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公開番号2025071540
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-08
出願番号2023181794
出願日2023-10-23
発明の名称回転電機のステータ
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類H02K 3/04 20060101AFI20250428BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】 回転電機のステータに於いて、複数の略U字型の導線セグメントSC1、SC2をスロットSL内にて中空管を介して連結して連結して、一条のコイルCoをステータコアの歯St上に巻装する構成に於いて、中空管JTに於ける二つの導線セグメントの先端SS1、SS2の嵌合の長さを適切に割り振ることで、連結された導線セグメント間に於ける電気抵抗のばらつきや連結強度への影響が少なくなるようにする。
【解決手段】 回転電機のステータに於いて、ステータ歯の間のスロット内にて互いに対向する導線セグメントの先端がそれぞれ導電性の中空管へ嵌入し、複数の導線セグメントの電気的に接続されており、導線セグメントのうちでスロットに挿入される前に中空管の一方の端へ嵌入された導線セグメントの先端の嵌入長さL1が、中空管の他方の端へ嵌入された導線セグメントの先端の嵌入長さL2よりも長くなっている。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
回転電機の、ステータコアの径方向内方に突出したステータ歯上にコイルが巻装されたステータであって、前記コイルが複数の略U字型の導線セグメントが一条に連結されてなるコイルであり、複数の前記導線セグメントの両端が前記ステータコアの軸線方向の両側から前記ステータ歯の間のスロット内へ挿入されており、互いに対向する前記導線セグメントの先端がそれぞれ導電性の中空管の両端のうちのいずれかから嵌入した状態にあり、複数の前記導線セグメントの電気的に接続されており、前記導線セグメントのうちで前記スロットに挿入される前に前記中空管の一方の端へ嵌入された前記導線セグメントの先端の嵌入長さが、前記中空管の他方の端へ嵌入された前記導線セグメントの先端の嵌入長さよりも長くなっているステータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機のステータに係り、より詳細には、ステータコアの歯(ステータ歯)上にて複数の導線セグメントが連結されて構成されたコイルが巻装されているステータに係る。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
回転電機のステータのステータコアの歯にコイルを巻装する手法として、ステータの中心軸線方向の両側から、複数の略U字形状の導線セグメントの両端を、ステータ歯の間のスロットへ挿入して、スロット内で、対向する導線セグメントの先端どうしを順々に連結し、一条のコイルがステータ歯に巻回された状態にする手法が採用されている。かかる手法に於いては、特に、対向する導線セグメントの先端どうしを、煩わしい溶接工程等を用いずに、連結する構成が種々提案されている。例えば、特許文献1では、一方の導線セグメントの先端を凹型に形成し、他方の導線セグメントの先端を凸型に形成し、両者を噛合して、導線セグメントを連結する構成が提案されている。特許文献2、3では、凸型に形成された対向する導線セグメントの先端が、管状の嵌合凹部の両端からに圧入されて互いに連結される構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-129879
特開2020-89119
特開2022-3859
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2、3の如く、ステータ歯に巻装する一条のコイルが、管状部材(以下「中空管」と称する。)の両端の内側にそれぞれ導線セグメントの凸型の先端を嵌合して、複数の導線セグメントを連結することにより形成される構成の場合、典型的には、先ず、互いに連結される導線セグメントの一方の先端に中空管の一方の端を嵌合させる。しかる後に、ステータ歯の間のスロット内へ、ステータコアの軸線方向の一方の側から、中空管の嵌合された略U字形の導線セグメントの端を進入し、ステータコアの軸線方向の他方の側から他方の導線セグメントの端を進入し、この状態で、ステータコアの軸線方向の両側から、互いに連結される導線セグメントが互いに近接する方向に押圧力が印加され、一方の導線セグメントの先端に嵌合した中空管の他方の端へ他方の導線セグメントの先端が圧入され、かくして、二つの導線セグメントが連結されることとなる(図2参照)。
【0005】
上記の中空管を用いて導線セグメントを連結する構成に関して、本発明の発明者等の研究によれば、中空管に対して、二つの導線セグメントの先端を如何に嵌入させるか、或いは、中空管に於ける二つの導線セグメントの先端の嵌入の長さをどのように割り振るかによって、連結された導線セグメント間に於ける電気抵抗のばらつきや連結強度に影響が出ることが見出された。より詳細には、最初に中空管が嵌合される一方の導線セグメントの先端の中空管に於ける嵌入長さが短過ぎる場合、スロット内で、他方の導線セグメントの先端を中空管の他方の端内へ圧入するべく導線セグメントを押圧した際に、中空管が一方の導線セグメントの先端上で摺動してずれて、圧入されるべき他方の導線セグメントの先端が中空管の端内へ十分に嵌入されない状態となる場合があり、このことは、導線セグメント間の電気抵抗の増大やばらつき、連結強度の低下の原因となり得る。
