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公開番号2025064522
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2023174357
出願日2023-10-06
発明の名称半球形凹型傾斜角度計
出願人株式会社藤興業
代理人個人,個人
主分類G01C 9/10 20060101AFI20250410BHJP(測定;試験)
要約【課題】本発明は、複合傾斜面の傾斜角度を精度よく一度に測定することができ、激しい振動下であっても振動に合わせて測定値が動き続ける滑動状態を防ぎ、かつ、構造を単純化した傾斜角度計を提供する。
【解決手段】半球形凹部2を有する略立方体であって、前記凹部底面には、中心点10と複数の経線と複数の緯線を表示する位置メモリ3を有し、前記凹部に粘性のある液体4を満たし、金属小球5を入れ、透明カバー6で上端面を塞いだものである。被測定対象の接地面が水平である場合には、金属小球5は凹部の最も深い点である中心点10に位置し、水平でない場合は、当該傾斜角度計が傾斜し、最も深い点が中心点からズレるため、前記粘性のある液体4の中にある金属小球5は新たな最も深い点へ緩やかに移動し、前記金属小球5の移動後の位置を位置メモリ3により把握することで、複合傾斜面の傾斜角度を測定することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
半球形の凹部を有する略立方体又は略円柱体であって、前記半球形の凹部の上端面にある円の中心から垂線を下ろした線と底面が交わる点である中心点と、前記半球形の凹部の上端面にある円の直径から垂線を下ろした線と底面が交わる点で表される複数の経線と、前記半球形の凹部の上端面と平行な面が底面と交わる線で表される複数の緯線を前記凹部底面に表示するとともに、前記半球形の凹部に粘性の液体を満たし、硬性の球体を入れ、透明カバーで前記半球形の凹部の上端面を塞いだことを特徴とする傾斜角度計。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
請求項1に記載した前記傾斜角度計であって、水平ではない被傾斜角度測定対象との接地面に対し、前記傾斜角度計の本体を水平に保つための傾斜角度調整機構により接続したことを特徴とする傾斜角度計。
【請求項3】
請求項2に記載した前記傾斜角度調整機構が、半球形の凹部を有する略立方体又は略円柱体の上面側に開口を有し、底面は被傾斜角度測定対象との接地面となり、一側面の中央部に略垂直方向の貫通孔を有し、他の一側面の左右にそれぞれ略垂直方向の貫通孔を有する板状部材であって、螺子状の部材で、前記貫通孔を通じて前記半球形の凹部を有する略立方体又は略円柱体と接続し、前記半球形の凹部を有する略立方体または円柱体の前後の水平方向と左右の水平方向の調整が可能であることを特徴とする傾斜角度計。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の傾斜角度を測定するために使用される傾斜角度計に関するものである。
続きを表示(約 4,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、建設現場等において、地盤や物体の水平を測定するために、振り子に磁石を付け、振り子が重力により地球の中心に向かって振動した際の傾きを磁気センサーにより測定する「振り子式」や、液体とガスを充満させた容器の内部にあるフロートの静電気量の変化から傾斜を測定する「フロート式」の傾斜角度計が多く用いられている。そして、これらの原理を利用した傾斜角度計は、加速度の変化に弱く、頻繁に振動が生じている自動車などで利用する時には、基準軸に対して1秒間に角度が何度変化しているかを検知するセンサーであるジャイロセンサー(角速度センサー)を使用し、補正を行う必要があることが知られている。
【0003】
また、特許文献1にある「半球状の透明セルの表面に、その底面に垂直でかつ頂点を通る立面がセル表面と交わる線であらわされる複数の経線と、底面と平行な面がセル表面と交わる線であらわされる複数の緯線とを表示するとともに、セルの内部を指示用の気泡を残して液体を充満させたことを特徴とする傾斜角度計(実用新案登録請求の範囲から引用)」は、前記「振り子式」や「フロート式」と同じく傾斜角度計として多く用いられている技術であり、例えば、図7にあるような小型の気泡管を脚立に付けて水平に設置ができているか、D I Yで設置した棚に同様の気泡管を付けて傾きがないか、確認するとき等に使用されている。