放射線治療計画情報および前記予測モデルを用いて、放射線治療に伴う前記患者の前記免疫細胞の数の時間推移を予測するステップと、
前記バイオマーカ算出装置が、前記予測の結果に基づいて予後と相関のあるバイオマーカを算出するステップと、を含むことを特徴とするバイオマーカ算出方法。
【請求項8】
請求項7に記載のバイオマーカ算出方法であって、
前記内部パラメータは、前記放射線の照射量に対する前記免疫細胞の生存割合を表す放射線感受性に関するパラメータを含むことを特徴とするバイオマーカ算出方法。
【請求項9】
請求項8に記載のバイオマーカ算出方法であって、
前記内部パラメータは、前記免疫細胞の生成速度に関するパラメータを含むことを特徴とするバイオマーカ算出方法。
【請求項10】
請求項8に記載のバイオマーカ算出装置であって、
前記免疫細胞数情報は、血液に含まれるリンパ球、白血球、好中球、赤血球、および血小板の少なくともいずれかの数と、検査日時とを含む検査データを含むことを特徴とするバイオマーカ算出方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線治療の予後を評価するためのバイオマーカの算出技術に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
キラーT細胞およびヘルパーT細胞を含むリンパ球は、人体の免疫システムを担う細胞であり、高い放射線感受性を備えることで知られている。放射線治療を受けた患者群のうち、血中のリンパ球数(absolute lymphocyte count:ALC)が大きく減少した患者群は、予後不良となることが複数報告されている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
こうした研究結果は、ALCを減らさないように放射線治療計画を立案することで、治療効果を改善できる可能性を示唆している。特許文献1にはリンパ球数減少の抑制を目的に、放射線被ばくによってALCに影響を与える部位をlymphocyte-related organ at risk(LOAR)とし、他のリスク臓器(organ at risk:OAR)と同様に線量制約を与える治療計画法が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
非特許文献2には、治療計画によって得られた線量指標、例えば、線量-体積ヒストグラム(dose-volume histgram:DVH)等を入力として、患者ごとに異なるリンパ球数の放射線感受性および回復速度などのパラメータを決定する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
米国特許出願公開第2023/0094681号明細書
【非特許文献】
【0006】
Houat YE. Meta-analysis and Critical Review: Association Between Radio-induced Lymphopenia and Overall Survival in Solid Cancers. Advances in Radiation Oncology. Published online 2023.
Jin JY, Mereniuk, et at., A framework for modeling radiation induced lymphopenia in radiotherapy. Radiother Oncol. 2020 Mar;144:105-113.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
リンパ球の放射線感受性は個人差があるため、照射する放射線量が同一の場合でも、リンパ球の数の減少度合い(リンパ球の生存割合)にはばらつきが生じる。つまり、特許文献1で得られたLOARの線量制約は、個々の患者にとっては必ずしも最適ではない可能性がある。そのためリンパ球の放射線感受性といった、生物学的な応答の個人差に適応する放射線治療が求められる。
【0008】
また、特許文献1の技術では、リンパ球数の減少の抑制効果が患者予後にどれだけの影響を与えるかを評価していないため、医師は治療介入の要否を判断することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。バイオマーカ算出装置であって、演算装置および前記演算装置に接続される記憶装置を備え、前記記憶装置は、放射線治療計画情報と、放射線の照射による患者の免疫細胞数の影響を記録した免疫細胞数情報と、免疫細胞数の時間推移を予測するための予測モデルの定義情報と、を格納し、前記予測モデルは、前記患者の身体特性に関する内部パラメータを含み、前記バイオマーカ算出装置は、前記免疫細胞数情報を用いて、前記予測モデルの前記内部パラメータを決定し、前記放射線治療計画情報および前記予測モデルを用いて、放射線治療に伴う前記患者の前記免疫細胞数の時間推移を予測し、前記予測の結果に基づいて予後と相関のあるバイオマーカを算出する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、治療介入の要否を判断するための情報として、患者予後と相関のあるバイオマーカを提示できる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社日立製作所
回転電機
12日前
株式会社日立製作所
軌条車両
13日前
株式会社日立製作所
制御装置
1か月前
株式会社日立製作所
電力変換装置
23日前
株式会社日立製作所
気体圧縮装置
9日前
株式会社日立製作所
エレベーター
23日前
株式会社日立製作所
エレベーター
23日前
株式会社日立製作所
乗客コンベア
23日前
株式会社日立製作所
電力変換装置
1か月前
株式会社日立製作所
乗客コンベア
23日前
株式会社日立製作所
電力変換装置
23日前
株式会社日立製作所
電力変換装置
1か月前
株式会社日立製作所
電力変換装置
23日前
株式会社日立製作所
電力変換装置
17日前
株式会社日立製作所
電力変換装置
1か月前
株式会社日立製作所
電力変換装置
1か月前
株式会社日立製作所
設計支援装置
3日前
株式会社日立製作所
電力変換装置
1か月前
株式会社日立製作所
エレベーター
23日前
株式会社日立製作所
水電解システム
16日前
株式会社日立製作所
鉄道車両用台車
4日前
株式会社日立製作所
エレベーター装置
23日前
株式会社日立製作所
軌道計画システム
12日前
株式会社日立製作所
作業支援システム
10日前
株式会社日立製作所
エレベーター装置
23日前
株式会社日立製作所
漏水検出システム
23日前
株式会社日立製作所
回路設計支援装置
5日前
株式会社日立製作所
ボルトの緩み検出装置
25日前
株式会社日立製作所
設計支援装置及び方法
6日前
株式会社日立製作所
巻上機及びエレベーター
23日前
株式会社日立製作所
診断装置および診断方法
9日前
株式会社日立製作所
電力変換装置の冷却構造
23日前
株式会社日立製作所
再生品販売支援システム
12日前
株式会社日立製作所
乗りかご及びエレベーター
12日前
株式会社日立製作所
外転型回転電機及び巻上機
6日前
株式会社日立製作所
乗り場ドア及びエレベーター
13日前
続きを見る