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公開番号2025069641
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-01
出願番号2023179475
出願日2023-10-18
発明の名称ポリペプチドの精製方法及びポリペプチドの精製装置
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C07K 1/30 20060101AFI20250423BHJP(有機化学)
要約【課題】ポリペプチドを簡便に、高純度で分離、精製できるポリペプチドの精製方法及びポリペプチドの精製装置の提供。
【解決手段】リガンドの添加によりポリペプチドを共沈させ、共沈物を含む溶液を得る工程を含み、前記ポリペプチドが、抗体、断片抗体、抗体誘導体、及び断片抗体誘導体から選ばれる1種以上である、ポリペプチドの精製方法。ポリペプチドを精製する精製装置1であって、前記ポリペプチドを共沈させ、共沈物を含む溶液を得る共沈手段30と、前記共沈物を含む溶液を膜分離する膜分離手段40と、を備える、ポリペプチドの精製装置1。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
リガンドの添加によりポリペプチドを共沈させ、共沈物を含む溶液を得る工程を含み、
前記ポリペプチドが、抗体、断片抗体、抗体誘導体、及び断片抗体誘導体から選ばれる1種以上である、ポリペプチドの精製方法。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
前記リガンドが、プロテインA、プロテインG、プロテインL及びこれらの改変体から選ばれる1種以上である、請求項1に記載のポリペプチドの精製方法。
【請求項3】
前記共沈物は、前記リガンド1分子に対して、前記ポリペプチド1~6分子が結合してなる、請求項1に記載のポリペプチドの精製方法。
【請求項4】
前記共沈物を含む溶液を膜分離する工程をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリペプチドの精製方法。
【請求項5】
前記膜分離に用いる膜に形成される微細孔の公称孔径が0.05~3μmである、請求項4に記載のポリペプチドの精製方法。
【請求項6】
前記膜分離がクロスフロー濾過方式の分離機構である、請求項4に記載のポリペプチドの精製方法。
【請求項7】
ポリペプチドを精製する精製装置であって、
前記ポリペプチドを共沈させ、共沈物を含む溶液を得る共沈手段と、
前記共沈物を含む溶液を膜分離する膜分離手段と、
を備える、ポリペプチドの精製装置。
【請求項8】
前記膜分離に用いる膜に形成される微細孔の公称孔径が0.05~3μmである、請求項7に記載のポリペプチドの精製装置。
【請求項9】
前記膜分離がクロスフロー濾過方式の分離機構である、請求項7又は8に記載のポリペプチドの精製装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリペプチドの精製方法及びポリペプチドの精製装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、バイオ医薬品の発展に伴い、数多くの抗体医薬品が上市され始めている。
通常、抗体医薬品の原薬は、培養によって細胞から抗体を産生し、得られた培養液から抗体をアフィニティー・クロマトグラフィー法により精製することで製造される。
アフィニティー・クロマトグラフィー法は分離性能には優れるものの、分離工程で用いるアフィニティー樹脂が高価であるため、アフィニティー樹脂の繰返し使用が必須である。
しかし、アフィニティー樹脂を繰返し使用することから、バリデーションの管理や、アフィニティー樹脂の保管管理等にコストと時間を要するという課題がある。
【0003】
上記課題を解決する方法として、特許文献1には、ポリエチレングリコール及びリン酸ナトリウムを含む沈殿化溶液を用いてポリペプチド(抗体)を沈殿させ、デプスフィルターを用いて分離、精製する方法が開示されている。
また、特許文献2には、ポリペプチド(抗体)と特定のリガンドを結合させた後、限外濾過膜(UF膜)で分離、精製する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2009/016449号
国際公開第2020/004583号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、沈殿化溶液の作用により、抗体と共存している目的外の蛋白質も同時に沈殿してしまうため、分離、精製後の抗体の純度が十分ではないという問題がある。
特許文献2に記載の方法では、限外濾過膜を用いる必要があるため、運転コストがかかり、工業化には向いていないという問題がある。
本発明は、ポリペプチドを簡便に、高純度で分離、精製できるポリペプチドの精製方法及びポリペプチドの精製装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、リガンドの添加によりポリペプチドを共沈させることで、簡便に、高純度でポリペプチドを分離、精製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1] リガンドの添加によりポリペプチドを共沈させ、共沈物を含む溶液を得る工程を含み、
前記ポリペプチドが、抗体、断片抗体、抗体誘導体、及び断片抗体誘導体から選ばれる1種以上である、ポリペプチドの精製方法。
[2] 前記リガンドが、プロテインA、プロテインG、プロテインL及びこれらの改変体から選ばれる1種以上である、前記[1]のポリペプチドの精製方法。
[3] 前記共沈物は、前記リガンド1分子に対して、前記ポリペプチド1~6分子が結合してなる、前記[1]又は[2]のポリペプチドの精製方法。
[4] 前記共沈物を含む溶液を膜分離する工程をさらに含む、前記[1]~[3]のいずれかのポリペプチドの精製方法。
[5] 前記膜分離に用いる膜に形成される微細孔の公称孔径が0.05~3μmである、前記[4]のポリペプチドの精製方法。
[6] 前記膜分離がクロスフロー濾過方式の分離機構である、前記[4]又は[5]のポリペプチドの精製方法。
【0008】
[7] ポリペプチドを精製する精製装置であって、
前記ポリペプチドを共沈させ、共沈物を含む溶液を得る共沈手段と、
前記共沈物を含む溶液を膜分離する膜分離手段と、
を備える、ポリペプチドの精製装置。
[8] 前記膜分離に用いる膜に形成される微細孔の公称孔径が0.05~3μmである、前記[7]のポリペプチドの精製装置。
[9] 前記膜分離がクロスフロー濾過方式の分離機構である、前記[7]又は[8]のポリペプチドの精製装置。
[10] 前記ポリペプチドが、抗体、断片抗体、抗体誘導体、及び断片抗体誘導体から選ばれる1種以上である、前記[7]~[9]のいずれかのポリペプチドの精製装置。
[11] リガンドの添加により前記ポリペプチドを共沈させる、前記[7]~[10]のいずれかのポリペプチドの精製装置。
[12] 前記リガンドが、プロテインA、プロテインG、プロテインL及びこれらの改変体から選ばれる1種以上である、前記[11]のポリペプチドの精製装置。
[13] 前記共沈物は、前記リガンド1分子に対して、前記ポリペプチド1~6分子が結合してなる、前記[11]又は[12]のポリペプチドの精製装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ポリペプチドを簡便に、高純度で分離、精製できるポリペプチドの精製方法及びポリペプチドの精製装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
スタフィロコッカス(Staphylococcus)のプロテインAのE、D、A、B、C、およびZドメインのアミノ酸配列比較表である。なお、「-(ハイフン)」はCドメインのアミノ酸残基と同じであることを示し、「/(斜線)」はアミノ酸欠失を示す。
本発明のポリペプチドの精製装置の一例を模式的に示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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