また、これらの傾斜角度計の素材は、非特許文献1の「材質」に記載のように、本体がアクリル樹脂の素材で、中に石油系の液体を充満させ、気泡を残して密閉したものが一般的である。この気泡により水平や角度を測定する傾斜角度計は、少しの動きでも素早く傾斜の変化を認識でき、かつ構造が複雑でないメリットを有する。しかしながら、例えば、チェーンソーを扱う初心者は、木の伐採を安全にできるように、受け口を45度の角度、受け口の下切り線を水平に入れるための練習を行うことが知られており、その際には、図8で表わしたように、チェーンソーのガイドバーや本体にマグネット等で傾斜角度計を付けて行うため、エンジンの振動が直接的に傾斜角度計に伝わり、気泡が崩壊したり、測定値が振動に合わせて常に動き続ける状態となり、「用途によっては正確な水平や傾斜角度が測定しにくい」課題がある。
【0004】
さらに、近年、非特許文献2にあるような、気泡に代えてステンレスボールを入れた傾斜角度計であって、図9左(非特許文献3を参照)の帆走中のヨットの水平を保つため又はキャンピングカーで快適に過ごすために水平出しをするため等の用途、図9右(非特許文献4を参照)の自転車のハンドルに装着し走行場所の傾斜を測定する用途など、用途に合わせてデザイン化したものや、図10(非特許文献5を参照)のように船舶用傾斜計であって、細かな揺れを抑制するためにオイルダンパーを採用した傾斜計まで、傾斜角度計の種類は多岐に渡り、かつ改良が進んでいる。その一方で、前記ステンレスボールを入れた傾斜角度計は、エンジンのような小刻みの振動が常に起きている場所での使用時に、気泡の崩壊は防げるもののステンレスボールが常に動き続けてしまう課題が残り、また、前記オイルダンパーを採用した傾斜計は、「小さなバルブを有するピストンが振動により動いた際、バルブを通じてオイルが移動する構造」を内包するため、構造が複雑化する課題が新たに生じるなど、さらなる改良の余地が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
実全昭62―083913 傾斜角度計
丸型気泡管 φ11 ブルー 2ヶ入/シンワ測定株式会社 ホームページ 製品情報 https://www.shinwasokutei.co.jp/products/76530/
All Inclinometers/Sun Company, Inc. ホームページ https://levogage.com/collections/inclinometers
Lev-o-gage/All Inclinometers/Sun Company, Inc. ホームページ https://levogage.com/products/product_7f777420-07f0-b955-fc36-fc89521ac9d6
CyclClimb Bike Inclinometer/All Inclinometers/Sun Company, Inc. ホームページ https://levogage.com/products/product_21756502-f397-a8de-50e1-f45abc9e5291
船舶用傾斜計(Clinometer)/株式会社 大航計器製作所 ホームページ http://daiko.asia/dcl.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、複合傾斜面の傾斜角度を精度よく一度に測定することができ、激しい振動下であっても振動に合わせて測定値が動き続ける滑動状態を防ぎ、かつ、構造を単純化した傾斜角度計を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の傾斜角度計は、半球形の凹部を有する略立方体又は略円柱体であって、前記半球形の凹部の上端面にある円の中心から垂線を下ろした線と底面が交わる点である中心点と、前記半球形の凹部の上端面にある円の直径から垂線を下ろした線と底面が交わる点で表される複数の経線と、前記半球形の凹部の上端面と平行な面が底面と交わる線で表される複数の緯線を前記凹部底面に表示し、前記半球形の凹部に粘性の液体を満たし、前記粘性の液体を満たした凹部に硬性の球体を入れ、透明カバーで前記半球形の凹部の上端面を塞いだことを特徴とする。また、本発明の傾斜角度計は、前記傾斜角度計の本体を水平ではない被傾斜角度測定対象の接地面に取り付ける際、前記傾斜角度計の本体を水平に保つために、傾斜角度調整機構により接続したことを特徴とする。