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公開番号
2025068689
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-30
出願番号
2023178628
出願日
2023-10-17
発明の名称
ΔΣ変調器及びΔΣ変調方法
出願人
株式会社オーディオテクニカ
代理人
個人
,
個人
主分類
H03M
3/04 20060101AFI20250422BHJP(基本電子回路)
要約
【課題】電磁ノイズの輻射を防止し、占有帯域幅も狭く、遅延も少なく、消費電流も低く、サンプリング周波数及びビット数も低く、音質の劣化を抑制することができるΔΣ変調器及びΔΣ変調方法を提供すること。
【解決手段】積分器1と量子化器2とを備えるΔΣ変調器100において、
前記量子化器2から生じる量子化ノイズN
q
の成分に対してのみ前記積分器1によって形成されるフィルタが作用する構成とした。前記フィルタは、高次のハイパスフィルタとした場合にはサンプリング周波数及びビット数を低減させることができ、高次のハイパスフィルタ及びローパスフィルタとしたりする場合には、前記に加え高次の場合の高周波数帯域における振幅の飽和を防止することができる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
積分器と量子化器とを備えるΔΣ変調器において、
前記量子化器から生じる量子化ノイズの成分に対してのみフィルタが作用することを特徴とする、ΔΣ変調器。
続きを表示(約 2,300 文字)
【請求項2】
前記フィルタはハイパスフィルタであり、
系全体に対する入力信号の成分には高次のハイパスフィルタが作用することなく、前記量子化器から生じる量子化ノイズの成分に対してのみ高次のハイパスフィルタが作用するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のΔΣ変調器。
【請求項3】
前記系全体に対する入力信号に対して前記積分器の出力信号を反転させて加算する第一の加算器と、
前記量子化器の出力信号に対して前記第一の加算器の出力信号を反転させて加算する第二の加算器と、
前記第二の加算器の出力信号に対して前記積分器の出力信号を反転させて加算する第三の加算器とを備え、
前記量子化器の入力信号は前記第一の加算器の出力信号であり、
前記積分器の入力信号は前記第二の加算器の出力信号であり、
前記量子化器の出力信号は系全体に対する出力信号であることを特徴とする、請求項2に記載のΔΣ変調器。
【請求項4】
前記系全体に対する入力信号をX、系全体に対する出力信号をY、前記積分器をΣ、前記量子化ノイズをN
q
としたとき、前記系全体に対する出力信号Yが
TIFF
2025068689000008.tif
25
161
で表されることを特徴とする、請求項2に記載のΔΣ変調器。
【請求項5】
前記フィルタは高次のハイパスフィルタとローパスフィルタであり、
系全体に対する入力信号の成分には高次のハイパスフィルタ及びローパスフィルタが作用することなく、前記量子化器から生じる量子化ノイズの成分に対してのみ高次のハイパスフィルタ及びローパスフィルタが作用するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のΔΣ変調器。
【請求項6】
第一のフィルタ要素と第二のフィルタ要素とを備え、
前記系全体に対する入力信号に対して前記積分器の出力信号を反転させて加算する第一の加算器と、
前記積分器の出力信号に対して前記第一のフィルタ要素の出力信号を加算する第一のフィルタ加算器と、
前記第一のフィルタ加算器の出力信号に対して前記第二のフィルタ要素の出力信号を加算する第二のフィルタ加算器と、
前記第一のフィルタ加算器の出力信号に対して前記量子化器の出力信号を反転させて加算するフィルタ分岐加算器とを備え、
前記フィルタ分岐加算器の出力信号が前記第一のフィルタ要素及び前記第二のフィルタ要素に入力され、
前記量子化器の入力信号は前記第二のフィルタ加算器の出力信号であり、
前記積分器の入力信号は前記第一の加算器の出力信号であり、
前記量子化器の出力信号は系全体に対する出力信号であることを特徴とする、請求項5に記載のΔΣ変調器。
【請求項7】
第一のフィルタ要素と第二のフィルタ要素とを備え、
前記系全体に対する入力信号に対して前記積分器の出力信号を反転させて加算する第一の加算器と、
前記量子化器の出力信号に対して前記第一の加算器の出力信号を反転させて加算する第二の加算器と、
前記第二の加算器の出力信号に対して前記積分器の出力信号を反転させて加算する第三の加算器と、
前記第一の加算器の出力信号に対して前記第一のフィルタ要素の出力信号を加算する第一のフィルタ加算器と、
前記第一のフィルタ加算器の出力信号に対して前記第二のフィルタ要素の出力信号を加算する第二のフィルタ加算器と、
前記第一のフィルタ加算器の出力信号に対して前記量子化器の出力信号を反転させて加算するフィルタ分岐加算器とを備え、
前記フィルタ分岐加算器の出力信号が前記第一のフィルタ要素及び前記第二のフィルタ要素に入力され、
前記量子化器の入力信号は前記第二のフィルタ加算器の出力信号であり、
前記積分器の入力信号は前記第二の加算器の出力信号であり、
前記量子化器の出力信号は系全体に対する出力信号であることを特徴とする、請求項5に記載のΔΣ変調器。
【請求項8】
第一のフィルタ要素と第二のフィルタ要素を備え、
前記第一のフィルタ要素をW
1
、前記第二のフィルタ要素をW
2
