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公開番号2025076264
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2024093480
出願日2024-06-10
発明の名称洋上風力発電設備のスパー型浮体及びその建造方法
出願人戸田建設株式会社
代理人個人
主分類B63B 75/00 20200101AFI20250508BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】スパー型浮体を効率的にかつ低コストで建造できるようにするとともに、コンクリートの温度ひび割れや曲げひび割れなどの問題も一挙に解決する。
【解決手段】スパー型浮体4は、下半側は外周を覆う外殻鋼部材10の内面側に所定厚でコンクリートCが打設された鋼コンクリート合成構造部4Aとし、上半側は外周を覆う外殻鋼部材12を有しすべてが鋼部材によって製作された鋼製構造部4Bとする。前記下半側の鋼コンクリート合成構造部4Aと前記上半側の鋼製構造部4Bとの境界部において、前記鋼コンクリート合成構造部4Aの外殻鋼部材10と前記鋼製構造部4Bの外殻鋼部材12との板厚を同じにし、かつ前記鋼コンクリート合成構造部4Aの外殻鋼部材10を所定長さ分だけ延在し、コンクリートCから離間した位置で前記鋼製構造部4Bの外殻鋼部材12と溶接により接合する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
下半側は外周を覆う外殻鋼部材の内面側に所定厚でコンクリートが打設された鋼コンクリート合成構造部とし、上半側は外周を覆う外殻鋼部材を有しすべてが鋼部材によって製作された鋼製構造部としたことを特徴とする洋上風力発電設備のスパー型浮体。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記鋼コンクリート合成構造部において、所定厚で打設されたコンクリートに対して浮体長手方向に沿うとともに、周方向に沿って所定間隔で配設されたPC鋼材によってプレストレスを導入してある請求項1記載の洋上風力発電設備のスパー型浮体。
【請求項3】
前記下半側の鋼コンクリート合成構造部と前記上半側の鋼製構造部との境界部において、前記鋼コンクリート合成構造部の外殻鋼部材と前記鋼製構造部の外殻鋼部材との板厚を同じにしてある請求項1、2いずれかに記載の洋上風力発電設備のスパー型浮体。
【請求項4】
前記下半側の鋼コンクリート合成構造部と前記上半側の鋼製構造部との境界部において、前記鋼コンクリート合成構造部の外殻鋼部材を所定長さ分だけ延在し、コンクリートから離間した位置で前記鋼製構造部の外殻鋼部材と溶接により接合してある請求項1、2いずれかに記載の洋上風力発電設備のスパー型浮体。
【請求項5】
請求項1記載の洋上風力発電設備のスパー型浮体の建造方法であって、
前側支持脚と後側支持脚との間に水平方向に沿ってスライドガイドを設けた型枠支持装置と、前記スライドガイドに外嵌するように設けられ、スライドガイドに沿って移動可能とされるとともに、所定の半径位置に全周に亘って円形状で型枠板を設置可能とした円形型枠装置とからなる移動式型枠装置をスパー型浮体の建造場所に持ち込み、
前記スパー型浮体の鋼コンクリート合成構造部の外殻鋼部材を横向き配向で設置するとともに、底部に開口を設けておき、前記移動式型枠装置のスライドガイドが前記開口を貫通した状態で設置するとともに、前記円形型枠装置を鋼コンクリート合成構造部の最底部位置に位置決めして全周を覆う外殻鋼部材の内面側に所定厚でコンクリートを打設可能なように型枠板を設置する第1ステップと、
前記鋼コンクリート合成構造部の外殻鋼部材と前記型枠板との間の空間にコンクリートを打設する第2ステップと、
前記円形型枠装置を位置保持した状態で前記型枠支持装置を鋼コンクリート合成構造部の内空側に移動させる第3ステップと、
前記型枠支持装置を位置保持した状態で、前記円形型枠装置を鋼コンクリート合成構造部の内空側に移動させ、打設済みコンクリートに隣接する位置であって全周を覆う外殻鋼部材の内面側に所定厚でコンクリートを打設可能なように型枠板を設置する第4ステップとを有し、
前記第2ステップから第4ステップの繰り返しにより、鋼コンクリート合成構造部の外殻鋼部材の内面側に所定厚で順次コンクリートを打設して行き、前記移動式型枠装置が鋼コンクリート合成構造部の内部に完全に進入した後に、鋼コンクリート合成構造部の底部に形成した開口を塞ぐことを特徴とする洋上風力発電設備のスパー型浮体の建造方法。
【請求項6】
請求項2記載の洋上風力発電設備のスパー型浮体の建造方法であって、
前側支持脚と後側支持脚との間に水平方向に沿ってスライドガイドを設けた型枠支持装置と、前記スライドガイドに外嵌するように設けられ、スライドガイドに沿って移動可能とされるとともに、所定の半径位置に全周に亘って円形状で型枠板を設置可能とした円形型枠装置とからなる移動式型枠装置をスパー型浮体の建造場所に持ち込み、
前記スパー型浮体の鋼コンクリート合成構造部の外殻鋼部材を横向き配向で設置するとともに、底部に開口を設けておき、前記移動式型枠装置のスライドガイドが前記開口を貫通した状態で設置するとともに、前記円形型枠装置の浮体長手方向設置範囲に亘ってPC鋼材を挿入設置するためのシースを配設し、前記円形型枠装置を鋼コンクリート合成構造部の最底部位置に位置決めして全周を覆う外殻鋼部材の内面側に所定厚でコンクリートを打設可能なように型枠板を設置する第1ステップと、
