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公開番号2025065196
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2025013862,2024540767
出願日2025-01-30,2023-11-30
発明の名称光硬化性樹脂組成物、粘着シート、及び、積層体の製造方法
出願人積水化学工業株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C08F 220/10 20060101AFI20250410BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】接着性及び耐クリープ性に優れる光硬化性樹脂組成物を提供する。また、該光硬化性樹脂組成物を用いてなる粘着シート、及び、該光硬化性樹脂組成物を用いた積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】単官能(メタ)アクリルモノマーと、多官能(メタ)アクリルモノマーと、光重合開始剤と、熱可塑性樹脂とを含有し、前記熱可塑性樹脂は、ブロック構造又はグラフト構造を有し、25℃における粘度が0.001Pa・s以上500Pa・s以下である光硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
単官能(メタ)アクリルモノマーと、多官能(メタ)アクリルモノマーと、光重合開始剤と、熱可塑性樹脂とを含有し、
前記熱可塑性樹脂は、ブロック構造又はグラフト構造を有し、
25℃における粘度が0.001Pa・s以上500Pa・s以下である
ことを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記熱可塑性樹脂は、スチレンに由来する構造を有する熱可塑性樹脂を含む請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記スチレンに由来する構造を有する熱可塑性樹脂は、(メタ)アクリル/スチレン共重合体である請求項2記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
前記スチレンに由来する構造を有する熱可塑性樹脂中における前記スチレンに由来する構造の含有割合が3質量%以上である請求項2又は3記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂は、トリブロック共重合体を含み、前記熱可塑性樹脂における前記トリブロック共重合体の含有割合が50質量%以上である請求項1、2又は3記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
前記熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が10万以上50万以下である請求項1、2又は3記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
前記光硬化性樹脂組成物中における前記熱可塑性樹脂の含有割合が1質量%以上60質量%以下である請求項1、2又は3記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
前記光硬化性樹脂組成物中における前記熱可塑性樹脂の含有割合が10質量%以上40質量%以下である請求項7記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
前記光硬化性樹脂組成物中における前記多官能(メタ)アクリルモノマーの含有割合が0.3質量%以上40質量%以下である請求項1、2又は3記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項10】
前記光硬化性樹脂組成物に波長395nm、照度500mW/cm

