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公開番号2025064112
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2023173606
出願日2023-10-05
発明の名称無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物及びそれを利用した金属メッキ複合物
出願人共同技研化学株式会社
代理人個人,個人
主分類C23C 18/30 20060101AFI20250410BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】 分散剤を使用せずに、塗料中に形成された金属パラジウムの不安定化要素を克服安定し作業性に優れた、無電解メッキによる金属層の製造に好適な無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物及び無電解メッキ用触媒層の製造方法並びにそれを利用した金属メッキ複合物を提供する。
【解決手段】 (A)酢酸パラジウム及び/又はパラジウムアセチルアセトナート、(B)有機溶媒に可溶性である共役二重結合を有する脱ドープ状態の導電性高分子、(C)アセチルアセトン、及び(D)揮発性還元剤、を含む無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物とした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(A)酢酸パラジウム及び/又はパラジウムアセチルアセトナート、
(B)有機溶媒に可溶性である共役二重結合を有する脱ドープ状態の導電性高分子、
(C)アセチルアセトン、及び
(D)揮発性還元剤、
を含む無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
金属ナノ粒子用分散剤を含有しないことを特徴とする請求項1記載の無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物。
【請求項3】
前記脱ドープ状態の導電性高分子が、脱ドープ状態のポリ(4-アルキル-3-ピロールカルボン酸アルキル)であることを特徴とする請求項1記載の無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物。
【請求項4】
前記揮発性還元剤が、ヒドラジンヒドラートであることを特徴する請求項1記載の無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項記載の無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物を含む、インク組成物。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項記載の無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物又は当該無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物を含むインク組成物から形成されてなる無電解メッキ用触媒層と、
前記無電解メッキ用触媒層の表面に無電解メッキにより形成されてなる金属メッキ層と、
を含む、金属メッキ複合物。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項記載の無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物又は当該無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物を含むインク組成物を、基材の表面に塗布し、塗布層を形成する工程と、
前記塗布層を乾燥し、金属パラジウムと前記脱ドープ状態の導電性高分子からなる塗膜を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、無電解メッキ用触媒層の製造方法。
【請求項8】
前記塗膜を熱処理する工程、をさらに含む、請求項7記載の無電解メッキ用触媒層の製造方法。
【請求項9】
基材と、
前記基材の表面に、請求項1~4のいずれか1項記載の無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物又は当該無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物を含むインク組成物が塗布されてなる無電解メッキ用触媒層と、
を含む、無電解メッキ用触媒層含有基材。
【請求項10】
請求項7記載の方法により、基材表面に無電解メッキ用触媒層を形成する工程と、
前記無電解メッキ用触媒層に、無電解メッキにより、金属メッキ層を形成する工程と、
を含む、
金属メッキ層の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物及びそれを利用した金属メッキ複合物に関し、特に耐熱性に優れる無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物及び金属メッキ複合物に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来の無電解メッキ用触媒層形成技術はパラジウムのナノコロイドを分散剤存在下の水相中で形成し、分散粒子に結合していない分散剤や金属塩として投入したアニオン分及び還元剤の分解残留物、等を透析膜または遠心分離等で極力除去したものを作成し、次いで無電解メッキ基剤との密着性を堅固にするための接着剤を添加していた。ところが、これは極めて繁雑な工程を経由するのみならず、少量の夾雑物を含有するものであった。この現状に鑑みて、金属パラジウムナノ粒子と接着剤成分のみを含有する無電解メッキ用触媒層形成技術を発明することが昨今の環境に優しく、しかも経済的に優れ、更には工業的にも極めて再現性に富む製造技術を業界に提供することができたのでここに特許出願するものである。
【0003】
従来、非導電性基材に無電解メッキ方法により金属メッキ層を形成する場合、非導電性基材に触媒活性を有する無電解メッキ用プライマーを塗布した後、金属メッキを行っていた。例えば、特許文献1は無電解めっき用塗料組成物を開示しており、有機溶媒可溶性の導電性高分子に金属パラジウムナノ粒子分散液を混合して無電解メッキのプライマーとする方法が記載されている。しかしながら、この方法では金属パラジウム分散粒子の比重が約12と大きいので沈降しやすくプライマー用塗料の経時安定性を欠くものであった。また、この塗料には分散剤の含有が必須条件であり当該分散剤がメッキ工程で溶出しやすく、メッキ浴を汚染しやすいものであった。
【0004】
特許文献2は、還元性ポリマー微粒子を用いるパターン化された金属膜が形成されためっきフィルムの製造方法を開示しており、O/W型ポリピロール分散液を転相してW/O型エマルジョンとしたものを接着剤と混合して塗膜化し、これにパラジウムイオンを還元・吸着させるという方法が記載されている。特許文献2記載の方法も同様に大量の分散剤を含有していて克服すべき課題とされている。
【0005】
特許文献3は、基質表面の金属化のためのプライマーとして、パラジウムとペンタン-2,4-ジオンなどのジケトンとの有機金属化合物を含有する無電解メッキ前処理剤を開示している。また、無電解メッキにおいて良く使用される還元剤として、ヒドラジンハイドレートを開示している。しかしながら、特許文献3の組成物では、その段落0033に記載されているように、還元剤の残留物を洗い落として表面を清浄化することが必要であった。
【0006】
特許文献4は、酢酸パラジウムはパラジウムが沈降する問題があったことに鑑み、パラジウムアセチルアセトナートを含む無電解めっき前処理剤を開示している。そして、パラジウムアセチルアセトナートが、無電解めっき液から金属を析出させる際の触媒効果を保持しつつ、有機溶媒に可溶でかつその溶媒中で安定であること、均一に優れた密着性でめっき膜を形成すること、が記載されている。しかしながら、有機溶媒可溶性の導電性高分子にパラジウムアセチルアセトナートを混合して無電解めっき前処理剤とした場合には、パラジウムが凝集し易く、結果としてパラジウムが沈降する問題があった。
【0007】
特許文献1~3の方法は何れも複数の工程を経て無電解メッキ工程の前処理を完成させるもので、極めて煩雑な工程でコスト削減、廃液の減量化、工程簡略化が求められていた。また、特許文献4に示されるパラジウムアセチルアセトナートを用いた場合でも、パラジウムの凝集が起こらない、無電解めっきの前処理剤が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2013-1955号公報
特開2007-270179号公報
特開平4-365872号公報
特開2005-213576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
無電解メッキ用プライマー層で最大の課題は、如何に金属コロイド中に含有する溶出成分、即ち分散剤の量を低減するか、或いは可能であれば分散剤を完全に含有しないものとすることが可能かということであった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、分散剤を使用せずに、塗料中に形成された金属パラジウムの不安定化要素を克服安定し作業性に優れた、無電解メッキによる金属層の製造に好適な無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物及び無電解メッキ用触媒層の製造方法並びにそれを利用した金属メッキ複合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物は、(A)酢酸パラジウム及び/又はパラジウムアセチルアセトナート、(B)有機溶媒に可溶性である共役二重結合を有する脱ドープ状態の導電性高分子、(C)アセチルアセトン、及び(D)揮発性還元剤、を含む無電解メッキ用触媒層形成塗料組成物である。
(【0011】以降は省略されています)

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