そして、前記傾斜角度調整機構のうち、前記傾斜角度計の設置時の安定性を担保し、かつ構造を単純化した傾斜角度調整機構は、前記半球形の凹部を有する略立方体の前記凹部の平面側に開口を有し、底面は被傾斜角度計測対象との接地面となり、一側面の中央部に略垂直方向の貫通孔を有し、一側面の左右にそれぞれ略垂直方向の貫通孔を有する板状部材であって、螺子状の部材で、前記貫通孔を通じて前記半球形の凹部を有する略立方体又は略円柱体と接続し、前記半球形の凹部を有する略立方体又は略円柱体の前後の水平方向と左右の水平方向の調整が可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、半球形の凹部を有する略立方体であって、前記半球形の凹部の上端面にある円の中心から垂線を下ろした線と底面が交わる点である中心点と、前記半球形の凹部の上端面にある円の直径から垂線を下ろした線と底面が交わる点で表される複数の経線と、前記半球形の凹部の上端面と平行な面が底面と交わる線で表される複数の緯線を前記凹部底面に表示し、前記半球形の凹部に粘性の液体を満たし、前記粘性の液体を満たした凹部に硬性の球体を入れ、透明カバーで前記半球形の凹部の上端面を塞いだ傾斜角度計である。本発明に係る傾斜角度計を、水平面に設置すると最も深い点が前記中心点となり前記硬性の球体は前記中心点に所在するが、前記傾斜角度計を傾斜のある面に設置すると前記傾斜角度計が傾斜することで最も深い点が変わり、前記粘性のある液体の中にある硬性の球体は新たな最も深い点へ緩やかに移動する。そして、移動後の前記硬性の球体の位置を前記経線と前記緯線から測定し、傾斜角度を測ることができる。また、前記粘性の液体が激しいエンジン等の振動下で振動に合わせて動き続ける滑動状態を防ぐため、ジャイロセンサーやオイルバルブ等の構造を要さずに、構造自体を単純化できる。さらに、被傾斜角度測定対象との接地面が傾斜面である場合に、前記傾斜角度計の本体を水平に保ちたいときには、傾斜角度調整機構に接続することで容易に角度調整ができる。そして、前記半球形の凹部を有する略立方体の前記凹部の平面側に開口を有し、底面は被傾斜角度計測対象との接地面となり、一側面の中央部に略垂直方向の貫通孔を有し、一側面の左右にそれぞれ略垂直方向の貫通孔を有する板状部材を、螺子状の部材で、前記貫通孔を通じて前記半球形の凹部を有する略立方体又は略円柱体と接続することで、前記半球形の凹部を有する略立方体又は略円柱体の前後の水平方向と左右の水平方向の調整する傾斜角度調整機構は、前記傾斜角度調整機構のうちの一つであり、三箇所の角度調整ネジで広範囲の傾斜角度の調整ができ、かつ、被傾斜角度測定対象との接地面を広く確保できるため、傾斜角度調整機構の単純化と使用時の安定性を両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
半球形凹型傾斜角度計の斜視図
半球形凹型傾斜角度計の平面図
半球形凹型傾斜角度計の正面断面図
半球形凹型傾斜角度計の右側面図
半球形凹型傾斜角度計の左側面図
傾斜角度を調整した半球形凹型傾斜角度計の右側面図
丸型気泡管の例
チェーンソーに丸型気泡管を取り付けた例(正面図)
ステンレスボールを使用した傾斜角度計の例
オイルダンパーを使用した傾斜角度計の例
【発明を実施するための形態】
【0010】
傾斜角度計の構成について(請求項1)
本発明の傾斜角度計の一実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図1の斜視図に示すように、半球形凹型傾斜角度計本体1は、半球形凹部2を有する略立方体であって、前記凹部表面には、前記半球形凹部2の上端面にある円の中心から垂線を下ろした線と底面が交わる点である中心点10と、前記半球形凹部2の上端面にある円の直径から垂線を下ろした線と底面が交わる点で表される複数の経線と、前記半球形の凹部の上端面と平行な面が底面と交わる線で表される複数の緯線を表示する位置メモリ3を有し、前記半球形凹部2に粘性のある液体4を満たし、金属小球5を前記粘性のある液体4の中に入れ、透明カバー6で前記半球形凹部2の上端面を塞いだものである。当該構成とすることにより、本発明に係る傾斜角度計の接地面が水平である場合には、前記金属小球5は前記半球形凹部2の最も深い点である中心点10に位置し、本発明に係る傾斜角度計の接地面が水平でない場合は、当該傾斜角度計が傾斜することにより、前記半球形凹部2の最も深い点が中心点10から外周方向へズレる。そのため、前記金属小球5は前記粘性のある液体4の中にあるため、中心点10から前記半球形凹部2の新たな最も深い点へ緩やかに移動し、前記金属小球5の移動後の位置を経線と緯線からなる位置メモリ3により把握することで、複合傾斜面の傾斜角度を測定することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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