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公開番号2025075771
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023187170
出願日2023-10-31
発明の名称鉄塔基礎構造及び鉄塔基礎の構築方法
出願人東電設計株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類E02D 27/32 20060101AFI20250508BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】施工時における掘削穴の壁面の崩壊を抑制しつつ、鉄塔の脚材に作用する引き抜き荷重を安定した状態で支持することができる鉄塔基礎構造及び鉄塔基礎の構築方法を提供する。
【解決手段】鉄塔基礎10は、円筒状のケーシング43を備えており、ケーシング43は、掘削穴36の底部36B側において、その軸方向が掘削穴36の壁面36Aと直交するように設置地盤26に埋め込まれている。そして、軸方向に延在する円柱状とされたプレキャストコンクリート製の拡底部30が、ケーシング43の内周面43Aに嵌合されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
鉄塔の鉄骨脚部の一部を構成する脚材と、
設置地盤に掘削された掘削穴の内側に当該掘削穴の壁面と密着した状態で配置されると共に、前記脚材における当該鉄塔の高さ方向下側の部分が埋め込まれたコンクリート製の床板と、
前記掘削穴の底部側において軸方向が前記壁面と直交するように前記設置地盤に埋め込まれた円筒状のケーシングと、
前記ケーシングの内周面に嵌合されると共に前記軸方向に延在する円柱状とされたプレキャストコンクリート製の拡底部と、
前記軸方向に延在し、当該軸方向一方側の部分が前記拡底部に埋め込まれると共に当該軸方向他方側の部分が前記床板に埋め込まれた拡底部主鉄筋と、
を有する鉄塔基礎構造。
続きを表示（約 1,300 文字）【請求項２】
前記拡底部主鉄筋は、前記軸方向から見て前記拡底部の周方向に沿うように複数配置され、
軸方向を前記軸方向とされかつ複数の前記拡底部主鉄筋に巻き掛けられた状態で固定されて前記前記拡底部に埋め込まれた拡底部螺旋筋をさらに有する、
請求項１に記載の鉄塔基礎構造。
【請求項３】
主な部分が前記拡底部に対して前記高さ方向上側に位置し、前記床板の前記高さ方向上側の部分に埋め込まれると共に当該部分を補強する上側補強筋と、
主な部分が前記拡底部に対して前記高さ方向下側に位置し、前記床板の前記高さ方向下側の部分に埋め込まれると共に当該部分を補強する下側補強筋と、
前記上側補強筋と前記下側補強筋とを前記高さ方向に接続する継手部と、
をさらに有する、
請求項２に記載の鉄塔基礎構造。
【請求項４】
前記拡底部における前記軸方向一方側の端面と当該拡底部の外周面との境界部の前記周方向全体に亘って当該拡底部を当該軸方向と直交する方向から見て当該端面及び当該外周面に対して傾斜する傾斜面部が形成されている、
請求項３に記載の鉄塔基礎構造。
【請求項５】
前記脚材が前記高さ方向から見て前記上側補強筋及び前記下側補強筋に囲まれた状態とされ、
前記上側補強筋と前記下側補強筋との間に介在し、前記高さ方向から見て前記脚材を囲む円環状の環状鉄筋と、当該高さ方向に延在しかつ当該環状鉄筋の当該脚材側において当該環状鉄筋の周方向に沿って複数配置されると共に当該環状鉄筋に接合された鉛直方向筋とを含んで構成された中央鉄筋籠をさらに有する、
請求項４に記載の鉄塔基礎構造。
【請求項６】
設置地盤に平面視で円形の第１掘削穴を形成し、
前記第１掘削穴の壁面における当該第１掘削穴の底部の近傍において当該壁面と直交する方向に当該第１掘削穴の径方向から見て円形の第２掘削穴を掘削しつつ当該第２掘削穴に円筒状のケーシングを押し込み、
前記底部上に平面視で中央部が円形に開口している下側補強筋を配置し、
前記ケーシングに円柱状とされたプレキャストコンクリート製の拡底部を当該拡底部から延出された拡底部主鉄筋が平面視で前記下側補強筋と重なるように前記ケーシングに嵌合し、
螺旋筋を前記拡底部主鉄筋に巻き掛けた状態で当該拡底部主鉄筋に固定し、