【0006】
上記の事情を鑑み、本発明の主な課題は、回転電機のステータに於いて、複数の導線セグメントをスロット内にて中空管を介して連結して連結して、一条のコイルをステータコアの歯上に巻装する構成に於いて、中空管に於ける二つの導線セグメントの先端の嵌合の長さを適切に割り振ることで、連結された導線セグメント間に於ける電気抵抗のばらつきや連結強度への影響が少なくなるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、上記の課題は、回転電機の、ステータコアの径方向内方に突出したステータ歯上にコイルが巻装されたステータであって、前記コイルが複数の略U字型の導線セグメントが一条に連結されてなるコイルであり、複数の前記導線セグメントの両端が前記ステータコアの軸線方向の両側から前記ステータ歯の間のスロット内へ挿入されており、互いに対向する前記導線セグメントの先端がそれぞれ導電性の中空管の両端のうちのいずれかから嵌入した状態にあり、複数の前記導線セグメントの電気的に接続されており、前記導線セグメントのうちで前記スロットに挿入される前に前記中空管の一方の端へ嵌入された前記導線セグメントの先端の嵌入長さが、前記中空管の他方の端へ嵌入された前記導線セグメントの先端の嵌入長さよりも長くなっているステータによって達成される。
【0008】
上記の構成に於いて、「回転電機」は、コイルの巻装されたステータを用いる任意の形式の回転電機(発電機、電動機、電動発電機)であってよい。「コイル」は、本発明に於いては、上記の如く、複数の導線セグメント、即ち、導電性の材料(銅、アルミニウムなど)で形成された線を順々に連結して一条の螺旋状に形成されたものである。なお、上記のステータコアに於いて、複数のコイルが巻装されていてよく、その場合には、それぞれのコイルが複数の導線セグメントを一条に螺旋状に連結して形成される(即ち、本発明のステータは、複数のコイルがステータコアに巻装されている場合も含む。)。中空管は、導線セグメントと同様の導電性の材料にて作成されてよい管状部材である。径方向内方に突出したステータ歯の形成されたステータコアは、通常の態様のステータコアであってよい。ステータ歯上に於けるコイルの巻装の態様は、任意の態様であってよい。導線セグメントは、中空管内に嵌入される先端を除き、絶縁性被覆が施されており、隣り合う導線セグメントどうしが接触しても導通しないようになっている。また、中空管の外表面も絶縁性被覆が施される。中空管の内側と導線セグメントの中空管の端内へ嵌入する先端部分は、絶縁性被覆がなく、或いは除去され、導電性となっており、これにより、二つの導線セグメントは、中空管により連結されることで、導通することとなる。
【0009】
上記の本発明の回転電機のステータに於いては、上記の如く、複数の導線セグメントの両端(略U字型の両枝の部分)がステータコアの軸線方向の両側からスロット内へ挿入されて、互いに対向する導線セグメントの先端がそれぞれ導電性の中空管の両端のうちのいずれかから嵌入し、これにより、複数の略U字型の導線セグメントが一条に連結されてなるコイルとなるところ、特に、本発明に於いては、導線セグメントのうちでスロットに挿入される前に中空管の一方端へ嵌入された導線セグメントの先端の嵌入長さが、中空管の他方の端へ嵌入された導線セグメントの先端の嵌入長さよりも長くなるように構成される。かかる構成に於いては、先に中空管に嵌入している導線セグメントの先端の嵌入長さが長いので、先に中空管に嵌入している導線セグメントの先端の側に於ける中空管と導線セグメントの先端との接触面積が大きく(摩擦抵抗が大きい)、従って、中空管の他方の端へ別の導線セグメントの先端が押圧される際にも、先に中空管に嵌入している導線セグメントの先端の側では、中空管が導線セグメントの先端上で導線セグメントの押圧方向にずれ難くなり、中空管の位置が保持されて、中空管の他方の端内へ、導線セグメントの先端がより確実に嵌入できるようになり、かくして、(導線セグメントの先端の連結が不完全であることによる)導線セグメント間の電気抵抗の増大と連結強度の低下が回避できることとなる。また、後の実施形態の欄で示すように、中空管に於いて、一方の先端の嵌入長が他方より長い場合、電気抵抗が低下するという利点も得られる。
【0010】
上記の構成に於いて、各導線セグメントに於いて、先端のみが、導線セグメント本体よりも小径に形成され、先端面から適宜設定されてよい所定の長さだけ離れた部位から径が拡大され(拡径部)、これにより、中空管内への嵌入長さが過剰に長くならないようになっていることが好ましい。この場合、導線セグメントの先端近傍部分で径が大きくなるところで、中空管の変位が停止されることとなる。この点に関し、スロットに挿入される前に中空管の一方の端へ嵌入される導線セグメントの先端に於いては、中空管の端が導線セグメントの先端近傍部分で径が大きくなる部位に当接するまで、中空管内に導線セグメントの先端が嵌入されてよい。これにより、他方の導線セグメントの先端を中空管の他方の端に圧入する際に、中空管の位置のずれをより確実に回避できることとなる。
(【0011】以降は省略されています)

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