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公開番号
2025063442
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-16
出願番号
2023172637
出願日
2023-10-04
発明の名称
リン酸イオン検出センサ、並びにその前処理方法及びその使用方法
出願人
国立研究開発法人物質・材料研究機構
代理人
主分類
G01N
27/416 20060101AFI20250409BHJP(測定;試験)
要約
【課題】生体内のリン酸緩衝系に用いて好適なリン酸イオン検出センサを提供すること。
【解決手段】 Zr系材料よりなる作用電極30と、Ag/AgCl電極、カロメル電極、Hg/HgO電極、鉛電極、貴金属、並びに標準水素電極の何れか1種類から選択された参照電極40と、を備える電気化学センサであって、リン酸イオンを含むリン酸緩衝溶液中に作用電極30を接触させて、測定対象となる電解質溶液と接触する作用電極30表面には、リン酸ジルコニウム層で形成された被覆層を有し、作用電極30を形成するジルコニウムとリン酸ジルコニウムの平衡反応の変化を自然電位変化として測定するように構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
Zr系材料よりなる作用電極と、
Ag/AgCl電極、カロメル電極、Hg/HgO電極、鉛電極、貴金属、並びに標準水素電極の何れか1種類から選択された参照電極と、
を備える電気化学センサであって、
測定対象となる電解質溶液と接触する前記作用電極表面には、リン酸ジルコニウム層で形成された被覆層を有し、
前記作用電極を形成するジルコニウムとリン酸ジルコニウムの平衡反応の変化を自然電位変化として測定するように構成された、
リン酸イオンセンサ。
続きを表示(約 960 文字)
【請求項2】
前記Zr系材料は、純ジルコニウム、並びにZr―Cu、Zr―Ni、Zr―Fe、Zr―Al、Zr―Cr、Zr―Ti、Zr―Sn、Zr―Bi、Zr―Sb、Zr―Mo、又はZr―Nbの何れか1種類以上から選択された二元合金、若しくはZr及びCu、Ni、Fe、Al、Cr、Ti、Sn、Bi、Sb、Mo、又はNbの何れか2種類以上から選択された三元以上の合金の何れかから選択された請求項1に記載のリン酸イオンセンサ。
【請求項3】
前記貴金属は、Ag(銀)、Au(金)、Pt(プラチナ)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Ru(ルテニウム)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、およびこれらの合金の何れかから選択された請求項1に記載のリン酸イオンセンサ。
【請求項4】
前記被覆層は、前記作用電極表面の測定対象となる電解質溶液との接触面に対して、膜厚1nm以上50nm以下で覆われた請求項1乃至3の何れか1項に記載のリン酸イオンセンサ。
【請求項5】
測定対象となる電解質溶液と接触する作用電極表面をリン酸ジルコニウム層で被覆する請求項1乃至4の何れか1項に記載のリン酸イオンセンサの前処理方法であって、
前記作用電極表面を接触させる溶液は、リン酸イオンを0.1mM~100mM含んだリン酸緩衝溶液とし、
前処理温度は0℃以上100℃以下であり、
前処理時間0.1h以上100h以下とする、
リン酸イオンセンサの前処理方法。
【請求項6】
前記作用電極を接触させる溶液は、リン酸イオンを1mM~50mM含んだリン酸緩衝溶液とし、
前処理温度は30℃以上60℃以下であり、
前処理時間1h以上48h以下とする、
請求項5に記載のリン酸イオンセンサの前処理方法。
【請求項7】
請求項1乃至4の何れか1項に記載のリン酸イオンセンサの測定範囲は、0.1mM~20mMであるリン酸イオンセンサの使用方法。
【請求項8】
前記リン酸イオンセンサの測定範囲は、生体内のリン酸イオン濃度範囲である1mM~4mMである請求項7に記載のリン酸イオンセンサの使用方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内のリン酸緩衝系に用いて好適なリン酸イオン検出センサに関する。
また、本発明は、生体内のリン酸緩衝系に用いて好適なリン酸イオン検出センサの前処理方法及びその使用方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
リン酸検出センサは、例えば水質汚濁の問題である富栄養化検出や、生体内のリン酸緩衝系に用いられるが、金属メッキの用途にも用いられる。
湖沼における代表的な水質汚濁の問題である「富栄養化」は、窒素やリンなどの栄養塩類が必要以上に蓄積され、濃度が高くなった状態のことである。富栄養化が進行すると、窒素やリンなどを栄養分とする植物プランクトンなどが異常増殖し、アオコの大量発生や魚介類の大量へい死を引き起こすだけでなく、上水道や農工業用水、水産資源への影響など、水利用の観点からも大きな影響を及ぼすおそれがある。