平面視で円環状の環状鉄筋と、前記第１掘削穴の深さ方向に延在しかつ当該環状鉄筋の内周側において当該環状鉄筋の周方向に沿って複数配置されると共に当該環状鉄筋に接合された鉛直方向筋と、を含んで構成された中央鉄筋籠を前記下側補強筋上に配置し、
平面視で中央部が円形に開口している上側補強筋を主な部分が前記拡底部及び前記中央鉄筋籠の上側に位置するように配置して前記下側補強筋と継手部で接続し、
鉄塔の鉄骨脚部の一部を構成する脚材を当該脚材が平面視で前記下側補強筋、前記中央鉄筋籠及び前記上側補強筋で囲まれるように前記底部上に配置し、
第１掘削穴内に生コンクリートを打設する、
鉄塔基礎の構築方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、鉄塔基礎構造及び鉄塔基礎の構築方法に関する。
続きを表示（約 1,400 文字）【背景技術】
【０００２】
下記特許文献１には、拡底基礎工法における拡底部施工方法に関する発明が記載されている。この発明では、基礎の主な部分が収まる掘削穴の壁面に横穴が掘削されて、この横穴に円筒状の鋼管が挿入される。そして、掘削穴に生コンクリートが打設されることで鋼管にも生コンクリートが充填され、基礎の拡底部が構成されている。このため、下記先行技術では、基礎の拡底部の構築に伴う掘削穴の壁面の崩壊を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開平６－２４８６４１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、上記先行技術では、基礎の構築時において、横穴に配置された鋼管の内側に鉄筋やいかり材が配置された状態でコンクリートが充填されるため、鋼管の内側へのコンクリートの充填が不十分となり、鉄塔の脚材に作用する引き抜き荷重を拡底部で十分に支持することが困難となることが考えられる。また、いかり材の設置方向等を考慮すると、横穴の成形には精度が求められることとなり、その結果、施工性が悪化することが考えられる。
【０００５】
本発明は上記事実を考慮し、施工性の向上を図りつつ、施工時における掘削穴の壁面の崩壊を抑制し、さらに、鉄塔の脚材に作用する引き抜き荷重を安定した状態で支持することができる鉄塔基礎構造及び鉄塔基礎の構築方法を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
第１の態様に係る鉄塔基礎構造は、鉄塔の鉄骨脚部の一部を構成する脚材と、設置地盤に掘削された掘削穴の内側に当該掘削穴の壁面と密着した状態で配置されると共に、前記脚材における当該鉄塔の高さ方向下側の部分が埋め込まれたコンクリート製の床板と、前記掘削穴の底部側において軸方向が前記壁面と直交するように前記設置地盤に埋め込まれた円筒状のケーシングと、前記ケーシングの内周面に嵌合されると共に前記軸方向に延在する円柱状とされたプレキャストコンクリート製の拡底部と、前記軸方向に延在し、当該軸方向一方側の部分が前記拡底部に埋め込まれると共に当該軸方向他方側の部分が前記床板に埋め込まれた拡底部主鉄筋と、を有している。
【０００７】
第１の態様に係る構造物の鉄塔基礎構造によれば、鉄塔の鉄骨脚部の一部が脚材で構成されている。また、設置地盤に掘削された掘削穴の内側にコンクリート製の床板が配置されており、この床板は、掘削穴の壁面と密着している。そして、脚材における鉄塔の高さ方向（以下、単に高さ方向と称する）下側の部分が床板に埋め込まれている。
【０００８】
このため、本態様では、鉄塔に懸架された電線等に起因する引き抜き荷重が脚材に作用しても、床板の重量や床板と掘削穴の壁面との摩擦力によって、この引き抜き荷重を支持することができる。
【０００９】
ところで、大きい引き抜き荷重が脚材に作用することが考えられる場合には、例えば、掘削穴の壁面に横穴を掘削して、この横穴の内側に床板の一部を設けることで床板を拡底し、脚材に作用する引き抜き荷重に対してより大きな支持力を確保することが考えられる。
【００１０】
しかしながら、掘削穴の壁面に何の処理を施すことなく横穴を掘削すると、掘削穴の壁面が崩壊することが考えられる。
（【００１１】以降は省略されています）

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