前記鋼コンクリート合成構造部の外殻鋼部材と前記型枠板との間の空間にコンクリートを打設する第2ステップと、
前記円形型枠装置を位置保持した状態で前記型枠支持装置を鋼コンクリート合成構造部の内空側に移動させる第3ステップと、
前記型枠支持装置を位置保持した状態で、前記円形型枠装置を鋼コンクリート合成構造部の内空側に移動させ、打設済みコンクリートに隣接する位置であって前記円形型枠装置の浮体長手方向設置範囲に亘ってPC鋼材を挿入設置するためのシースを配設し、全周を覆う外殻鋼部材の内面側に所定厚でコンクリートを打設可能なように型枠板を設置する第4ステップとを有し、
前記第2ステップから第4ステップの繰り返しにより、鋼コンクリート合成構造部の外殻鋼部材の内面側に所定厚で順次コンクリートを打設して行くとともに、前記移動式型枠装置が鋼コンクリート合成構造部の内部に完全に進入した後に、鋼コンクリート合成構造部の底部に形成した開口を塞ぐ第5ステップと、
前記鋼コンクリート合成構造部において、コンクリートの全長に亘って配設されたシース内にPC鋼材を挿入した後、前記PC鋼材への緊張力の導入と定着とを行う第6ステップとを有することを特徴とする洋上風力発電設備のスパー型浮体の建造方法。
【請求項7】
前記鋼コンクリート合成構造部において、外周を覆う外殻鋼部材の内面側に所定厚でコンクリートを打設し終えたならば、鋼製構造部を全周溶接によって接合し、スパー型浮体を完成させる請求項5、6いずれかに記載の洋上風力発電設備のスパー型浮体の建造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、効率的にかつ低コストで建造できるようにした洋上風力発電設備のスパー型浮体及びその建造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、主として水力、火力及び原子力発電等の発電方式が採用されてきたが、近年は環境や自然エネルギーの有効活用の点から自然風を利用して発電を行う風力発電が注目されている。この風力発電設備には、陸上設置式と、水上(主として海上)設置式とがあるが、沿岸域から後背に山岳地形をかかえる我が国の場合は、沿岸域に安定した風が見込める平野が少ない状況にある。一方、日本は四方を海で囲まれており、海上には発電に適した風が容易に得られるとともに、設置の制約が少ないなどの利点を有する。そのため近年は、各種形式の洋上風力発電設備及び浮体構造が多く提案されている。
【0003】
前記浮体構造としては、浮体を水面に浮かばせるバージ型浮体、浮体の下部を水面下に沈めて半潜水状態で浮かばせるセミサブ型浮体、釣り浮きのように起立状態で浮かばせるスパー型浮体などに大別される。
【0004】
本出願人は、前記スパー型浮体に関して、下記特許文献1において、図11に示されるように、コンクリート製のプレキャスト筒状体51、51…を高さ方向に複数段積み上げ、各プレキャスト筒状体51、51…をPC鋼棒52、52…により緊結し一体化を図った下側コンクリート製浮体構造部50A(以下、コンクリート製浮体部という。)と、このコンクリート製浮体部50Aの上側に連設された上側鋼製浮体構造部50B(以下、鋼製浮体部という。)とからなるスパー型浮体50を提案した。
【0005】
前記コンクリート製浮体部50Aの建造方法は、スパー型浮体50を横向きとした状態で、図12(A)に示されるように、プレキャスト筒状体51から上方に延長されたPC鋼棒52をシース53に挿通させながらプレキャスト筒状体51、51を連設したならば、アンカープレート54を箱抜き部に嵌設し、ナット部材55によりPC鋼棒52に張力を導入し一体化を図る。そして、グラウト注入孔54aからグラウト材をシース53内に注入する。
【0006】
次に、図12(B)に示されるように、PC鋼棒52の突出部に対してカップラー56を螺合し、上段側のPC鋼棒52を連結したならば、次のプレキャスト筒状体51のシース53に前記PC鋼棒52を挿通させながら設置する。また、グラウト注入孔57からグラウト材をシース53内に注入する。この要領を順次繰り返すことによりコンクリート製浮体部50Aが建造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第5274329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、スパー型浮体のコンクリート製浮体部50Aは、プレキャスト筒状体51をPC鋼棒52で順次連結しながら少しずつ構築するものであるため、浮体の建造に多くの時間と手間とコストが掛かっていた。また、洋上風力発電設備の大型化に伴ってスパー型浮体も大型化することになり、コンクリート部材厚の増加やPC鋼棒数の増加によって、更に多くの時間と手間とコストが掛かるようになるとの問題点があった。
【0009】
更に、洋上風力発電設備の大型化によって仮に発電能力が15MWクラスになると、コンクリート製浮体部の直径は15m以上、コンクリート部材厚は90cm以上になるとの試算があり、コンクリート部分において建造時の温度ひび割れや建込み時の曲げひび割れが発生し易くなるなどの問題が発生することになる。
【0010】
そこで本発明の主たる課題は、スパー型浮体を効率的にかつ低コストで建造できるようにするとともに、コンクリートの温度ひび割れや曲げひび割れなどの問題も一挙に解決し得る洋上風力発電設備のスパー型浮体及びその建造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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