の紫外線を照射量が3000mJ/cm

となるように照射することによって得られる硬化物のゲル分率が25質量%以上60質量%以下である請求項1、2又は3記載の光硬化性樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性樹脂組成物に関する。また、本発明は、該光硬化性樹脂組成物を用いてなる粘着シート、及び、該光硬化性樹脂組成物を用いた積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
スマートフォン、PC等の電子機器の内部で電子部品の貼り合わせに粘着剤が用いられている。粘着剤による貼り合わせの一般的な方法では、まず、粘着剤の両面にそれぞれセパレータが配置された粘着シートが作製され、次に、粘着シートを所望の形状に裁断する。その後、裁断された粘着シートから一方のセパレータを剥離して、露出した粘着剤の一方の面と第一の被着体との貼り合わせが行われ、続いて、他方のセパレータを剥離して、露出した粘着剤の他方の面と第二の被着体との貼り合わせが行われる。この方法の場合、裁断後に粘着シートの一部が廃棄されることから、廃棄物が発生していた。
【0003】
これに対して、粘着剤組成物を所望の形状に印刷してから被着体との貼り合わせを行う方法が検討されている。この方法によれば、廃棄物の発生を抑制することができる。
このような方法に用いることができる粘着剤組成物の発明として、例えば、特許文献1には、放射線硬化型の粘着剤組成物で、微細なパターニングが可能であるとともに、金属やプラスチック等の種々の被着体に対する高い接着性を発揮する組成物を提供するための発明が開示されている。該特許文献1には、芳香環非含有エチレン性不飽和モノマー10~70重量%、光重合開始剤1~10重量%、及び架橋剤10~55重量%、を含有する放射線硬化性粘着組成物が記載されている。
また、特許文献2には、酸素存在下で光照射した場合でも、酸素が存在しない場合と同等な接着強度を有する積層体を与える、光硬化型接着組成物を提供するための発明が開示されている。該特許文献2には、(A)(メタ)アクリレートオリゴマー、(B)単官能の(メタ)アクリルモノマー、(C)2~4官能の(メタ)アクリルモノマー、(D)光反応開始剤、(E)軟化点が70~150℃の粘着付与剤、及び(F)液状可塑剤を含む、光硬化型接着組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-216742号公報
国際公開第2016/163152号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、粘着剤組成物を所望の形状に印刷してから被着体との貼り合わせを行う方法によれば、廃棄物の発生を抑制できる。一方で、粘着剤組成物を硬化させる方法としては、被着体の加熱を避けるため光照射による方法が望ましいが、硬化の際に粘着剤組成物がセパレータで被覆されずに酸素存在下に露出していると、最表面が硬化せず、接着性が充分に得られないことがあった。そのため、酸素阻害を防ぐために粘着剤組成物をセパレータで封止し、不活性ガス雰囲気下で光を照射して反応を進行させる必要があった。また、酸素阻害を受け難い材料を用いて接着性を向上させた場合でも、クリープ保持力が低くなることがあり、接着性と耐クリープ性との両方に優れる光硬化性樹脂組成物が求められていた。
【0006】
本発明は、接着性及び耐クリープ性に優れる光硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該光硬化性樹脂組成物を用いてなる粘着シート、及び、該光硬化性樹脂組成物を用いた積層体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示1は、単官能(メタ)アクリルモノマーと、多官能(メタ)アクリルモノマーと、光重合開始剤と、熱可塑性樹脂とを含有し、上記熱可塑性樹脂は、ブロック構造又はグラフト構造を有し、25℃における粘度が0.001Pa・s以上500Pa・s以下である光硬化性樹脂組成物である。
本開示2は、上記熱可塑性樹脂は、スチレンに由来する構造を有する熱可塑性樹脂を含む本開示1の光硬化性樹脂組成物である。
本開示3は、上記スチレンに由来する構造を有する熱可塑性樹脂は、(メタ)アクリル/スチレン共重合体である本開示2の光硬化性樹脂組成物である。
本開示4は、上記スチレンに由来する構造を有する熱可塑性樹脂中における上記スチレンに由来する構造の含有割合が3質量%以上である本開示2又は3の光硬化性樹脂組成物である。
本開示5は、上記熱可塑性樹脂は、トリブロック共重合体を含み、上記熱可塑性樹脂における上記トリブロック共重合体の含有割合が50質量%以上である本開示1、2、3又は4の光硬化性樹脂組成物である。
本開示6は、上記熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が10万以上50万以下である本開示1、2、3、4又は5の光硬化性樹脂組成物である。
本開示7は、上記光硬化性樹脂組成物中における上記熱可塑性樹脂の含有割合が1質量%以上60質量%以下である本開示1、2、3、4、5又は6の光硬化性樹脂組成物である。
本開示8は、上記光硬化性樹脂組成物中における上記熱可塑性樹脂の含有割合が10質量%以上40質量%以下である本開示7の光硬化性樹脂組成物である。
本開示9は、上記光硬化性樹脂組成物中における上記多官能(メタ)アクリルモノマーの含有割合が0.3質量%以上40質量%以下である本開示1、2、3、4、5、6、7又は8の光硬化性樹脂組成物である。
本開示10は、上記光硬化性樹脂組成物に波長395nm、照度500mW/cm

の紫外線を照射量が3000mJ/cm

となるように照射することによって得られる硬化物のゲル分率が25質量%以上60質量%以下である本開示1、2、3、4、5、6、7、8又は9の光硬化性樹脂組成物である。
本開示11は、本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の光硬化性樹脂組成物の硬化物を含む粘着剤層を有する粘着シートである。
本開示12は、基材と、上記基材の少なくとも一方の面に上記光硬化性樹脂組成物の硬化物を含む粘着剤層を有する本開示11の粘着シートである。
本開示13は、本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の光硬化性樹脂組成物を印刷する工程、及び、印刷した該光硬化性樹脂組成物を用いて被着体を貼り付ける工程を有する積層体の製造方法である。
本開示14は、上記光硬化性樹脂組成物を印刷する方法は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、又は、フレキソ印刷である本開示13の積層体の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明者らは、印刷性等の観点から粘度を特定の範囲に調整しつつ、光硬化性樹脂組成物を、単官能(メタ)アクリルモノマーと、多官能(メタ)アクリルモノマーと、光重合開始剤と、ブロック構造又はグラフト構造を有する熱可塑性樹脂とを含有するものとすることを検討した。その結果、接着性及び耐クリープ性に優れる光硬化性樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、単官能(メタ)アクリルモノマーを含有する。
上記単官能(メタ)アクリルモノマーは、後述する光重合開始剤の反応により重合する重合性モノマーであり、上記単官能(メタ)アクリルモノマーを含有することにより、本発明の光硬化性樹脂組成物は、各種基材への接着性等に優れるものとなる。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリルモノマー」は、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを意味し、上記「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。また、本明細書において、上記「単官能(メタ)アクリルモノマー」は、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1つ有するモノマーを意味する。
【0010】
上記単官能(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、単官能の(メタ)アクリル酸エステル化合物、単官能の(メタ)アクリルアミド化合物、単官能の(メタ)アクリルイミド化合物等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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