、係全体に対する入力信号をX、1またはΣ/(1+Σ)のいずれかで表すことができる係数をA、系全体に対する出力信号をY、前記積分器をΣ、前記量子化ノイズをN
q。
としたとき、前記系全体に対する出力信号Yが
TIFF
2025068689000009.tif
25
161
で表されることを特徴とする、請求項5に記載のΔΣ変調器。
【請求項9】
積分処理と量子化処理とを備えるΔΣ変調方法において、
前記量子化処理によって生じる量子化ノイズの成分に対してのみフィルタ処理を行うことを特徴とする、ΔΣ変調方法。
【請求項10】
前記フィルタ処理は高次のハイパスフィルタ処理であり、
系全体に対する入力信号の成分には高次のハイパスフィルタ処理を行うことなく、前記量子化処理によって生じる量子化ノイズの成分に対してのみ高次のハイパスフィルタ処理を行うことを特徴とする、請求項9に記載のΔΣ変調方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル音声信号を高音質のまま圧縮するΔΣ変調器及びΔΣ変調方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
デジタル音声処理では、まず、アナログ信号である音声信号をサンプリング周波数ごとに取り込み(離散化)、音の大きさである振幅を所定のビット数に変換(量子化)してデジタル信号とする。例えば、サンプリング周波数44.1kHz、ビット数24bit(2^24段階)等、規格に準じて離散化と量子化が行われる。これらの数値は高ければ高いほどアナログ信号との誤差が少なく、音質が良くなる。
しかし、このように高いサンプリング周波数と大きなビット数では、取り扱うデータ量が膨大となってしまい、演算装置に要求される性能が高くなってしまう等の問題が生じる。
【0003】
そこで、データの圧縮を行うことで、信号の劣化(音質の低下)を抑制しつつデータ量を低減することが行われている。
例えば、デジタルアンプ等の分野においては、サンプリング周波数を1MHz等にオーバーサンプリングし、信号を1bit(0又は1)の信号で伝達できるように変調する技術が採用されている。代表的なものにΔΣ変調と呼ばれる技術がある。ΔΣ変調は、1bitの信号のみを扱えばよくなるため、複雑な演算処理が不要なうえ、音を出力するためにデジタル信号をアナログ信号に変換するときにも、ローコストで高音質な音声信号を得ることができる。
【0004】
一般的なΔΣ変調は、図6に示すように、積分器と量子化器を用いた構成となっている。なお、図6では遅延回路等を省略して示している。
量子化器は、アナログの信号における振幅を、所定のビット数に分割する量子化を行う。量子化では、連続で滑らかなアナログ信号を所定の範囲ごとに分割する過程で誤差が生じ、その誤差成分がノイズとなって出力信号に現れる。この誤差成分によるノイズを量子化ノイズという。
【0005】
従来のΔΣ変調器では、積分器とフィードバックループによって形成されるフィルタで、量子化ノイズの成分を極めて高い周波数にシフトさせるノイズシェーピングという処理を行っている。このノイズシェーピングによって量子化ノイズの成分と音声信号の成分とを分離し、出力信号に量子化ノイズの成分が含まれないようにする。
【0006】
積分器の周波数特性は、図6に示すように、高周波になるほど減衰する特性(平坦部の無いローパスフィルタのような特性)を持つ。入力信号にはこのような周波数に反比例する特性が作用し、その後、周波数特定を持たない平坦な特性の量子化ノイズが付加される。
【0007】
ここで、量子化器を用いて入力信号の周波数特性が一定となるようにフィードバックさせることで、周波数に反比例する特性が平坦な特性へと変化する。それと同時に、もともと平坦な特性であった量子化ノイズは、周波数に比例する特性(平坦部の無いハイパスフィルタのような特性)を持つことになる。すなわち、入力信号の成分に作用する係数は「1」となり、量子化ノイズにはハイパスフィルタが作用することとなって、量子化ノイズを高周波数側に遷移させることができる。これをノイズシェーピングという。
【0008】
この場合、ノイズシェーピングによって量子化ノイズが音声信号の帯域に影響を与えないようにするためには、ハイパスフィルタにおけるカットオフ周波数を高くしなければならない。カットオフ周波数を高くするためには、取り込むべき周波数も高くなるため、サンプリング周波数を高くする必要がある。例えば、積分器を一次で構成する場合には、ハイパスフィルタも一次となって遮断特性が極めて緩やかとなる。そのため、サンプリング周波数は、音声信号の周波数の上限値の数倍から数十倍程度まで高くしなければならない。換言すると、量子化ノイズは、音声信号の帯域において十分に小さな利得となっていなければならない。
【0009】
ところが、1bitに圧縮して伝送する上記のΔΣ変調の技術では、サンプリング周波数が高いために、基板のパターン配線やケーブル等からの電磁ノイズの輻射が大きく、消費電力も大きい。そのため、無線伝送においては輻射された電磁ノイズの影響を受けて伝送距離が短く、ポータブル機器の場合には、電池の消費量が大きいため実用的ではない。
また、アンプ等の商用電源に接続する有線機器に使用される場合であっても、電磁ノイズの輻射を防止するために電磁シールド等を多用する必要があるという問題があった。
【0010】
一方、無線伝送においては、サンプリング周波数を高くせずに圧縮する技術が採用されている。例えば、サンプリング周波数48kHz、ビット数5bitに圧縮して無線伝送することで、伝送帯域幅を縮小させる技術がある。
(【0011】以降は省略されています)
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