そこで、湖沼や湾などの閉鎖性水域に注ぎ込む河川へ排出される、窒素およびリンを削減する富栄養化対策が採用されている。湖沼や湾などの閉鎖性水域内にリン酸イオン濃度変化を測定できるセンサを組み込んだデバイスを常駐させることで、連続的に日々の水質汚濁の状態をモニタリングすることが期待できる。
【0003】
他方で、およそすべての生体内作用はpH依存性である。たとえわずかでもpHの変化があると、代謝性アシドーシスやアルカローシスの原因となり、代謝不全が発生する。そこで、生体内の緩衝系は生体内において、pHを極めて狭い範囲内に保ち、細胞内外の影響により生じるpHの変化を最小限に抑える抵抗系として機能することで、代謝を正常に進行させるという重要な役割を演じている。
生体内の緩衝系のうち、細胞内は細胞外と比較してリン酸濃度が高く保たれている関係で、リン酸緩衝系が非常に重要である。したがって、「細胞内で」緩衝作用を発揮する主要分子は「リン酸化物イオン」となる。
この生体細胞内でのリン酸濃度は、典型的には1~50mMである。これに対して、環境省が規定する生活環境の保全に関する環境基準(湖沼)では、環境保全用途で、全燐として0.1mg/L以下となっている。即ち、リン酸イオン検出センサとして測定レンジを検討すると、赤潮対策用のリン酸濃度センサと比較して、生体のリン酸濃度は千倍~十万倍となっている。
【0004】
これまで、リン酸緩衝溶液中のリン酸イオン濃度測定のために、吸光光度法、容量法、原子吸光法、重量法、バイオセンサ法などの測定方法が提案されてきた(例えば、特許文献1、2参照)。
しかし、従来の富栄養化検出に用いられる上記の方法では、以下の課題があった。
(あ)リン酸イオン濃度測定の感度は高いものの、生体内におけるリン酸イオン濃度(1~50mM)が測定範囲外である。
(い)リン酸イオン濃度測定値は、生体内にある他のイオン(例えば塩化物イオンや各種金属イオン)により変化する。
(う)リン酸イオン濃度測定値の解析に大きな装置が必要であり、デバイスとして生体内に組み込めない(連続的に生体内の情報を取得するのが、困難である)。
【0005】
また、生体内に埋入される代表的な金属材料として純TiおよびTi合金、ステンレス鋼、貴金属が挙げられる。このうち、ステンレス鋼はTi系材料や貴金属と比べて耐食性に劣るため、長期間生体内に設置するセンサの生体露出材料としては不適当であるという課題があった。また、貴金属、例えば金、白金、パラジウム等は高価であるという課題があった。Ti系材料は生体適合性に優れ、耐食性も申し分ないが、体液中のカルシウムイオン、リン酸イオンと反応し表面にリン酸カルシウムを析出させるため、金属/金属リン酸塩の平衡反応に別の反応が混在し、自然電位に影響を及ぼすおそれがあるという課題があった。
【0006】
他方で、非特許文献1では、模擬生体液における、チタンとジルコニウムのリン酸カルシウム形成能力における表面特性の違いを検討している。チタンの表面酸化膜は完全には酸化されておらず、比較的反応性が高い。他方、ジルコニウムの表面酸化膜はチタンの表面酸化膜よりも受動的で保護的である。チタン上にはカルシウムもリン酸塩も単独では安定に存在せず、自然にリン酸カルシウムが形成され、チタン上に形成されるリン酸カルシウムは安定しており、保護効果がある。一方、カルシウムはジルコニウム上に取り込まれることはないが、リン酸ジルコニウムはジルコニウム上で容易に形成されるため、安定性と保護性に優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6799236号
特許第4686885号
【非特許文献】
【0008】
Y. Tsutsumi, D. Nishimura, H. Doi, N. Nomura, T. Hanawa, Materials Science and Engineering C, 29 1702-1708 (2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、リン酸イオン検出センサとして使用される電極材料に対する要請としては、測定される電位の変化がリン酸イオン濃度の変化のみに影響されるようにする必要があり、言い替えると、電極表面で他の電気化学反応が生じないようにする必要がある。電極表面での化学反応には腐食反応による金属の溶解ならびに体液中のカルシウムイオンとリン酸イオンの反応によるリン酸カルシウムの形成が考えられる。汎用的な医療用金属材料として、ステンレス鋼は耐食性が懸念され、Ti系材料にはリン酸カルシウムの形成をむしろ加速させる課題が存在する。また、貴金属はPt以外は耐食性に課題が存在し、リン酸カルシウムの形成も抑えられないと共に、高価であるという課題がある。
【0010】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決したもので、生体内のリン酸緩衝系に用いて好適なリン酸イオン検出センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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